JPH0659412U - 防熱用作業着 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】高温雰囲気下で作業する作業員に適用される作
業着を提供する。 【構成】冷風を噴出させる構造の冷気パイプを内蔵した
作業着に、ドライアイス収納容器とファンを取付け、フ
ァンによりドライアイスの冷気が前記冷気パイプに供給
される構造となっている。 【効果】ドライアイスの冷気で作業着内を冷却するの
で、冷却性能がすぐれている。高温雰囲気下での作業者
の発汗防止と疲労軽減がはかられる。作業能率を向上で
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、高温の作業環境下や高温高熱雰囲気下で作業する作業員に適用さ れる作業着に係り、特に冷却能が高く、かつ作業性の良好な防熱用作業着に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

作業着は工場作業、屋外作業、土木建設作業等の区分に応じ、また、機械作業 、座業、整理作業、運搬作業その他の種別に従って、仕事と動作、およびその環 境に対応するごとく各種設定されているが、特に高温の作業環境下や高温高熱雰 囲気下、真夏の炎天下等での作業は、作業者にとって極めて苛酷であり、作業能 率が低下するのみならず、時には脱水症状を起こしたりする場合もあるため、こ のような悪環境下で使用する作業着としては、できる限り高温高熱から身体を保 護できるものが望まれる。

【０００３】 そこで、従来、上記のような高温高熱の悪作業環境に対応できる作業着が各種 提案されている。それらの作業着は発汗防止と疲労軽減、さらに作業能率の向上 を目的として開発されたもので、作業着自体を内部または外部から冷却できるよ うにしたものが知られている。

【０００４】 例えば、一般にクールスーツと呼ばれている作業着がある。この作業着は、（ イ）後部に取付けたファンで外気を吸引し、その空気を冷却パックで冷却して冷 風となし、その冷風が作業着内を通過して空気孔より身体部に噴出するように作 られたもの、（ロ）渦動理論「旋回気流中心部の温度が周辺部温度より低い原理 」を用いたもので、ベルトで体に固定した冷却器へ圧空をホースで送り、冷却器 で発生した冷風を作業着内部に吹込み、内側の無数の空気孔より冷風を噴出させ るようにしたもの、（ハ）外部に設置した冷却器よりホースで送風し、作業着の 下に装着したチョッキから冷風が吹き出す構造となしたもの等がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記（イ）のクールスーツは、冷却剤として化学反応によって冷たく なる冷媒を使用しているので、高々３℃程度の温度降下しか得られず冷却性能が 劣る。このため、前記のような悪作業環境には十分に対応できないこと、また冷 却パックが比較的大きいためクールスーツがかさばり動作が妨げられること等の 欠点がある。（ロ）のクールスーツは、冷却性能としては（イ）のクールスーツ よりは若干大きいが、ホースで圧空を送気する方式であるため作業性が悪いとい う難点がある。（ハ）のチョッキの場合は、冷却性能としては比較的すぐれてい るが、この場合も（ロ）のクールスーツと同様、ホースで冷風を供給する方式で あるから作業性が悪いという欠点がある。

【０００６】 この考案は、上記した従来のクールスーツの欠点を解消し、冷却性能がすぐれ かつ作業性良好な防熱用作業着を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は、冷却剤として従来の化学反応によって冷たくなる冷媒に替えて、 ４０℃程度の高温雰囲気下でも冷却性能を発揮するドライアイスを用い、このド ライアイスの冷気を供給する方式であり、その要旨は、パイプの内側から外側に 向って冷風の噴出が可能な冷気パイプを内蔵した防熱用作業着であって、前記冷 気パイプに接続されたドライアイスを収納するためのドライアイス収納容器と、 ドライアイスの冷気を冷気パイプに供給するためのファンを備えたことを特徴と する防熱用作業着である。

【０００８】

【作用】

冷風を噴出させる構造の冷気パイプを内蔵した作業着は、冷気パイプに多数の 細孔が設けられており、この細孔から噴出する冷風により作業着内が冷却され、 かつこの冷風が作業着の内部に設けられた通気孔から作業着外に噴出され人体に あたるようになっている。ドライアイスは作業者が負傷しないように安全性を考 慮して容器に収納しかつスポンジ等でくるんでおり、その一端に前記冷気パイプ を接続している。このドライアイス収納容器はファンと一体に装着されるもので 、作業性の点から作業着の後部下端に取付けるのが好ましい。ファンは充電方式 、バッテリー方式、コンセント通電方式のいずれでもよく、作業性を考慮して選 定すればよい。

【０００９】 なお、冷媒にドライアイスを使用したのは、重量が軽い上、比較的少量で大き な冷却性能（周囲の温度に対し５〜１０℃の温度降下）を有し、コスト的にも安 価につき、取扱いも容易であることによる。

【００１０】 この考案に係る防熱用作業着は、ファンを起動させることによりドライアイス の冷気が冷気パイプを通して作業着内に送風されるので、高温高熱の作業環境下 でもすぐれた冷却性能を発揮する。また、ドライアイスは比較的少量ですむため 広いスペースを必要とせず、ファン自体も小型のもので十分であるため、ドライ アイス収納容器とファンをコンパクト化でき、作業着に装着してもかさばらず作 業性が損なわれることがない。

【００１１】

【実施例】

図１はこの考案に係る防熱用作業着の一例を一部破断して示す背面図、図２は 同上の作業着を身に付けた状態を示す側面図であり、１は防熱用作業着、２は冷 気パイプ、３はドライアイス収納容器、４はスポンジ、５はファンである。

【００１２】 冷気パイプ２は防熱用作業着１内に配管され、全体にわたって多数の空気孔が 設けられている。ドライアイス収納容器３は全体をスポンジ４でくるまれており 、その一端に前記冷気パイプ２が接続されている。このドライアイス収納容器３ はファン５と一体的に取付けられており、ファン５によりドライアイスの冷気が 直接冷気パイプ２内に送風されるように構成されている。

【００１３】 上記防熱用作業着の場合は、ファン５を起動させることによりドライアイスの 冷気が直接冷気パイプ２内に供給されるので、作業着内はドライアイスの冷気で 強力に冷やされる。したがって、周囲の温度が非常に高く、暑い場所であっても 発汗が抑えられ、暑気による疲労が著しく軽減される。また、ドライアイス収納 容器３とファン５は防熱用作業着１の後部にコンパクトに収められているためか さばらず、作業に支障をきたすようなこともほとんどない。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は上記のごとく、冷却性能のすぐれたドライアイスの冷気で冷却する 方式であるから、高温高熱の悪作業環境にも十分に対応でき、発汗防止と疲労軽 減がはかられることにより作業者の健康と安全が確保されるとともに、作業能率 の向上もはかられるという効果を奏する。また、ドライアイスとファンは作業着 にコンパクトに装着できるのでかさばらず作業性も良好である。したがって、こ の考案は高温の作業環境や高温高熱雰囲気等の悪作業環境用の作業着として極め て好適であり、有用性に富むものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る防熱用作業着の一例を一部破断
して示す背面図である。

【図２】同上の作業着を身に付けた状態を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 防熱用作業着 ２ 冷気パイプ ３ ドライアイス収納容器 ４ スポンジ ５ ファン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パイプの内側から外側に向って冷風の噴
   出が可能な冷気パイプを内蔵した防熱用作業着であっ
   て、前記冷気パイプに接続されたドライアイスを収納す
   るためのドライアイス収納容器と、ドライアイスの冷気
   を冷気パイプに供給するためのファンを備えたことを特
   徴とする防熱用作業着。