JPH0553133U - ジョイント端子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジョイント端子で幹線と電気接続する枝線の
芯線先端が外側へ飛び出すのを防止する。 【構成】 幹線の中間皮剥ぎして露出させた芯線と枝線
の端末皮剥ぎして露出させた芯線とを圧着するジョイン
ト端子において、少なくとも枝線側芯線の先端部に当接
して、内側に向くように矯正して飛び出しを防止する矯
正壁を、バレル部の側壁先端面より内側へ折り曲げて設
けて形成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、幹線と枝線の電線からなる複数の電線を圧着により電気接続するジ ョイント端子に関するもので、特に、該ジョイント端子との圧着部が端末となる 枝線の芯線飛び出しを防止するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の幹線と枝線とを電気接続するジョイント端子は、図６(Ａ)に示 すように、導電性金属板を断面Ｕ形状に湾曲させて構成しており、図７に示すよ うに、幹線２の中間皮剥ぎを行なって露出させた芯線２aと、枝線３の端末皮剥 ぎを行なって露出させた芯線３aとを、図６(Ａ)のジョイント端子１の内部１ａ に挿入し、挿入後にジョイント端子１を公知の圧着装置でかしめ変形することに より、図６(Ｂ)に示すように、端子１の両側バレル部１ｂを湾曲させて、芯線 ２aと３aに圧着し、芯線を相互に電気接触させると共にジョイント端子１と電気 接触させている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したジョイント端子１により圧着する場合、枝線３の芯線３ａの長さは、 短過ぎると端子１への挿入不良となり、幹線２との接続不良が発生する。よって 、通常、端子１より突出する程度の長さになている。この端子１より突出した芯 線３ａの先端は、圧着作業時に押圧力で図７に示すように外側へ飛び出して逆立 つことが多い。

【０００４】 上記ジョイント端子１による幹線２と枝線３との接続部分、およびその前後の 芯線２ａ,３ａが露出した部分は、圧着終了後にテープ(図示せず)を巻いて絶縁 被覆を行っている。 しかしながら、 端子より飛び出した芯線先端がテープを突き 破ってテープを破断させることがあると共に、製品移動中等において外力にあた てテープがずれたり或いは緩んだりすると、芯線３ａの先端がテープより外側へ 露出しやすい。

【０００５】 上記のように、芯線３ａがテープより外部に露出すると、近接配置する他の電 線あるいは端子と接触し、短絡するという事故が発生していた。

【０００６】 本考案は上記した問題を解消せんとするもので、ジョイント端子により電気接 続される枝線の芯線先端がテープを突き破って外部に露出することを防止するこ とを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、幹線の中間皮剥ぎして露出させた芯線と 枝線の端末皮剥ぎして露出させた芯線とを圧着するジョイント端子において、少 なくとも枝線側芯線の先端部に当接して飛び出しを規制する矯正壁を、バレル部 の側壁先端面より内側（中心側）へ折り曲げて設けていることを特徴とするジョ イント端子を提供するものである。

【０００８】 ジョイント端子により、中央部に幹線の芯線を配置し、両側に枝線の芯線を配 置して３本の電線を圧着する場合には、上記矯正壁はバレルの両側壁先端面より 内側へ折り曲げて形成しても良い。あるいは、両側のバレルの上壁から側壁にか けて、その先端を連続的に縮径しながら内側へ突出させる形状としても良い。

【０００９】

【作用】

上記したジョイント端子の先端より折り曲げて形成した矯正壁は、枝線の芯線 先端に当接して内側に向くように矯正して、外側への飛び出しを防止する。よっ て、外側へ飛び出した芯線によるテープ破断およびテープからの飛び出しを確実 に防止することが出来る。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。 図１および図２は第１実施例を示し、ジョイント端子１０は底部１１の両側よ り一対のバレル部１２を備え、バレル部１２の一側壁１２ａの先端部に、中心側 に向けて突出させた矯正壁１３を折り曲げて形成している。該矯正壁１３はやや 前方に傾斜させており、かつ、圧着時に上壁１２ｂとなる部分を除いて側壁１２ ａの全体より突出させている。

【００１１】 上記したジョイント端子１０は、図２に示すように、幹線２の芯線２ａと枝線 ３の芯線３ａとを圧着する際に、上記矯正壁１３が枝線芯線３ａの先端部に位置 するように配置される。よって、枝線の芯線３ａが矯正壁１３に当接して、内側 に向くように矯正され、外側への飛び出しが強制的に規制される。

【００１２】 図３及び図４は第２実施例を示し、該第２実施例のジョイント端子１０’は１ 本の幹線２に２本の枝線３,３’とを圧着するものである。 該ジョイント端子１０’は両側のバレル部１２の先端面より一対の矯正壁１３ ,１３’を中心側へ向けて折り曲げて形成している。

【００１３】 よって、図４に示すように、幹線線２の芯線２ａを中心に挟んで両側に枝線 ３,３’の芯線３ａ,３ａ’を配置して圧着した場合、両側の芯線３ａ,３ａ’の 先端面に当接して飛び出しを規制出来る。

【００１４】 図５は第３実施例を示し、一対のバレル部１２には、その側壁１２ａより上壁 １２ｂにかけて前方へ縮径しながら中心側へ突出する鍔状の矯正壁１３"を設け ている。 これらの矯正壁１３"は先端部を僅かに外側に反らせている。かつ、同 様な形状の矯正壁１３”を底部１１からも突設している。よって、ジョイント端 子１０”の一端部には三方から中心側に向けて鍔状の３つの矯正壁１３”が突出 した構成となっている。

【００１５】 上記矯正壁１３”は先端部を反らせているため、矯正壁１３”の先端で芯線に 損傷を与えることなく、枝線の芯線先端を内側の中心に向けて矯正することが出 来、よって、外側への飛び出しを防止することが出来る。

【００１６】 また、上記第３実施例では、矯正壁１３”により芯線に損傷を与えないため、 幹線２に枝線３を１本圧着する場合にも用いることが出来ると共に、両側および 底部側からも中心に向けて突出した矯正壁１３”を備えるため、２本以上の枝線 を圧着に用いることが出来る。

【００１７】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案のジョイント端子には、電線挿入方向 の一端側に、内側に突出させた矯正壁を側壁先端より折り曲げて形成しているた め、枝線の芯線先端が上記矯正壁に当接して内側に向くように矯正される。よっ て、芯線先端の外側への飛び出しを防止でき、飛び出した芯線によるテープの切 断を防止することが出来る。また、テープが緩んだ場合等において芯線がテープ 外面に突出、露出することを防止することができる。

【００１８】 上記のように、芯線のテープ外への露出を防止できるため、露出した芯線が近 接した電線あるいた端子と短絡する問題を無くすことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１実施例を示す斜視図である。

【図２】 第１実施例のジョイント端子による幹線と枝
線の圧着状態を示す斜視図である。

【図３】 第２実施例の斜視図である。

【図４】 第２実施例のジョイント端子による幹線と枝
線の圧着状態を示す斜視図である。

【図５】 第３実施例の斜視図である。

【図６】 従来のジョイント端子による圧着を示す図面
である。

【図７】 従来の問題点を示す斜視図である。

【符号の説明】

２ 幹線 ２ａ 芯線 ３ 枝線 ３ａ 芯線 １０ ジョイント端子 １２ バレル部 １３ 矯正壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 幹線の中間皮剥ぎして露出させた芯線と
   枝線の端末皮剥ぎして露出させた芯線とを圧着するジョ
   イント端子において、少なくとも枝線側芯線の先端部に
   当接して飛び出しを規制する矯正壁を、バレル部の側壁
   先端面より内側へ折り曲げて設けていることを特徴とす
   るジョイント端子。