JPH0550666U - プリント基板の電池ホルダー及びプリント基板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数の少ない簡易な構造で使用済み後の
プリント基板からの電池の回収が容易にできるプリント
基板の電池ホルダー及びプリント基板を提供する。 【構成】 電池ホルダー21はプリント基板上に載置して
固定される固定板22に電池保持体23a,23bが一体的に形
成され、この電池保持体23a,23bは樹脂製であることか
ら樹脂がその材料特性として備える弾性を有する。固定
板22に取り付けられたバネコンタクト24a,24bを介して
電池と電気的に接続されたプリント基板を電子機器に装
着することによって電子機器に所望の機能を与えること
ができる。また、電子機器の解体廃棄にあたってはプリ
ント基板に固定された電池ホルダー21に保持された電池
を電池保持体23a,23bによる弾性的な支持を解除するこ
とによって、ワンタッチで回収することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はパーソナルコンピューターその他の電子機器に装備されるプリント基 板の電池ホルダー及びプリント基板に関するものであり、特に電池を非着脱式に 取り付けるためのプリント基板の電池ホルダー及び電池を非着脱式に取り付けて なるプリント基板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、能動部品や受動部品等の各種部品を実装したプリント基板が、各種 電子機器に使用されており、一方、時計機能やタイマー機能を電子機器に付与す る必要性が近時高まっており、このため、これら時計機能やタイマー機能を常時 作動させるための電池を実装したプリント基板の需要が増加している。

【０００３】 このような電池を実装したプリント基板を得るために、プリント基板に対して 電池を実装する構造としては従来次のような構造が一般に採用されていた。

【０００４】 まず図10に示すように、プリント基板1に設けられた端子孔2に対し電池3の端 子4を挿入し、その端子4の端部をプリント基板1に対し半田付けにより固定する という構造があった。この場合端子4のプリント基板1に対する半田付けによって 電池3はプリント基板1に対して固定されると共に、プリント基板1の電気回路に 対し電気的に接続される。 また図11に示す構造では、電池5はプリント基板1に対してリード線6及びカプ ラー7を介して電気的に接続され、電池5自体は別途何らかの手段によりプリント 基板1に対して固定される。

【０００５】 さらに特開平3-78963によれば図12、13に示す様なプリント基板への電池の取 り付け構造が示されている。図に示す構造ではプリント基板1に出力ピン8を有す る電池9を実装するに際し、予めプリント基板1に電池9の出力ピン8の配列に対応 したピンソケット10が設けられると共に、このピンソケット10近傍に貫通孔11が 設けられ、ピンソケット10に電池9の出力ピン8を装着して電気的に接続すると共 に、電気絶縁部材からなる条材12により貫通孔11を介して電池9がプリント基板1 に固定される。なお、図に示す構造では電池9は、ボックス9b内に図示されない ボタン電池を複数内装し、やはり図示されない内部配線によって各ボタン電池と 出力ピン8とは電気的に接続されるものとされている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし以上の従来の各種構造にはそれぞれ以下のような問題があった。 まず図10に示す構造では、電池3の端子4が半田付けによりプリント基板1に対 して固定されることから、使用済み後の電子機器を解体・廃棄するにあたってプ リント基板1から電池3を回収する作業が煩雑になるという欠点がある。この点に ついてさらに詳細に説明すれば、近時、環境破壊の防止及び省資源の為のリサイ クルという必要から使用済み後電池の回収が強く求められ、かかる点から図10に 示す構造では電池3のプリント基板1からの取り外しにあたっては、電池3の端子4 をプリント基板1に対して固定した半田付け部分を破壊しなければならず、その ために必要となる労力が多数のプリント基板1から電池3を取り外す作業を煩雑に してしまうという問題がある。

【０００７】 また図11に示す構造では、プリント基板1に対する電池5の電気的接続の為にリ ード線6、コネクター7等が必要でありその意味において部品点数が多くなるとい う欠点がある。またかかる電気的な接続とは別個に電池3の配置、及び固定構造 に関して検討する必要があるという問題がある。

【０００８】 さらに図12、13に示す構造ではプリント基板1からの電池9の回収にあたっては 、条体12による電池9に対する固定を解除した後ピンソケット10から出力ピン8を 引き抜くという手順による作業が必要となり、そのために必要となる労力が多数 のプリント基板1から電池9を取り外す作業を煩雑にしてしまい、図10に示す構造 に関して説明したと同様な問題が生じる。またこの図12、13に示す構造でもピン ソケット10、出力ピン8、ボックス9b及び条体12、さらにはボックス9bの内部配 線等が必要となり、図11に示す構造以上に部品点数が多くなるという問題がある 。

【０００９】 従ってこの考案は上記従来技術の問題を解消し、プリント基板に対して電池を 実装する構造として、部品点数の少ない簡易な構造で使用済み後のプリント基板 からの電池の回収が容易にできるプリント基板の電池ホルダー及びかかる電池ホ ルダーにより電池を装着したプリント基板を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案のプリント基板の電池ホルダーは、プリント基板に対する係止 部を有する固定板と、その固定板に設けられた電池保持体と、前記電池保持体に 保持される電池と前記プリント基板との電気的接続手段とよりなることを特徴と するものである。

【００１１】 また本考案のプリント基板は、プリント基板本体と、そのプリント基板本体に 取り付けられた電池ホルダーとよりなるプリント基板において、前記電池ホルダ ーが前記プリント基板に対する係止部を有する固定板と、その固定板に設けられ た電池保持体と、前記電池保持体に保持される電池と前記プリント基板との電気 的接続手段とよりなることを特徴とするものである。

【００１２】 前記電池保持体は弾性材により形成することが好ましい。それにより電池の保 持が弾性的に行われるので、電池保持体への電池の装着が確実に行われると共に 、電池保持体から電池を回収するにあたっては電池保持体の弾性力に抗して電池 の保持を解除する程度の力でワンタッチで電池を回収することができるからであ る。

【００１３】 前記電気的接続手段を形成するにあたっては、固定板に電池の端子と接する弾 性接点を設ける様にすることができ、また、固定板に電池の端子を挿通するため のスリットを設けるようにすることもできる。

【００１４】

【作用】

本考案のプリント基板の電池ホルダー及びプリント基板によれば次のようにし てプリント基板に対する電池の装着及びプリント基板からの電池の回収が行われ る。

【００１５】 すなわちプリント基板に電池ホルダーの固定板が固定され、その固定板に設け られた電池保持体の弾性力等によって電池が保持され、一方弾性接点等を介して 電池とプリント基板は電気的に接続される。かかるプリント基板を適宜の電子機 器に装着することによって、電子機器に所望の機能を与えることができる。また 、かかる電子機器の解体廃棄にあたっては、プリント基板に固定された電池ホル ダーに保持された電池は、電池保持体による電池に対する弾性力等による支持を 解除することによって、ワンタッチで回収することができる。

【００１６】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図1,2,3はこの考案の一実施例の電池ホルダーを示す。 図に示す電池ホルダー21はプリント基板上に載置して固定される樹脂製固定板 22に、相互に対向する一対の電池保持体23a,23bが一体的に形成されてなる。こ の電池保持体23a,23bは基端部が固定板22に一体的に固定され先端部を鈎状とし て長尺形状に形成され、かつ樹脂製であることからかかる樹脂がその材料特性と して備える弾性を有する。また樹脂製固定板22にはこれも相互に対向して一対の バネコンタクト24a,24bが取り付けられ、電池保持体23a,23bに保持される電池と プリント基板との電気的接続手段が、かかるバネコンタクト24a,24bによって構 成される。

【００１７】 尚、前記電池保持体23a,23b相互の対向線と前記バネコンタクト24a,24b相互の 対向線とがほぼ垂直に交差する関係となるように、前記電池保持体23a,23b及び バネコンタクト24a,24bは配置されている。

【００１８】 図2,3に示されるように前記固定板22の裏面にはボス25がこれも固定板22と一 体に形成され、ボス25は頭部25aとこの頭部25aより小径の胴部25bとよりなる。 以上の実施例における電池ホルダーをプリント基板に装着するにあたっては、 図4に示すようにプリント基板1に設けられた孔部26に前記ボス25の頭部25aを弾 性的に嵌入し、嵌入後ボス25の頭部25aを孔部26の周縁によって支持することに よって脱離を防止する。また電池ホルダー21上に前記電池保持体23a,23bによっ て保持された電池27とプリント基板1との電気的な接続は、電池27の両端部端子 面に当接する前記バネコンタクト24a,24bの端部をプリント基板1に対し接続点Ａ ，Ｂにおいて半田付けすることにより行われる。

【００１９】 従って以上の本考案の実施例の電池ホルダー21及びプリント基板1によれば、 電池ホルダー21の電池保持体23a,23bによって電池27が弾性的に保持され、バネ コンタクト24a,24bを介して電池27と電気的に接続されたプリント基板1を適宜の 電子機器に装着することによって、かかる電子機器に所望の機能を与えることが できる。また、かかる電子機器の解体廃棄にあたっては、プリント基板1に固定 された電池ホルダー21に保持された電池27を、電池保持体23a,23bによる電池27 に対する弾性的な支持を解除することによって、ワンタッチで回収することがで きる。

【００２０】 図5は以上の図1〜4に示される本考案の実施例の電池ホルダー21を用いるにあ たって、電池27の容量を増加させる必要がある場合に補助的に用いられる電池ホ ルダー21aを示す。すなわちこのような電池ホルダー21aを補助的に用いることに よって、前記電池27を形成する図示しないボタン電池等を増加させ電池27の容量 を増加させた場合でも電池27をプリント基板1上に確実に保持することができる 。

【００２１】 図6はこの考案の他の実施例の電池ホルダーを示す。この実施例の電池ホルダ ー31は樹脂製の固定板32と別体にアルミ等の金属を用いて形成された電池保持体 33を前記固定板32に取り付けてなる。かかる電池保持体33は固定板32に対する取 り付け部分32aを平面状とし、かかる取り付け部分32a〜両翼に円弧状部分32b,c を有する形状に一体に形成され、両翼の円弧状部分32b,cによって弾性的に電池 が保持される。

【００２２】 この実施例の電池ホルダー31でも前記実施例の電池ホルダー21と同様にしてプ リント基板1に対する取り付けが行われ、また電気的な接続が、バネコンタクト3 4a,34bを介して行われる。 またこの実施例の電池ホルダー31でも前記実施例の電池ホルダー21と同様に、 電池ホルダー31の電池保持体33によって電池が弾性的に保持され、バネコンタク ト34a,34bを介して電池と電気的に接続されたプリント基板1を適宜の電子機器に 装着することによって、かかる電子機器に所望の機能を与えることができる。ま た、かかる電子機器の解体廃棄にあたっては、プリント基板1に固定された電池 ホルダー31に保持された電池を、電池保持体33による電池に対する弾性的な支持 を解除することによって、ワンタッチで回収することができる。

【００２３】 図7は以上の実施例の電池ホルダー31を用いるにあたって、電池の容量を増加 させる必要がある場合に補助的に用いられる電池ホルダー31aを示す。すなわち このような電池ホルダー31aを補助的に用いることによって、電池を形成するボ タン電池等を増加させ電池の容量を増加させた場合でも電池をプリント基板1上 に確実に保持することができる。

【００２４】 図8,9は本考案のさらに他の実施例の電池ホルダーを示す。この図8,9に示す実 施例の電池ホルダー41,42はそれぞれの固定板43,44にそれぞれスリット45,46が 設けられて成る。これらの電池ホルダー41,42では、予め端子が取り付けられた 電池が用いられ、その電池の端子がスリット45,46を挿通されてプリント基板に 対して電気的に接続される。

【００２５】

【考案の効果】

以上のように本考案のプリント基板の電池ホルダーによれば、プリント基板に 対する係止部を有する固定板と、その固定板に設けられた電池保持体と、前記電 池保持体に保持される電池と前記プリント基板との電気的接続手段とよりなるよ うにしたので、部品点数の少ない簡易な構造でプリント基板への電池の確実な装 着及び電気的な接続を行うことができる。

【００２６】 また本考案のプリント基板によれば、プリント基板に対する係止部を有する固 定板に設けられた電池保持体によって電池を装備するようにしたので、使用済み 後のプリント基板からの電池の回収が容易にできるという優れた効果が奏される 。

【００２７】 特に、近時、環境破壊の防止及び省資源の為のリサイクルという目的から社会 的に強く要請されている使用済み後電池の回収を容易に少ない労力で行うことが できることから、多数のプリント基板から電池を取り外す作業も円滑に行うこと ができるという優れた効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の電池ホルダーを示す斜視
図である。

【図２】 図１に示す実施例の電池ホルダーの矢視II図
である。

【図３】 図２III-III断面図である。

【図４】 図１〜３に示す実施例の電池ホルダーにより
電池を保持し、プリント基板に装着した状態を示す説明
図である。

【図５】 図１〜４に示す実施例の電池ホルダーの変形
例を示す斜視図である。

【図６】 本考案の他の実施例の電池ホルダーを示す斜
視図である。

【図７】 図６に示す実施例の電池ホルダーの変形例を
示す斜視図である。

【図８】 本考案のさらに他の実施例の電池ホルダーを
示す斜視図である。

【図９】 本考案のさらに別の実施例の電池ホルダーを
示す斜視図である。

【図１０】 プリント基板に対する電池の装着構造の従
来例を示す断面図である。

【図１１】 プリント基板に対する電池の装着構造の他
の従来例を示す断面図である。

【図１２】 プリント基板に対する電池の装着構造の別
の従来例を示す部分切欠斜視図である。

【図１３】 図１２に示すプリント基板に対する電池の
装着構造によりプリント基板に対して電池を装着した状
態を示す部分切欠斜視図である。 1 プリント基板 22,32 固定板 23a,23b,33 電池保持体 27 電池 24a,24b,34a,34b バネコンタクト 45,46 スリット 21,31,41,42 電池ホルダー 25 ボス

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント基板に対する係止部を有する固
   定板と、その固定板に設けられた電池保持体と、前記電
   池保持体に保持される電池と前記プリント基板との電気
   的接続手段とよりなることを特徴とするプリント基板の
   電池ホルダー。
2. 【請求項２】 プリント基板本体と、そのプリント基板
   本体に取り付けられた電池ホルダーとよりなるプリント
   基板において、前記電池ホルダーが前記プリント基板に
   対する係止部を有する固定板と、その固定板に設けられ
   た電池保持体と、前記電池保持体に保持される電池と前
   記プリント基板との電気的接続手段とよりなることを特
   徴とするプリント基板。
3. 【請求項３】 前記電池保持体が弾性材より成る請求項
   ２に記載したプリント基板。
4. 【請求項４】 前記電気的接続手段が前記固定板に設け
   られた弾性接点である請求項２に記載したプリント基
   板。