JPH0551127U - 衣服吊持回転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 前後の間隔が狭いレールを使用しても、衣服
をハンガーバーに直交する方向に吊持することができ、
多くの衣服を吊持することができる安価な衣服吊持回転
装置を提供すること。 【構成】 無端の上下レール間に複数のハンガー枠を摺
動自在に走行すると共に、ハンガー枠相互をリンクで連
結した衣服吊持回転装置において、前記ハンガー枠の左
右辺部に左右両アームの後端を取付け、ハンガー枠から
外方へ突出した左右両アームの前端部間にハンガーバー
を架設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、多数の衣服を吊持し、順送りに回転して所望の衣服を手元に移動さ せる衣服吊持回転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

左右を弧状に弯曲し、中間部を直線状にした無端の上下レール間に複数のハン ガー枠を摺動自在に装着すると共に、ハンガー枠相互をリンクで連結した衣服吊 持回転装置にあっては、前記レールにおける直線状の中間部の間隔をほぼ６０ｃ ｍとし、ハンガー枠の左右辺部に架設したハンガーバーにハンガーを吊り下げる 横吊り式のもの、例えば実開平２−３６３３３号と、前記レールにおける直線状 の中間部の間隔をほぼ２５ｃｍ〜４０ｃｍとし、ハンガー枠に架設したハンガー バーに前後方向のアームを設け、このアームにハンガーを吊り下げる縦吊り式の もの、例えば実願平２−１０８４７２号とがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような公知の衣服吊持回転装置において、横吊り式の場合は多数の衣服を 収納できるが、レールの前後の間隔が広くなり、装置全体の前後の奥行きが大き くなる欠点がある。また縦吊り式の場合は、レールの前後の間隔を狭くして装置 全体の前後の奥行きを小さくすることができるが、収納量が少ないという問題点 がある。更にレールは前後の幅の広いものと狭いものとを必要とするため、製造 原価が高額となる欠点があった。

【０００４】 本考案の目的は、前後の間隔が狭いレールを使用しても、衣服をハンガーバー に直交する方向に吊り下げること、即ち横吊りすることができ、多くの衣服を吊 持収納することができる安価な衣服吊持回転装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案の衣服吊持回転装置は上記の目的を達成するために、無端の上下レール 間に複数のハンガー枠を摺動自在に装着すると共に、ハンガー枠相互をリンクで 連結した衣服吊持回転装置において、前記ハンガー枠の左右辺部に左右両アーム の後端をそれぞれ取付け、ハンガー枠から外方へ突出した左右両アームの前端部 間にハンガーバーを架設したことを特徴とするものである。

【０００６】 前記ハンガー枠の左右辺部を断面Ｃ型に形成し、その上下全長に亘って内設さ れたナット受け溝にナットを挿入し、これにアームの後端を貫通させた止めネジ を螺合することにより、アームを左右辺部に昇降自在に取付けると良い。

【０００７】 またその場合、左右両アームの後端に上下一対の切欠き孔を形成し、該切欠き 孔に止めネジを貫通させ、これをナット受け溝内のナットに螺合させることもあ る。

【０００８】 更に上下両アームの後部の上下縁に、上下一対の切欠き孔を前後方向に間隔的 に形成し、該適宜位置の上下一対の切欠き孔にそれぞれ止めネジを貫通させ、こ れをナット受け溝内のナットに螺合させることもある。

【０００９】

【作用】

図６のように上下レールの前後の間隔Ｌ１が狭くても、ハンガーバー２７をハ ンガー枠７から外側に突出状態で架設するときは、ハンガーバー２７から下レー ル１，及び上レール２の前後方向の中間位置までの間隔Ｌ２が大きくなるため、 前側に吊り下げた衣服と後側に吊り下げた衣服とが衝突したり、擦れ合ったりす ることがない。

【００１０】 またハンガー枠の左右辺部を断面Ｃ型として全長に亘ってナット受け溝を形成 し、この溝に挿入したナットに、アームの後端を貫通させた止めネジを螺合する ときは、ハンガー枠に対し、ハンガーバーを任意の高さに調節できるのである。

【００１１】 左右両アームの後端に上下一対の切欠き孔を形成するときは、止めネジをナッ トに仮止めした状態でアームの脱着が可能である。

【００１２】 左右両アームの後部の上下縁に、上下一対の切欠き孔を前後方向に間隔的に形 成するときは、適宜位置の上下一対の切欠き孔を選択するすることにより、ハン ガーバーのハンガー枠からの前方への突出量を加減できるのである。

【００１３】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図１は、本考案による衣服吊持回転装置の全体を示す斜視図であり、無端の下 レール１は前後の直線部と左右の半円弧状の弯曲部とよりなる全体ほぼ楕円形状 で、且つ断面形状はＵ字型である。また無端の上レール２は前後の直線部と左右 の半円弧状の弯曲部とよりなる全体ほぼ楕円形状で、且つ断面形状は逆Ｕ字型で ある。

【００１４】 また上記下レール１は、前後に昇降用アジャスタ３を設けた左右の下部支持板 ４上に支持され、上レール２は左右の上部支持板５により支持されている。この 上部支持板４と下部支持板５とを支柱６で連結することにより、両レール１，２ は一定間隔を保って水平状態で対設されている。

【００１５】 これら下レール１と上レール２との間には５個の縦長矩形のハンガー枠７が、 それぞれ摺動自在に装着されている。このハンガー枠７は、断面Ｃ型の上下辺部 ７ａ，７ａと左右辺部７ｂ，７ｂとの各端部をエルボ７ｃにより連結したもので あり、図４，図５に示すように、上辺部７ａの上面と下辺部７ａの下面には内部 のナット受け溝８に通ずる開口部９を形成し、図２，図３に示すように、左右辺 部７ｂ，７ｂの内側面には内部のナット受け溝１０に通ずる開口部１１を形成し ている。また開口部１１の下部にはナット嵌入口（図示せず）を形成している。

【００１６】 上記上下辺部７ａ，７ａのナット受け溝８には、予め４個のナット１２を嵌入 し、これらに螺合する止めネジ１３により左右一対の軸受け１４を固定する。下 辺部７ａの軸受け１４には下レール１内を転動する一対のキャスタ１５の取付け 軸１６を回転自在に嵌着し、上辺部７ｂの軸受け１４には上レール２内を転動す る一対の上部振れ止めローラ１７の取付け軸１８を回転自在に嵌着している。

【００１７】 また下レール１内に転動自在に嵌合したキャスタ１５の取付け軸１６には、図 ５に示すように下部リンク１９の端部に設けた透孔２０を遊嵌し、上レール２内 に転動自在に嵌合した上部振れ止めローラ１７の取付け軸１８には、図４に示す ように上部リンク２１の端部に設けた透孔２２を遊嵌することにより、各ハンガ ー枠７の上下を連鎖状に連結している。

【００１８】 前記左右辺部７ｂ，７ｂのナット受け溝１０には、予め複数個のナット１２を 上下に摺動自在に嵌合し、このナット１２に螺合した止めネジ２３を、左右一対 のアーム２４，２４の後端に設けた上下一対の切欠き孔２５，２５に嵌合してア ーム２４，２４を左右両辺部７ｂ，７ｂに固定し、その前端に設けた軸受け２６ にハンガーバー２７の左右両端を嵌合すると共に、この部分を止めネジ２８によ り固定している。即ち、ハンガーバー２７はハンガー枠７から外側へ突出した状 態で架設されるのである。

【００１９】 上記左右両アーム２４，２４の切欠き孔２５，２５に代え、両アーム２４，２ ４の後端に上下一対の透孔を穿設したり、上下の一方を開口部１１に嵌合する回 転防止用突起にすることもある（図示せず）。また図３に鎖線で示すように、ア ーム２４，２４の上下縁に一対の切欠き孔２５，２５を前後方向に間隔的に形成 し、この切欠き孔２５，２５の選択により、ハンガーバー２７の外側への突出量 を加減するように構成することもある。

【００２０】 上記ナット１２は、ナット受け溝８，１０内を回動することなく摺動し得るよ うに、前面に突部１２ａを設け、これをリップ部９，１１に摺動自在に嵌合して いる。またナット１２の背面には弾性部１９を設け、これをナット受け溝８，１ ０の内壁面に当接することにより、ナット１２がナット受け溝８，１０内を盲動 しないように形成している。また軸受け１４の止めネジ１３は、キャスタ１５及 び上部振れ止めローラ１７が左右に移動しないように、先端をナット受け溝８の 内壁面にねじ込んでいる。

【００２１】 なお図１において、符号２９のハンガーバーは、アーム２４，２４を使用しな いでハンガー枠７に架設したものである。

【００２２】

【効 果】

本考案によれば、ハンガーバーがハンガー枠の外側位置に架設され、ハンガー バーから上下レールにおける内側中央までの間隔が大きくなるため、上下レール における前後方向の間隔が狭い縦吊り式のものにあっても、衣服を横吊りし、衣 服を多数吊持することがでのるのである。またレールの前後の間隔を狭くするこ とにより、装置全体の奥行きを小さくすることができる。しかも、従来のような 前後間隔の広いレールが不要となるため、製造原価を低減することができると共 に、製品管理も容易となる。

【００２３】 また請求項２のように、ハンガー枠の左右辺部に断面Ｃ型のナット受け溝を形 成し、この受け溝内に嵌合したナットに左右両アームの止めネジを螺合するとき は、衣服の丈とか使用者の身長により、ハンガーバーを任意の高さに容易に移動 することができる。

【００２４】 請求項３のように、左右両アームに上下一対の切欠き孔とか透孔を形成すると きは、止めネジをナットに緩く螺合した状態でアームの取付けができるので、組 み立て作業が容易であり、またハンガーバーの離脱も容易である。しかもアーム の上下両端が左右辺部に確実に固定されるため、ハンガーバーに大きな荷重が加 えられても、下方へ滑り落ちることがない。

【００２５】 請求項４のように、左右両アームの後端の上下両縁に上下一対の切欠き孔を前 後方向に間隔的に形成するときは、適宜位置の上下一対の切欠き孔を選択するす ることにより、ハンガーバーのハンガー枠からの前方への突出量を加減し、肩幅 の異なる衣服も容易に吊持できる。

【００２６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】同上実施例における要部の横断面図

【図３】同上要部の縦断面図である。

【図４】同上実施例における上部振れ止めローラの取付
け状態を示す縦断面図

【図５】同上実施例におけるキャスタの取付け状態を示
す縦断面図

【図６】同上実施例の説明図

【符号の説明】

１ 下レール ２ 上レール ６ 支柱 ７ ハンガー枠 ７ａ 上下辺部 ７ｂ 左右辺部 １０ ナット受け溝 １２ ナット １９ 下部リンク ２１ 上部リンク ２３ 止めネジ ２４ アーム ２５ 切欠き孔 ２７ ハンガーバー

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端の上下レール間に復数のハンガー枠
   を摺動自在に装着すると共に、ハンガー枠相互をリンク
   で連結した衣服吊持回転装置において、前記ハンガー枠
   の左右辺部に左右両アームの後端をそれぞれ取付け、ハ
   ンガー枠から外方へ突出した左右両アームの前端部間に
   ハンガーバーを架設したことを特徴とする衣服吊持回転
   装置。
2. 【請求項２】 ハンガー枠の左右辺部を断面Ｃ型に形成
   し、その上下全長に亘って内設されたナット受け溝にナ
   ットを挿入し、これにアームの後端を貫通させた止めネ
   ジを螺合することにより、アームを左右辺部に昇降自在
   に取付けた請求項１記載の衣服吊持回転装置。
3. 【請求項３】 左右両アームの後端に上下一対の切欠き
   孔を形成し、該切欠き孔に止めネジを貫通させ、これを
   ナット受け溝内のナットに螺合させた請求項２記載の衣
   服吊持回転装置。
4. 【請求項４】 上下両アームの後部の上下縁に、上下一
   対の切欠き孔を前後方向に間隔的に形成し、該適宜位置
   の上下一対の切欠き孔にそれぞれ止めネジを貫通させ、
   これをナット受け溝内のナットに螺合させた請求項２記
   載の衣服吊持回転装置。