JPH0550543A - 複合断熱パネルおよびその製造方法 - Google Patents

複合断熱パネルおよびその製造方法

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JPH0550543A
JPH0550543A JP3211130A JP21113091A JPH0550543A JP H0550543 A JPH0550543 A JP H0550543A JP 3211130 A JP3211130 A JP 3211130A JP 21113091 A JP21113091 A JP 21113091A JP H0550543 A JPH0550543 A JP H0550543A
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foam
structural plywood
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陽幸 八木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、軽量で製造コストが低く、現
場における施工特性に優れるとともに、構造部材として
も優れた強度特性を発揮する上に、高気密高断熱特性を
有し、省エネ効果および住環境の改善効果が極めて高い
複合断熱パネルを提供することにある。 【構成】本発明に係る複合断熱パネルは、構造用合板1
0bの片面中央部に硬質有機発泡体11bを一体に接合
してパネル本体12bを形成し、このパネル本体12b
を所定形状の枠体に固定するための固定用縁部13bを
構造用合板10bの外周に設けたことを特徴とする。ま
た、硬質有機発泡体11bの表面から露出するように少
くとも1本の補強材14を構造用合板10bに一体に接
合して構成するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木造住宅等の建築物用断
熱材として好適な複合断熱パネルに係り、特に軽量で製
造コストが低く、現場における施工特性に優れるととも
に、構造部材としても優れた強度特性を発揮する上に、
高気密高断熱特性を有し、省エネ効果および住環境の改
善効果が高い複合断熱パネルおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、軸組工法やツーバイフォー工法に
よって建設される木造住宅の壁面、屋根、床面、天井用
の断熱材として、繊維状のグラスウールや中空平板内に
グラスウールを充填した複合断熱パネルが広く使用され
ている。
【0003】しかしながらグラスウール等の繊維状断熱
材の場合は、吸湿等によって断熱材の特性が経時的に低
下してしまう致命的な欠点がある。特に我が国のように
高温多湿な風土条件においては断熱性の低下は著しい。
またグラスウールのみでは気密性を保持することが困難
であるため、断熱材による効果的な遮音効果を期待する
ことはできなかった。
【0004】さらに、グラスウール自体は何ら構造強度
を強化する部材にはならないため、所要の構造強度を確
保するためには、断熱材とは別個に構造物に間柱や筋か
い(ブレーシング)等を適宜配設している。すなわち断
熱材と強度部材の設計施工を個別に実施していたため、
設計工数および現場施工工数が大幅に増加してしまう問
題点があった。
【0005】一方中空平板内にグラスウールを充填した
断熱パネルは、予め工場で安価に量産され、かつ中空平
板自体である程度の構造強度を保持するように形成され
ているため、断熱材および構造部材の双方の機能を有し
ており、現場における施工工数を低減することができ
る。
【0006】しかしながら近年、省エネルギー化の観点
から建築用断熱材の施工基準の改正が実施され、より断
熱特性を高くするために、断熱材の厚さを増加させる傾
向がある。ところがグラスウール等の従来の繊維状断熱
材の必要厚さが、取付ける間柱の厚さを超えてしまうた
め、現実には施工できない問題点がある。
【0007】上記問題点を解決する断熱材パネルとし
て、例えば図5に示すような複合断熱パネル1が提案さ
れている。この複合断熱パネル1は、木材を四角形状に
接合して形成した所定寸法の囲枠2の両面に木質合板
3,3を貼設し、密閉空間を有するパネル本体4を形成
し、しかる後に、上記密閉空間内に、ウレタン樹脂など
を注入し発泡せしめることにより、密閉空間を断熱性が
優れた発泡体5で満たして製造される。またパネル本体
4の縁部には、複合断熱パネル1と、間柱や隣接する複
合断熱パネルとを接合するための、接続金具取付穴6が
設けられている。
【0008】上記複合断熱パネル1によれば、グラスウ
ールと比較してより断熱性に優れるとともに剛性および
構造強度が大きい発泡体を内部に充填して形成したいる
ため、断熱材および構造材としての機能が優れており、
現場における施工工数を削減できる効果が期待されてい
た。
【0009】一方上記問題点を解決する手段として、例
えば実開平3−8211号公報に記載された断熱パネル
もある。この断熱パネルは、図7に示すように、方形状
の枠体100を形成し、この枠体100の一面側に、枠
体100よりもひと回り大きな方形状の構造合板101
を、その周縁部102を張出して固着し、枠体100中
に補強桟103を架設するとともに、枠体100内の各
区画に断熱材104を埋め込んで形成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示すような従来の複合断熱パネル1によれば、発泡体5
の周囲に木製または金属製の囲枠2および2枚の木質合
板3,3を配設する構造を有しているため、パネル本体
4の木材使用量が多く、また埋込式取付金具などの付属
品も必要になる。したがって材料コストおよび加工コス
トが増大化するとともに、重量が極めて大きくなる。ち
なみに厚さ12mmの木質合板を使用したパネルで、幅9
0cm、長さ295cm、全厚さ7cmの複合断熱パネルでは
1枚当りの重量が54kg程度となる。そのため、製造コ
ストが上昇するとともに、複合断熱パネルの運搬、組み
付け等には最低2人の作業員が必要であり、またパネル
の面を所定位置に揃えるのに手間がかかるなど、施工現
場における取扱いに多大な労力を要する欠点があった。
【0011】また、取付ける枠体の組立誤差の大小に応
じて複合断熱パネルの寸法を適宜調整して、修正するこ
とが極めて困難であるという問題点もあった。すなわち
パネルを取付ける場所(枠体)の仕上り寸法が設計値よ
り狭い場合には取付けることができず、逆に広い場合に
は生じた隙間の補修に労力を要するなど、構築物の仕上
り精度に大きく影響を受け易い問題点があった。
【0012】さらに図6に示すように、複合断熱パネル
1を間柱7に接合固定するためには、専用の固定金具8
が必要であり、隣接する複合断熱パネル1との接合に
は、特殊な接続金具9が必要となるため、パネルの製造
加工コストや現場取付工数が増大し、作業性が低くなる
問題点があった。
【0013】一方図7に示す断熱パネルにおいては、断
熱材104の外周部には木製または金属製の枠体100
を配設しているため、断熱パネル全体の重量が未だ大き
く、製造コストが高い上に、運搬や取扱いに難点があっ
た。また枠体100を設けているため、鋸引き等による
パネルの形状修正が困難であり、現場における施工特性
や作業性が未だ低い問題点があった。すなわち、木造軸
組みにおいて隣接する間柱間の幅のばらつき、木製の枠
体自体のそりや捩れ等による僅かな寸法誤差の発生によ
り、パネル自体の挿入固定が困難になる問題点があっ
た。
【0014】本発明は上記の種々の問題点を解決するた
めになされたものであり、軽量で製造コストが低く、現
場における施工特性に優れるともに、構造部材としても
優れた強度特性を発揮する上に高気密高断熱特性を有
し、省エネ効果および住環境の改善効果が高い複合断熱
パネルおよびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、現
場作業性、加工性、および構造強度などの特性に優れた
軽量な複合断熱パネルを開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、構造用合板の片面に吹き付け発泡または注入発泡に
よって硬質有機発泡体を一体に形成した軽量複合材が上
記目的に適合することを確認し、本発明を完成した。
【0016】すなわち本発明に係る複合断熱パネルは、
構造用合板の片面中央部に硬質有機発泡体を一体に接合
してパネル本体を形成し、このパネル本体を所定形状の
枠体に固定するための固定用縁部を構造用合板の外周に
設けたことを特徴とする。
【0017】また、硬質有機発泡体表面から露出するよ
うに少くとも1本の補強材を構造用合板に一体に接合す
るとよい。
【0018】さらに硬質有機発泡体はポリウレタン樹脂
を10〜25倍の発泡倍率で発泡させて形成され内部に
多数の気泡が分散した板状発泡体で構成することもでき
る。
【0019】本発明の複合断熱パネルにおいて使用する
合板としては、建築物の構造補強材としての機能をも発
揮させるために厚さ7.5〜28mm程度の構造用合板が
使用される。構造用合板の大きさは、取付ける場所(枠
体)の寸法によって異なるが、大略幅が450〜120
0mm、高さが400〜3000mmの範囲のものが標準品
として使用される。
【0020】硬質有機発泡体としては、例えばウレタ
ン、スチレン、塩化ビニル、スチロール、エチレンなど
の重合体や酢酸ビニルとの共重合体等が使用され、厚さ
は30〜100mm程度のものが使用される。特にポリウ
レタン樹脂を10〜25倍程度の発泡倍率で発泡させて
形成され内部に多数の気泡が分散した板状発泡体は、断
熱性および構造強度に優れており、上記構造用合板に一
体に接合することにより、パネル本体の剛性を大幅に高
めることが可能となる。
【0021】また固定用縁部は、パネル本体を枠体に取
付けるために50〜100mm程度の幅で構造用合板の外
周に設けられる。複合断熱パネルを柱材から成る枠体に
嵌め込み、固定用縁部を釘打ち等によって固定すること
により複合断熱パネル全体が所定位置に迅速に固定され
る。
【0022】この複合断熱パネルは、下記のような手順
で製造される。まずパネルを取付ける枠体の寸法に応じ
て用意された構造用合板の一方の表面に、枠状に形成し
た発泡体形成治具を装着する。上記発泡体形成治具は、
構造用合板の外周部に固定用縁部が確保されるように、
この固定用縁部の内側に配設される。
【0023】一方、必要に応じて架橋剤を含む液状発泡
剤と液状樹脂原料とを加圧状態でミキシングチャンバに
連続的に供給して両原料を混合する。両原料の温度はそ
れぞれ30〜60℃程度に保持することが必要である。
そして混合と同時に、加圧した樹脂材料混合体を自動吹
付け機の噴射ノズルから上記発泡体形成治具の枠内空間
に吹き付け、積層することにより、所定厚さを有する硬
質有機発泡体を構造用合板に一体に形成する。有機発泡
体の硬化が完了した時点で上記発泡体形成治具は撤去す
る。
【0024】なお、注入発泡によって有機発泡体を形成
する場合には、上記発泡体形成治具の上面に、平板状の
加工板を載置して密閉空間を形成し、しかる後に温度2
0〜22℃に保持した樹脂材料混合体を、圧力6〜7kg
/cm2 程度の空気圧によって上記密閉空間内に注入充填
する。
【0025】硬質有機発泡体の厚さは、断熱パネル製品
に要求される断熱性および構造強度等の特性に応じて3
0〜100mm程度に選定される。
【0026】また樹脂材料の発泡倍率は断熱パネルの断
熱性、構造強度、遮音性、耐水保温性などに大きな影響
を与えるが、断熱特性および構造強度を共に満足させる
ために発泡倍率は8〜25倍の範囲がよい。
【0027】なお発泡剤としては、アゾジカルボンアミ
ド等が使用される一方、架橋剤としてはジクミルパーオ
キシドなどの有機過酸化物が必要に応じて使用される。
【0028】こうして形成された硬質有機発泡体(板状
発泡体)は多数の気泡がマトリックス樹脂中に分散した
構造を有する。気泡の形態としては、発泡体の両面側に
連通する連通気泡や発泡体内において密閉空間を形成す
る独立気泡の2通りがある。連通気泡の場合には着火後
に燃え易い性質があり、また通気による断熱性および遮
音性がわずかに劣るため、独立気泡の発泡体を採用する
ことが望ましい。
【0029】本発明に係る複合断熱パネルおよびその製
造方法によれば、従来の木材薄板やベニアとは異なり構
造用合板を使用し、さらに断熱性および構造強度が優れ
た硬質有機発泡体を構造用合板に一体に接合して構成し
ているため、構造用合板および硬質有機発泡体をそれぞ
れ単独に使用した場合に比較して、相互に剛性が相乗的
に高まり、断熱材のみならず構造用部材としても優れた
特性を発揮する。
【0030】また本発明の複合断熱パネルは、発泡体の
外周に囲枠等を設けず、かつ発泡体の片面のみに構造用
合板を取付ける簡単な構造を有しているため、木材使用
量が少なく材料コストおよび加工コストを大幅に低減す
ることができる。さらに複合断熱パネル自体の重量を従
来製品に比較して半分程度に低減できるため、工場およ
び現場における製品の輸送や取扱いが極めて簡素にな
り、特に現場においては、1人の作業員がパネルを取付
け固定することが可能になり、現場における作業工数を
削減することができる。
【0031】さらに本発明に係る複合断熱パネルによれ
ば、発泡体の両面に構造用合板を配した従来の複合断熱
パネルと異なり、固定用縁部を釘打ちするだけで所定位
置にパネルを取付固定することが可能となる。また鋸引
きや刃物による切断が容易であるため、現場における枠
体の仕上り寸法に応じてパネル寸法を適宜修正して使用
することが可能であり、現場における取付作業性が極め
て優れている。
【0032】また硬質有機発泡体表面から露出するよう
に少くとも1本の補強材を構造用合板に一体に接合して
おくことにより、この補強材を建築物の胴縁や間柱とし
て使用することができ、間仕切材や内装化粧板などを、
より確実に強固に固定することができる。上記補強材の
配設位置、間隔および寸法等は建築物の施工基準に準拠
することは当然である。
【0033】
【実施例】次に本発明の一実施例について添付図面を参
照してより具体的に説明する。図1は本発明に係る複合
断熱パネルの一実施例を示す斜視図であり、図2は他の
実施例を示す斜視図である。
【0034】すなわち図1に示す複合断熱パネル1a
は、厚さ12mm、幅450mm、長さ1820mの構造用
合板10aの片面中央部に硬質有機発泡体11aを一体
に接合してパネル本体12aを形成し、このパネル本体
を所定形状の枠体に固定するための固定用縁部13aを
構造用合板10aの外周に設けて構成される。硬質有機
発泡体11aはポリウレタン樹脂を25倍の発泡倍率で
発泡させて形成され、内部に多数の独立気泡を有する板
状発泡体で形成した。
【0035】また図2に示す複合断熱パネル1bは、図
1に示す構成に加えて、硬質有機発泡体11bの表面か
ら露出し、かつ突出するように1本の補助材14を長手
方向に沿って構造用合板10bに一体に接合して構成さ
れる。
【0036】上記複合断熱パネル1a,1bは、それぞ
れ所定寸法の構造用合板10a,10bの外周縁に固定
用縁部13a,13bを形成し、この固定用縁部13
a,13bの内側に、図示しない発泡体形成治具を配設
して、この治具内の空間に発泡剤を含有するポリウレタ
ン樹脂材料を吹き付けて製造した。
【0037】発泡体形成治具としては、断面が正方形状
または長方形状のステンレス角銅管を四角枠状に組んだ
ものを使用した。発泡体形成治具は、アルミニウム角パ
イプまたは軟鋼製角パイプ材で形成したものでもよい。
吹き付け発泡成形に先立ち、発泡体形成治具の内側面に
はシリコーン液または鉱物油を離型剤として塗布した。
【0038】吹き付け発泡成形は、ヒータを巻回した2
本の供給ホースを通して、温度40℃に調整した液状ポ
リウレタン樹脂原料と、同じく40℃に調整した液状発
泡剤とを、6〜7kg/cm2 程度の加圧状態で混合機に導
き、均一に混合すると同時に、得られた混合物を自動吹
付け機の噴射ノズルから、枠状の発泡体形成治具の内側
領域に平均的に吹きつけ、さらに硬化せしめて厚さ50
mmの硬質有機発泡体11a,11bを形成した。吹き付
けた樹脂材料が硬化した後に発泡体形成治具をパネル本
体12a,12bから撤去して図1〜2に示す複合断熱
パネル1a,1bを製造した。
【0039】そして幅が比較的に狭い複合断熱パネル1
aは、例えば図3に示すように、建築物の屋根材として
の垂木15で形成される枠体に嵌め込まれ、その固定用
縁部13aに釘16または鋲を打ち込むことによって固
定される。また幅が広い複合断熱パネル1bは、桁材1
7と柱18とで形成される大壁用の枠体に嵌め込まれ、
同様に固定される。
【0040】すなわち図4に示すように柱18,18間
に複合断熱パネル1bが、嵌め込まれ、柱18に圧着し
た構造用合板10bの固定用縁部13bに釘16を打込
むことにより、パネル1bは効率的に固定される。なお
補強材14はパネル製造時に予め釘16等によって構造
用合板10bに一体に接合されている。補強材14を柱
18の室内側表面と同位置まで突出させることにより、
胴縁および間柱として利用することができ、室内側の内
装化粧板20等をより強固に固定することができる。一
方、窓枠19の上下部に位置する枠体には、図2に示す
ような長い複合断熱パネル1bを所要寸法に切断して調
製した短い複合断熱パネル1c,1dがそれぞれ嵌め込
まれ固定される。
【0041】なお、図3においては、複合断熱パネル1
a,1bを木造建築物の屋根および側壁用の断熱材とし
て使用した例を示しているが、上記の他に床や天井用断
熱材としても使用できることは言うまでもない。
【0042】また、図4に示すように、柱18と接する
硬質有機発泡体11bの側面と、対向する柱18の側面
とが成す角度θが0.5〜5度程度になるように、発泡
体11bの側面を傾斜させることにより、複合断熱パネ
ル1bを枠体内に嵌装することが極めて容易になり、さ
らに柱18と発泡体11bとの気密性をほぼ完全に保持
することが可能になり、断熱性および遮音性を高める上
で極めて有効である。
【0043】本実施例に係る複合断熱パネル1a,1b
によれば、発泡体11a,11bの外周に囲枠等を設け
ず、また発泡体11a,11bの片面のみに構造用合板
10a,10bを取付ける簡単な構造を有しているた
め、木材使用量が少なく材料コストおよび加工コストを
大幅に低減することができる。さらに複合断熱パネル1
a,1b自体の重量を従来製品に比較して半分程度に低
減できるため、工場および現場における製品の輸送や取
扱いが極めて簡素になり、特に現場においては、1人の
作業員がパネル1a,1bを取付け固定することが可能
になり、現場における作業工数を削減することができ
る。
【0044】次に実際の施工例に基づく本実施例の複合
断熱パネルの効果を従来例と比較して説明する。すなわ
ち、屋根、床、天井、側壁等について延150m2 に及
ぶ断熱施工面積を有する木造住宅について、図2、図
5、図7に示すような、ほぼ同一寸法を有する複合断熱
パネルをそれぞれ実施例、比較例1、比較例2として多
数製造し、各パネルの重量を比較するとともに、上記木
造住宅に組み付けて固定するに要した作業工数(人工×
日数)を比較したところ、下記表1に示す結果を得た。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示す結果から明らかなように本実施
例に係る複合断熱パネルでは平均重量が在来品よりかな
り少なくなるため、製造コストが安価になる上に、現場
における取扱いが容易でまた形状の修正も容易である。
特に、硬質ウレタン部は小刃やカッター等で簡単に削り
取ることが可能であり、現場における寸法合せが極めて
容易となるため、現場における作業工数を大幅に低減す
ることが可能になり、省力化および施工コスト低減に大
いに寄与することが実証された。
【0047】また本実施例に係る複合断熱パネルによれ
ば、枠体との密着性が優れているため、一旦軸組みの枠
体にパネルを嵌め込んで固定した後は、雨仕舞いがほぼ
完全に保証される。そのため、雨天時においても室内側
の下地工事および内装工事を実施することが可能であ
り、また室内外の工事を並行して進める期間が長くな
り、全体として施工期間の短縮を図ることも可能とな
る。
【0048】
【発明の効果】上記説明の通り本発明に係る複合断熱パ
ネルおよびその製造方法によれば、従来の木材薄板やベ
ニアとは異なり構造用合板を使用し、さらに断熱性およ
び構造強度が優れた硬質有機発泡体を構造用合板に一体
に接合して構成しているため、構造用合板または硬質有
機発泡体をそれぞれ単独に使用した場合に比較して、相
互に剛性が著しく高まり、断熱材のみならず構造用部材
としても優れた特性を発揮する。特に高気密かつ高断熱
特性を有しているため、省エネ効果および遮音効果が極
めて高くなり、居住経済性の向上および良好な住環境の
維持改善に極めて有効である。
【0049】また本発明の複合断熱パネルは、囲枠等を
設けず、かつ発泡体の片面のみに構造用合板を取付ける
簡単な構造を有しているため、囲枠用木材および合板の
使用量が少なく材料コストおよび加工コストを大幅に低
減することができる。さらに複合断熱パネル自体の重量
を従来製品に比較して半分程度に低減できるため、工場
および現場における製品の輸送や取扱いが極めて簡素に
なり、特に現場においては、1人の作業員がパネルを取
付け固定することが可能になり、現場における作業工数
を削減することができる。
【0050】近年、特に建設現場における作業性や安全
性に対する要求や規制の厳格化が必至になっており、現
場作業員に対する労働負荷を低減し省力化する対策が望
まれている。この観点から従来のように40kgを超える
重量を有する断熱パネルを一人の作業員によって繰り返
して取り扱うことを強いることは困難である。しかるに
本発明の複合断熱パネルによれば、重量を半減させるこ
とが可能であり、作業員の労働条件を改善する上でも極
めて有効である。
【0051】さらに本発明に係る複合断熱パネルによれ
ば、発泡体の両面に構造用合板を配した従来の断熱パネ
ルと異なり、固定用縁部を釘打ちするだけで所定位置に
パネルを取付固定することが可能となる。また硬質有機
発泡体は鋸引きや刃物による切断が容易であり、木材の
切断部も少ないため、現場における枠体の仕上り寸法に
応じてパネル寸法を現場合せで適宜修正して使用するこ
とが可能であり、現場における取付作業性が極めて優れ
ている。
【0052】また硬質有機発泡体表面から露出するよう
に少くとも1本の補強材を構造用合板に一体に接合して
おくことにより、この補強材を建築物の胴縁や間柱とし
て使用することができ、間仕切材や内装化粧板などを、
より確実に強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合断熱パネルの一実施例を示す
斜視図。
【図2】本発明の他の実施例を示す斜視図。
【図3】図1,2に示す複合断熱パネルを建築物に取付
ける状態を示す斜視図。
【図4】図2に示す複合断熱パネルを柱間に取付けた状
態を示す平断面図。
【図5】従来の複合断熱パネルの構造例を示す斜視断面
図。
【図6】従来の複合断熱パネルの接続固定構造を示す部
分断面図。
【図7】従来の複合断熱パネルの他の構成例を示す斜視
図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d 複合断熱パネル 2 囲枠 3 木質合板 4 パネル本体 5 発泡体 6 接続金具取付穴 7 間柱 8 固定金具 9 接続金具 10a,10b 構造用合板 11a,11b 硬質有機発泡体 12a,13b パネル本体 13a,13b 固定用縁部 14 補強材 15 垂木 16 釘 17 桁材 18 柱 19 窓枠 20 内装化粧板 100 枠体 101 構造合板 102 周縁部 103 補強桟 104 断熱材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造用合板の片面中央部に硬質有機発泡
    体を一体に接合してパネル本体を形成し、このパネル本
    体を所定形状の枠体に固定するための固定用縁部を構造
    用合板の外周に設けたことを特徴とする複合断熱パネ
    ル。
  2. 【請求項2】 硬質有機発泡体表面から露出するように
    少くとも1本の補強材を構造用合板に一体に接合したこ
    とを特徴とする請求項1記載の複合断熱パネル。
  3. 【請求項3】 硬質有機発泡体はポリウレタン樹脂を1
    0〜25倍の発泡倍率で発泡させて形成され内部に多数
    の気泡が分散した板状発泡体であることを特徴とする請
    求項1記載の複合断熱パネル。
  4. 【請求項4】 板状発泡体の気泡が独立気泡であること
    を特徴とする請求項3記載の複合断熱パネル。
  5. 【請求項5】 所定寸法の構造用合板の外周に固定用縁
    部を形成し、固定用縁部の内側に枠状の発泡体形成治具
    を配設した後に、発泡剤を添加した樹脂材料を上記枠状
    の発泡体形成治具の内側空間に吹き付けることにより、
    所定厚さを有する硬質有機発泡体を構造用合板と一体に
    形成することを特徴とする複合断熱パネルの製造方法。
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