JPH0550822A - 車両のサスペンシヨン装置 - Google Patents

車両のサスペンシヨン装置

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JPH0550822A
JPH0550822A JP20702091A JP20702091A JPH0550822A JP H0550822 A JPH0550822 A JP H0550822A JP 20702091 A JP20702091 A JP 20702091A JP 20702091 A JP20702091 A JP 20702091A JP H0550822 A JPH0550822 A JP H0550822A
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JP
Japan
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damping force
shock absorber
damping coefficient
damping
control
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Withdrawn
Application number
JP20702091A
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English (en)
Inventor
Tetsurou Butsuen
哲朗 仏圓
Toru Yoshioka
透 吉岡
Yasunori Yamamoto
康典 山本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乗員および荷物の増加に応じてショックアブソ
ーバの減衰力特性が設定変更なされるようにして、接地
荷重wが所定接地荷重w0 を越える際の接地荷重の増加
に伴う,不快なふわふわ感を確実に防止しつつ、操縦安
定性の向上を図ると共に、耳障りな切換音を低減させる
ことを可能とする。 【構成】ショックアブソーバの減衰力特性を制御するコ
ントローラと、車輪に作用する接地荷重wを検出する圧
力センサと、その接地荷重wが所定接地荷重w0 よりも
重いときに、走行条件に基づいて選択した変更範囲内に
おけるショックアブソーバの減衰力特性がハードになる
よう補正したり、ショックアブソーバの減衰係数Dkiが
ハード側に変更され易いしきい値αH を設定して減衰係
数Dkiのソフト側への変更制御感度の変更を規制するよ
う補正したりする補正手段82とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置に関し、特に、ばね上とばね下との間に減衰力特性
可変式のショックアブソーバを備えるものの改良に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のサスペンション装置にお
いては、車体側としてのばね上と、車輪側としてのばね
下との間に、車輪の上下振動を減衰させるためのショッ
クアブソーバが装備されている。このショックアブソー
バには、減衰力特性可変式のものとして、減衰力特性
(減衰係数の異なった特性)が高低2段に変更可能なも
の、減衰力特性が多段又は無段連続的に変更可能なもの
等種々のものがある。
【0003】このような減衰力可変式のショックアブソ
ーバの制御方法は、基本的には、ショックアブソーバが
発生する減衰力が車体の上下振動に対して、加振方向に
働くときにショックアブソーバの減衰力を低減衰側(す
なわちソフト側)にし、減衰力が制振方向に働くときに
ショックアブソーバの減衰力を高減衰側(すなわちハー
ド側)に変更して、ばね上に伝達される加振エネルギー
に対して制振エネルギーを大きくし、もって車両の乗り
心地および走行安定性を共に向上させるようにするもの
である。
【0004】そして、ショックアブソーバの減衰力がば
ね上上下振動の加振方向または制振方向のいずれの方向
に働くか否かの判定は、種々のものが提案されている。
例えば特開昭60−248419号公報には、ばね上と
ばね下との間の相対変位の符号とその微分値であるばね
上ばね下間の相対速度の符号とが一致するか否かを調
べ、一致するときには加振方向と判定し、不一致のとき
は制振方向と判定する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにば
ね上とばね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下と
の相対速度の向きとが一致するか否かに基づき、減衰力
特性を変更制御する減衰力可変式のショックアブソーバ
においては、車輪にかかる荷重つまり接地荷重に関係な
くショックアブソーバの減衰力特性が設定されているた
め、運転者以外に乗員が乗車したり荷物を搭載したりし
て接地荷重が増加している際には、上下振動に対する,
ばね上とばね下との相対変位量、およびばね上とばね下
との相対速度が大幅に増加することになり、乗員に不快
なふわふわ感を与える。
【0006】また、上記の如くばね上とばね下との相対
変位量およびばね上とばね下との相対速度が大幅に増加
していると、接地荷重が増加している際の操縦安定性が
大幅に低下する。
【0007】さらに、接地荷重に関係なくショックアブ
ソーバの減衰力特性が設定されていると、大幅に増加す
るばね上とばね下との相対変位量およびばね上とばね下
との相対速度を所望の減衰力に制御する上で、ばね上と
ばね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下との相対
速度の向きとが頻繁に一致、不一致を繰り返すことにな
り、ショックアブソーバの減衰力特性を切換える際に発
生する切換音が非常に耳障りなものとなる。
【0008】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、乗員および荷物の増加に
応じてショックアブソーバの減衰力特性が設定変更され
るようにして、接地荷重の増加に伴う,不快なふわふわ
感を確実に防止しつつ、操縦安定性の向上を図ると共
に、耳障りな切換音を低減させようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明が講じた解決手段は、各車輪の
ばね上とばね下との間にショックアブソーバを備え、ば
ね上の変位速度とばね下の変位速度との相対関係に応じ
て、上記ショックアブソーバの減衰力特性を変更制御す
る車両のサスペンション装置を前提とする。そして、上
記各車輪のショックアブソーバの減衰力特性を変更して
制御する制御手段と、車輪に作用する接地荷重を検出す
る接地荷重検出手段と、該接地荷重検出手段からの信号
を受け、車輪に作用する接地荷重に基づいて上記ショッ
クアブソーバの減衰力特性の変更制御感度を変更するよ
う,上記制御手段の制御を補正する補正手段とを備える
構成としたものである。
【0010】また、請求項2に係る発明が講じた解決手
段は、上記請求項1記載の発明に従属するものであっ
て、補正手段は、ショックアブソーバの減衰力特性の変
更範囲を走行条件に基づいて選択するための変更範囲選
択手段からの出力信号が入力されるようになっていて、
接地荷重検出手段からの信号を受け、その信号が所定接
地荷重よりも重いときに上記変更範囲選択手段により選
択した変更範囲内におけるショックアブソーバの減衰力
特性をハード側に変更するよう制御手段の制御を補正す
る構成としたものである。
【0011】さらに、請求項3に係る発明が講じた解決
手段は、上記請求項1記載の発明に従属するものであっ
て、補正手段は、接地荷重検出手段からの信号を受け、
その信号が所定接地荷重よりも重いときにショックアブ
ソーバの減衰力特性のソフト側への変更制御感度を規制
するよう制御手段の制御を補正する構成としたものであ
る。
【0012】
【作用】上記の構成により、請求項1に係る発明では、
補正手段により、接地荷重検出手段で検出した車輪に作
用する接地荷重が、例えば所定接地荷重よりも重いとき
にショックアブソーバの減衰力特性の変更制御感度がハ
ードになるよう制御手段の制御が補正されると、運転者
以外に乗員が乗車したり荷物を搭載したりして接地荷重
が増加している際には、ショックアブソーバの減衰力特
性の変更制御感度がハードになるよう補正されて、僅か
な上下振動に対する,ばね上とばね下との相対変位量お
よびばね上とばね下との相対速度が効果的に抑制される
ことになり、乗員に不快なふわふわ感を与えることはな
い。
【0013】また、上記の如く運転者以外に乗員が乗車
したり荷物を搭載したりして接地荷重が増加している際
にショックアブソーバの減衰力特性の変更制御感度がハ
ードになるよう補正されると、接地荷重が増加している
際の操縦安定性が良好なものとなる。しかも、ショック
アブソーバを所望の減衰力に制御する上で、ばね上とば
ね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下との相対速
度の向きとが頻繁に一致、不一致を繰り返すことが抑制
され、ショックアブソーバの減衰力特性を切換える際に
発生する耳障りな切換音が低減される。
【0014】また、請求項2に係る発明では、補正手段
により、変更範囲選択手段で走行条件に基づいて選択し
た変更範囲内におけるショックアブソーバの減衰力特性
の変更制御感度が、接地荷重が増加している際にハード
になるよう,制御手段の制御が補正されているので、接
地荷重が増加している際には、変更範囲内におけるショ
ックアブソーバの減衰力特性の変更制御感度がハードに
なるよう補正されて、僅かな上下振動に対する,ばね上
とばね下との相対変位量およびばね上とばね下との相対
速度が効果的に抑制されることになり、走行条件に応じ
たふわふわ感が防止される。
【0015】また、上記の如く接地荷重が増加している
際に走行条件で選択した変更範囲内におけるショックア
ブソーバの減衰力特性の変更制御感度が接地荷重の増加
時にハードになるよう補正されることから、接地荷重が
増加している際の操縦安定性が良好なものとなる上、シ
ョックアブソーバを所望の減衰力に制御する上でのショ
ックアブソーバの減衰力特性の切換えが抑制されて耳障
りな切換音が効果的に低減される。
【0016】さらに、請求項3に係る発明では、補正手
段により、接地荷重検出手段で検出した車輪に作用する
接地荷重が所定接地荷重よりも重いときにショックアブ
ソーバの減衰力特性のソフト側への変更制御感度を規制
するよう制御手段の制御が補正されているので、接地荷
重が増加している際には、ショックアブソーバの減衰力
特性のソフト側への変更制御感度が規制され、僅かな上
下振動に対する,ばね上とばね下との相対変位量および
ばね上とばね下との相対速度が効果的に抑制されてふわ
ふわ感が同様に防止される。
【0017】また、上記の如く接地荷重が増加している
際にショックアブソーバの減衰力特性のソフト側への変
更制御感度が規制されることから、接地荷重が増加して
いる際の操縦安定性が良好なものとなる上、ショックア
ブソーバを所望の減衰力に制御する上でのショックアブ
ソーバの減衰力特性の切換えが抑制されて耳障りな切換
音が効果的に低減される。
【0018】
【発明の効果】以上の如く、請求項1の発明における車
両のサスペンション装置によれば、接地荷重検出手段か
らの接地荷重が所定接地荷重よりも重いときなどにショ
ックアブソーバの減衰力特性の変更制御感度をハードに
するよう制御手段の制御を補正手段により補正したこと
により、僅かな上下振動に対する,ばね上とばね下との
相対変位量およびばね上とばね下との相対速度を効果的
に抑制して、乗員に対する不快なふわふわ感を確実に防
止しつつ、接地荷重が増加した際の操縦安定性の向上を
図ると共に、ショックアブソーバを所望の減衰力に制御
する上で発生するショックアブソーバの耳障りな切換音
を低減させることができる。
【0019】また、請求項2の発明における車両のサス
ペンション装置によれば、変更範囲選択手段で選択した
変更範囲内におけるショックアブソーバの減衰力特性の
変更制御感度を接地荷重が増加している際にハードにす
るよう制御手段の制御を補正手段により補正したので、
上下振動に対する,ばね上とばね下との相対変位量およ
びばね上とばね下との相対速度を効果的に抑制して、走
行条件に応じたふわふわ感を確実に防止しつつ、接地荷
重が増加している際の操縦安定性の向上を図ることがで
きると共に、ショックアブソーバの耳障りな切換音を効
果的に低減させることができる。
【0020】さらに、請求項3の発明における車両のサ
スペンション装置によれば、接地荷重検出手段からの接
地荷重が所定接地荷重よりも重いときにショックアブソ
ーバの減衰力特性のソフト側への変更制御感度を規制す
るよう制御手段の制御を補正手段により補正したので、
上下振動に対する,ばね上とばね下との相対変位量およ
びばね上とばね下との相対速度を効果的に抑制してふわ
ふわ感を確実に防止しつつ、接地荷重が増加した際の操
縦安定性の向上を図ることができると共に、ショックア
ブソーバの耳障りな切換音を効果的に低減させることが
できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0022】図1は、本発明の好ましい実施例に係る車
両のサスペンション装置を含む車両の略斜視図である。
【0023】図1において、本発明の好ましい実施例に
係る車両のサスペンション装置は、各車輪に対応して設
けられ、各車輪の上下振動を減衰させるたショックアブ
ソーバ1,2,3,4を備えている。各ショックアブソ
ーバ1,2,3,4は、それぞれ、図示しないアクチュ
エータにより、減衰係数が異なった10の減衰力特性に
切り換え可能に構成されており、また、図示しない圧力
センサを備えている。図1において、5は左前輪、6は
左後輪であり、右前輪および右後輪は図示されていな
い。また、7は、各ショックアブソーバ1,2,3,4
の上部外周に配設されたコイルスプリングであり、8
は、各ショックアブソーバ1,2,3,4のアクチュエ
ータに対して、制御信号を出力して、各ショックアブソ
ーバ1,2,3,4の減衰力特性を変更制御する制御手
段としてのコントロールユニットである。
【0024】また、車体9のばね上には各車輪のばね上
の上下方向の加速度を検出する第1加速度センサ11,
第2加速度センサ12,第3加速度センサ13,第4加
速度センサ14が、インストルパネルのメータ内には車
速を検出する車速センサ15がそれぞれ設けられてい
る。16は、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰
力特性の制御をドライバーがハードモード、ソフトモー
ドまたはコントロールモードのいずれかに切り換えるモ
ード選択スイッチを示す。そして、モード選択スイッチ
16により、ハードモードが選択されたときは、減衰力
特性がハードになるような範囲の減衰係数のみが選択さ
れ、その範囲内でのみショックアブソーバ1,2,3,
4の減衰力特性の変更制御がなされる。また、ソフトモ
ードが選択されたときは、減衰力特性がソフトになるよ
うな範囲の減衰係数のみが選択され、その範囲内でのみ
ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性の変更
制御がなされる。さらに、コントロールモードが選択さ
れたときはあらかじめコントロールユニット8内に記憶
されたマップあるいはテーブルにしたがって、所定のよ
うにショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性の
変更制御がなされるようになっている。
【0025】図2は、左前輪に対して設けられたショッ
クアブソーバ1の要部略断面図である。ただし、圧力セ
ンサは、便宜上省略されている。
【0026】図2において、ショックアブソーバ1は、
シリンダ21を備え、シリンダ21内には、ピストンと
ピストンロッドが一体的に結合されたピストンユニット
22が摺動自在に嵌装されている。シリンダ21および
ピストンユニット22は、それぞればね下およびばね上
に結合されている。
【0027】ピストンユニット22には、2つのオリフ
ィス23、24が形成されている。一方のオリフィス2
3は常に開いており、他方のオリフィス24は、それぞ
れ第1アクチュエータ41により、その通路面積が10
段階に変更可能に形成されている。
【0028】図3は、ショックアブソーバ1に設けられ
た第1アクチュエータ41の分解略斜視図であり、図2
および図3に示されるように、第1アクチュエータ41
は、ピストンユニット22に固定されたスリーブ25内
に、回転自在に設けられたシャフト26と、シャフト2
6を回転させるステップモータ27と、シャフト26の
下端部に一体に取付けられ、その円周に沿って、9つの
円形孔28を有する第1オリフィスプレート29と、ス
リーブ25の下端部に一体的に設けられ、その円周に沿
って円弧状の長孔30が形成された第2オリフィスプレ
ート31を備えている。ここに、第1オリフィスプレー
ト29に形成された9つの円形孔28と、第2オリフィ
スプレート31に形成された長孔30とは、ステップモ
ータ27の回転によるシャフト26および第1オリフィ
スプレート29の回転にしたがって、9つの円形孔28
が0ないし9個の範囲で長孔30と連通可能なように形
成されている。
【0029】シリンダ21内の上室32および下室33
内は、所定の粘度を有する流体で満たされており、オリ
フィス23,24を通って上室32および下室33間を
移動可能になっている。
【0030】図2および図3においては、ショックアブ
ソーバ1の構造のみを示したが、他の車輪に対して設け
られたショックアブソーバ2,3,4もまた、図2に示
されたショックアブソーバ1と同様の構造を示してお
り、それぞれ図3に示されたのと同様な第2アクチュエ
ータ42,第3アクチュエータ43,第4アクチュエー
タ44を備えている。
【0031】図4は、ショックアブソーバ1,2,3,
4の減衰力特性を示すグラフであり、D1 ないしD10
は、それぞれショックアブソーバ1,2,3,4の減衰
係数を示している。図4において、縦軸は、ショックア
ブソーバ1,2,3,4が発生する減衰力を、横軸は、
ばね上の変位速度Xs とばね下の変位速度Xu との差、
すなわち、ばね上とばね下の相対変位速度(dXs /d
t−dXu /dt)を示している。図4に示されるよう
に、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性
は、減衰係数D1 ないしD10のいずれかを選択すること
によって、10段階に変更することが可能なように構成
されている。図4において、D1 は、最もソフトな減衰
力を発生させる減衰係数を、D10は、最もハードな減衰
力を発生させる減衰係数を、それぞれ示している。ここ
に、減衰係数Dk (k は正の整数で、1〜10)は、第
1オリフィスプレート29に形成された9つの円形孔2
8のうち、(10−i )個の円形孔28が、第2オリフ
ィスプレート31に形成された長孔30と連通している
場合に選択されるようになっている。したがって、減衰
係数D1 は、第1オリフィスプレート29の9つの円形
孔28のすべてが第2オリフィスプレート31の長孔3
0と連通している場合に選択され、減衰係数D10は、第
1オリフィスプレート29の9つの円形孔28のいずれ
もが第2オリフィスプレート31の長孔30と連通しな
いときに選択されることになる。
【0032】図5は、本発明の実施例に係る車両のサス
ペンション装置の振動モデル図であり、msはばね上質
量、muはばね下質量、xsはばね上変位、xuはばね
下変位、ksはコイルスプリング7のばね定数、ktは
タイヤのばね定数、Dk はショックアブソーバ1,2,
3,4の減衰係数である。
【0033】図6は、ステップモータ27の略斜視図で
あり、ステップモータ27は、筒状体50、筒状体50
内に収容されたロータ51,ステータ52および蓋53
から構成されている。図7は、ロータ51およびステー
タ52の略平面図であり、通常のステップモータと同様
に、ロータ51の外周部には複数の矩形形状の歯が形成
され、ステータ52の内周部には、これと対応して複数
の矩形形状の歯が形成されており、ステータ52には、
ソレノイド54が巻回されている。ロータ51には、2
本のストッパピン55,56が形成されており、図8に
示されるように、蓋53には、ストッパピン55,56
に対応する位置の円周方向に2つの溝57,58が形成
されている。溝57は、ロータ51に形成されたストッ
パピン55と係合してステップモータ27の可動範囲を
制御するものであり、他方、溝58はストッパピン56
と係合するものであって、ストッパピン55,56を溝
57,58と係合させることによって、蓋53を被せた
ときにロータ51の重心が回転中心と一致するように位
置合わせを可能とするものである。したがって、蓋53
の中心から溝57,58の両端部を見た円周角は、溝5
8の方が溝57より大きくなっており、専ら溝57によ
って、ステップモータ28の可動範囲が決定されるよう
に溝57,58が形成されている。図8において、ロー
タ51が時計回りに回転すると、減衰軽煤Dk がより大
きくなって減衰力特性はよりハードになり、他方反時計
回りに回転すると、減衰係数Dk がより小さくなって減
衰力特性はよりソフトになるようになっており、また、
ロータ51の矩形形状の歯がステータ52の隣接する矩
形形状の歯に対向する位置に移動させられたとき、すな
わち、ステップモータ27が一段回転すると、減衰係数
Dk が1つだけ変化するようになっている。従って、ス
トッパピン55が溝57の右端部である第1基準位置に
位置しているとき、減衰係数Dk はD10となり、ショッ
クアブソーバ1が最もハードな減衰力を発生し、他方、
ストッパピン55が溝57の左端部である第2基準位置
に位置しているとき、減衰係数Dk はD1 となり、ショ
ックアブソーバ1が最もソフトな減衰力を発生するよう
になっている。
【0034】図9は、本発明の実施例に係る車両のサス
ペンション装置の制御系のブロックダイアグラムであ
る。
【0035】図9において、本発明の実施例に係る車両
のサスペンション装置の制御系を構成するコントロール
ユニット8は、演算判定手段80および変更制御感度規
制手段としてのしきい値変更手段81を備えており、演
算判定手段80には、ショックアブソーバ1,2,3,
4にそれぞれ設けられた第1圧力センサ61,第2圧力
センサ62,第3圧力センサ63,第4圧力センサ64
の検出した各ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰
力Fsi(ここに、iは、各車輪を示し、i=1,2,
3,4である。)および車輪に作用する接地荷重wの検
出信号、第1加速度センサ11,第2加速度センサ1
2,第3加速度センサ13,第4加速度センサ14の検
出したばね上の上下方向の加速度ai の検出信号、車速
センサ15の検出した車速Vの検出信号、しきい値変更
手段81からのしきい値信号およびモード選択スイッチ
からのモード信号がそれぞれ入力されている。
【0036】また、演算判定手段80は、減衰力Fsiの
検出信号、加速度ai の検出信号、車速Vの検出信号、
しきい値変更手段81からのしきい値信号およびモード
選択スイッチ16からのモード信号に基づいて、予め記
憶しているマップあるいはテーブルにしたがって、各車
輪のショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性を
決定する減衰係数Dkiを算出し、制御記号を生成して、
第1アクチュエータ41,第2アクチュエータ42,第
3アクチュエータ43,第4アクチュエータ44に出力
し、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性を
制御する。また、演算判定手段80は、しきい値変更手
段81からの予め記憶しているマップあるいはテーブル
に基づくしきい値信号が入力される補正手段82を有し
ていて、演算判定手段80により生成した制御記号を補
正手段82でもって補正することが行われる。さらに、
演算判定手段80は、変更範囲選択手段83を有してい
て、車速センサ15により検出された車速Vの条件に応
じて変更される減衰係数Dkiの範囲が選択されるように
なっている。
【0037】ここに、減衰力Fsiは連続値をとり、ばね
上に対して上向きに作用するときすなわちばね上とばね
下間が縮んでいるときに正の値に、下向きに作用すると
きすなわちばね上とばね下間が伸びているときに負の値
になるように設定され、ばね上の上下方向の加速度ai
は、上向きのときに正の値に、下向きのときに負の値に
なるように設定されている。
【0038】図10は、モード選択スイッチ16によ
り、コントロールモードが選択された場合において、コ
ントロールユニット8により行われる,走行状態に応じ
た減衰係数選択制御のルーチンを示すフローチャートで
あり、図10の減衰係数選択制御のルーチンは、減衰係
数Dkiの変更が余りに頻繁に行われ、その結果、変更時
に大きな音や振動が生じたり、応答遅れが生ずることを
防止するために走行状態に応じて変更制御し得る減衰係
数Dkiの範囲を制限するものである。
【0039】図10において、先ず、ステップSA1にお
いて、車速センサ15により検出された車速V、第1加
速度センサ11、第2加速度センサ12,第3加速度セ
ンサ13,第4加速度センサ14の検出したばね上の上
下方向の加速度ai 、および第1圧力センサ61,第2
圧力センサ62,第3圧力センサ63,第4圧力センサ
64に作用する接地荷重wの検出信号をそれぞれ入力す
る。
【0040】次いで、ステップSA2において、フラグF
がF=1であるか否かを判定する。本実施例において
は、接地荷重wの増加により減衰係数Dkiが変更されて
いるときにはフラグFがF=1にセットされるようにな
っており、フラグFがF=0であるNOのときは、減衰
係数Dkiが変更されていないと判断して、ステップSA3
で自動車が停車したか否かを判定し、YESのときは、
ステップSA4において、第1圧力センサ61、第2圧力
センサ62、第3圧力センサ63、第4圧力センサ64
の検出した実際の接地荷重wが所定の接地荷重w0 (例
えば運転者のみの体重の増加に伴って増加した車両の接
地荷重)以上であるか否かを判定する。そして、この判
定が、実際の接地荷重wが所定の接地荷重w0 を上回っ
ているYESのときは、ステップSA5において、フラグ
FがF=1にセットされて、ステップSA6に進み、第1
〜第4ショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiを前回
の減衰係数Dkiよりも1つ大きいDki=D(k+1)iに変更
してステップSA7に進む。一方、上記ステップSA3の判
定がNOのときおよびステップSA4の判定がNOのとき
は、フラグFがF=0のままでステップSA7に進む。
【0041】これに対して、ステップSA2の判定でフラ
グFが既にF=1であるYESのときは、ステップSA8
で自動車が停車したか否かを判定する。その結果、停車
しているYESのときは、ステップSA9において、実際
の接地荷重wが所定の接地荷重w0 以上であるか否かを
判定する。そして、この判定がNOのときは、ステップ
SA10 においてフラグFがF=0にセットされて、ステ
ップSA7に進む。一方、上記ステップSA8の判定がNO
のときおよびステップSA9の判定がYESのときは、フ
ラグFがF=1にセットされたままでステップSA7に進
む。
【0042】そして、ステップSA7において、車速V
が、低速値である第1の所定車速V1 、たとえば3km/h
以下か否かを判定する。
【0043】その結果、車速Vが、第1の所定車速V1
以下のNOのときは、ステップSA11 に進み、車速Vが
きわめて低速であるから、スコットや制動ダイブ防止す
るため、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特
性がハードになるように減衰係数DkiをD8iに固定す
る。したがって、減衰係数DkiはD8iに固定されるか
ら、図10に示された減衰力特性変更制御の基本ルーチ
ンによる減衰力特性の変更制御はおこなわれない。
【0044】一方、車速Vが、第1の所定車速V1 を越
えているYESのときには、ステップSA12 に進み、ば
ね上の上下方向の加速度ai の絶対値が所定値ai0を越
えている悪路走行中か否かを判定する。
【0045】その結果、ばね上の上下方向の加速度ai
の絶対値が所定値ai0を越えている悪路走行中と判定し
たYESのときは、ステップSA13 に進んで車速Vが第
3の所定車速V3 、たとえば50km/h以上か否かを判定
する。
【0046】そして、上記ステップSA13 の判定が、車
速Vが第3の所定車速V3 以上であるYESと判定した
ときは、ステップSA14 において、走行安定性の向上を
重視して減衰力特性を比較的ハードな範囲内で変更制御
するために、減衰係数DkiをD5iないしD7iの範囲に設
定する。その結果、図10に示された減衰力特性変更制
御の基本ルーチンにおいて、減衰係数Dkiは、D5iが下
限値になり、たとえさらにソフトに変更すべき条件が成
立しても、減衰係数Dkiは、D5iに保持され、他方、D
7iが上限値になり、たとえよりハードに変更すべき条件
が成立しても、減衰係数Dkiは、D7iに保持されること
になる。
【0047】これに対して、上記ステップSA13 の判定
が、車速Vが所定車速V3 未満であるNOと判定したと
きは、ステップSA15 に進み、走行安定性と乗り心地の
向上の両立を図ることが可能であるから、減衰力特性を
比較的ソフトな状態からハードな状態の範囲内で変更制
御することを可能にするために、減衰係数Dkiを、D3i
ないしD7iの範囲に設定する。したがって、図10に示
された減衰力特性変更制御の基本ルーチンにおいて、減
衰係数Dkiは、D3iが下限値になり、たとえさらにソフ
トに変更すべき条件が成立しても、減衰係数DkiはD3i
に保持され、他方、D7iが上限値になり、たとえよりハ
ードに変更すべき条件が成立しても、減衰係数DkiはD
7iに保持されることになる。
【0048】一方、上記ステップSA12 の判定が、ばね
上の上下方向の加速度ai の絶対値が所定値ai0以下と
判定されたNOのときは、ステップSA16 に進み、悪路
ではなく通常の道路を走行中であると考えられるから、
このステップSA16 において、さらに車速Vが第2所定
車速V2 、たとえば30km/h以下か否かを判定する。
【0049】その結果、車速Vが、第2所定車速V2 以
下の低速走行状態にあるYESと判定したときは、ステ
ップSA17 において、乗り心地の向上を重視するため、
減衰力特性が比較的ソフトな範囲内で変更制御されるよ
うに、減衰係数DkiをD1iないしD3iの範囲に設定す
る。したがって、図10に示された減衰力特性変更制御
の基本ルーチンにおいて、減衰係数Dkiが、D1iのとき
は、たとえさらにソフトに変更すべき条件が成立した場
合でも減衰係数DkiはD1iに保持され、他方、D3iが上
限値になり、たとえよりハードに変更すべき条件が成立
しても減衰係数DkiはD3iに保持されることになる。
【0050】これに対して、上記ステップSA16 の判定
が、車速Vが第2所定車速V2 を越えているNOと判定
したときは、ステップSA18において、さらに、車速V
が第4所定車速V4 、たとえば60km/h以下か否かを判
定する。
【0051】その結果、車速Vが、第4所定車速V4 以
下の比較的中速走行状態にあるYESと判定したとき
は、ステップSA19 に進み、走行安定性と乗り心地の向
上させるという2つ要請の両立を図ることが可能である
から、減衰力特性を比較的ソフトな状態からハードな状
態の範囲内で変更制御することを可能とするために、減
衰係数DkiをD2iないしD6iの範囲に設定する。したが
って、図10に示された減衰力特性変更制御の基本ルー
チンにおいて、減衰係数DkiはD2iが下限値になり、た
とえよりソフトに変更すべき条件が成立しても減衰係数
DkiはD2iに保持され、他方、D6iが上限値になり、た
とえさらにハードに変更すべき条件が成立しても減衰係
数DkiはD6iに保持されることになる。
【0052】これに対して、上記ステップSA18 の判定
が、車速Vが第4所定車速V4 を越えているNOと判定
したときは、ステップSA20に進み、さらに車速Vが第
5所定車速V5 、たとえば80km/h以下か否かを判定す
る。
【0053】その結果、車速Vが第5所定車速V5 以下
の中速走行状態にあるYESと判定したときは、ステッ
プSA21 に進み、走行安定性と乗り心地の向上という2
つの要請の両立を図りつつ、ややハードにショックアブ
ソーバ1,2,3,4の減衰力特性を変更制御するため
に、減衰係数Dkiを、D4iないしD6iの範囲に設定す
る。したがって、図10の減衰力特性変更制御の基本ル
ーチンにおいて、減衰係数DkiはD4iが下限値になり、
たとえさらにソフトに変更すべき条件が成立しても減衰
係数DkiはD4iに保持され、他方、D6iが上限値にな
り、たとえさらにハードに変更すべき条件が成立して
も、減衰係数Dkiは、D6iに保持されることになる。
【0054】これに対して、車速Vが第5所定車速V5
を越えた高速走行状態にあるNOと判定したときは、ス
テップSA22 に進み、走行安定性の向上を重視して、減
衰力特性がハードな範囲内で変更制御されるように、減
衰係数DkiをD7iないしD10i の範囲に設定する。した
がって、図10の減衰力特性変更制御の基本ルーチンに
おいて、減衰係数DkiはD7iが下限値になり、たとえさ
らにソフトに変更すべき条件が成立しても減衰係数Dki
はD7iに保持され、他方、たとえさらにハードに変更す
べき条件が成立しても減衰係数DkiはD10i に保持され
ることになる。
【0055】ここで、図10の減衰力特性変更制御の基
本ルーチンにおいて変更される減衰係数Dkiは下限値が
D1iで上限値がD10i であり、接地荷重wの増加により
減衰係数Dkiが変更されているときつまりフラグFがF
=1にセットされているときには、上限値D10i を越え
ない範囲でそれぞれ1つづつ大きいDki=D(k+1)iに変
更される。例えば、上記フローのステップSA14 で設定
されるフラグFがF=0のときの減衰係数Dki=D5i〜
D7iの変更範囲は、フラグFがF=1のときにDki=D
6i〜D8iの変更範囲に、ステップSA22 で設定されるフ
ラグFがF=0のときの減衰係数Dki=D7i〜D10i の
変更範囲は、フラグFがF=1のときにDki=D8i〜D
10i の変更範囲にそれぞれ変更される。
【0056】尚、図10のフローチャートにおいて、接
地荷重wの増加によりフラグFがF=1にセットされて
いるときに減衰係数Dkiが1つづつ大きいDki=D(k+
1)iに変更される上限は、走行状態に応じた減衰係数選
択制御のルーチンによって制限され、ステップモータ2
7を図8の時計方向に一段回転させて減衰係数Dkiを前
回の減0衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)iに変更すべ
き場合でも、前回の減衰係数Dkiのまま保持し、また、
ステップモータ27を図8の反時計方向に一段回転させ
て減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより1つまたは2
つ小さいD(k-1)i になるように変更すべき場合でも、
前回の減衰係数Dkiが減衰係数選択制御のルーチンに選
択された減衰係数Dkiの下限値に等しい場合には減衰係
数Dkiを前回の減衰係数Dkiのまま保持する。
【0057】図11は、モード選択スイッチ16によ
り、コントロールモードが選択された場合にコントロー
ルユニット8により実行される各車輪のショックアブソ
ーバ1,2,3,4の減衰力特性変更制御の基本ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【0058】図11において、まず、ステップSB1にお
いて、第1加速度センサ11、第2加速度センサ12、
第3加速度センサ13、第4加速度センサ14の検出し
たばね上の上下方向の加速度ai および第1圧力センサ
61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ63、第4
圧力センサ64の検出した減衰力Fsiを入力する。次い
で、ステップSB2において、上記ステップSB1で入力さ
れた上下方向の加速度ai を積分して、ばね上の変位速
度Xsi(=Σai )を算出する。
【0059】しかる後、ステップSB3において、上記ス
テップSB2で算出したばね上の変位速度Xsiに所定の定
数K(K<0)を乗じて、理想の減衰力であるスカイフ
ック減衰力Faiを算出する。そして、ステップSB4にお
いて、次に示す式 hα=Fsi(Fai−αFsi)・・・・・・・・・・・・・ にしたがって、hαを算出する。
【0060】次いで、ステップSB5において、第1圧力
センサ61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ6
3、第4圧力センサ64の検出した車輪に作用する接地
荷重wを入力し、ステップSB6で接地荷重wが所定の接
地荷重以下か否かを判定する。その結果、接地荷重wが
所定の接地荷重以下のYESのときは、運転車のみが乗
車していると判断してステップSB7でしきい値α,βを
αS ,βS にそれぞれ設定する一方、NOのときは、運
転車の他に乗員の搭乗および荷物の積載があったものと
判断してステップSB8でしきい値α,βをαH ,βH に
それぞれ設定する。その後、ステップSB9でhαが正か
否かを判定し、その結果、hαが正であるYESのとき
は、ステップSB10 に進んで、hαが正であるショック
アブソーバ1,2,3,4の第1アクチュエータ41,
第2アクチュエータ42,第3アクチュエータ43,第
4アクチュエータ44に制御信号を出力して、ステップ
モータ27を図8の時計方向に一段だけ回転させ、減衰
係数Dkiを、前回の減衰係数D kiより1つ大きいD(K
+1)iに、すなわちよりハードになるように変更する一
方、hαが正でないNOのときは、ステップSB11 に進
み、さらに式にしたがって、 hβ=Fsi(Fai−βFsi)・・・・・・・・・・・・・ hβを算出し、ステップSB12 でhβが負か否かを判定
する。
【0061】その結果、hβが負であるYESのとき
は、ステップSB13 において、hβが負であるショック
アブソーバ1,2,3,4の第1アクチュエータ41,
第2アクチュエータ42,第3アクチュエータ43,第
4アクチュエータ44に制御信号を出力して、ステップ
モータ27を図8の反時計方向に一段だけ回転させ、減
衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより1つ小さいD(k-
1)iになるように、すなわちよりソフトになるように変
更する。これに対して、hβが負でないNOのときに
は、ステップSB14 において、ステップモータ27を回
転させることなく、すなわち減衰係数Dkiを前回の減衰
係数Dkiのまま変更することなく保持して、次のサイク
ルに移行する。
【0062】ここに、α、βは、減衰係数Dkiの変更が
あまりに頻繁におこなわれる結果、その変更時に大きな
音や振動が発生したり、応答遅れが生ずることを防止す
るためのしきい値であって、通常、α>1、0<β<1
に設定される。
【0063】すなわち、FsiとFaiが同符号のときは、
式の(Fai−αFsi)は、α>1であるので、Fsiに
αが乗ぜられていない場合に比して、Fsiと異符号にな
りやすく、その結果、hαは負になりやすいから、減衰
係数Dkiの変更がおこなわれ難く、さらに、式の(F
ai−βFsi)は、0<β<1であるので、Fsiにβが乗
ぜられていない場合に比して、Fsiと同符号になりやす
く、その結果、hβは正になりやすいから、減衰係数D
kiの変更がおこなわれ難くなる。
【0064】これに対して、FsiとFaiが異符号の場合
には、実際の減衰力Fsiを、理想的な減衰力であるスカ
イフック減衰力Faiと一致させることは不可能であり、
減衰係数Di をゼロに近い値にすること、すなわちより
ソフトになるように変更することが、FsiをFaiにより
近づける上で望ましいことになる。そこで、本実施例に
おいては、FsiとFaiが異符号のときは、hαもhβも
共に負の値となり、その結果、コントロールユニット8
により、減衰係数Dkiは、前回の減衰係数Dkiより1つ
小さいD(k-1)iに、すなわちよりソフトになるように変
更されるから、かかる要請を満足することが可能にな
る。
【0065】また、接地荷重wが所定の接地荷重w0 以
下の場合には、しきい値α,βは、α=αS ,β=βS
にそれぞれ設定される一方、接地荷重wが所定の接地荷
重w0 よりも重い場合には、しきい値α,βは、α=α
H ,β=βH にそれぞれ設定される。ここで、αS >α
H ,βS >βH であるので、減衰力特性の変更は、接地
荷重wが所定の接地荷重w0 よりも重い場合の方が、接
地荷重wが所定の接地荷重w0 以下の場合に比して、ハ
ード側に変更されやすいものとなり、ソフト側への変更
が規制されるようにしている。図12(a),(b)
は、減衰力、ばね上ばね下間相対速度(dXs /dt−
dXu /dt)と、しきい値α,βとの関係を示すグラ
フである。図12において、RH は、減衰力特性がハー
ド側に変更される特性領域、つまり減衰係数Dkiが前回
の減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)iに変更される特
性領域を、RS は、減衰力特性がソフト側に変更される
特性領域、つまり減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiよ
り1つ小さいD(k-1)iに変更される特性領域をそれぞれ
示しており、しきい値αH ,βHの間の領域およびしき
い値αS ,βS の間の領域は、減衰力特性の変更がなさ
れない領域つまり不感帯領域を示している。
【0066】尚、図11のフローチャートにおいて変更
される減衰係数Dkiの範囲は、図10の走行状態に応じ
た減衰係数選択制御のルーチンによって制限され、ステ
ップモータ27を図8の時計方向に一段回転させて減衰
係数Dkiを前回の減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)i
に変更すべき場合でも、前回の減衰係数Dkiのまま保持
し、また、ステップモータ27を図8の反時計方向に一
段回転させて減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより1
つまたは2つ小さいD(k-1)iになるように変更すべき場
合でも、前回の減衰係数Dkiが減衰係数選択制御のルー
チンに選択された減衰係数Dkiの下限値に等しい場合に
は減衰係数Dkiを前回の減衰係数Dkiのまま保持する。
【0067】したがって、上記実施例では、補正手段8
2により、変更範囲選択手段83で車速Vおよび悪路走
行などの走行条件に基づいて選択した変更範囲内におけ
るショックアブソーバ1,2,3,4の減衰係数Dkiの
変更制御感度が、接地荷重wが所定接地荷重w0 に比し
て増加している際にステップモータ27を図8の時計方
向に一段回転させて減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dki
より1つ大きいD(k+1 )i に変更されて一段ハードにな
るように補正されている。その場合、減衰係数Dkiを前
回の減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1 )i に変更させ
る特性領域RH は、接地荷重wが所定の接地荷重w0 よ
りも重い場合のしきい値αH の方が、接地荷重wが所定
の接地荷重w0 以下の場合のしきい値αS に比して傾斜
が緩やかで、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰
係数Dkiのソフト側への変更を規制している。これによ
り、運転者を除く乗員の増加および荷物の積載などによ
り接地荷重wが所定接地荷重w0 以上に増加している際
には、車速Vに応じて選択した変更範囲内におけるショ
ックアブソーバ1,2,3,4の減衰係数Dkiが1つ大
きいD(k+1 )i に変更されてしきい値αH によりハード
側に変更され易くなり、上下振動に対する,ばね上とば
ね下との相対変位量(Xs −Xu )およびばね上とばね
下との相対速度(dXs /dt−dXu /dt)が効果
的に抑制されて、走行条件に応じたふわふわ感を確実に
防止することができる。
【0068】また、上記の如く接地荷重wが所定接地荷
重w0 に比して増加している際に減衰係数Dkiが前回の
減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)iになるようハード
側に変更されてしきい値αH により減衰係数Dkiのソフ
ト側への変更を規制していることから、接地荷重wが所
定接地荷重w0 に比して増加している際の操縦安定性の
向上を図ることができると共に、ショックアブソーバ
1,2,3,4を所望の減衰力に制御する上でのショッ
クアブソーバ1,2,3,4の減衰係数Dkiの切換えが
抑制されて耳障りな切換音を効果的に低減させることが
できる。
【0069】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
例えば、上記実施例では、走行条件に基づいて選択した
変更範囲内におけるショックアブソーバ1,2,3,4
の減衰係数Dkiの変更制御感度が、接地荷重wが所定接
地荷重w0 に比して増加している際に前回の減衰係数D
kiより1つ大きいD(k+1 )i に変更して一段ハードにな
るように補正して、接地荷重wが所定の接地荷重w0 よ
りも重い場合のしきい値αH によりショックアブソーバ
1,2,3,4の減衰係数Dkiのソフト側への変更を規
制したが、走行条件に基づいて選択した変更範囲内にお
けるショックアブソーバの減衰係数の変更制御感度が、
接地荷重が所定接地荷重に比して増加している際に前回
の減衰係数より1つ大きいD(k+1 )i に変更して一段ハ
ードになるように補正するのみに止められるように構成
しても良い。また、接地荷重が所定接地荷重よりも増加
している場合と接地荷重が所定接地荷重以下の場合とを
比較して、それぞれ異なるしきい値のみにより、ショッ
クアブソーバの減衰係数のソフト側への変更制御感度の
変更が規制されるように構成しても良い。
【0070】また、上記実施例では、乗り心地を重視す
べきと判定された走行状態において、ステップモータ2
7を二段回転させて、減衰係数Dkiを前回の減衰係数D
kiより2つ小さいD(k-2)iに変更するようにしている
が、ステップモータ27を3段以上回転させるようにす
ることもできる。
【0071】また、上記実施例では、2つのストッパピ
ン55,56を、ステップモータ27のロータ51に形
成し、これと係合する溝57,58を、ステップモータ
27の蓋53に形成しているが、ストッパピン55,5
6を、ステップモータ27の蓋53に形成し、これと係
合する溝57,58を、ステップモータ27のロータ5
1に形成してもよく、さらには、ストッパピン55,5
6の一方を、ステップモータ27のロータ51に、他方
を、ステップモータ27の蓋53に形成し、ロータ51
に形成されたストッパピン55,56の一方と係合する
溝57,58を、ステップモータ27の蓋53に、ステ
ップモータ27の蓋53に形成された他方のストッパピ
ン55,56と係合する溝57,58を、ステップモー
タ27のロータ51に形成するようにしてもよい。
【0072】さらに、上記実施例では、ショックアブソ
ーバ1,2,3,4の減衰力を変化させるアクチュエー
タとしてステップモータ27を用い、オープン制御によ
りショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力を制御し
ているが、ステップモータ27の代わりにDCモータを
用い、フィードバック制御によりショックアブソーバ
1,2,3,4の減衰力を制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】サスペンション装置の部品レイアウトを示す斜
視図である。
【図2】ショックアブソーバの主要部を示す縦断正面図
である。
【図3】アクチュエータの分解斜視図である。
【図4】ショックアブソーバの減衰係数を示すグラフで
ある。
【図5】サスペンション装置の振動モデルを示す模式図
である。
【図6】ステップモータの斜視図である。
【図7】ロータおよびステータの平面図である。
【図8】蓋の底面図である。
【図9】サスペンション装置の制御部のブロックダイア
グラムである。
【図10】走行状態に応じた減衰係数選択制御のルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図11】コントロールユニットによって実行される各
ショックアブソーバの減衰力特性変更制御の基本ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図12】減衰力、ばね上ばね下間相対速度としきい値
α,βとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2,3,4 ショックアブソーバ 6,7 車輪 8 コントロールユニット(制御手段) 9 車体 82 補正手段 83 変更範囲選択手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置に関し、特に、ばね上とばね下との間に減衰力特性
可変式のショックアブソーバを備えるものの改良に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のサスペンション装置にお
いては、車体側としてのばね上と、車輪側としてのばね
下との間に、車輪の上下振動を減衰させるためのショッ
クアブソーバが装備されている。このショックアブソー
バには、減衰力特性可変式のものとして、減衰力特性
(減衰係数の異なった特性)が高低2段に変更可能なも
の、減衰力特性が多段又は無段連続的に変更可能なもの
等種々のものがある。
【0003】このような減衰力可変式のショックアブソ
ーバの制御方法は、基本的には、ショックアブソーバが
発生する減衰力が車体の上下振動に対して、加振方向に
働くときにショックアブソーバの減衰力を低減衰側(す
なわちソフト側)にし、減衰力が制振方向に働くときに
ショックアブソーバの減衰力を高減衰側(すなわちハー
ド側)に変更して、ばね上に伝達される加振エネルギー
に対して制振エネルギーを大きくし、もって車両の乗り
心地および走行安定性を共に向上させるようにするもの
である。
【0004】そして、ショックアブソーバの減衰力がば
ね上上下振動の加振方向または制振方向のいずれの方向
に働くか否かの判定は、種々のものが提案されている。
例えば特開昭60−248419号公報には、ばね上と
ばね下との間の相対変位の符号とその微分値であるばね
上ばね下間の相対速度の符号とが一致するか否かを調
べ、一致するときには加振方向と判定し、不一致のとき
は制振方向と判定する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにば
ね上とばね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下と
の相対速度の向きとが一致するか否かに基づき、減衰力
特性を変更制御する減衰力可変式のショックアブソーバ
においては、車輪にかかる荷重つまり接地荷重に関係な
くショックアブソーバの減衰力特性が設定されているた
め、運転者以外に乗員が乗車したり荷物を搭載したりし
て接地荷重が増加している際には、上下振動に対する,
ばね上とばね下との相対変位量、およびばね上とばね下
との相対速度が大幅に増加することになり、乗員に不快
なふわふわ感を与える。
【0006】また、上記の如くばね上とばね下との相対
変位量およびばね上とばね下との相対速度が大幅に増加
していると、接地荷重が増加している際の操縦安定性が
大幅に低下する。
【0007】さらに、接地荷重に関係なくショックアブ
ソーバの減衰力特性が設定されていると、大幅に増加す
るばね上とばね下との相対変位量およびばね上とばね下
との相対速度を所望の減衰力に制御する上で、ばね上と
ばね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下との相対
速度の向きとが頻繁に一致、不一致を繰り返すことにな
り、ショックアブソーバの減衰力特性を切換える際に発
生する切換音が非常に耳障りなものとなる。
【0008】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、乗員および荷物の増加に
応じてショックアブソーバの減衰力特性が設定変更され
るようにして、接地荷重の増加に伴う,不快なふわふわ
感を確実に防止しつつ、操縦安定性の向上を図ると共
に、耳障りな切換音を低減させようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明が講じた解決手段は、各車輪の
ばね上とばね下との間にショックアブソーバを備え、ば
ね上の変位速度とばね下の変位速度との相対関係に応じ
て、上記ショックアブソーバの減衰力特性を変更制御す
る車両のサスペンション装置を前提とする。そして、上
記各車輪のショックアブソーバの減衰力特性を変更して
制御する制御手段と、車輪に作用する接地荷重を検出す
る接地荷重検出手段と、該接地荷重検出手段からの信号
を受け、車輪に作用する接地荷重に基づいて上記ショッ
クアブソーバの減衰力特性の変更制御感度を変更するよ
う,上記制御手段の制御を補正する補正手段とを備える
構成としたものである。
【0010】また、請求項2に係る発明が講じた解決手
段は、上記請求項1記載の発明に従属するものであっ
て、補正手段は、ショックアブソーバの減衰力特性の変
更範囲を走行条件に基づいて選択するための変更範囲選
択手段からの出力信号が入力されるようになっていて、
接地荷重検出手段からの信号を受け、その信号が所定接
地荷重よりも重いときに上記変更範囲選択手段により選
択した変更範囲内におけるショックアブソーバの減衰力
特性をハード側に変更するよう制御手段の制御を補正す
る構成としたものである。
【0011】さらに、請求項3に係る発明が講じた解決
手段は、上記請求項1記載の発明に従属するものであっ
て、補正手段は、接地荷重検出手段からの信号を受け、
その信号が所定接地荷重よりも重いときにショックアブ
ソーバの減衰力特性のソフト側への変更制御感度を規制
するよう制御手段の制御を補正する構成としたものであ
る。
【0012】
【作用】上記の構成により、請求項1に係る発明では、
補正手段により、接地荷重検出手段で検出した車輪に作
用する接地荷重が、例えば所定接地荷重よりも重いとき
にショックアブソーバの減衰力特性の変更制御感度がハ
ードになるよう制御手段の制御が補正されると、運転者
以外に乗員が乗車したり荷物を搭載したりして接地荷重
が増加している際には、ショックアブソーバの減衰力特
性の変更制御感度がハードになるよう補正されて、僅か
な上下振動に対する,ばね上とばね下との相対変位量お
よびばね上とばね下との相対速度が効果的に抑制される
ことになり、乗員に不快なふわふわ感を与えることはな
い。
【0013】また、上記の如く運転者以外に乗員が乗車
したり荷物を搭載したりして接地荷重が増加している際
にショックアブソーバの減衰力特性の変更制御感度がハ
ードになるよう補正されると、接地荷重が増加している
際の操縦安定性が良好なものとなる。しかも、ショック
アブソーバを所望の減衰力に制御する上で、ばね上とば
ね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下との相対速
度の向きとが頻繁に一致、不一致を繰り返すことが抑制
され、ショックアブソーバの減衰力特性を切換える際に
発生する耳障りな切換音が低減される。
【0014】また、請求項2に係る発明では、補正手段
により、変更範囲選択手段で走行条件に基づいて選択し
た変更範囲内におけるショックアブソーバの減衰力特性
の変更制御感度が、接地荷重が増加している際にハード
になるよう,制御手段の制御が補正されているので、接
地荷重が増加している際には、変更範囲内におけるショ
ックアブソーバの減衰力特性の変更制御感度がハードに
なるよう補正されて、僅かな上下振動に対する,ばね上
とばね下との相対変位量およびばね上とばね下との相対
速度が効果的に抑制されることになり、走行条件に応じ
たふわふわ感が防止される。
【0015】また、上記の如く接地荷重が増加している
際に走行条件で選択した変更範囲内におけるショックア
ブソーバの減衰力特性の変更制御感度が接地荷重の増加
時にハードになるよう補正されることから、接地荷重が
増加している際の操縦安定性が良好なものとなる上、シ
ョックアブソーバを所望の減衰力に制御する上でのショ
ックアブソーバの減衰力特性の切換えが抑制されて耳障
りな切換音が効果的に低減される。
【0016】さらに、請求項3に係る発明では、補正手
段により、接地荷重検出手段で検出した車輪に作用する
接地荷重が所定接地荷重よりも重いときにショックアブ
ソーバの減衰力特性のソフト側への変更制御感度を規制
するよう制御手段の制御が補正されているので、接地荷
重が増加している際には、ショックアブソーバの減衰力
特性のソフト側への変更制御感度が規制され、僅かな上
下振動に対する,ばね上とばね下との相対変位量および
ばね上とばね下との相対速度が効果的に抑制されてふわ
ふわ感が同様に防止される。
【0017】また、上記の如く接地荷重が増加している
際にショックアブソーバの減衰力特性のソフト側への変
更制御感度が規制されることから、接地荷重が増加して
いる際の操縦安定性が良好なものとなる上、ショックア
ブソーバを所望の減衰力に制御する上でのショックアブ
ソーバの減衰力特性の切換えが抑制されて耳障りな切換
音が効果的に低減される。
【0018】
【発明の効果】以上の如く、請求項1の発明における車
両のサスペンション装置によれば、接地荷重検出手段か
らの接地荷重が所定接地荷重よりも重いときなどにショ
ックアブソーバの減衰力特性の変更制御感度をハードに
するよう制御手段の制御を補正手段により補正したこと
により、僅かな上下振動に対する,ばね上とばね下との
相対変位量およびばね上とばね下との相対速度を効果的
に抑制して、乗員に対する不快なふわふわ感を確実に防
止しつつ、接地荷重が増加した際の操縦安定性の向上を
図ると共に、ショックアブソーバを所望の減衰力に制御
する上で発生するショックアブソーバの耳障りな切換音
を低減させることができる。
【0019】また、請求項2の発明における車両のサス
ペンション装置によれば、変更範囲選択手段で選択した
変更範囲内におけるショックアブソーバの減衰力特性の
変更制御感度を接地荷重が増加している際にハードにす
るよう制御手段の制御を補正手段により補正したので、
上下振動に対する,ばね上とばね下との相対変位量およ
びばね上とばね下との相対速度を効果的に抑制して、走
行条件に応じたふわふわ感を確実に防止しつつ、接地荷
重が増加している際の操縦安定性の向上を図ることがで
きると共に、ショックアブソーバの耳障りな切換音を効
果的に低減させることができる。
【0020】さらに、請求項3の発明における車両のサ
スペンション装置によれば、接地荷重検出手段からの接
地荷重が所定接地荷重よりも重いときにショックアブソ
ーバの減衰力特性のソフト側への変更制御感度を規制す
るよう制御手段の制御を補正手段により補正したので、
上下振動に対する,ばね上とばね下との相対変位量およ
びばね上とばね下との相対速度を効果的に抑制してふわ
ふわ感を確実に防止しつつ、接地荷重が増加した際の操
縦安定性の向上を図ることができると共に、ショックア
ブソーバの耳障りな切換音を効果的に低減させることが
できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0022】図1は、本発明の好ましい実施例に係る車
両のサスペンション装置を含む車両の略斜視図である。
【0023】図1において、本発明の好ましい実施例に
係る車両のサスペンション装置は、各車輪に対応して設
けられ、各車輪の上下振動を減衰させるたショックアブ
ソーバ1,2,3,4を備えている。各ショックアブソ
ーバ1,2,3,4は、それぞれ、図示しないアクチュ
エータにより、減衰係数が異なった10の減衰力特性に
切り換え可能に構成されており、また、図示しない圧力
センサを備えている。図1において、5は左前輪、6は
左後輪であり、右前輪および右後輪は図示されていな
い。また、7は、各ショックアブソーバ1,2,3,4
の上部外周に配設されたコイルスプリングであり、8
は、各ショックアブソーバ1,2,3,4のアクチュエ
ータに対して、制御信号を出力して、各ショックアブソ
ーバ1,2,3,4の減衰力特性を変更制御する制御手
段としてのコントロールユニットである。
【0024】また、車体9のばね上には各車輪のばね上
の上下方向の加速度を検出する第1加速度センサ11,
第2加速度センサ12,第3加速度センサ13,第4加
速度センサ14が、インストルパネルのメータ内には車
速を検出する車速センサ15がそれぞれ設けられてい
る。16は、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰
力特性の制御をドライバーがハードモード、ソフトモー
ドまたはコントロールモードのいずれかに切り換えるモ
ード選択スイッチを示す。そして、モード選択スイッチ
16により、ハードモードが選択されたときは、減衰力
特性がハードになるような範囲の減衰係数のみが選択さ
れ、その範囲内でのみショックアブソーバ1,2,3,
4の減衰力特性の変更制御がなされる。また、ソフトモ
ードが選択されたときは、減衰力特性がソフトになるよ
うな範囲の減衰係数のみが選択され、その範囲内でのみ
ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性の変更
制御がなされる。さらに、コントロールモードが選択さ
れたときはあらかじめコントロールユニット8内に記憶
されたマップあるいはテーブルにしたがって、所定のよ
うにショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性の
変更制御がなされるようになっている。
【0025】図2は、左前輪に対して設けられたショッ
クアブソーバ1の要部略断面図である。ただし、圧力セ
ンサは、便宜上省略されている。
【0026】図2において、ショックアブソーバ1は、
シリンダ21を備え、シリンダ21内には、ピストンと
ピストンロッドが一体的に結合されたピストンユニット
22が摺動自在に嵌装されている。シリンダ21および
ピストンユニット22は、それぞればね下およびばね上
に結合されている。
【0027】ピストンユニット22には、2つのオリフ
ィス23、24が形成されている。一方のオリフィス2
3は常に開いており、他方のオリフィス24は、それぞ
れ第1アクチュエータ41により、その通路面積が10
段階に変更可能に形成されている。
【0028】図3は、ショックアブソーバ1に設けられ
た第1アクチュエータ41の分解略斜視図であり、図2
および図3に示されるように、第1アクチュエータ41
は、ピストンユニット22に固定されたスリーブ25内
に、回転自在に設けられたシャフト26と、シャフト2
6を回転させるステップモータ27と、シャフト26の
下端部に一体に取付けられ、その円周に沿って、9つの
円形孔28を有する第1オリフィスプレート29と、ス
リーブ25の下端部に一体的に設けられ、その円周に沿
って円弧状の長孔30が形成された第2オリフィスプレ
ート31を備えている。ここに、第1オリフィスプレー
ト29に形成された9つの円形孔28と、第2オリフィ
スプレート31に形成された長孔30とは、ステップモ
ータ27の回転によるシャフト26および第1オリフィ
スプレート29の回転にしたがって、9つの円形孔28
が0ないし9個の範囲で長孔30と連通可能なように形
成されている。
【0029】シリンダ21内の上室32および下室33
内は、所定の粘度を有する流体で満たされており、オリ
フィス23,24を通って上室32および下室33間を
移動可能になっている。
【0030】図2および図3においては、ショックアブ
ソーバ1の構造のみを示したが、他の車輪に対して設け
られたショックアブソーバ2,3,4もまた、図2に示
されたショックアブソーバ1と同様の構造を示してお
り、それぞれ図3に示されたのと同様な第2アクチュエ
ータ42,第3アクチュエータ43,第4アクチュエー
タ44を備えている。
【0031】図4は、ショックアブソーバ1,2,3,
4の減衰力特性を示すグラフであり、D1 ないしD10
は、それぞれショックアブソーバ1,2,3,4の減衰
係数を示している。図4において、縦軸は、ショックア
ブソーバ1,2,3,4が発生する減衰力を、横軸は、
ばね上の変位速度Xs とばね下の変位速度Xu との差、
すなわち、ばね上とばね下の相対変位速度(Xs −Xu
)を示している。図4に示されるように、ショックア
ブソーバ1,2,3,4の減衰力特性は、減衰係数D1
ないしD10のいずれかを選択することによって、10段
階に変更することが可能なように構成されている。図4
において、D1 は、最もソフトな減衰力を発生させる減
衰係数を、D10は、最もハードな減衰力を発生させる減
衰係数を、それぞれ示している。ここに、減衰係数Dk
(k は正の整数で、1〜10)は、第1オリフィスプレ
ート29に形成された9つの円形孔28のうち、(10
−i )個の円形孔28が、第2オリフィスプレート31
に形成された長孔30と連通している場合に選択される
ようになっている。したがって、減衰係数D1 は、第1
オリフィスプレート29の9つの円形孔28のすべてが
第2オリフィスプレート31の長孔30と連通している
場合に選択され、減衰係数D10は、第1オリフィスプレ
ート29の9つの円形孔28のいずれもが第2オリフィ
スプレート31の長孔30と連通しないときに選択され
ることになる。
【0032】図5は、本発明の実施例に係る車両のサス
ペンション装置の振動モデル図であり、msはばね上質
量、muはばね下質量、xsはばね上変位、xuはばね
下変位、ksはコイルスプリング7のばね定数、ktは
タイヤのばね定数、Dk はショックアブソーバ1,2,
3,4の減衰係数である。
【0033】図6は、ステップモータ27の略斜視図で
あり、ステップモータ27は、筒状体50、筒状体50
内に収容されたロータ51,ステータ52および蓋53
から構成されている。図7は、ロータ51およびステー
タ52の略平面図であり、通常のステップモータと同様
に、ロータ51の外周部には複数の矩形形状の歯が形成
され、ステータ52の内周部には、これと対応して複数
の矩形形状の歯が形成されており、ステータ52には、
ソレノイド54が巻回されている。ロータ51には、2
本のストッパピン55,56が形成されており、図8に
示されるように、蓋53には、ストッパピン55,56
に対応する位置の円周方向に2つの溝57,58が形成
されている。溝57は、ロータ51に形成されたストッ
パピン55と係合してステップモータ27の可動範囲を
制御するものであり、他方、溝58はストッパピン56
と係合するものであって、ストッパピン55,56を溝
57,58と係合させることによって、蓋53を被せた
ときにロータ51の重心が回転中心と一致するように位
置合わせを可能とするものである。したがって、蓋53
の中心から溝57,58の両端部を見た円周角は、溝5
8の方が溝57より大きくなっており、専ら溝57によ
って、ステップモータ28の可動範囲が決定されるよう
に溝57,58が形成されている。図8において、ロー
タ51が時計回りに回転すると、減衰係数Dk がより大
きくなって減衰力特性はよりハードになり、他方反時計
回りに回転すると、減衰係数Dk がより小さくなって減
衰力特性はよりソフトになるようになっており、また、
ロータ51の矩形形状の歯がステータ52の隣接する矩
形形状の歯に対向する位置に移動させられたとき、すな
わち、ステップモータ27が一段回転すると、減衰係数
Dk が1つだけ変化するようになっている。従って、ス
トッパピン55が溝57の右端部である第1基準位置に
位置しているとき、減衰係数Dk はD10となり、ショッ
クアブソーバ1が最もハードな減衰力を発生し、他方、
ストッパピン55が溝57の左端部である第2基準位置
に位置しているとき、減衰係数Dk はD1 となり、ショ
ックアブソーバ1が最もソフトな減衰力を発生するよう
になっている。
【0034】図9は、本発明の実施例に係る車両のサス
ペンション装置の制御系のブロック構成図である。
【0035】図9において、本発明の実施例に係る車両
のサスペンション装置の制御系を構成するコントロール
ユニット8は、演算判定手段80および変更制御感度規
制手段としてのしきい値変更手段81を備えており、演
算判定手段80には、ショックアブソーバ1,2,3,
4にそれぞれ設けられた第1圧力センサ61,第2圧力
センサ62,第3圧力センサ63,第4圧力センサ64
の検出した各ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰
力Fsi(ここに、iは、各車輪を示し、i=1,2,
3,4である。)および車輪に作用する接地荷重wの検
出信号、第1加速度センサ11,第2加速度センサ1
2,第3加速度センサ13,第4加速度センサ14の検
出したばね上の上下方向の加速度ai の検出信号、車速
センサ15の検出した車速Vの検出信号、しきい値変更
手段81からのしきい値信号およびモード選択スイッチ
からのモード信号がそれぞれ入力されている。
【0036】また、演算判定手段80は、減衰力Fsiの
検出信号、加速度ai の検出信号、車速Vの検出信号、
しきい値変更手段81からのしきい値信号およびモード
選択スイッチ16からのモード信号に基づいて、予め記
憶しているマップあるいはテーブルにしたがって、各車
輪のショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性を
決定する減衰係数Dkiを算出し、制御記号を生成して、
第1アクチュエータ41,第2アクチュエータ42,第
3アクチュエータ43,第4アクチュエータ44に出力
し、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特性を
制御する。また、演算判定手段80は、しきい値変更手
段81からの予め記憶しているマップあるいはテーブル
に基づくしきい値信号が入力される補正手段82を有し
ていて、演算判定手段80により生成した制御記号を補
正手段82でもって補正することが行われる。さらに、
演算判定手段80は、変更範囲選択手段83を有してい
て、車速センサ15により検出された車速Vの条件に応
じて変更される減衰係数Dkiの範囲が選択されるように
なっている。
【0037】ここに、減衰力Fsiは連続値をとり、ばね
上に対して上向きに作用するときすなわちばね上とばね
下間が縮んでいるときに正の値に、下向きに作用すると
きすなわちばね上とばね下間が伸びているときに負の値
になるように設定され、ばね上の上下方向の加速度ai
は、上向きのときに正の値に、下向きのときに負の値に
なるように設定されている。
【0038】図10は、モード選択スイッチ16によ
り、コントロールモードが選択された場合において、コ
ントロールユニット8により行われる,走行状態に応じ
た減衰係数選択制御のルーチンを示すフローチャートで
あり、図10の減衰係数選択制御のルーチンは、減衰係
数Dkiの変更が余りに頻繁に行われ、その結果、変更時
に大きな音や振動が生じたり、応答遅れが生ずることを
防止するために走行状態に応じて変更制御し得る減衰係
数Dkiの範囲を制限するものである。
【0039】図10において、先ず、ステップSA1にお
いて、車速センサ15により検出された車速V、第1加
速度センサ11、第2加速度センサ12,第3加速度セ
ンサ13,第4加速度センサ14の検出したばね上の上
下方向の加速度ai 、および第1圧力センサ61,第2
圧力センサ62,第3圧力センサ63,第4圧力センサ
64に作用する接地荷重wの検出信号をそれぞれ入力す
る。
【0040】次いで、ステップSA2において、フラグF
がF=1であるか否かを判定する。本実施例において
は、接地荷重wの増加により減衰係数Dkiが変更されて
いるときにはフラグFがF=1にセットされるようにな
っており、フラグFがF=0であるNOのときは、減衰
係数Dkiが変更されていないと判断して、ステップSA3
で自動車が停車したか否かを判定し、YESのときは、
ステップSA4において、第1圧力センサ61、第2圧力
センサ62、第3圧力センサ63、第4圧力センサ64
の検出した実際の接地荷重wが所定の接地荷重w0 (例
えば運転者のみの体重の増加に伴って増加した車両の接
地荷重)以上であるか否かを判定する。そして、この判
定が、実際の接地荷重wが所定の接地荷重w0 を上回っ
ているYESのときは、ステップSA5において、フラグ
FがF=1にセットされて、ステップSA6に進み、第1
〜第4ショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiを前回
の減衰係数Dkiよりも1つ大きいDki=D(k+1)iに変更
してステップSA7に進む。一方、上記ステップSA3の判
定がNOのときおよびステップSA4の判定がNOのとき
は、フラグFがF=0のままでステップSA7に進む。
【0041】これに対して、ステップSA2の判定でフラ
グFが既にF=1であるYESのときは、ステップSA8
で自動車が停車したか否かを判定する。その結果、停車
しているYESのときは、ステップSA9において、実際
の接地荷重wが所定の接地荷重w0 以上であるか否かを
判定する。そして、この判定がNOのときは、ステップ
SA10 においてフラグFがF=0にセットされて、ステ
ップSA7に進む。一方、上記ステップSA8の判定がNO
のときおよびステップSA9の判定がYESのときは、フ
ラグFがF=1にセットされたままでステップSA7に進
む。
【0042】そして、ステップSA7において、車速V
が、低速値である第1の所定車速V1、たとえば3km/h
か否かを判定する。
【0043】その結果、車速Vが、第1の所定車速V1
以下のNOのときは、ステップSA11 に進み、車速Vが
きわめて低速であるから、スコットや制動ダイブ防止す
るため、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力特
性がハードになるように減衰係数DkiをD8iに固定す
る。したがって、減衰係数DkiはD8iに固定されるか
ら、図10に示された減衰係数選択制御のルーチンによ
る減衰力特性の変更制御はおこなわれない。
【0044】一方、車速Vが、第1の所定車速V1 を越
えているYESのときには、ステップSA12 に進み、ば
ね上の上下方向の加速度ai の絶対値が所定値ai0を越
えている悪路走行中か否かを判定する。
【0045】その結果、ばね上の上下方向の加速度ai
の絶対値が所定値ai0を越えている悪路走行中と判定し
たYESのときは、ステップSA13 に進んで車速Vが第
3の所定車速V3 、たとえば50km/h以上か否かを判定
する。
【0046】そして、上記ステップSA13 の判定が、車
速Vが第3の所定車速V3 以上であるYESと判定した
ときは、ステップSA14 において、走行安定性の向上を
重視して減衰力特性を比較的ハードな範囲内で変更制御
するために、減衰係数DkiをD5iないしD7iの範囲に設
定する。その結果、図10に示された減衰係数選択制御
のルーチンにおいて、減衰係数Dkiは、D5iが下限値に
なり、たとえさらにソフトに変更すべき条件が成立して
も、減衰係数Dkiは、D5iに保持され、他方、D7iが上
限値になり、たとえよりハードに変更すべき条件が成立
しても、減衰係数Dkiは、D7iに保持されることにな
る。
【0047】これに対して、上記ステップSA13 の判定
が、車速Vが所定車速V3 未満であるNOと判定したと
きは、ステップSA15 に進み、走行安定性と乗り心地の
向上の両立を図ることが必要であるから、減衰力特性を
比較的ソフトな状態からハードな状態の範囲内で変更制
御することを可能にするために、減衰係数Dkiを、D3i
ないしD7iの範囲に設定する。したがって、図10に示
された減衰係数選択制御のルーチンにおいて、減衰係数
Dkiは、D3iが下限値になり、たとえさらにソフトに変
更すべき条件が成立しても、減衰係数DkiはD3iに保持
され、他方、D7iが上限値になり、たとえよりハードに
変更すべき条件が成立しても、減衰係数DkiはD7iに保
持されることになる。
【0048】一方、上記ステップSA12 の判定が、ばね
上の上下方向の加速度ai の絶対値が所定値ai0以下と
判定されたNOのときは、ステップSA16 に進み、悪路
ではなく通常の道路を走行中であると考えられるから、
このステップSA16 において、さらに車速Vが第2所定
車速V2 、たとえば30km/h以下か否かを判定する。
【0049】その結果、車速Vが、第2所定車速V2 以
下の低速走行状態にあるYESと判定したときは、ステ
ップSA17 において、乗り心地の向上を重視するため、
減衰力特性が比較的ソフトな範囲内で変更制御されるよ
うに、減衰係数DkiをD1iないしD3iの範囲に設定す
る。したがって、図10に示された減衰係数選択制御
ーチンにおいて、減衰係数Dkiが、D1iのときは、た
とえさらにソフトに変更すべき条件が成立した場合でも
減衰係数DkiはD1iに保持され、他方、D3iが上限値に
なり、たとえよりハードに変更すべき条件が成立しても
減衰係数DkiはD3iに保持されることになる。
【0050】これに対して、上記ステップSA16 の判定
が、車速Vが第2所定車速V2 を越えているNOと判定
したときは、ステップSA18において、さらに、車速V
が第4所定車速V4 、たとえば60km/h以下か否かを判
定する。
【0051】その結果、車速Vが、第4所定車速V4 以
下の比較的中速走行状態にあるYESと判定したとき
は、ステップSA19 に進み、走行安定性と乗り心地の向
上させるという2つ要請の両立を図ることが必要である
から、減衰力特性を比較的ソフトな状態からハードな状
態の範囲内で変更制御することを可能とするために、減
衰係数DkiをD2iないしD6iの範囲に設定する。したが
って、図10に示された減衰係数選択制御のルーチンに
おいて、減衰係数DkiはD2iが下限値になり、たとえよ
りソフトに変更すべき条件が成立しても減衰係数Dkiは
D2iに保持され、他方、D6iが上限値になり、たとえさ
らにハードに変更すべき条件が成立しても減衰係数Dki
はD6iに保持されることになる。
【0052】これに対して、上記ステップSA18 の判定
が、車速Vが第4所定車速V4 を越えているNOと判定
したときは、ステップSA20に進み、さらに車速Vが第
5所定車速V5 、たとえば80km/h以下か否かを判定す
る。
【0053】その結果、車速Vが第5所定車速V5 以下
の中速走行状態にあるYESと判定したときは、ステッ
プSA21 に進み、走行安定性と乗り心地の向上という2
つの要請の両立を図りつつ、ややハードにショックアブ
ソーバ1,2,3,4の減衰力特性を変更制御するため
に、減衰係数Dkiを、D4iないしD6iの範囲に設定す
る。したがって、図10の減衰係数選択制御のルーチン
において、減衰係数DkiはD4iが下限値になり、たとえ
さらにソフトに変更すべき条件が成立しても減衰係数D
kiはD4iに保持され、他方、D6iが上限値になり、たと
えさらにハードに変更すべき条件が成立しても、減衰係
数Dkiは、D6iに保持されることになる。
【0054】これに対して、車速Vが第5所定車速V5
を越えた高速走行状態にあるNOと判定したときは、ス
テップSA22 に進み、走行安定性の向上を重視して、減
衰力特性がハードな範囲内で変更制御されるように、減
衰係数DkiをD7iないしD10i の範囲に設定する。した
がって、図10の減衰係数選択制御のルーチンにおい
て、減衰係数DkiはD7iが下限値になり、たとえさらに
ソフトに変更すべき条件が成立しても減衰係数DkiはD
7iに保持され、他方、たとえさらにハードに変更すべき
条件が成立しても減衰係数DkiはD10i に保持されるこ
とになる。
【0055】ここで、図10の減衰係数選択制御のル
チンにおいて変更される減衰係数Dkiは下限値がD1iで
上限値がD10i であり、接地荷重wの増加により減衰係
数Dkiが変更されているときつまりフラグFがF=1に
セットされているときには、上限値D10i を越えない範
囲でそれぞれ1つづつ大きいDki=D(k+1)iに変更され
る。例えば、上記フローのステップSA14 で設定される
フラグFがF=0のときの減衰係数Dki=D5i〜D7iの
変更範囲は、フラグFがF=1のときにDki=D6i〜D
8iの変更範囲に、ステップSA22 で設定されるフラグF
がF=0のときの減衰係数Dki=D7i〜D10i の変更範
囲は、フラグFがF=1のときにDki=D8i〜D10i の
変更範囲にそれぞれ変更される。
【0056】尚、図10のフローチャートにおいて、接
地荷重wの増加によりフラグFがF=1にセットされて
いるときに減衰係数Dkiが1つづつ大きいDki=D(k+
1)iに変更される上限は、走行状態に応じた減衰係数選
択制御のルーチンによって制限され、ステップモータ2
7を図8の時計方向に一段回転させて減衰係数Dkiを前
回の減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)iに変更すべき
場合でも、前回の減衰係数Dkiのまま保持し、また、ス
テップモータ27を図8の反時計方向に一段回転させて
減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより1つまたは2つ
小さいD(k-1)iになるように変更すべき場合でも、前回
の減衰係数Dkiが減衰係数選択制御のルーチンに選択さ
れた減衰係数Dkiの下限値に等しい場合には減衰係数D
kiを前回の減衰係数Dkiのまま保持する。
【0057】図11は、モード選択スイッチ16によ
り、コントロールモードが選択された場合にコントロー
ルユニット8により実行される各車輪のショックアブソ
ーバ1,2,3,4の減衰力特性変更制御の基本ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【0058】図11において、まず、ステップSB1にお
いて、第1加速度センサ11、第2加速度センサ12、
第3加速度センサ13、第4加速度センサ14の検出し
たばね上の上下方向の加速度ai および第1圧力センサ
61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ63、第4
圧力センサ64の検出した減衰力Fsiを入力する。次い
で、ステップSB2において、上記ステップSB1で入力さ
れた上下方向の加速度ai を積分して、ばね上の変位速
度Xsi(=Σai )を算出する。
【0059】しかる後、ステップSB3において、上記ス
テップSB2で算出したばね上の変位速度Xsiに所定の定
数K(K<0)を乗じて、理想の減衰力であるスカイフ
ック減衰力Faiを算出する。そして、ステップSB4にお
いて、次に示す式 hα=Fsi(Fai−αFsi)・・・・・・・・・・・・・ にしたがって、hαを算出する。
【0060】次いで、ステップSB5において、第1圧力
センサ61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ6
3、第4圧力センサ64の検出した車輪に作用する接地
荷重wを入力し、ステップSB6で接地荷重wが所定の接
地荷重以下か否かを判定する。その結果、接地荷重wが
所定の接地荷重以下のYESのときは、運転車のみが乗
車していると判断してステップSB7でしきい値α,βを
αS ,βS にそれぞれ設定する一方、NOのときは、運
の他に乗員の搭乗および荷物の積載があったものと
判断してステップSB8でしきい値α,βをαH ,βH に
それぞれ設定する。その後、ステップSB9でhαが正か
否かを判定し、その結果、hαが正であるYESのとき
は、ステップSB10 に進んで、hαが正であるショック
アブソーバ1,2,3,4の第1アクチュエータ41,
第2アクチュエータ42,第3アクチュエータ43,第
4アクチュエータ44に制御信号を出力して、ステップ
モータ27を図8の時計方向に一段だけ回転させ、減衰
係数Dkiを、前回の減衰係数Dkiより1つ大きいD(K+
1)iに、すなわちよりハードになるように変更する一
方、hαが正でないNOのときは、ステップSB11 に進
み、さらに式にしたがって、 hβ=Fsi(Fai−βFsi)・・・・・・・・・・・・・ hβを算出し、ステップSB12 でhβが負か否かを判定
する。
【0061】その結果、hβが負であるYESのとき
は、ステップSB13 において、hβが負であるショック
アブソーバ1,2,3,4の第1アクチュエータ41,
第2アクチュエータ42,第3アクチュエータ43,第
4アクチュエータ44に制御信号を出力して、ステップ
モータ27を図8の反時計方向に一段だけ回転させ、減
衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより1つ小さいD(k-
1)iになるように、すなわちよりソフトになるように変
更する。これに対して、hβが負でないNOのときに
は、ステップSB14 において、ステップモータ27を回
転させることなく、すなわち減衰係数Dkiを前回の減衰
係数Dkiのまま変更することなく保持して、次のサイク
ルに移行する。
【0062】ここに、α、βは、減衰係数Dkiの変更が
あまりに頻繁におこなわれる結果、その変更時に大きな
音や振動が発生したり、応答遅れが生ずることを防止す
るためのしきい値であって、通常、α>1、0<β<1
に設定される。
【0063】すなわち、FsiとFaiが同符号のときは、
式の(Fai−αFsi)は、α>1であるので、Fsiに
αが乗ぜられていない場合に比して、Fsiと異符号にな
りやすく、その結果、hαは負になりやすいから、減衰
係数Dkiの変更がおこなわれ難く、さらに、式の(F
ai−βFsi)は、0<β<1であるので、Fsiにβが乗
ぜられていない場合に比して、Fsiと同符号になりやす
く、その結果、hβは正になりやすいから、減衰係数D
kiの変更がおこなわれ難くなる。
【0064】これに対して、FsiとFaiが異符号の場合
には、実際の減衰力Fsiを、理想的な減衰力であるスカ
イフック減衰力Faiと一致させることは不可能であり、
減衰係数Di をゼロに近い値にすること、すなわちより
ソフトになるように変更することが、FsiをFaiにより
近づける上で望ましいことになる。そこで、本実施例に
おいては、FsiとFaiが異符号のときは、hαもhβも
共に負の値となり、その結果、コントロールユニット8
により、減衰係数Dkiは、前回の減衰係数Dkiより1つ
小さいD(k-1)iに、すなわちよりソフトになるように変
更されるから、かかる要請を満足することが可能にな
る。
【0065】また、接地荷重wが所定の接地荷重w0 以
下の場合には、しきい値α,βは、α=αS ,β=βS
にそれぞれ設定される一方、接地荷重wが所定の接地荷
重w0 よりも重い場合には、しきい値α,βは、α=α
H ,β=βH にそれぞれ設定される。ここで、αS >α
H ,βS >βH であるので、減衰力特性の変更は、接地
荷重wが所定の接地荷重w0 よりも重い場合の方が、接
地荷重wが所定の接地荷重w0 以下の場合に比して、ハ
ード側に変更されやすいものとなり、ソフト側への変更
が規制されるようにしている。図12(a),(b)
は、減衰力、ばね上ばね下間相対速度(Xs −Xu
と、しきい値α,βとの関係を示すグラフである。図1
2において、RH は、減衰力特性がハード側に変更され
る特性領域、つまり減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dki
より1つ大きいD(k+1)iに変更される特性領域を、RS
は、減衰力特性がソフト側に変更される特性領域、つま
り減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより1つ小さいD
(k-1)iに変更される特性領域をそれぞれ示しており、し
きい値αH ,βH の間の領域およびしきい値αS ,βS
の間の領域は、減衰力特性の変更がなされない領域つま
り不感帯領域を示している。
【0066】尚、図11のフローチャートにおいて変更
される減衰係数Dkiの範囲は、図10の走行状態に応じ
た減衰係数選択制御のルーチンによって制限され、ステ
ップモータ27を図8の時計方向に一段回転させて減衰
係数Dkiを前回の減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)i
に変更すべき場合でも、前回の減衰係数Dkiのまま保持
し、また、ステップモータ27を図8の反時計方向に一
段回転させて減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより1
つ小さいD(k-1)iになるように変更すべき場合でも、前
回の減衰係数Dkiが減衰係数選択制御のルーチンに選択
された減衰係数Dkiの下限値に等しい場合には減衰係数
Dkiを前回の減衰係数Dkiのまま保持する。
【0067】したがって、上記実施例では、補正手段8
2により、変更範囲選択手段83で車速Vおよび悪路走
行などの走行条件に基づいて選択した変更範囲内におけ
るショックアブソーバ1,2,3,4の減衰係数Dkiの
変更制御感度が、接地荷重wが所定接地荷重w0 に比し
て増加している際にステップモータ27を図8の時計方
向に一段回転させて減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dki
より1つ大きいD(k+1)iに変更されて一段ハードになる
ように補正されている。その場合、減衰係数Dkiを前回
の減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)iに変更させる特
性領域RH は、接地荷重wが所定の接地荷重w0 よりも
重い場合のしきい値αH の方が、接地荷重wが所定の接
地荷重w0 以下の場合のしきい値αSに比して傾斜が緩
やかで、ショックアブソーバ1,2,3,4の減衰係数
Dkiのソフト側への変更を規制している。これにより、
運転者を除く乗員の増加および荷物の積載などにより接
地荷重wが所定接地荷重w0 以上に増加している際に
は、車速Vに応じて選択した変更範囲内におけるショッ
クアブソーバ1,2,3,4の減衰係数Dkiが1つ大き
いD(k+1 )i に変更されてしきい値αH によりハード側
に変更され易くなり、上下振動に対する,ばね上とばね
下との相対変位量(s −u )およびばね上とばね下
との相対速度(Xs −Xu )が効果的に抑制されて、走
行条件に応じたふわふわ感を確実に防止することができ
る。
【0068】また、上記の如く接地荷重wが所定接地荷
重w0 に比して増加している際に減衰係数Dkiが前回の
減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)iになるようハード
側に変更されてしきい値αH により減衰係数Dkiのソフ
ト側への変更を規制していることから、接地荷重wが所
定接地荷重w0 に比して増加している際の操縦安定性の
向上を図ることができると共に、ショックアブソーバ
1,2,3,4を所望の減衰力に制御する上でのショッ
クアブソーバ1,2,3,4の減衰係数Dkiの切換えが
抑制されて耳障りな切換音を効果的に低減させることが
できる。
【0069】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
例えば、上記実施例では、走行条件に基づいて選択した
変更範囲内におけるショックアブソーバ1,2,3,4
の減衰係数Dkiの変更制御感度が、接地荷重wが所定接
地荷重w0 に比して増加している際に前回の減衰係数D
kiより1つ大きいD(k+1)iに変更して一段ハードになる
ように補正して、接地荷重wが所定の接地荷重w0 より
も重い場合のしきい値αH によりショックアブソーバ
1,2,3,4の減衰係数Dkiのソフト側への変更を規
制したが、走行条件に基づいて選択した変更範囲内にお
けるショックアブソーバの減衰係数の変更制御感度が、
接地荷重が所定接地荷重に比して増加している際に前回
の減衰係数より1つ大きいD(k+1)iに変更して一段ハー
ドになるように補正するのみに止められるように構成し
ても良い。また、接地荷重が所定接地荷重よりも増加し
ている場合と接地荷重が所定接地荷重以下の場合とを比
較して、それぞれ異なるしきい値のみにより、ショック
アブソーバの減衰係数のソフト側への変更制御感度の変
更が規制されるように構成しても良い。
【0070】また、上記実施例では、乗り心地を重視す
べきと判定された走行状態において、ステップモータ2
7を二段回転させて、減衰係数Dkiを前回の減衰係数D
kiより2つ小さいD(k-2)iに変更するようにしている
が、ステップモータを3段以上回転させるようにするこ
ともできる。
【0071】また、上記実施例では、2つのストッパピ
ン55,56をステップモータ27のロータ51に形成
し、これと係合する溝57,58をステップモータ27
の蓋53に形成しているが、2つのストッパピンがス
ップモータの蓋に形成され、これと係合する溝がステッ
プモータのロータにそれぞれ形成されるようにしてもよ
く、さらには、2つのストッパピンの一方がステップモ
タのロータに、他方がステップモータの蓋にそれぞれ
形成され、ロータに形成されたストッパピンの一方と係
合する溝がステップモータの蓋に、ステップモータの蓋
形成された他方のストッパピンと係合する溝がステッ
プモータのロータにそれぞれ形成されるようにしてもよ
い。
【0072】さらに、上記実施例では、ショックアブソ
ーバ1,2,3,4の減衰力を変化させるアクチュエー
タとしてステップモータ27を用い、オープン制御によ
りショックアブソーバ1,2,3,4の減衰力を制御し
ているが、ステップモータ27の代わりにDCモータを
用い、フィードバック制御によりショックアブソーバ
1,2,3,4の減衰力を制御するようにしてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】サスペンション装置の部品レイアウトを示す斜
視図である。
【図2】ショックアブソーバの主要部を示す縦断正面図
である。
【図3】アクチュエータの分解斜視図である。
【図4】ショックアブソーバの減衰係数を示すグラフで
ある。
【図5】サスペンション装置の振動モデルを示す模式図
である。
【図6】ステップモータの斜視図である。
【図7】ロータおよびステータの平面図である。
【図8】蓋の底面図である。
【図9】サスペンション装置の制御部のブロック構成図
である。
【図10】走行状態に応じた減衰係数選択制御のルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図11】コントロールユニットによって実行される各
ショックアブソーバの減衰力特性変更制御の基本ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図12】減衰力、ばね上ばね下間相対速度としきい値
α,βとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1,2,3,4 ショックアブソーバ 6,7 車輪 8 コントロールユニット(制御手段) 9 車体 82 補正手段 83 変更範囲選択手段
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪のばね上とばね下との間にショッ
    クアブソーバを備え、ばね上の変位速度とばね下の変位
    速度との相対関係に応じて、上記ショックアブソーバの
    減衰力特性を変更制御する車両のサスペンション装置に
    おいて、 上記各車輪のショックアブソーバの減衰力特性を変更し
    て制御する制御手段と、車輪に作用する接地荷重を検出
    する接地荷重検出手段と、 該接地荷重検出手段からの信号を受け、車輪に作用する
    接地荷重に基づいて上記ショックアブソーバの減衰力特
    性の変更制御感度を変更するよう,上記制御手段の制御
    を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする車両の
    サスペンション装置。
  2. 【請求項2】 補正手段は、ショックアブソーバの減衰
    力特性の変更範囲を走行条件に基づいて選択するための
    変更範囲選択手段からの出力信号が入力されるようにな
    っていて、接地荷重検出手段からの信号を受け、その信
    号が所定接地荷重よりも重いときに上記変更範囲選択手
    段により選択した変更範囲内におけるショックアブソー
    バの減衰力特性をハード側に変更するよう制御手段の制
    御を補正している請求項1記載の車両のサスペンション
    装置。
  3. 【請求項3】補正手段は、接地荷重検出手段からの信号
    を受け、その信号が所定接地荷重よりも重いときにショ
    ックアブソーバの減衰力特性のソフト側への変更制御感
    度を規制するよう制御手段の制御を補正している請求項
    1記載の車両のサスペンション装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010133275A1 (de) * 2009-05-16 2010-11-25 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Vorrichtung und verfahren zum geregelten bedämpfen eines fahrzeugs

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010133275A1 (de) * 2009-05-16 2010-11-25 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Vorrichtung und verfahren zum geregelten bedämpfen eines fahrzeugs
US8423244B2 (en) 2009-05-16 2013-04-16 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Device and method for controlled damping of a vehicle

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