JP3085650U

JP3085650U - ケーブル用電気コンタクトの結線構造

Info

Publication number: JP3085650U
Application number: JP2001005763U
Authority: JP
Inventors: 彰亀井; 健吉佐久間; 英明栗原
Original assignee: 株式会社日立インフォメーションテクノロジー
Priority date: 2001-08-31
Filing date: 2001-08-31
Publication date: 2002-05-17
Anticipated expiration: 2007-08-31

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】ケーブル芯線と接触部材の接触不良を防止
し、且つ結線作業の向上を図ること。【解決手段】導通した接触部材５を設けたケーブル用
電気コンタクトにおいて、該接触部材５をケーブル１の
被覆内部に直接挿入し、ケーブル１を挿入した接触部材
５と共に挿入方向と反対側に折曲する。そして、その折
曲されたケーブル１を係止部材７ａ，７ｂによりケーブ
ル１を圧着固定すること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ケーブル芯線と接触部材とを電気的に接続させるケーブル用電気コンタクトに係り、ケーブルの被覆及びケーブル芯線を損傷させることなく、大きな保持力と高い接触圧により当接するケーブル用電気コンタクトの結線構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ケーブル芯線と電気的接続を行う電気コンタクトとしては、コンタクト接触部をケーブルに突き刺して被覆を破り、該コンタクト接触部をケーブル芯線に圧接することで電気的接続を行う構造を有するものがある。また、他の電気コンタクトとしては、ケーブルの被覆を剥離してケーブル芯線を露出し、該ケーブル芯線をコンタクト接触部に巻きつけ、他部材で該コンタクト接触部とケーブル芯線とを圧着することで電気的接続を行う構造を有するものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前者の従来例においては、ケーブルに突き刺したコンタクト接触部とケーブル芯線とは点接触で行われるため、コンタクト接触部の挿入不足等により、容易に接触不良を生ずる虞があった。また、適切に圧接した場合であっても、ケーブルに引抜力が作用した等によりケーブルがぐらついたような場合、コンタクト接触部とケーブル芯線がずれ、接触不良が生ずる虞があった。更に又、上記の不具合を解決しようとして高い接触圧を加えてコンタクト接触部をケーブル芯線に圧接した場合や、ケーブルを強い圧力で圧着固定した場合、ケーブル芯線やケーブル被覆を損傷する虞があった。

【０００４】後者の従来例においては、ケーブルの被覆を剥離してケーブル芯線を露出し、該ケーブル芯線をコンタクト接触部に巻きつけ、該コンタクト接触部がケーブル芯線を圧着する構造であるため、接触面積は上記前者の従来例である圧接接続よりも大きいものの、ケ−ブルの被覆を剥離して露出させるため、作業に手間がかかる上、ケーブルの被覆を露出させる際に、ケーブル芯線を損傷又は切断する虞があった。

【０００５】本考案は、かかる従来例の有する不都合を改善し、ケーブル及びケーブル芯線を損傷することなく、またケーブル被覆の剥離等、結線作業の負担を軽減し、容易に接触部材とケーブル芯線との導通を行うケーブル用電気コンタクトの結線構造を提供とすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような目的達成の為、請求項１に記載の考案では、伝導性を有する接触部材を設け、該接触部材が、ケーブルの被覆内部にケーブルの端部より挿入され、該ケーブルの被覆内部にてケーブル芯線と当接されていることを特徴とする。

【０００７】つまり、請求項１に記載の考案では、ケーブル芯線と接触部材をケーブルに突き刺して被覆を破ることもなく、またケーブルの被覆を剥離してケーブル芯線を接触部材に巻きつけることもなく、接触部材をケーブルの内部に直接挿入し、該ケーブルの内部において結線するようにしたものである。このような構造を採ることにより、ケーブルの被覆やケーブル芯線を傷つけることなく、ケーブル芯線と接触部材の接触面積を拡大し、確実に結線を行うことができる。

【０００８】また、請求項２の考案では、前記ケーブルと、前記ケーブルに挿入された前記接触部材とを、折曲して固定するケーブル固定具が前記ケーブル用電気コンタクトに設けられていることを特徴とする。

【０００９】つまり、請求項２に記載の考案では、接触部材が内部に挿入されたケーブルを外力により折曲することにより、強い引抜力が生じた場合や、仮に固定部がしっかりとケーブルを圧着固定していない場合であっても、折曲部分により、接触部材がケーブルから脱落するのを防止することができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の実施形態について図１から図４に基づいて説明する。

【００１１】図１は、本考案の一実施形態によるケーブル用電気コンタクト(以下「コンタクト」とする。)３を示す。具体的に該コンタクト３は、例えば、略矩形の主体部材４と、この主体部材４に配設したケーブルを結線するための接触部材５と、結合対象物たる被電気コンタクトを結合する結合部材６と、主体部材４の両側部から立設した係止部材７ａ，７ｂと、主体部材４の結合部材６側に設け且つ接触部材５の近傍に設けた台８とからなり、これら全ての部材が一体的に成形されている。

【００１２】上記接触部材５は、図１に示すように断面が略矩形の略Ｌ字形状からなり、一端を結合部材６側に向け、且つその結合部材６に対して略平行に設けた挿入部５ａを有しており、他端が図１に示す主体部材４側に一体的に設けられている。その挿入部５ａは、図２に示すように、ケーブル１をその端部から該ケーブル１の被覆内部に挿入してケーブル芯線２と結線するためのものである。なお、主体部材４には、図１に示すように台８が主体部材４と一体的に設けられている。この台８を設けたことにより、ケーブル１を接触部材５に容易に挿入することができると共に、図３に示すように折曲したケーブル１を確実に保持することができる。また、後述するケーブル１を折曲する際の台としても使用することができる。

【００１３】本来、ケーブルの被覆はケーブル芯線に密着した状態で被覆がされ、弾力性を有する絶縁体が用いられている。そのため、ケーブル１の被覆の伸縮により、接触部材５をケーブル１の被覆内に挿入することができ、ケーブル１の被覆の圧力により、接触部材５はケーブル芯線２とケーブル1の内部において圧接されるので、接触部材５とケーブル芯線２との導通を有効に図ることができる。

【００１４】次に、本実施例によるケーブル用電気コンタクトは、先ず図２の如く、その挿入部５ａにケーブル１を挿入する。そして、図３に示すように、例えば作業者により外力Ａを加え、台８上においてケーブル１を接触部材５と共に、その挿入方向とは反対側に折曲する。この反対側に折曲したケーブル１は、台８の形状(高さ方向)に沿ってクランク状に折曲され、図４に示す如く係止部材７ａ，７ｂにより圧着固定する。

【００１５】このような構造を有することにより、本考案は、ケーブル１に引抜力等の強い外力Ｂが図４に示す如く作用した場合であっても、前記折曲部分により接触部材５がケーブル１より脱落しないような構造となっている。また、台８に沿ったケーブルのクランク部分で接触部材５がケーブル１より脱落しないような構造となっている。更にまた、ケーブル１を圧着固定する係止部材７ａ，７ｂで接触部材５がケーブル１より脱落しないような構造となっている。

【００１６】以上、本考案の一実施形態について説明したが、本考案は本実施形態に限定されるものではなく、また、ケーブル１の種類、挿入方法、固定方法の他、接触部材５の形状、取り付け位置等も種々の変更、変形が考えられる。例えば、接触部材５は本実施例では主体部材４と一体的に設けられているが、別体に設けても良く、台８を設けず、ケーブル１が主体部材４に支持された状態で結線を行っても良い。

【００１７】また、前記実施形態の接触部材５は、平板形状の挿入部５ａを有し、略Ｌ字形状のものを例示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えばケーブル１の形状及び構造等により棒状等の形状でも良く、更には主体部材４から立設した突起状のものでも良い。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によるコンタクトの結線構造は、ケーブルの被覆による伸縮力により高接触圧が得られると共に、接触部材を直接ケーブルの内部に挿入する構造であるため、従来の結線構造に比べ、ケーブル芯線と接触部材の接触面積が格段に大きくなる。その結果、接触不良が低減し、安定した電気的接続が可能となる。

【００１９】また、本考案は、ケーブルの被覆及びケーブル芯線を全く傷つけることなくケーブル芯線と接触部材を結線させることができるため、従来の結線構造のように結線する際にケーブル芯線を損傷又は切断する虞もなく、またケーブルの被覆を剥離する作業が不要となり、従来の結線構造よりも簡単且つ短時間で作業を行うことができる。

【００２０】更に、本考案は、ケーブルと該ケーブルに挿入した接触部材とを折曲する構造を有しているため、従来の結線構造に比べ、強い引抜力等が作用しても接触部材がケーブルから脱落することを防止することができる。

【００２１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態によるケーブル用電気コン
タクトの構造を示した斜視図である。

【図２】図１に示すケーブル用電気コンタクトのコンタ
クト接触片にケーブルを挿入した状態を示した斜視図で
ある。

【図３】図２に示すケーブルを挿入した状態のケーブル
用電気コンタクトに脱落防止加工を施している状態を示
した斜視図である。

【図４】本考案の一実施形態によるケーブル用電気コン
タクトが係止部材により固定されている状態を示した斜
視図である。

【符号の説明】

１ケーブル２ケーブル芯線３コンタクト４主体部材５接触部材５ａ挿入部６結合部材７ａ，７ｂ係止部材８台

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者佐久間健吉神奈川県足柄上郡中井町境456番地株式会社日立インフォメーションテクノロジー内 (72)考案者栗原英明神奈川県足柄上郡中井町境456番地株式会社日立インフォメーションテクノロジー内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項1】ケーブルを結線するためのケーブル用電気
コンタクトの結線構造であって、前記ケーブル用電気コ
ンタクトに、前記ケーブルを結線するための接触部材
と、前記ケーブル用電気コンタクト結合対象物たる被電
気コンタクトを結合する結合部材と、前記接触部材と結
合部材とを導通する主体部材を具備し、前記接触部材
に、前記ケーブルの端部から当該ケーブルを被覆内部に
挿入すると共に、被覆内部にてケーブル芯線と当接する
挿入部を設けた事を特徴とするケーブル用電気コンタク
トの結線構造。
【請求項２】前記ケーブル用電気コンタクトに、前記ケ
ーブルと前記ケーブルを挿入した前記接触部材とを折曲
して保持することを特徴とする請求項１に記載のケーブ
ル用電気コンタクトの結線構造。