JPH055279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、薄形かつ小形化を図り得る軸流送風
機に関する。

ｂ 従来の技術 従来、軸流送風機として各種のものが知られて
おり、一般的には回転翼の中心に電動機を配置
し、この電動機を放射状の支持部材を介してフレ
ームの中心位置に配置するものが知られている。
そして、支持部材の一部にケーブルを配線して電
動機の駆動あるいは制御を行なつている。

第５図は、電動機として永久磁石回転子を有
し、この回転子位置を検出して固定子電流を切換
える方式の直流電動機を用いた軸流送風機であ
る。

この軸流送風機１００は、第５図および第６図
に示すように、フレーム１０１、電動機ケース部
１０２、放射状の支持棒１０３、筒状の軸受ハウ
ジング１０４、電動機１０５および回転翼１０６
とで構成されている。

フレーム１０１は電動機ケース部１０２、支持
棒１０３および軸受ハウジング１０４を一体に形
成していおり、軸受ハウジング１０４の軸線上に
軸受１０７を介して電動機回転軸１０８を支持し
ている。電動機１０５は、電動機回転軸１０８と
同心状に一体に形成された筒状の回転子１０９
と、この回転子１０９の内側で、軸受ハウジング
１０４の外周に設けられた固定子１１０とで構成
されている。回転子１０９の外周面には回転翼１
０６が設けられている。１１１は、電動機１０５
の駆動または制御を行なう回路を設けたプリント
基板であり、これは、基板上に回転子位置検出用
素子１１２（例えばホール素子）を設けている。
この素子１１２は回転子１０９の回転の都度回転
子１０９に固定された回転子磁石１１３の磁束に
感応し、固定子巻線１１４に流れる電流の方向を
切換えるものである。

上記送風機を薄形化したものとして前記回転子
位置検出用素子１１２を前記プリント基板１１１
に寝かせるように取付け、回転子磁石１１３の端
面で回転子位置を検出する構造のものがある。

上記のように軸流送風機を薄形化しようとする
と、前記支持棒１０３や電動機ケース部１０２を
薄くする必要があるが強度的にも、製造上でも限
度があり、飛躍的な薄形化は図れない。また回転
子位置検出用素子を寝かせるようにプリント基板
に取付けた構造では、一定の薄形化は図れるもの
の回転子位置検出用素子１１２の動作を確保する
ため、回転子磁石１１３端面との空〓を小さくす
る必要があつたり、あるいは回転子磁石１１３端
面を内周面と同一磁極に着磁しなければならない
など、その製造上の不都合が多かつた。また以上
の難点を克服して薄形化できたとしても回転翼１
０６と支持棒１０３間の距離が小さくなるため、
いわるサイレン効果による騒音が増大するなどの
欠点があつた。これら欠点を解決すべく本出願人
は、第７図及び第８図に示す構造の軸流送風機を
実願昭60−108261号で提案した。この送風機にお
いては、前記従来例の支持棒１０３を導電体と
し、電動機への給電線および／または制御線とし
て用いると共にモーターケース部１０２と前記プ
リント基板１１１を兼用させたプリント基板１１
５に軸受ハウジング１１６を固定する構成とした
ので、前記従来例に比較して軸流送風機の大巾な
薄形化が可能になつた。

ｃ 考案が解決しようとする課題 しかし、この方法では導電体支持棒１１７の絶
縁のための手段を別途講じる必要があつたり、あ
るいは支持棒１１７をプリント基板１１５にハン
ダ付け又は溶接する必要があり工数が増えるなど
の難点があつた。また、プリント基板１１５の面
積が限られているため、電動機等の駆動あるいは
制御に必要なトランジスタ等の素子を取付けるス
ペースが限られ、配線作業が困難であつた。

本考案は上記課題を解決し、回路の面積を拡大
して、配線作業を容易に行なうことができると共
に、薄形で、かつ小形な軸流送風機を提供するこ
とを目的とする。

ｄ 課題を解決するための手段 本考案は、上記課題を解決するため、枠体を構
成する送風機フレームと、この送風機フレームの
片面に組付けられたプリント回路基板を備え、こ
のプリント回路基板の板面に円周方向の沿つて複
数の通風穴を穿設し、これら通風穴相互間の支持
部を介して通風穴の中心位置に、フアンを駆動す
る電動機を支持すると共に、上記プリント回路基
板の回路を介して上記電動機の駆動および／また
は制御を行なうようにした軸流送風機において、
上記プリント回路基板としてフレキシブル回路基
板を支持板に貼着して用いると共に、このフレキ
シブル回路基板および支持板に上記複数の通風穴
を穿設し、上記フレキシブル回路基板の縁部の少
なく共一部を延長して延設部を設け、この延設部
を上記送風機フレームの内側面側に折曲げて配設
したことにある。

ｅ 作用 電動機は、支持板によつて支持され、かつ、支
持板に装着されたフレキシブルプリント基板の回
路を介して駆動、制御される。フレキシブルプリ
ント基板の延設部は折り曲げて送風機フレームの
内側面側に配設してフレキシブルプリント基板の
面積を拡大することができる。

ｆ 実施例 以下、図示の実施例を参照しながら本考案を詳
細に説明する。

第１図ないし第３図は、本考案の軸流送風機の
一実施例を示し、第１図は組立てた状態を示す斜
視図、第２図は分解斜視図、第３図はフレキシブ
ルプリント基板と支持板を示す斜視図である。

同図において、１は送風機フレーム、２は回転
翼３を取付けた電動機部、４は電動機部２を支持
する支持部材で、これは送風機フレーム１および
電動機部２とネジ等を介して一体に組付けられて
軸流送風機ユニツトを構成する。送風機フレーム
１は、合成樹脂で一体成形され、中央部に電動機
部２が配置される空間が形成されている。５は支
持部材４に貼着されたフレキシブルプリント基板
であり、縁部の一部を延設して、この延設部５ａ
を支持部材４に対し立ち上がらせてある。このフ
レキシブルプリント基板５および支持部材４に
は、円周方向に一定間隔を置いて複数の通風孔６
が穿設されている。

上記電動機部２は支持部材４に一端を固定され
た軸受ハウジング７に軸受８を介して回転軸９が
支持されており、この回転軸９と一体に成形され
た回転子１０を同心状に設けている。この回転子
１０の内周面に永久磁石１１を設け、かつ外周面
に回転翼３を設けている。

１２は回転子１０の内側に同心状に設けられた
固定子で、これは軸受ハウジング７の外周面に固
定子鉄心１３を装着し、これに固定子巻線１４を
巻装してある。

上記フレキシブルプリント基板５には、電動機
の駆動および／または制御のためのパターンが形
成されており、上記延設部５ａにはたとえば電動
機制御用素子等を設ける。

１５は、上記回転子１０の永久磁石１１の磁束
を検出する回転子位置検出素子であり、これは電
動機制御素子１６と共にフレキシブルプリント基
板５に装着されている。

上記構成による軸流送風機によると、フレキシ
ブルプリント基板５を支持板４に貼着して一体に
装着し、このフレキシブルプリント基板５に駆動
および／または制御に必要な素子等を装着する。
そして、支持板４に電動機部２を固定し、送風機
フレーム１に組付け、ネジ止めする。フレキシブ
ルプリント基板５の延設部５ａは、送風機フレー
ム１の角部空間部１ａに挿入する。

ｇ 考案の効果 以上述べたように、本考案による軸流送風機に
よれば、電動機ケース部を省略できると共にフレ
キシブルプリント基板を貼り付ける支持板によつ
て電動機を支持するので、薄形で、かつ小型化を
図ることができる。また、フレキシブルプリント
基板に電動機の駆動および制御に必要な回路を繰
み込むことができるので、制御部等を別途設ける
必要がなく小型化を図ることができる。さらに、
フレキシブルプリント基板を支持板より延長して
形成できるので、回路面積を支持板面積より広く
とることができる。またさらに、電動機容量等に
応じてフレキシブルプリント基板を選択して貼着
できるので、極めて効率的である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、本考案の軸流送風機の
一実施例を示し、第１図は、組付けた状態を示す
斜視図、第２図は、分解した状態を示す斜視図、
第３図は、支持板およびフレキシブルプリント基
板を示す斜視図、第４図は、第１図のＡ−Ａ線矢
視断面図である。第５図ないし第８図は従来の軸
流送風機を示し、第５図および第７図は正面図、
第６図は第５図のＢ−Ｂ線断面図、第８図は第７
図のＣ−Ｃ線断面図である。 １……送風機フレーム、２……電動機部、３…
…回転翼、４……支持部材、５……フレキシブル
プリント基板、６……通風穴、７……軸受ハウジ
ング、１０……回転子、１２……固定子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠体を構成する送風機フレームと、この送風機
   フレームの片面に組付けられたプリント回路基板
   を備え、このプリント回路基板の板面に円周方向
   に沿つて複数の通風穴を穿設し、これら通風穴相
   互間の支持部を介して通風穴の中心位置に、フア
   ンを駆動する電動機を支持すると共に、上記プリ
   ント回路基板の回路を介して上記電動機の駆動お
   よび／または制御を行なうようにした軸流送風機
   において、上記プリント回路基板としてフレキシ
   ブル回路基板を支持板に貼着して用いると共に、
   このフレキシブル回路基板および支持板に上記複
   数の通風穴を穿設し、上記フレキシブル回路基板
   の縁部の少なく共一部を延長して延設部を設け、
   この延設部を上記送風機フレームの内側面側に折
   曲げて配設したことを特徴とする軸流送風機。