以下、本発明に係るコンバインの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に、それぞれ、本実施の形態に係るコンバイン1の左側面図、右側面図及び平面図を示す。
また、図4に、前記コンバイン1の伝動模式図を示す。
図1〜図4に示すように、前記コンバイン1は、走行機体10と、前記走行機体10に連結された左右一対の走行クローラ20と、前記走行機体10に載置されたエンジン25と、前記エンジン25から前記走行クローラ20へ至る伝動経路に介挿されたトランスミッション30と、前記走行機体10に載置された運転部40と、前記走行機体10の前方に連結された刈取部100と、前記刈取部100によって刈り取られた刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置200と、前記脱穀装置200によって生成された穀粒を貯留するグレンタンク50とを備えている。
図1〜図3に示すように、前記運転部40は、前記走行機体10の前部で且つ機体幅方向一方側に配置されている。
なお、本実施の形態においては、機体幅方向一方側及び他方側は、それぞれ、前記コンバイン1の前進方向を向いて右側及び左側を意味する。
前記運転部40は、操縦者が着座可能な運転席41と、前記運転席41の近傍に配置された種々の操作部材とを有している。
図1〜図3に示すように、前記操作部材は、前記コンバイン1の進行方向を変更させる操向操作部材42と、前記コンバイン1の走行速度を変更させる主変速操作部材43及び副変速操作部材44と、前記脱穀装置200の駆動及び停止を切り換え操作する脱穀クラッチ操作部材45と、前記刈取装置100の駆動及び停止を切り換え操作する刈取クラッチ操作部材46と、前記刈取装置100の駆動状態を切り換え操作する切換操作部材600とを含んでいる。
図1〜図3に示すように、前記エンジン25は、前記運転部40の下方の空間を利用して前記走行機体10に支持されている。
図4に示すように、前記エンジン25は、前記運転部40の下方空間において前記走行機体10に支持されたエンジン本体26と、前記エンジン本体26から機体幅方向他方側へ延在された第1出力軸27aと、前記エンジン本体26から機体幅方向一方側へ延在された第2及び第3出力軸27b、27cとを有している。
前記トランスミッション30は、前記エンジン25から作動的に入力される回転動力を変速して、前記一対の走行クローラ20に向けて出力するように構成されている。
図1、図3及び図4に示すように、前記トランスミッション30は、前記エンジン25より前方において前記運転部40の下方に配置されている。
詳しくは、前記トランスミッション30は、前記走行機体10に支持されるミッションケース31と、前記ミッションケース31から機体幅方向他方側へ延在されたトランスミッション入力軸32と、前記トランスミッション入力軸32を介して入力された回転動力を変速する変速機構とを有している。
図4に示すように、本実施の形態においては、前記トランスミッション30は、前記変速機構として、前記主変速操作部材43への操作に応じて無段変速を行う油圧式無段変速装置(HST)等の主変速装置35(図4参照)と、前記主変速装置35から作動的に回転動力を入力して、前記副変速操作部材44への操作に応じて多段変速を行うギヤ式変速装置等の副変速装置(図示せず)とを有している。
なお、本実施の形態においては、前記HST35のポンプ軸が前記トランスミッション入力軸32として作用する。
前記刈取装置100は、前記走行機体10に昇降自在に連結されており、昇降用油圧シリンダ装置60(図1参照)によって高さ調節可能とされている。
なお、前記昇降用油圧シリンダ装置60へは、前記エンジン25に付設される油圧ポンプ28(図4参照)から作動油が供給される。
図1〜図4に示すように、前記刈取装置100は、前記脱穀装置200における扱室201の前部に設けられた扱口に向けて刈取穀稈を送る搬送経路を画するフィーダハウス110と、前記フィーダハウス110内に配設された供給コンベア115と、前記フィーダハウス110の前端に連接された横長バケット状の穀物ヘッダー120と、前記穀物ヘッダー120内に配設された掻込オーガ125と、前記掻込オーガ125の前方且つ上方に配設されたタインバー付きの掻込リール130と、前記掻込オーガ125の前方且つ下方に配設された刈刃140とを有している。
前記供給コンベア115は、搬送方向終端側(後方側)において機体幅方向に沿って配設された刈取入力軸116と、搬送方向始端側(前方側)において機体幅方向に沿って配設された刈取従動軸117と、前記刈取入力軸116に相対回転不能に支持された駆動側回転体118aと、前記刈取従動軸117支持された従動側回転体118bと、前記駆動側回転体118a及び前記従動側回転体118bに巻き回されたコンベア体118cとを有している。
斯かる構成において、前記昇降用油圧シリンダ装置60(図1参照)は前記フィーダハウス110の下面と前記走行機体10との間に介挿されており、前記刈取装置100は、前記昇降用油圧シリンダ装置60によって前記刈取入力軸116回り昇降可能となっている。
なお、図1〜図3に示すように、本実施の形態においては、前記刈取装置100は、さらに、前記穀物ヘッダー120の機体幅方向両側から前方へ延びる左右一対の分草体150を有している。
前記構成により、前記左右一対の分草体150の間の未刈り穀稈は、穂先側が前記掻込リール130によって掻き込まれつつ、稈側が前記刈刃140によって刈り取られる。
前記刈刃140によって刈り取られた刈取穀稈は、前記掻込オーガ125によって前記穀物ヘッダー120内において前記フィーダハウス110の前端開口付近へ集約され、前記供給コンベア115によって前記フィーダハウス110の前端開口から後端開口へ向けて搬送され、前記扱口から前記扱室201内に投入される。
本実施の形態に係る前記コンバイン1は、図1及び図4に示すように、前記供給コンベア115から送られてくる刈取穀稈を前記扱口201aへ送り込むフロントロータ機構160を有している。
前記フロントロータ機構160は、前記供給コンベア115の搬送終端と前記扱口との間において機体幅方向に沿ったフロントロータ駆動軸161と、前記フロントロータ駆動軸161に相対回転不能に支持されたフロントロータ(ビータ)162とを有しており、前記供給コンベア115の搬送終端へ搬送された刈取穀稈は前記フロントロータ162によって前記扱口から前記扱室201内に投入されるようになっている。
図1〜図4に示すように、前記脱穀装置200は、前記走行機体10に立設される機枠によって形成される前記扱室201と、前後方向に沿って配設された扱胴軸210と、前記扱胴軸210によって回転駆動される状態で前記扱室201内に収容された扱胴220と、前記扱胴220の下方に配設された受網230(図1参照)とを備えている。
前記扱胴220は、図1及び図3に示すように、前記扱胴軸210に相対回転不能に支持された扱胴本体221と、前記扱胴本体221の外周面に立設された扱歯222とを有している。
図1及び図3等に示すように、前記扱胴220は、さらに、前記扱胴本体221の前端に設けられた切頭円錐状のコーン体225と、前記コーン体225の外周面に螺旋状に設けられたスクリュー羽根226とを有している。
前記構成により、前記扱口から前記扱室201内に投入された刈取穀稈は、前記扱胴軸210の回転に伴って、前記スクリュー羽根226によって後方へ搬送されて、前記扱胴本体221及び前記受網230の間等によって混練されて脱穀される。
刈取穀稈から脱穀された脱穀物のうち前記受網230の網目開口より小さい穀粒等の脱穀物は、前記受網230から漏下して、下記選別機構250によって選別処理を受ける。
一方、前記受網230の網目開口より大きい藁屑等の脱穀物は、前記扱胴220の搬送作用によって前記扱室201の後方に設けられた排塵口205から排出される。
好ましくは、前記扱胴220の上方には取付角度変更可能な複数の送塵弁(図示せず)が設けられ、前記送塵弁の取付角度を変更することにより前記扱室201内の脱穀物の搬送速度が調整可能とされ得る。
前記脱穀装置200は、さらに、前記受網230から漏下した脱穀物から穀粒を選別する穀粒選別機構250を有している。
図1及び図4に示すように、前記穀粒選別機構250は、前記受網230から漏下された脱穀物に対して比重選別を行う揺動選別体260と、前記揺動選別体260に向けて選別風を供給する選別風供給体280とを有している。
前記揺動選別体260は、前記エンジン25から作動的に伝達される動力によって駆動される揺動選別駆動軸261と、前記揺動選別駆動軸261によって揺動される揺動選別盤265とを有している。
前記揺動選別盤265は、グレンパン、チャフシーブ、グレンシーブ及びストローラック等を含む。
前記選別風供給体280は、前記エンジン25から作動的に伝達される動力によって駆動される唐箕軸281と、前記唐箕軸281によって駆動される唐箕ファン285とを有している。
前記穀粒選別機構250は、さらに、前記揺動選別体260による比重選別作用及び前記選別風供給体280による風選別作用によって脱穀物から選別された穀粒(精粒等の一番物)を集約する一番樋301と、前記一番樋301内に配設された一番コンベア機構310と、前記一番コンベア機構310によって送られてくる一番物を前記グレンタンク50内に搬送する揚穀コンベア機構320と、前記脱穀物から穀粒及び藁の混合物(二番物)を集約する二番樋302と、前記二番樋302内に配設された二番コンベア機構330と、前記二番コンベア機構330によって送られてくる二番物を前記揺動選別盤265の選別始端側へ戻す二番還元コンベア機構340とを有している。
ここで、前記コンバイン1における伝動構造について説明する。
図4に示すように、前記エンジン25の前記第2及び第3出力軸27b、27cは、それぞれ、前記油圧ポンプ28及び冷却ファン29を駆動する。
一方、前記エンジン25の前記第1出力軸27aは、前記走行部材20を駆動する為の走行系回転動力を出力する。
図4に示すように、前記第1出力軸27aは、プーリー伝動機構等の走行系無端体伝動機構400を介して前記トランスミッション入力軸32に作動連結されている。
詳しくは、前記走行系無端体伝動機構400は、前記第1出力軸27aに相対回転不能に支持された駆動側回転体401と、前記トランスミッション入力軸32に相対回転不能に支持された従動側回転体402と、前記駆動側回転体401及び前記従動側回転体402に無端状に巻き回された無端体403とを有している。
前記第1出力軸27aは、さらに、前記脱穀装置200及び前記刈取装置100を駆動する為の作業系回転動力も出力する。
本実施の形態においては、作業系回転動力は、前記唐箕軸281の機体幅方向一方側に相対回転自在に外挿されたパイプ軸500を含む脱穀伝動経路を介して前記脱穀装置200へ伝達され、且つ、伝動方向上流端部が前記脱穀伝動経路に接続された単一の刈取伝動経路を介して前記刈取装置100へ伝達される。
詳しくは、前記唐箕軸281は、前記扱室201を形成する機枠に軸線回り回転自在に支持されており、前記唐箕軸281のうち、前記扱室201を形成する機枠より機体幅方向一方側へ延在された部分(前記唐箕軸281の機体幅方向一方側)に前記パイプ軸500が相対回転自在に外挿されている(図4参照)。
斯かる構成において、前記第1出力軸27aは、プーリー伝動機構等の第1作業系無端体伝動機構410を介して前記パイプ軸500に作動連結されている。
図4に示すように、前記第1作業系無端体伝動機構410は、前記第1出力軸27aに相対回転不能に支持された駆動側回転体411と、前記パイプ軸500に相対回転不能に支持された従動側回転体412と、前記駆動側回転体411及び前記従動側回転体412に無端状に巻き回された無端体413とを有している。
なお、図4に示すように、前記第1作業系無端体伝動機構410には、前記エンジン25から前記脱穀装置200への動力伝達を係脱させる脱穀クラッチ290が介挿されている。
本実施の形態においては、前記脱穀クラッチ290は、前記脱穀クラッチ操作部材45への人為操作に応じて、脱穀クラッチモータ295(下記図8参照)によって係脱されるようになっている。
さらに、本実施の形態に係る前記コンバイン1においては、図4に示すように、前記扱室201の前方で且つ前記扱胴軸210と略同一高さにおいて、機体幅方向に沿った扱胴入力軸510が設けられている。
前記扱胴入力軸510は、前記扱室201の前方に配置された伝動ケース520に軸線回り回転自在に支持されている。
詳しくは、前記扱胴入力軸510は、機体幅方向一方側が前記伝動ケース520から外方へ延在されて、機体幅方向に関し前記運転部40及び前記脱穀装置200の間の間隙に位置し且つ機体幅方向他方側が前記伝動ケース520内に突入された状態で、前記伝動ケース520に軸線回り回転自在に支持されている。
斯かる構成において、前記パイプ軸500は、プーリー伝動機構等の第2作業系無端体伝動機構420を介して前記扱胴入力軸510に作動連結されている。
詳しくは、図4に示すように、前記第2作業系無端体伝動機構420は、前記パイプ軸500に相対回転不能に支持された駆動側回転体421と、前記扱胴入力軸510の機体幅方向一方側に相対回転不能に支持された従動側回転体422と、前記駆動側回転体421及び前記従動側回転体422に無端状に巻き回された無端体423とを有している。
前記扱胴軸210は、図4に示すように、前端部が前記伝動ケース520内に突入されており、前記伝動ケース520内において前記扱胴入力軸510に作動連結されている。
詳しくは、前記扱胴入力軸510の機体幅方向他方側は前記伝動ケース520内で終焉されており、前記伝動ケース内においてベベルギヤ機構530を介して前記扱胴軸210の前端部に作動連結されている。
即ち、前記ベベルギヤ機構530は、前記扱胴入力軸510の機体幅方向他方側に相対回転不能に支持された駆動側ベベルギヤ531と、前記扱胴軸210の前端部に相対回転不能に支持され且つ前記駆動側ベベルギヤ531に噛合された従動側ベベルギヤ532とを有している。
さらに、本実施の形態に係る前記コンバイン1においては、機体幅方向一方側が前記伝動ケース520内において前記扱胴入力軸510の機体幅方向他方側に軸線回り相対回転不能に連結された状態で機体幅方向に延びる作業系伝動軸540が設けられており、前記作業系伝動軸540を介して前記選別機構250に前記エンジン25からの回転動力が伝達されるようになっている。
本実施の形態においては、前記作業系伝動軸540は前記ベベルギヤ機構530を利用して、前記扱胴入力軸510に軸線回り相対回転不能に連結されている。
即ち、前記駆動側ベベルギヤ531には前記扱胴入力軸510の機体幅方向他方側が相対回転不能に挿入されるスプライン孔が設けられており、前記作業系伝動軸540は機体幅方向一方側が前記駆動側ベベルギヤ531のスプライン孔に挿入されることで前記扱胴入力軸510に軸線回り相対回転不能に連結されている。
図4に示すように、前記作業系伝動軸540は、プーリー伝動機構等の第5作業系無端体伝動機構450を介して前記唐箕軸281に作動連結されている。
詳しくは、図4に示すように、前記第5作業系無端体伝動機構450は、前記作業系伝動軸540のうち前記伝動ケース520より機体幅方向他方側へ延在された部分に相対回転不能に支持された駆動側回転体451と、前記唐箕軸281のうち機体幅方向他方側へ延在された部分に相対回転不能に支持された従動側回転体452と、前記駆動側回転体451及び前記従動側回転体452に無端状に巻き回された無端体453とを有している。
斯かる構成において、前記第1作業系無端体伝動機構410、前記パイプ軸500、前記第2作業系無端体伝動機構420、前記扱胴入力軸510、前記ベベルギヤ機構530、前記作業系伝動軸540及び前記第5作業系無端体伝動機構450が脱穀伝動経路を形成している。
なお、本実施の形態においては、図4に示すように、前記唐箕軸281を介して、前記一番コンベア機構310、前記揚穀コンベア機構320、前記二番コンベア機構330、前記二番還元コンベア機構340及び前記揺動選別軸261へ回転動力が作動的に駆動されている。
詳しくは、図4に示すように、前記一番コンベア機構310は、前記一番樋301内に配設された一番コンベア軸311と、前記一番コンベア軸311に設けられた一番コンベア312とを有している。
前記揚穀コンベア機構320は、下端側が前記一番樋301の機体幅方向一方側に連通され且つ上端側が前記グレンタンク50の投入口に連通された揚穀筒325内に配設され、下端側が前記一番コンベア軸311に作動連結された揚穀軸321と、前記揚穀軸321に設けられた揚穀コンベア322とを有している。
前記二番コンベア機構330は、前記二番樋302内に配設された二番コンベア軸321と、前記二番コンベア軸321に設けられた二番コンベア322とを有している。
前記二番還元コンベア機構340は、下端側が前記二番樋302の機体幅方向一方側に連通され且つ上端側が前記揺動選別盤265の選別始端側へ向けて開口された二番還元筒345内に配設され、下端側が前記二番コンベア軸321に作動連結された二番還元軸341と、前記二番還元軸341に設けられた二番還元コンベア342とを有している。
斯かる構成において、前記唐箕軸281の機体幅方向他方側が、コンベア用プーリー伝動機構480を介して前記一番コンベア軸311及び前記二番コンベア軸321の機体幅方向他方側に作動連結されている。
さらに、前記二番コンベア軸321の機体幅方向他方側が、揺動選別用プーリー伝動機構485を介して前記揺動選別軸261の機体幅方向他方側に作動連結されている。
次に、刈取伝動経路について説明する。
刈取伝動経路は、前記脱穀伝動経路から回転動力を取り出して、前記刈取装置100に伝達する。
図4に示すように、本実施の形態においては、前記刈取伝動経路は前記作業系伝動軸540から回転動力を取り出すように構成されている。
詳しくは、前述の通り、本実施の形態に係る前記コンバイン1は前記フロントロータ機構160を有しており、前記作業系伝動軸540から前記刈取装置100へは前記フロントロータ駆動軸161を介して動力伝達されている。
図1に示すように前記フロントロータ駆動軸161は前記作業系伝動軸540より下方で且つ機体幅方向他方側が前記作業系伝動軸540の機体幅方向他方側と機体幅方向に関しオーバーラップするように配置されている。
なお、本実施の形態においては、前記フロントロータ駆動軸161は前記作業系伝動軸540の直下方に配置されている。
斯かる構成において、前記作業系伝動軸540は、プーリー伝動機構等の第3作業系無端体伝動機構430を介して前記フロントロータ駆動軸161に作動連結されている。
図4に示すように、前記第3作業系無端体伝動機構430は、前記作業系伝動軸540のうち前記伝動ケース520より機体幅方向他方側へ延在された部分に相対回転不能に支持された駆動側回転体431と、前記フロントロータ駆動軸161の機体幅方向他方側に相対回転不能に支持された従動側回転体432と、前記駆動側回転体431及び前記従動側回転体432に無端状に巻き回された無端体433とを有している。
前記第3作業系無端体伝動機構430には、前記脱穀伝動経路から前記刈取装置への動力伝達を係脱させる刈取クラッチ190が介挿されている。
本実施の形態においては、前記刈取クラッチ190は、前記刈取クラッチ操作部材46への人為操作に応じて、刈取クラッチモータ195(下記図8参照)によって係脱されるようになっている。
前記フロントロータ駆動軸161は、スプロケット伝動機構等の第4作業系無端体伝動機構440を介して前記刈取入力軸116に作動連結されている。
詳しくは、前記第4作業系無端体伝動機構440は、前記フロントロータ駆動軸161の機体幅方向他方側に相対回転不能に支持された駆動側回転体441と、前記刈取入力軸161に作動連結とされる従動側回転体442と、前記駆動側回転体441及び前記従動側回転体442に無端状に巻き回された無端体443とを有している。
図4に示すように、前記刈取伝動経路には、前記刈取クラッチ190より伝動方向下流側に正逆転切換作動部材174が介挿されており、前記正逆転切換作動部材174によって前記刈取装置100の駆動状態を正転駆動状態及び逆転駆動状態に切り換え得るようになっている。
図5及び図6に、それぞれ、前記コンバイン1における前記フィーダハウス110及び前記伝動ケース520近傍の部分平面図及び部分斜視図を示す。
図7に、図5におけるVIIーVII線に沿った部分断面図を示す。
なお、図7においては、理解容易化の為に前記フィーダハウス110を取り外した状態を示している。
図4及び図7に示すように、本実施の形態においては、前記フロントロータ駆動軸161と前記刈取入力軸116との間に正逆転切換作動部材174を含む正逆転切換機構170が介挿されている。
詳しくは、図4及び図7に示すように、前記刈取入力軸116の機体幅方向他方側において前記刈取入力軸116と同軸上に刈取伝動軸105が配設されており、前記フロントロータ駆動軸161は前記第4作業系伝動機構455を介して前記刈取伝動軸105に作動連結されている。
そして、前記刈取伝動軸105と前記刈取入力軸116との間に前記正逆転切換機構170が介挿されている。
図4及び図7に示すように、前記正逆転切換機構170は、前記刈取伝動軸105に相対回転不能に支持された正転用ベベルギヤ171と、前記正転用ベベルギヤ171と対向するように前記刈取入力軸116に相対回転自在に支持された逆転用ベベルギヤ172と、前記正転用ベベルギヤ171及び前記逆転用ベベルギヤ172の双方に噛合された中間ベベルギヤ173と、前記正転用ベベルギヤ171及び前記逆転用ベベルギヤ172と選択的に連結され得るように両者の間に配置された状態で、前記刈取入力軸116に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された前記正逆転切換作動部材174と、これらを収容する切換ケース176と、基端側が前記正逆転切換作動部材174に作動連結され且つ先端側が前記切換ケース176から外方へ延在された状態で前記切換ケース176に支持された正逆転切換作動軸175とを有している。
前記正逆転切換作動部材174及び前記正転用ベベルギヤ171の対向面には正転用爪クラッチが設けられ、前記正逆転切換作動部材174及び前記逆転用ベベルギヤ172の対向面には逆転用爪クラッチが設けられている。
前記正逆転切換作動軸175は軸線回り回転自在に前記切換ケース176に支持されており、軸線回り一方側及び他方側への回動に応じて前記正逆転切換作動部材174をそれぞれ前記正転用ベベルギヤ171に向かう方向及び前記逆転用ベベルギヤ172に向かう方向へ移動させるように前記正逆転切換作動部材174に作動連結されている。
即ち、前記正逆転切換作動軸175が軸線回り一方側へ回動されると、前記正逆転切換作動部材174が前記正転用ベベルギヤ171に係合されて、前記刈取装置100を正転駆動させる状態となる。
一方、前記正逆転切換作動軸175が軸線回り他方側へ回動されると、前記正逆転切換作動部材174が前記逆転用ベベルギヤ172に係合されて、前記刈取装置100を逆転駆動させる状態となる。
なお、図6及び図7中の符号178は、前記正逆転切換作動軸175の意に反した軸線回り回動を防止するためのディテント機構である。
本実施の形態においては、前記切換操作部材600への人為操作に応じて前記正逆転切換作動部材174が移動されるように構成されている。
詳しくは、図3、図5及び図6に示すように、前記コンバイン1には、前記運転席41の近傍に設けられ、人為操作に応じて刈取正転位置及び刈取逆転位置を取り得る前記切換操作部材600と、前記正逆転切換作動部材174が前記切換操作部材600の操作位置に応じた作動状態をとるように前記切換操作部材600及び前記正逆転切換作動部材174を作動連結するリンク機構610とを有している。
図3等に示すように、本実施の形態においては、前記切換操作部材600は、前記走行機体10の前側且つ機体幅方向一方側に配置された前記運転席41と、前記運転席41より機体幅方向他方側において前後方向に沿って配置された前記フィーダハウス110との間において略垂直に沿った操作軸線600X(図6参照)回り回動可能に配置されている。
一方、前記正逆転切換作動部材174を含む前記正逆転切換機構170は、図5及び図6等に示すように、前記フィーダハウス110より機体幅方向他方側に配置されている。
斯かる構成において、前記リンク機構610は、前記切換操作部材600の下端部に相対回転不能に支持された切換操作アーム611と、前記正逆転切換作動軸175の外方延在部に相対回転不能に支持された切換作動アーム613と、前記切換操作アーム611及び前記切換作動アーム613を連結するように前記フィーダハウス110の上方において機体幅方向に沿って配置されたリンクロッド615とを有している。
斯かる構成の前記コンバイン1においては、前記切換操作部材600を前記操作軸線600X回りに刈取正転位置に位置させると、前記リンク機構610及び前記正逆転切換作動軸175を介して前記正逆転切換作動部材174が前記正転用ベベルギヤ171に係合され、前記刈取伝動経路は正転駆動状態となる。
これに対し、前記切換操作部材600を前記操作軸線600X回りに刈取正転位置から刈取逆転位置へ操作すると、前記切換操作アーム611を介して前記リンクロッド615が機体幅方向に沿って移動され、これにより、前記正逆転切換作動軸175が前記切換作動アーム613を介して軸線回りに回動されて前記正逆転切換作動部材174が前記逆転用ベベルギヤ72と係合され、前記刈取伝動経路は逆転駆動状態となる。
参考として、図6においては、前記刈取伝動経路を正転駆動状態とする際の前記切換操作部材600及び前記リンク機構610を実線で示し、逆転駆動状態とする際の前記切換操作部材600及び前記リンク機構610を破線で示している。
このように、本実施の形態においては、前記刈取入力軸116の駆動回転方向が、前記切換操作部材600への人為操作に応じて切り換わるように構成されている。
そして、前記刈取入力軸116に伝達された回転動力は、図4に示すように、ヘッダー駆動軸121へ伝達される。
詳しくは、図4に示すように、前記穀物ヘッダー120には、機体幅方向に沿ったヘッダー駆動軸121と、前記掻込オーガ125を支持した状態で機体幅方向沿った掻込軸122とが設けられており、前記刈取入力軸116の機体幅方向一方側が前記ヘッダー駆動軸121にヘッダー駆動チェーン460を介して作動連結され、前記ヘッダー駆動軸121が掻込駆動チェーン461を介して前記掻込軸122に作動連結されている。
前記掻込軸122は、前記掻込リール130を支持するリール軸131に作動連結されている。
詳しくは、前記掻込軸122は第1リール駆動チェーン465を介して中間軸466に作動連結され、前記中間軸466は第2リール駆動チェーン467を介して前記リール軸131に作動連結されている。
さらに、前記ヘッダー駆動軸121は、刈刃駆動クランク機構470を介して前記刈刃140にも作動連結されている。
次に、本実施の形態に係る前記コンバイン1の制御構造について説明する。
図8に、前記コンバイン1の制御ブロック図を示す。
本実施の形態においては、人為操作されるアクセルダイヤル等のアクセル操作部材710の人為操作に応じて、前記エンジン25の出力回転数が変更されるように構成されている。
詳しくは、図8に示すように、前記コンバイン1は、制御装置700と、前記エンジン25に燃料を噴射する燃料噴射装置650と、前記アクセル操作部材710と、前記アクセル操作部材710の操作位置を検出するアクセルセンサ710aと、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ25aとを有している。
図8に示すように、本実施の形態においては、前記制御装置700は、本機コントローラ701及びエンジンコントローラ702等の複数のコントローラを有している。
前記複数のコントローラ701、702には、それぞれ、対応するセンサ及びアクチュエータが電気的に接続されており、前記複数のコントローラ701、702はCAN通信バス705を介して互いに電気的に接続されている。
前記各コントローラ701、702は、前記各種センサ等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む演算部(以下CPUという)と、制御プログラムや制御データ等を記憶するROM,設定値等を電源を切っても失われない状態で保存し且つ前記設定値等が書き換え可能とされたEEPROM及び前記演算部による演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM等を含む記憶部とを備えている。
前記制御装置700は、前記アクセル操作部材710の操作位置が目標回転数となるように前記エンジン25の作動制御を行うアクセル制御モードを有している。
図8に示すように、本実施の形態においては、前記燃料噴射装置650は、燃料タンク640からフィルタ(図示せず)を介して燃料を吸い込む燃料供給ポンプ651と、前記燃料供給ポンプ651から圧送される燃料を蓄圧状態で貯留するコモンレール652と、前記コモンレール652内の蓄圧燃料を前記エンジン25の各気筒に噴射する複数のインジェクタ653とを有している。
なお、図8中の符号652aは前記コモンレール652の内圧を検出する圧力センサである。
前記制御装置700は、前記アクセル制御モードの起動時においては、前記アクセルセンサ710aによって検出される設定回転数をエンジン回転数の目標回転数として用いて、前記インジェクタ653を作動させる。
具体的には、前記制御装置700には、ROM等の記憶部に、予め、エンジン回転数とインジェクタ制御量(燃料噴射量)との関係を示す制御データが記憶されており、前記制御装置700は前記制御データを用いて、前記インジェクタ653の作動制御を行う。
即ち、前記制御装置700は、アクセルダイヤル等の前記アクセル操作部材710の操作位置をアクセルセンサ710aから入力して目標エンジン回転数を認識し、前記制御データを用いて算出される前記目標エンジン回転数に応じた燃料噴射量を噴射するように前記インジェクタ653を作動させ、エンジン回転数センサ25aによって検出される実エンジン回転数が前記目標エンジン回転数に一致しているか否かを判断し、両者が一致するように(所定の不感帯内に位置するように)前記インジェクタ653の作動制御を行う。
本実施の形態においては、前記制御装置700は、アクセル制御モードに加えて、アクセル制御モードと選択的に起動されるエコ制御モードを有している。
前記制御装置700は、図8に示すエンジン制御モード切換スイッチ720の操作に応じて、アクセル制御モード又はエコ制御モードの何れかを選択的に起動する。
エコ制御モードの起動時には、前記制御装置700は、前記アクセル操作部材710の操作位置に拘わらず、前記脱穀クラッチ290が係合状態とされている等の所定条件下においてはエンジン回転数が所定の定格回転数(例えば2500rpm)となり、且つ、前記所定条件以外においてはエンジン回転数が所定のエコ回転数(例えばアイドリング回転数1300rpm)となるように、前記エンジン25の作動制御を行う。
本実施の形態に係るコンバイン1においては、前記制御装置700は、さらに、減速制御モードを有している。
前記減速制御モードは前記刈取装置100が逆転駆動状態とされることによって起動され、減速制御モードの起動時においては、前記制御装置700は、エンジン回転数が所定の低速回転数(例えばアイドリング回転数1300rpm)となるように、前記エンジン25の作動制御を行う。
詳しくは、図8に示すように、前記コンバイン1は、前記刈取装置100が正転駆動状態か逆転駆動状態かを検出する切換センサ620を有している。
図5及び図6に示すように、本実施の形態においては、前記切換センサ620は、前記リンクロッド615の機体幅方向に沿った動きを検出するように構成されている。
即ち、前記リンクロッド615には被検出片616が固着されており、前記切換センサ620の検出部621が前記被検出片616の位置に基づき、前記刈取装置100の駆動状態を検出する。
図9に、前記刈取装置100の逆転駆動状態時に前記エンジン25を減速制御する制御フローの一例を示す。
図9に示す例においては、前記制御装置700は、前記切換センサ620からの検出信号に基づき前記刈取装置100が逆転駆動状態か否かを判断する(ステップS10)。
前記刈取装置100が正転駆動状態である場合(ステップS10でNOの場合)には、前記制御装置700は、前記エンジン制御モード切換スイッチ720の操作状態に基づき(ステップS12)、アクセル制御モード(ステップS13)又はエコ制御モード(ステップS14)を起動する。
一方、前記刈取装置100が逆転駆動状態である場合(ステップS10でYESの場合)には、前記制御装置700は、減速制御モードを起動する(ステップS11)。
このように、本実施の形態に係るコンバイン1においては、前記エンジン25から前記刈取装置100への動力伝達を単一の刈取伝動経路によって行い、且つ、前記刈取伝動経路に前記正逆転切換作動部材174を介挿させており、これにより、前記刈取伝動経路の小型化を図りつつ、前記刈取装置100の正転駆動状態及び逆転駆動状態の切換を可能としている。
その上で、前記切換操作部材600又は前記リンク機構610の動きを検出する前記切換センサ620からの信号に基づき前記刈取装置100の駆動状態を検出し、前記刈取装置100が逆転駆動状態とされると、前記エンジン25を減速制御するように構成されており、従って、前記フィーダハウス110内等に詰まった穀稈を取り出す為に前記刈取装置100を逆転駆動する際に、前記刈取装置100の構成部品に過負荷が掛かることを確実に防止乃至は低減できる。
好ましくは、減速制御モードの起動後に、エンジン出力回転数を前記アクセル操作部材710への人為操作に応じて変更するように構成することができる。
具体的には、ステップS11で減速制御モードが起動された後に、前記制御装置700は、サブルーチンS20を起動するように構成され得る。
サブルーチンS20においては、前記制御装置700は、減速制御モードによって設定されている所定低速回転数に相当する操作位置まで前記アクセル操作部材710が操作された否かを判断する(S21)
ステップS21でNOの場合、即ち、前記アクセル操作部材710が操作されていない場合、又は、前記アクセル操作部材710が操作されたものの、その操作位置が減速制御モードによって設定された所定低速回転数に相当する操作位置に達していない場合には、前記制御装置700は、前記減速制御モードの起動を維持し、ステップS10へ戻る。
一方、ステップS21でYESの場合、即ち、前記アクセル操作部材710が所定低速回転数に相当する操作位置まで操作された場合には、前記制御装置700は、減速制御に代えてアクセル制御を起動する(ステップS22)。
その後、前記制御装置700は、前記刈取装置100が正転駆動状態へ移行されるまでアクセル制御を行い、前記刈取装置100が正転駆動状態へ移行されたことを検出すると、ステップS10へ戻る。
斯かる構成によれば、前記刈取装置100の逆転駆動状態時における過負荷を防止した上で、急激なエンジン回転数の変化を起こすこと無く前記刈取装置100の逆転駆動状態での駆動速度を人為操作に応じて変更することができ、前記刈取装置100の逆転駆動状態時における利便性を向上することができる。
図10に、前記刈取装置100の逆転駆動状態時に前記エンジン25を減速制御する制御フローの他例を示す。
図10に示す例においては、前記切換操作部材600が刈取逆転位置に位置されている状態で前記エンジン25が起動された場合にのみ、刈取装置逆転駆動状態時におけるエンジン25の減速制御が実行されるように構成されている。
詳しくは、図8に示すように、前記コンバイン1には、OFF位置、電源ON位置及びSTART位置を取り得るキー操作部材730が備えられている。
前記キー操作部材730が、前記エンジン25を停止させるOFF位置から電源ON位置へ操作されると、前記コンバイン1に備えられる電気部品に電流が供給され、電源ON位置からSTART位置へ操作されると、セルモータ740が回転されて前記エンジン25が起動される。
なお、前記キー操作部材730への人為操作力を解除すると、前記キー操作部材730は自動的にSTART位置から電源ON位置へ戻るようになっている。
前記制御装置700は、前記キー操作部材730がOFF位置から電源ON位置へ操作されると、前記エンジン25を起動して良い状態か否かを判断する(ステップS30)。
ここで、前記刈取クラッチ190及び前記脱穀クラッチ290が解除状態にあることが、前記エンジン起動許可条件の一つとされている。
詳しくは、前記制御装置700は、前記刈取クラッチ190が前記刈取クラッチ操作部材46の操作位置に応じた作動状態となるように前記刈取クラッチモータ195の作動制御を行い、前記脱穀クラッチ290が前記脱穀クラッチ操作部材45の操作位置に応じた作動状態となるように前記脱穀クラッチモータ295の作動制御を行うように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記刈取クラッチ操作部材46及び前記脱穀クラッチ操作部材45は別体とされているが、これらを単一の作業クラッチ操作部材によって形成することも可能である。
この場合、前記作業クラッチ操作部材は、刈取切り・脱穀切り位置、刈取切り・脱穀入り位置、及び、刈取入り・脱穀入り位置を選択的に取り得るように構成される。
斯かる構成において、図10に示す制御フローにおいては、前記制御装置700は、前記キー操作部材730がOFF位置から電源ON位置へ操作されると、エンジン起動許可状態か否かを判断する(ステップS30)。
ステップS30でYESの場合、即ち、エンジン起動許可条件(前記刈取クラッチ190及び前記脱穀クラッチ290が解除状態とされていること等)が満たされている場合には、前記制御装置700は、前記キー操作部材730のSTART位置への操作に応じて、前記セルモータ740を起動して、前記エンジン25の駆動を開始する(ステップS31)。
なお、ステップS30でNOの場合、即ち、エンジン起動許可条件(前記刈取クラッチ190及び前記脱穀クラッチ290が解除状態とされていること等)が満たされていない場合には、前記制御装置700は、例えばモニター等にエラー表示を行う(ステップS40)。
前記制御装置700は、ステップS31での前記エンジン25の駆動開始時点で前記刈取装置100が逆転駆動状態にあったか否かを判断する(ステップS32)。
ステップS32でYESの場合、即ち、前記エンジン25の駆動開始時点で前記刈取装置100が逆転駆動状態にあった場合には、前記制御装置700は前記減速制御を行う(ステップS33)。
その後、前記キー操作部材730のOFF操作等による前記エンジン25の駆動停止信号が入力されているか否かを判断し(ステップS34)、YESの場合には前記エンジン25の駆動を停止し(ステップS35)、NOの場合にはステップS32へ戻る。
一方、ステップS32でNOの場合、即ち、前記エンジン25の駆動開始時点で前記刈取装置100が正転駆動状態にあった場合、又は、前記エンジン25の駆動開始時に前記刈取装置100が逆転駆動状態にあったことにより前記エンジン25が減速制御されている状態において、前記切換操作部材600が刈取逆転位置から刈取正転位置へ操作された場合(ステップS34を経てステップS32へ戻った時点で前記刈取装置100が正転駆動状態へ移行されている場合)には、前記制御装置700は、前記エンジン制御モード切換スイッチ720の操作状態に基づき(ステップS41)、アクセル制御モード(ステップS42)又はエコ制御モード(ステップS44)を起動する。
その後、前記制御装置700は、前記刈取装置100が正転駆動状態から逆転駆動状態へ駆動状態が切り換えられたか否かを判断する(ステップS43)。
ステップS43でYESの場合、即ち、前記刈取装置100が正転駆動状態とされている為に前記制御装置700がアクセル制御又はエコ制御の何れかを起動させている状態において、前記切換操作部材600が刈取正転位置から刈取逆転位置へ操作されたことを認識すると、前記制御装置700は、直ちに、前記エンジン25の駆動を停止する(ステップS35)。
ステップS43でNOの場合、即ち、前記刈取装置100の正転駆動状態が維持されている場合には、前記制御装置700は、前記キー操作部材730のOFF操作等による前記エンジン25の駆動停止信号が入力されているか否かを判断し(ステップS45)、YESの場合には前記エンジン25の駆動を停止し(ステップS35)、NOの場合にはステップS41へ戻る。
このように、図10に示す例においては、前記刈取装置100の正転駆動状態において前記切換操作部材600が刈取正転位置から刈取逆転位置へ操作されると、前記エンジン25が強制的に停止される。
その後、その状態(即ち、前記切換操作部材600が刈取逆転位置に位置されている状態)で、前記エンジン25が駆動開始された場合にのみ、前記制御装置700は、前記エンジン25の減速制御を行う。
斯かる制御フローによっても、前記刈取装置100の構成部品に過負荷が掛かることを有効に防止しつつ、前記刈取装置100を逆転駆動することができる。
さらに、図10に示す制御フローにおいては、前記刈取装置100の駆動回転方向が正転方向から逆転方向へ直接的に切り換わることがない。従って、前記刈取装置100の構成部品の損傷や摩耗等をより防止することができる。
なお、当然ながら、図10に示す例において、ステップS33の後に、図9におけるサブルーチンS20を備えることも可能である。