JPH055324B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は産業ロボツトなど回転機構部分の制御
ケーブルに光フアイバを用いた場合の単線双方向
光フアイバ接続装置の開発に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来の光コネクタ装置A′にあつては、第２，
３図に示すように雌側コネクタ１１′にあつては
雌側ハウジング１１′内に双方向スリツト円筒ば
ね１３′を配設し、更にスリツト円筒ばね１３′内
に固定側フエルール３′を配置している。一方、
雄側コネクタ１２′にも雄側フエルール３″があ
り、雄側コネクタ１２′を雌側コネクタ１１′に装
着する場合には雄側コネクタ１２′のフエルール
３″を双方向スリツト円筒ばね１３′に挿入して両
者を一致させ、雌雄両側の光フアイバ５′，６′を
接続するようにしていた。

処がこの場合は単に２本の光フアイバ５′，
６′を接続するだけであり、例えば産業用ロボツ
トのように一方が回転運動をし、他方が固定して
いるような場合には光フアイバ５′，６′をねじれ
てしまい、使用できないという欠点があつた。

又、回転を可能とした光フアイバのコネクタ装
置としては、例えば、実開昭60−176410号公報に
記載のものがあるが、これは単に光フアイバを接
続しただけのものに過ぎず、接続部分での損失防
止まで考慮されたものではなかつた。

（目的） 本発明は係る従来例の欠点に鑑みてなされたも
ので、その目的とする処は光フアイバの一方を自
由に回転させる事の出来る新規な単線双方向光フ
アイバ接続装置を提供するにある。

（問題を解決するための手段） 本発明は前記目的を達成するために； 固定側ハウジング１内に回転側ハウジング２
を配設する。

固定側ハウジング１に設けた固定側フエルー
ル３と回転側ハウジング２に設けた回転側フエ
ルール４とをハウジング１，２の回転中心にお
いて突き合わせて配置する。

一方のフエルールの突き合わせ面を凹面テー
パ状に形成すると共に他のフエルールの突き合
わせ面を凸面テーパ状に形成する。

回転側フエルール４の中心に回転側光フアイ
バ６を配設すると共に固定側光フアイバ５の中
心に固定側光フアイバ５を配設する。

両フエルール３，４の突き合わせ面において
間隙を設けて両光フアイバ５，６を突き合わせ
て配設する。

両フエルール３，４の外周に乱反射防止用筒
体７を被嵌する。

前記乱反射防止用筒体７の外周にフエライト
筒体９を被嵌し、 そのフエライト筒体９の外周に磁石８を配置
する。

；と言う技術的手段を採用している。

（作用） しかして、 回転側ハウジング２を例えば産業用ロボツト
の回転駆動軸の端末に配設する。

固定側又は回転側から光フアイバ５，６を通
して信号を送る。

この時光フアイバ５，６の一方を回転させて
も固定側光フアイバ５の光軸に回転側固光フア
イバ５，６の光軸が極めて良く一致し、光フア
イバ５，６の接続部分において、極めて小さな
接続損失にて双方向受信が達成された。

（実施例） 以下、本発明を図示実施例に従つて説明する。
固定側ハウジング１は有底円筒状のもので、内部
に回転側ハウジング２が配置されている。固定側
ハウジング１と回転側ハウジング２との間には２
個のラジアルベアリング１５が嵌め込まれてお
り、止め輪にて取付られている。更に、回転側ハ
ウジング２の軸方向の誤差を取るためにスラスト
ベアリング１６が配置されており、固定側ハウジ
ング１の蓋体をボルト締めして行く事によりスラ
ストベアリング１６に締め込み圧力を与えてい
る。固定側ハウジング１の中心には固定側フエル
ール３が取り付けられており、これに対向して回
転側フエルール４が回転側ハウジング２に取り付
けられている。両フエルール３，４の突き合わせ
部分において一方のフエルール（図示実施例では
固定側）の突き合わせ面が凹面テーパ状に形成さ
れており、他方のフエルール（図示、実施例では
回転側）の突き合わせ面がと凸面テーパ状に形成
されて回転軸が一致するように嵌め込まれてい
る。両フエルール３，４の中心には光フアイバ
５，６がそれぞれ挿通されており、突き合わせ面
において１〜3μ（より好ましくは1.5〜2.5μ）の間
隙を設けて配設されている。この光フアイバ５，
６は一軸双方向性のもので、固定側からでも回転
側からでも信号が送れるようになつている。又、
両フエルール３，４は例えば非磁性体であるジユ
ラルミン材にて構成されており、両フエルール
３，４の突き合わせ突出部の外周には例えば非磁
性体である黒色のジユラコンにて形成された乱反
射防止用筒体７が被嵌してある。この乱反射防止
用筒体７の一端と回転側フエルール４との間には
回転を円滑にするためのスラストベアリング１６
が介挿されている。本発明の実施例では乱反射防
止用筒体７の外周にフエライト筒体９が被嵌さ
れ、そのフエライト筒体９の外周に磁石８（図の
実施例では電磁石８）が配設されており、突き合
わせ面に磁界をかけるようになつている。

フエライトはMO・Pe₂O₃を持つ一種のフエリ
磁性体である。

尚、電磁石８の場合は回転体の回転数に比例し
て磁界を強弱調整するように電圧を印加する事も
可能である。

しかして、回転側ハウジング２を例えば産業用
ロボツトの回転駆動軸の端末部分などに取付け、
固定側光フアイバ５から回転側光フアイバ６を通
して制御信号を回転側に送る。固定側から信号を
受けた回転体側ではその指令信号に従つて動作・
運動し、所定量や設定位置の動作確認信号及び動
作完了信号並びに回転側における各部の圧力・温
度等の信号（電気信号から光信号に転換後）を固
定側に送信する。このような信号のやり取りを行
いながら回転側の運動を制御して行くのである
が、光フアイバ５，６の突き合わせ面で回転によ
る光軸のずれが生じたり、乱反射が生じて接続損
失が生じたり、誤動作を起こしたり、信号の伝達
が不十分であつたりするが、本発明では回転中の
光軸のずれが極度に抑制され、単なる固定同士の
接続であるにも拘わらず、接続損失が従来例では
1.4dB程度もあつたものが、より不利な条件であ
る回転−固定間の接続で1.4dB相当乃至それ以下
に接続損失が低下する。これにより、回転側と固
定側の間で送信ミスを生ずる事がほとんどなくな
り、単線双方向光フアイバ接続装置Ａとして完全
なものとなつた。

尚、回転用としてでなく固定型接続装置として
使用する事も勿論可能である。

実施例 本発明に基づいて開発試作されたモデル機に、
20ｍの供試光フアイバ（フアイバ径970/1000μｍ
開口数・約0.5伝達損失・0.2db／ｍ）を適用し、
切断突き合わせ部分に磁場を掛けた場合と、磁場
を掛けなかつた場合の固定側並びに回転側両方の
送・受信機の接続端における示差を測定した処、
磁場を掛けなかつた場合には2.18〜3.2dbであつ
たものが磁場を掛ける事により1.32〜1.4dbに低
下した事が公的試験施設（兵庫県立工業技術セン
タ）の公式テストにおいて確認された。

（効果） 本発明は、叙上のように固定側ハウジング内に
回転側ハウジングを配設し、固定側ハウジングに
設けた固定側フエルールと回転側ハウジングに設
けた回転側フエルールとをハウジングの回転中心
において突き合わせて配置し、一方のフエルール
の突き合わせ面を凹面テーパ状に形成すると共に
他のフエルールの突き合わせ面を凸面テーパ状に
形成してあるので、両フエルールの突き合わせ面
を押し当てると自動的に両フエルールの中心が一
致すると言う利点があり、又、両フエルールの外
周に乱反射防止用筒体を被嵌してあるので、微小
間隔を明けて配設された突き合わせ面から出る光
は極わずかで吸収されてしまい、誤動作の原因と
なる乱反射を防止できるものである。このように
構成した結果、光フアイバの突き合わせ端面にお
けるノイズの発生がほとんど皆無であり、且つ、
接続損失の低減を実現する事が出来ると言う利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図…本発明の一実施例の断面図、第２図…
従来例のフエルール部分の斜視図、第３図…従来
例のコネクタの外観斜視図。 １…固定側ハウジング、２…回転側ハウジン
グ、３…固定側フエルール、４…回転側フエルー
ル、５…固定側光フアイバ、６…回転側光フアイ
バ、７…乱反射防止用筒体、８…磁石、９…フエ
ライト筒体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定側ハウジング内に回転側ハウジングを配
   設し、固定側ハウジングに設けた固定側フエルー
   ルと回転側ハウジングに設けた回転側フエルール
   とをハウジングの回転中心において突き合わせて
   配置し、一方のフエルールの突き合わせ面を凹面
   テーパ状に形成すると共に他のフエルールの突き
   合わせ面を凸面テーパ状に形成し、回転側フエル
   ールの中心に回転側光フアイバを配設すると共に
   固定側フアイバの中心に固定側光フアイバを配設
   し、両フエルールの突き合わせ面において１〜
   3μの間隙を設けて両光フアイバを突き合わせて
   配設し、両フエルールの外周に乱反射防止用筒体
   を被嵌し、乱反射防止用筒体の外周にフエライト
   筒体を被嵌すると共にフエライト筒体の外周に磁
   石を配置してなる事を特徴とする単線双方向光フ
   アイバ接続装置。