JPH0553434U - 軸流型扱胴の扱歯取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扱胴本体の外周面に螺旋状扱歯を取付け、螺
旋状扱歯に、スクリューの外周縁より突出した扱歯を備
えた軸流型扱胴において、扱胴逆転による詰まり解除及
び詰まった被処理物排出を容易、迅速に実行できるよう
にする。 【構成】 扱歯６ｂを扱胴本体５の回転方向前後方向に
揺動自在にスクリュー６ａに取付け、扱胴本体５の正転
状態で扱歯６ｂを被処理物からの外力に抗して起立作用
姿勢に維持するストッパー８を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、扱胴本体の外周面に螺旋状扱歯を取付け、前記螺旋状扱歯に、スク リューの外周縁より突出した扱歯を備えた軸流型扱胴の扱歯取付け構造に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、軸流型扱胴の螺旋状扱歯において扱歯をスクリューに固定していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、被処理物が濡れている時や被処理物量が多い時などに扱室内の被処理 物滞留量が増大して、詰まりにより扱胴の駆動が困難または不能になり、扱胴を 逆転して詰まりを緩くしてから、詰まった被処理物を人為的に排出する必要があ るが、扱歯が固定されているために詰まり解除が不十分になり、扱胴逆転及び被 処理物排出が困難になる場合があった。 本考案の目的は、扱胴逆転による詰まり解除及び詰まった被処理物排出を容易 、迅速に実行できるようにする点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴構成は、扱胴本体の外周面に螺旋状扱歯を取付け、螺旋状扱歯に 、スクリューの外周縁より突出した扱歯を備えた軸流型扱胴において、扱歯を扱 胴本体の回転方向前後方向に揺動自在にスクリューに取付け、扱胴本体の正転状 態で扱歯を被処理物からの外力に抗して起立作用姿勢に維持するストッパーを設 けたことにある。

【０００５】

【作用】

つまり、脱穀時には扱歯はストッパーの作用で自動的に起立作用姿勢に維持さ れているが、扱室内に詰まりが生じて扱胴を逆転すると、揺動自在に取付けられ ている扱歯が詰まった被処理物の押圧作用で自動的に倒伏して、スクリューに対 する扱歯の突出量が減少し、扱歯に対する被処理物の抵抗が小さくなって扱胴逆 転操作が容易になり、かつ、詰まった被処理物の逃げ場が広がって詰まりが緩和 され易くなり、被処理物排出を容易、迅速に実行できる。

【０００６】

【考案の効果】

その結果、被処理物の詰まり解除を容易、迅速に実行できる、メンテナンス性 能において一段と優れた軸流型脱穀装置を提供できるようになった。

【０００７】

【実施例】

全稈投入型コンバインの軸流型脱穀装置を構成するに、図１に示すように、刈 取部から殻稈供給するフィードコンベア１に連通した扱室２をケース内上部に形 成し、扱室２の下方に選別部３を配置し、扱室２から選別部３に殻粒を落下供給 する受網４を設けてある。

【０００８】 扱室２内に扱胴本体５を前後向きの駆動回転軸で取付け、扱胴本体５の外周面 に螺旋状扱歯６を全長にわたってかつ同芯状に取付け、螺旋状扱歯６を形成する に、スクリュー６ａの先端側に多数の扱歯６ｂを適当間隔で突出付設し、扱胴本 体５の駆動回転に伴って螺旋状扱歯６の作用で殻稈を脱穀処理するとともに後方 に移送するように構成してある。扱歯６ｂを支点ピン７により扱胴回転方向前後 方向に揺動自在に取付け、扱胴本体５の正転状態で扱歯６ｂを被処理物からの外 力に抗して起立作用姿勢に維持するストッパー８を設け、扱歯６ｂを正転時に図 ２に示すように起立作用姿勢に、かつ、逆転時に図３に示すように突出量が小さ い倒伏非作用姿勢に自動的に切り換えられるように構成してある。

【０００９】 図１、図４及び図５に示すように、脱穀クラッチ９を介して原動機に連動させ た扱胴用駆動回転軸に大径ギア１０を設け、大径ギア１０と咬合する小径ギア １１を駆動する正逆転切り換え自在な電動モータ１２を設け、扱胴用駆動回転軸 と大径ギア１０の間に電磁式クラッチ１３を設け、電動モータ１２と電磁式クラ ッチ１３のスイッチ１４を正逆転及び停止切り換え自在なシーソー式に形成し、 扱室２に詰まりが生じた時にスイッチ１４の操作により扱胴本体５を低速、高ト ルクで逆転あるいは正転させて、詰まりを解除できるように構成し、電動モータ １２を停止した状態では電磁式クラッチ１３が切り状態に維持されるように構成 してある。 扱室２を形成するケースのうち天板１５を揺動開閉自在に取付け、詰まった被 処理物の排出を容易に実行できるように構成し、天板１５の開閉状態を検出する 第一センサー１６を設けてある。 エンジンの停止状態を検出する第二センサー１７、脱穀クラッチ９の切り状態 を検出する第三センサー１８、扱胴の回転が停止したことを検出する第四センサ ー１９を設け、スイッチ１４、第一ないし第四センサー１６，１７，１８，１９ からの情報に基づいてモータ１２及び電磁式クラッチ１３を操作する制御手段 ２０を設け、エンジンが停止し、脱穀クラッチ９が切れ、扱胴が停止し、天板 １５が開かれている状態でのみスイッチ１４の操作による扱胴正逆転を許容する ように構成してある。

【００１０】 扱胴本体５の後半部において螺旋状扱歯６の隣合う歯部分の間に、複数の攪拌 具２１を互いに周方向や長手方向に位相が異なる状態で配置し、扱胴本体５と一 体回転する攪拌具２１により被処理物を掻き上げて脱穀処理するとともに、被処 理物をほぐして殻粒の回収率を向上するように構成してある。

【００１１】 選別部３に揺動選別手段３ａ、風選用唐箕３ｂ、１番物回収用スクリューコン ベア２２、２番物還元用スクリューコンベア２３を設け、受網４から落下供給さ れる殻粒を揺動選別手段３ａにより処理し、揺動選別手段３ａから落下供給され る殻粒を唐箕３ｂの作用で風選処理し、脱穀粒を１番物回収用スクリューコンベ ア２２からグレンタンクに送るように構成し、選別不十分な２番物を２番物還元 用スクリューコンベア２３から揺動選別手段３ａに戻すように構成してある。

【００１２】 〔別実施例〕 （１）螺旋状扱歯６の具体構造は適当に変更でき、例えばスクリュー６ａを断続 構造にしたり、扱歯６ｂの数や配置を変えるなどが可能である。また、扱歯６ｂ の具体的な取付け構造は適当に変更でき、倒伏非作用姿勢で扱歯６ｂがスクリュ ー６ａに対して完全に引退してもよい。 （２）ストッパー８は構造、配置、その他において適当に変更できる。 （３）本考案は脱穀専用機にも適用でき、適用機種にかかわらず扱胴を逆転する ための具体的構成は適宜選定できる。

【００１３】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】脱穀選別部の縦断側面図

【図２】作用姿勢の扱歯を示す部分図

【図３】非作用姿勢の扱歯を示す部分図

【図４】図１のＡ−Ａ矢視図

【図５】扱胴の正逆転操作系の説明図

【符号の説明】

５ 扱胴本体 ６ 螺旋状扱歯 ６ａ スクリュー ６ｂ 扱歯 ８ ストッパー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 扱胴本体（５）の外周面に螺旋状扱歯
   （６）を取付け、前記螺旋状扱歯（６）に、スクリュー
   （６ａ）の外周縁より突出した扱歯（６ｂ）を備えた軸
   流型扱胴において、前記扱歯（６ｂ）を前記扱胴本体
   （５）の回転方向前後方向に揺動自在に前記スクリュー
   （６ａ）に取付け、前記扱胴本体（５）の正転状態で前
   記扱歯（６ｂ）を被処理物からの外力に抗して起立作用
   姿勢に維持するストッパー（８）を設けてある軸流型扱
   胴の扱歯取付け構造。