JPH0552646U - 移動式スポットクーラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 排気口から排出される熱気が冷気ダクトの冷
気に影響して冷却効率を低下させることのない移動式ス
ポットクーラーを提供すること。 【構成】 コンプレッサー及び熱交換器は空気取り入れ
口４から導入した空気を冷却する。そして、ファンモー
ターはコンプレッサー及び熱交換器が冷却した冷気を、
冷気ダクト５を介して外部に送風する。この時、熱交換
器が発生する熱気は排気口から外部に排出されることに
なるが、排気口に所定の長さの騒音防止機能を備えた排
気ダクト６を設けたことで、排気口が排出する熱気は、
排気ダクトを介して冷気ダクト５に影響を及ぼさない位
置から外部に排出されると共に排気口が発生する騒音は
排気ダクトが相当量吸音遮蔽するので、クーラー周辺の
騒音が減少する。また、排気ダクトは、必要に応じてク
ーラー本体と着脱可能に構成すると共にクーラー本体と
梱包可能な形状に折り畳めるよう構成したことで、移動
或いは梱包時にコンパクトとなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、工場や作業場に設置して作業者を冷房するスポットクーラーに関し 、特に下部にキャスター等を備えた移動式スポットクーラーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

工場や作業所において、製造する製品の品質と生産性を向上させるためには、 製造に直接携わる労働者が自分の仕事に生きがいを見出し、ゆとりをもって作業 することが重要な要因となる。そのために、経営者は労働者に快適な職場環境を 提供しなければならない。しかしなが、工場等の現場の職場環境は、事務職に比 べて空調などの問題で著しく劣っているのが現状である。その原因としては、工 場や作業所が、大型の機械を設置するために大きな空間が必要なため、暖房や冷 房を行なっても効率が悪く、特に夏季の冷房に到っては、機械が発する熱で冷却 効率が著しく低下し、消費するランニングコストの割りには効果が小さいといっ たことがある。そこで、このような、冷却効率の低下を最小限に抑えることを目 的とした、一般に移動式スポットクーラーと称する冷房装置が既に提案されてい る。この移動式スポットクーラーは、通常のクーラーの様に空間全体を冷却する のではなく、労働者が作業を行なう工場や作業所の床にクーラー本体を直接置き 、冷房を必要とする人にダクトによって直接冷気を送風することで、作業者に快 適な冷房環境を与えると共に不必要な空間は冷房しないので冷却効率が高く、ラ ンニングコストが少なく経済的であるとしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の移動式スポットクーラーは、設置式クーラーと比較して多くの特徴を備 えているが、その設置環境によっては次のような問題点があった。それは、通常 の設置式クーラーが壁等の高い位置に設置されるので、クーラーから放出される 冷気と熱気は、冷気は下へ熱気は上へとそれぞれ異なる方向に流れるため、冷気 と熱気が相互に干渉することはなかった。ところが、移動式スポットクーラーは 、その設置場所が床等に直接設置するため、装置の設置環境によっては、排気口 から排出された熱気が冷気ダクトの周辺に流れて冷気ダクトが送風する冷気を暖 めて冷却効率を低下させたり、或いは、排気口から排出された熱気が再度空気取 り入れ口から吸引されて冷却損失を起こすことがあることである。 そこで、本考案は従来の移動式スポットクーラーの問題点を解決するために成さ れたもので、設置環境に影響されることなく、冷却効率の高い移動式スポットク ーラーの提供を目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために成された本考案は、 空気取り入れ口と、コンプレッサーと、ファンモーターと、熱交換器と、冷気ダ クトと、排気口とから成り、工場内の作業場等に配置して作業者を直接冷房する 移動式スポットクーラーにおいて、 上記排気口に、所定の長さの騒音防止機能を備えた排気ダクトを設けたことを特 徴とする移動式スポットクーラー。 排気ダクトの長さは、当該排気ダクトの排気口が排出する熱気が冷気ダクトに 影響を及ぼさない長さに形成すると良い。 排気ダクトは、必要に応じてクーラー本体と着脱可能に構成すると良い。 排気ダクトは、必要に応じてクーラー本体と梱包可能な形状の折り畳めるよう 構成すると良い。

【０００５】

【作用】

本考案の移動式スポットクーラーによれば、 コンプレッサー及び熱交換器は空気取り入れ口から導入した空気を冷却する。そ して、ファンモーターはコンプレッサー及び熱交換器が冷却した冷気を、冷気ダ クトを介して外部に送風する。この時、熱交換器が発生する熱気は排気口から外 部に排出されることになるが、本考案は排気口に、所定の長さの騒音防止機能を 備えた排気ダクトを設けたことで、排気口が排出する熱気は、排気ダクトを介し て冷気ダクトに影響を及ぼさない位置から外部に排出されると共に排気口が発生 する騒音は排気ダクトが相当量吸音遮蔽するので、クーラー周辺の騒音が減少す る。また、本考案の排気ダクトは、必要に応じてクーラー本体と着脱可能に構成 すると共にクーラー本体と梱包可能な形状に折り畳めるよう構成したことで、移 動或いは梱包時にコンパクトとなる。

【０００６】

【実施例】

本考案の移動式スポットクーラーの実施例について図面に基づき説明する。 図１は本実施例の移動式スポットクーラーの斜視図，図２は同正面図，図３は同 左側面図である。 本考案の移動式スポットクーラーは、図に示す如く、図示しないコンプレッサー ，ファンモーター，熱交換器，電源回路及び制御回路の各装置を内蔵したフレー ムに、金属または樹脂のパネルを被装したハウジング１を本体とし、下部四隅に は移動用のキャスターＣが取り付けられている。このハウジング１の前部パネル １ａの上部には、電源スイッチＳと冷房温度設定ダイヤルＤが取り付けられた操 作パネル２が固定され、更に前部パネル１ａの下部には、熱交換器が発生する水 分を蓄積するためのタンク３を着脱可能に装着する水タンク収容室３ａが形成さ れている。また、ハウジング１の左右両側面パネル１ｂ，１ｃ及び背面パネル１ ｄには、それぞれ、ルーバー状の空気取り入れ口４が形成され、外気を熱交換器 に導入するようになっている。更に、ハウジング１の上部パネル１ｅには、エル ボー状の冷気ダクト５と、騒音を吸収・遮蔽する素材から形成された長方体の排 気ダクト６が取り付けられている。これらの冷気ダクト５と排気ダクト６の内、 冷気ダクト５は、胴部５ａを蛇腹状に形成すると共にその先端には冷気送風口５ ｂが形成されている。一方排気ダクト６は下端をアタッチメント６ａを介してハ ウジング１に着脱可能に取り付けられ、更に長方体の四隅には、その長さ方向に 折れ線加工部６ｂが施されている。

【０００７】 次に、本実施例の移動式スポットクーラーの作用・効果について説明する。 まず、操作パネル２の電源スイッチＳをＯＮにして、温度設定ダイヤルＤを任意 の温度に設定する。すると、ファンモータは空気取り入れ口４から導入した外気 を熱交換器に供給する。この時、熱交換器ではコンプレッサーで圧縮されたガス の気化熱が外部から供給された大気を冷却して冷気にする。 この冷気は、冷気ダクト５を介して外部に送風され、移動式スポットクーラーの 周辺を冷房する。この際、熱交換器が外気から奪った熱気も冷気と同様に外部に 排出されるが、本実施例では、ハウジング１の上面に排気ダクト６を設けたこと で、熱交換器が発生する熱気は、排気ダクト６を介して冷気ダクト５のはるか上 方から排出されると共にハウジング１内で発生する騒音は排気ダクト６によって 吸収・遮蔽される。この作用により、熱交換器が発生する熱気は冷気ダクト５や 空気取り入れ口４に悪影響を与えることなく外部に排出されると共にハウジング 内の騒音は排気ダクトの騒音防止機能によって外部にでることを相当量防止する こともできる。従って、本実施例の移動式スポットクーラーは、従来の物に比較 して、冷却効率が極めて高いことは勿論のこと、余分な騒音を防止して使用者に 快適な環境を提供すると共にランニングコストを最小に抑えることができる経済 性も兼ね備えた非常に有益な装置である。また、本実施例では排気ダクト６を、 アタッチメント６ａを介してハウジング１から着脱可能に構成し、更に排気ダク ト６は、折れ線加工部６ｂを介して折り込み可能に構成したことで装置全体をコ ンパクトにするこが可能になった。これにより、移動・設置が容易になるだけで なく、輸送に際してコンパクトに梱包することができるため大量出荷が可能にな り出荷経費を最小に抑えることができる。

【０００８】

【考案の効果】

以上、詳述したように、本考案の移動式スポットクーラーは、空気取り入れ口 と、コンプレッサーと、ファンモーターと、熱交換器と、冷気ダクトと、排気口 とから成り、工場内の作業場等に配置して作業者を直接冷房する移動式スポット クーラーにおいて、排気口に、冷気ダクトに影響を及ぼさない長さの騒音防止機 能を備えた排気ダクトを設け、更に、排気ダクトはクーラー本体と着脱可能に構 成すると共にクーラー本体と梱包可能な形状に折り畳めるよう構成したことで、 従来の移動式スポットクーラーに比較して冷却効率と騒音防止効果が極めて高く 、また経済的である。更に、本考案は移送や輸送に際して、排気ダクトをクーラ ー本体から取り外し、折り畳んで本体と一緒に梱包することができるため大量出 荷が可能になり出荷経費も最小に抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の移動式スポットクーラーの実施例を表
わした斜視図である。

【図２】本実施例の移動式スポットクーラーを表わした
正面図である。

【図３】本実施例の移動式スポットクーラーを表わした
左側面図である。

【符号の説明】

１ ハウジング １ａ 前部パネル １ｂ，１ｃ 側面パネル １ｄ 背面パネル １ｅ 上部パネル ２ 操作パネル ３ タンク ３ａ 水タンク収容室 ４ 空気取り入れ口 ５ 冷気ダクト ５ａ 蛇腹胴部 ５ｂ 冷気口 ６ 排気ダクト ６ａ アタッチメント ６ｂ 折れ線加工部 Ｃ キャスター Ｓ 電源スイッチ Ｄ 温度設定ダイヤル

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気取り入れ口と、コンプレッサーと、
   ファンモーターと、熱交換器と、冷気ダクトと、排気口
   とから成り、工場内の作業場等に配置して作業者を直接
   冷房する移動式スポットクーラーにおいて、 上記排気口に、所定の長さの騒音防止機能を備えた排気
   ダクトを設けたことを特徴とする移動式スポットクーラ
   ー。
2. 【請求項２】 排気ダクトの長さは、当該排気ダクトの
   排気口が排出する熱気が冷気ダクトに影響を及ぼさない
   長さに形成したことを特徴とする請求項第１項記載の移
   動式スポットクーラー。
3. 【請求項３】 排気ダクトは、必要に応じてクーラー本
   体と着脱可能に構成したことを特徴とする請求項第１項
   記載のスポットクーラー。
4. 【請求項４】 排気ダクトは、必要に応じてクーラー本
   体と梱包可能な形状に折り畳めるよう構成したことを特
   徴とする請求項第１項記載の移動式スポットクーラー。