JPH0236333B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、帯状板材からブランクを切り出す切
断プレス装置に関するものである。

（従来の技術） 昨今、帯状板材から製品となる素材（ブラン
ク）を切り出すブランキングラインでは、加工能
率を向上させるため、夫々切断刃を備えた１対の
ブランクダイを帯状板材の供給方向に向けて連装
し、このブランクダイにより帯状板材を所定の形
状寸法に剪断する形式の切断プレス装置が多用さ
れている。このような切断プレス装置において
は、帯状板材から寸法諸元の異なる梯形、矩形等
のブランクを多種得ようとする場合、ロツト毎に
両ブランクダイの位置決めをしてダイセツトする
ものである。

従来、このような切断プレス装置としては、ブ
ランクの寸法に合わせて切断刃の相互間隔を計測
しつつブランクダイを移動させるもの、あるい
は、特開昭58−132327号の如く、切断プレス装置
のボルスタにゲージ盤を着脱可能に固定して、こ
のゲージ盤にロケートピンを打ち込み、ブランク
ダイに形成した突起をそのロケートピンに係合さ
せるもの等があつた。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このようなこれまでの切断プレ
ス装置では、双方のブランクダイを移動させてダ
イセツトを行うものであるため、幅細のブランク
を切り出す場合、ブランクダイの移動によつて帯
状板材供給方向前方に配置されたブランクダイと
搬出用のコンベアとの間隔が大きくなり、切断さ
れたブランクが直接搬出用のコンベア上に落ちな
くなり、この切り出されたブランクをブランクス
トツカーへ自動的に搬出するためには、切断され
たブランクを搬出用のコンベアにのせるための何
等かの搬出機構が必要となるという問題点があつ
た。

本発明は、これらの点に着目してなされたもの
で、切り出されたブランクがその幅に関係なく常
に搬出用のコンベア上に落ちる切断プレス装置を
提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） そのため、本発明では、切断刃を夫々備えベツ
ドの支圧板上に載設した夫々のボルスタを介して
帯状板材の供給方向前方及び後方に夫々前方ブラ
ンクダイ及び後方ブランクダイを配置し、該前方
ブランクダイは帯状板材供給方向への摺動を固定
し、前記後方ブランクダイは前記ベツド上を帯状
板材供給方向に沿つて摺動可能に装着し、前記両
ブランクダイは夫々独立の動力源を備え回転伝達
機構を介して縦向きの回動軸を中心に回動し且つ
夫々その回動を停止させた位置で該位置を保持さ
せるクランプ部を備え、前記各ブランクダイの切
断刃によつて帯状板材から所定の形状寸法のブラ
ンクを切り出す切断プレス装置において、前記後
方ブランクダイ側の支圧板には帯状板材の供給方
向に沿つた案内面を形成し、該案内面の下方で前
記ベツドに固定したガイド板と、該ガイド板及び
前記案内面に真直に案内されて帯状板材の供給方
向に沿つて摺動自在な基台とを設け、前記後方ブ
ランクダイはサーボモータに連結された１軸のみ
の送りねじと螺合状態にあるナツトを介して前記
基台と共に摺動し、前記クランプ部には前記ボル
スタに固定したクランプドラムと、前記両ブラン
クダイが切り出すブランクの形状寸法に応じた角
度に回動した位置で前記クランプドラムに圧接さ
れるクランプライニングを有する油圧機構とを備
えたことを特徴とする。

（作用） このように構成された本発明の切断プレス装置
では、帯状板材供給方向前方に配置されたブラン
クダイの帯状板材供給方向への摺動が固定されて
おり、ダイセツトは他方のブランクダイのみを帯
状板材供給方向へ摺動させて行うものであるた
め、帯状板材供給方向前方に配置されたブランク
ダイと搬出用のコンベアとの間隔が、切り出され
るブランクの幅によつて変動することはなく、こ
れによつて、幅細なブランクの切り出しにおいて
も、切断されたブランクが必ず搬出用コンベアの
上に落ちるようにしたものである。

また、１軸のみの送りねじで後方ブランクダイ
を摺動させるので、２軸以上の場合に比較して構
造が簡単であり、クランプドラムと、クランプラ
イニングを有する油圧機構とを備えたクランプ部
で両ブランクダイが切り出すブランクの形状寸法
に応じた位置に保持され、当該ブランクの正確な
形状が確保される。

（実施例） 次に、本発明の実施の一例を図面を参照しなが
ら説明する。第１図は本発明に係る切断プレス装
置の一実施例を示す平面図、第２図はその正面図
であり、第３図はこれに用いられているブランク
ダイの位置決め機構の一例を示す一部切欠平面
図、第４図はその−線断面図、第５図は同じ
く−線断面図である。

図面において、１１は切断プレス装置のベツド
であり、１３はこのベツド１１の上面に配置され
た支圧板である。また、１５，１７は図示を省略
した切断刃が装着されているブランクダイであ
り、これらのブランクダイ１５，１７はベツド１
１に支持された基台１９上のボルスタ２１に装着
されている。ここで、帯状板材供給方向後方に配
置されたブランクダイ１５のみがベツド１１上を
帯状板材供給方向へ摺動するものであり、従つ
て、このブランクダイ１５が載せられた基台１９
のみがサーボモータ２３に連結された送りねじ２
５と螺合状態にあつて、その回転によつてガイド
板２７上を、第１図に矢印Ａで示される帯状板材
供給方向に往復摺動する。

支圧板１３は、ベツド１１の上部に水平に固定
配置してあり、基台１９が係合する真直な両案内
面１３ａ，１３ａを備えている。

基台１９は、支圧板１３の下方でベツド１１上
に固定した両ガイド板２７，２７の真直平行な対
向側面に摺動する両下部摺接面１９ａ，１９ａ
と、支圧板１３の両案内面１３ａ，１３ａに摺接
する両上部摺接面１９ｂ，１９ｂとを備え、両ガ
イド板２７，２７上に黄銅製の下部摺動板２７
ｂ，２７ｂを介して載設され、支圧板１３の両案
内面１３ａ，１３ａ及びガイド板２７の対向側面
２７ａ，２７ａで案内されて帯状板材の供給方向
に沿い真直に摺動自在である。

ボルスタ２１は、下面側の所定位置にボルトを
もつて扇形歯車４１とクランプドラム４３，４３
とを固定し、支圧板１３の上に黄銅製の上部摺動
板２１ａ，２１ａを介して摺動自在に載設してあ
り、後述の第５図に示す回動軸３９で基台１９に
連結され、当該基台１９と共に帯状板材供給方向
に沿つて摺動する。

２９はザーボモータであり、基台１９に搭載さ
れている。３１はこのサーボモータ２９の回転を
ボルスタ２１に伝達する回転伝達機構である。こ
の回転伝達機構３１は、サーボモータ２９に直結
されたウオーム３３、基台１９に軸支され、前記
ウオーム３３と噛合しているウオームホイール３
５、このウオームホイール３５に直結された歯車
３７、ボルスタ２１に回動軸３９と同心配置され
て固着され、前記歯車３７と噛合している扇状歯
車４１等によつて形成されている。４３および４
５はボルスタ２１の移動を固定するクランプドラ
ムとクランプライニングである。クランプドラム
４３は略Ｌ字状の断面形状を有する弧状の金具
で、ボルスタ２１の底面に１対、前記回動軸３９
と同心配置されて固着されている。また、クラン
プライニング４５は略逆Ｌ字状に形成され、前記
クランプドラム４３に対応して基台１９の上面よ
り突出している。このクランプライニング４５を
有し、基台１９に取り付けた油圧機構４７の作用
で当該クランプライニング４５がクランプドラム
４３に圧接されて、ボルスタ２１は固定される。
クランプドラム４３と、クランプライニング４５
を有する油圧機構４７とでクランプ部を構成して
いる。

前方ブランクダイ１７は、帯状板材供給方向に
沿つて摺動せず、後方ブランクダイ１５と同じ機
構により独立に第１図に矢印Ｂで示すように回動
可能であり、切り出されるブランクの形状に応じ
た角度に回動した位置で前述と同様の図示しない
油圧機構を作動させて固定できるようになつてい
る。

このように構成された本発明の切断プレス装置
によれば、先ず、各ブランクダイ１５，１７の角
度が切り出されるブランクの形状寸法に合わせて
調整される。これはサーボモータ２９を所定の方
向に所定の回数だけ回転させることによつて行わ
れる。即ち、サーボモータ２９の回転は、回転伝
達機構３１のウオーム３３、ウオームホイール３
５、歯車３７、扇状歯車４１等を介してボルスタ
２１に伝達され、ボルスタ２１はブランクダイ１
５或いは１７を載せて回動軸３９を中心に、サー
ボモータ２９の回転方向および回転数に対応して
所定の角度だけ回動する。また、これとともに、
サーボモータ２３も起動され、送りねじ２５と螺
合状態にある基台１９が、サーボモータ２３の回
転方向と回転数に従つてガイド上を所定の方向
に、切り出されるブランクの形状寸法に合わせて
所定の距離だけ摺動し、これによつてボルスタ２
１がブランクダイ１５を載せて所定の位置まで移
動する。

このように、ブランクダイ１５および１７を所
定の角度に設定し、ブランクダイ１５を所定の位
置に設定し終つたら油圧機構４７を作動させ、ク
ランプライニング４５をクランプドラム４３に圧
接させる。これによつてボルスタ２１は固定さ
れ、ダイセツトは完了する。１ロツト分のブラン
クの切り出しが終了したら、次のロツトのブラン
クの形状寸法に従つて、前述の場合と全く同様に
してダイセツトを行う。この場合、ブランクダイ
１５の回動および摺動はサーボモータ２３，２９
で駆動されているため、電気信号によるコントロ
ールが可能となり、コンピユータによる数値制御
等にも容易に対応できる。

以上、図示の実施例にしたがつて詳細に説明し
たが、本発明はこれにのみ限定されるものではな
く、例えば、サーボモータを油圧機構等で代替す
ることも可能であり、回転伝達機構も種々のバリ
エーシヨンを含むものである。

（発明の効果） 本発明は以上のように構成され、帯状板材供給
方向前方に配置されたブランクダイの帯状板材供
給方向への摺動が固定されており、ダイセツトは
他方のブランクダイのみを帯状板材供給方向へ摺
動させて行うものであるため、帯状板材供給方向
前方に配置されたブランクダイと搬出用のコンベ
アとの間隔が、切断されるブランクの幅によつて
変動することはなく、これによつて、幅細なブラ
ンクの切断においても、切断されたブランクが必
ず搬出用コンベアの上に落ちるようなり、特別な
搬送機構を用いなくとも切断されたブランクを自
動的にブランクストツカーへ搬出することができ
るという優れた効果が得られる。

また、本発明によれば、１軸のみの送りねじで
摺動する基台が支圧板の案内面及びガイド板で真
直に帯状板材供給方向に沿つて案内されることに
より、案内面のみならずその下方のガイド板でも
案内するので、基台を真直に安定した状態にて確
実に案内することができ、構造が簡単でもあり、
クランプ部がボルスタに固定したクランプドラム
と、前記両ブランクダイが切り出すブランクの形
状寸法に応じた角度に回動した位置で前記クラン
プドラムに圧接されるクランプライニングを有す
る油圧機構とを備えていることにより、切り出さ
れるブランクの形状に合わせた角度の位置で両ブ
ランクダイを確実に保持でき、正確な形状のブラ
ンクを切り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る切断プレス装置の一実施
例を示す平面図、第２図はその正面図であり、第
３図はこれに用いられているブランクダイの位置
決め機構の一例を示す一部切欠平面図、第４図は
その−線断面図、第５図は同じく−線断
面図である。 １１……ベツド、１５……後方ブランクダイ、
１７……前方ブランクダイ、１３……支圧板、１
３ａ……案内面、１９……基台、２１……ボルス
タ、２３……サーボモータ、２５……送りねじ、
２７……ガイド板、２７ａ……対向側面、２９…
…サーボモータ、３１……回転伝達機構、３９…
…回動軸、４３……クランプドラム（クランプ部
を構成する）、４５……クランプライニング（ク
ランプ部を構成する）、４７……油圧機構（クラ
ンプ部を構成する）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 切断刃を夫々備えベツドの支圧板上に載設し
   た夫々のボルスタを介して帯状板材の供給方向前
   方及び後方に夫々前方ブランクダイ及び後方ブラ
   ンクダイを配置し、該前方ブランクダイは帯状板
   材供給方向への摺動を固定し、前記後方ブランク
   ダイは前記ベツド上を帯状板材供給方向に沿つて
   摺動可能に装着し、前記両ブランクダイは夫々独
   立の動力源を備え回転伝達機構を介して縦向きの
   回動軸を中心に回動し且つ夫々その回動を停止さ
   せた位置で該位置を保持させるクランプ部を備
   え、前記各ブランクダイの切断刃によつて帯状板
   材から所定の形状寸法のブランクを切り出す切断
   プレス装置において、前記後方ブランクダイ側の
   支圧板には帯状板材の供給方向に沿つた案内面を
   形成し、該案内面の下方で前記ベツドに固定した
   ガイド板と、該ガイド板及び前記案内面に真直に
   案内されて帯状板材の供給方向に沿つて摺動自在
   な基台とを設け、前記後方ブランクダイはサーボ
   モータに連結された１軸のみの送りねじと螺合状
   態にあるナツトを介して前記基台と共に摺動し、
   前記クランプ部には前記ボルスタに固定したクラ
   ンプドラムと、前記両ブランクダイが切り出すブ
   ランクの形状寸法に応じた角度に回動した位置で
   前記クランプドラムに圧接されるクランプライニ
   ングを有する油圧機構とを備えたことを特徴とす
   る切断プレス装置。