JPH0737061Y2 - 蓄熱式パーソナル空調機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、空調機に係り、特に机等に取り付けて個人的
に使用する蓄熱式パーソナル空調機に関する。

［従来の技術］ 従来、冷温水コイル内蔵ファンコイル式、空冷ヒートポ
ンプパッケージ方式、あるいは水熱源ヒートポンプパッ
ケージ方式等を採用したパーソナル空調機が知られてい
る。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、冷温水コイル内蔵ファンコイル式におい
ては冷温水管及びドレン管が必要であり、空冷ヒートポ
ンプパッケージ方式においては冷媒管及びドレン管が必
要であり、また水熱源ヒートポンプパッケージ方式にお
いては冷却水管及びドレン管が必要であり、いずれの方
式を採用した場合にも配管工事及び配管スペース等が必
要となり、非常に使い勝手の悪い設備となっている。

本考案は、上記の課題を解決するものであって、配管を
要せず、電源コンセントを接続するだけで容易に使用で
きる蓄熱式パーソナル空調機を提供することを目的とす
るものである。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために、本考案の蓄熱式パーソナ
ル空調機は、潜熱蓄熱材と、熱源機器と、前記熱源機器
からの冷温熱を前記潜熱蓄熱材に伝えるヒートパイプと
を具備することを特徴とする。

［作用］ 本考案に係る蓄熱式パーソナル空調機の内部には、潜熱
蓄熱材と、熱源機器と、前記熱源機器からの冷温熱を前
記潜熱蓄熱材に伝えるヒートパイプとが備えられてい
る。そして、夜間には潜熱蓄熱材に冷熱または温熱を蓄
熱し、日中、個人の好みに合わせて蓄熱された冷熱また
は温熱を利用して空調を行う。以上のような構成である
ので、設置にあたっては当該蓄熱式パーソナル空調機を
電源コンセントに接続するだけでよく、配管類を必要と
しない。

［実施例］ 以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。

第１図は本考案に係る蓄熱式パーソナル空調機（以下、
単に空調機と称す）の正面及び内部を示す図、第２図は
上面図であり、図中、１は空調機、２は潜熱蓄熱材（以
下、PCMと称す）、３は熱源機器、４はヒートパイプ、
５はドレンタンク、６は操作パネル、７は吹き出し口、
８は吸い込み口、９は放熱用吸い込み口、10は放熱用吹
き出し口、11は制御装置、12はファンを示す。

空調機１の内部の所定の空間にはPCM2が充填されてお
り、また他の所定の空間には、ペルチェ素子または直膨
コイル等からなる熱源機器３が組み込まれている。そし
て、PCM2と熱源機器３に渡ってヒートパイプ４が組み込
まれている。

制御装置11は空調機１の動作を制御するものであり、少
なくとも次のような制御を行う。

夜間、予め設定されている時刻になると、制御装置11は
熱源機器３を駆動する。例えば、熱源機器３としてペル
チェ素子が使用されている場合には当該ペルチェ素子に
電流を供給する。これによって熱源機器３は吸熱あるい
は放熱の動作を行う。熱源機器３の温度はヒートパイプ
４によってPCM2に伝達され、PCM2は冷却あるいは加熱さ
れる。

このようにして夜間の所定時間にPCM2に対して冷熱ある
いは温熱が蓄熱される。蓄熱時に熱源機器３から発生す
る排熱は放熱用吹き出し口10から室内に放出される。

日中は、個人の好みに合わせて操作パネルを操作し、パ
ーソナル空調を行う。即ち、制御装置11は、吹き出し口
７から送風する風量、温度等を操作パネル６で設定され
た値に制御する。

なお、制御装置11は、冷房時には吸い込み口８から取り
込んだ空気をPCM2で冷却して吹き出し口７から冷風を送
風し、暖房時には吹き出し口７から取り込んだ空気をPC
M2で加熱して吸い込み口８から温風を送風するように制
御する。また第１図において、ファン12は空気の吸い込
み、及び吹き出しのためのものである。

空調時に発生したドレン排水は、空調機１の下部に設け
られているドレンタンク５に貯留し、夜間の蓄冷時にコ
ンデンサ（図示せず）にて加熱、蒸発させ、放熱用吹き
出し口10より室内に放出する。なお、放出された熱及び
水蒸気はメイン空調の予冷時に処理する。

本考案に係る蓄熱式パーソナル空調機は、第３図に示す
ように、吹き出し口７、吸い込み口８が利用者16に対向
するように、事務室内の机15の背面等に設置するのが望
ましい。なお、第３図中、17は冷房時の冷風の吹き出し
を示し、18は暖房時の温風の吹き出しを示し、19は放熱
用吹き出し口10からの排熱の様子を示している。

以上、本考案の一実施例について説明したが、本考案は
上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可
能であることは当業者に明らかである。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、パイ
プレス化を可能とし、電源コンセントに接続するだけで
パーソナル空調を行うことができる。また、潜熱蓄熱材
を備える蓄熱式であるので、夜間空調を行っていない時
間帯に冷温熱を蓄熱することが可能となり、その結果、
空調設備容量の低減、及び電力料金の低減が見込まれ
る。

更に、蓄熱式のため、必要なときに大容量の冷風を取り
出すことが可能となる。例えば、外出先から帰社した時
など涼みたいときに大容量の冷風を用いて急速に涼を得
ることができるものである。

そして更に、PCMを使用することにより、パーソナル空
調機のコンパクト化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る蓄熱式パーソナル空調機の正面及
び内部を示す図、第２図は本考案に係る蓄熱式パーソナ
ル空調機の上面図、第３図は本考案に係る蓄熱式パーソ
ナル空調機の設置態様の例を示す図である。 １……空調機、２……潜熱蓄熱材、３……熱源機器、４
……ヒートパイプ、５……ドレンタンク、６……操作パ
ネル、７……吹き出し口、８……吸い込み口、９……放
熱用吸い込み口、10……放熱用吹き出し口、11……制御
装置、12……ファン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】潜熱蓄熱材と、熱源機器と、前記熱源機器
   からの冷温熱を前記潜熱蓄熱材に伝えるヒートパイプと
   を具備することを特徴とする蓄熱式パーソナル空調機。