JPH09279761A - 構造用パネルおよびその製造方法 - Google Patents

構造用パネルおよびその製造方法

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JPH09279761A
JPH09279761A JP8097188A JP9718896A JPH09279761A JP H09279761 A JPH09279761 A JP H09279761A JP 8097188 A JP8097188 A JP 8097188A JP 9718896 A JP9718896 A JP 9718896A JP H09279761 A JPH09279761 A JP H09279761A
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Japan
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panel
structural
heat insulating
face
reinforcing
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JP8097188A
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English (en)
Inventor
Rikuro Saito
陸郎 齋藤
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Nitto Mokuzai Sangyo KK
Original Assignee
Nitto Mokuzai Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】屋根,床,壁などをパネル化して生産性を向上
させる一方、搬送の効率性を高め、施工の均一化が図れ
る構造用パネルおよびその製造方法を提供するにある。 【解決手段】構造用パネル10は構造用合板等の面材2
4に断熱補強体25を結合させて一体化したパネル本体
26を構成する。断熱補強体25は面材24に固定され
る少なくとも1本の補強材28と独立気泡の発泡体29
とを一体に結合して構成され、補強材28と発泡体29
はほぼ面一に形成される。断熱補強体25は面材24の
端縁から幅方向の少なくと一側が後退あるいは突出して
係合段部27が形成される。係合段部27は構造用パネ
ル10の長手方向に沿って延設されている。この構造用
パネルは建物の壁パネル,屋根パネルあるいは床パネル
として用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造住宅等の床パ
ネル,壁パネルあるいは屋根パネルとして好適な構造用
パネルに係り、特に高気密性,高断熱性,高遮音性に優
れる一方、優れた強度特性を有し、省エネ効果および住
環境の改善効果の高い構造用パネルおよびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軸組工法やツーバイフォー工法に
よって建設される木造住宅の壁面、屋根、床面、天井用
の断熱材として、繊維状のグラスウールや中空平板内に
グラスウールを充填した複合断熱パネルが構造用パネル
として広く使用されている。
【0003】しかしながらグラスウール等の繊維状断熱
材を用いた構造用パネルの場合は、吸湿等によって断熱
材の特性が経時的に低下してしまう致命的な欠点があ
る。特に我が国のように高温多湿な風土条件においては
断熱性の低下は著しい。またグラスウールのみでは気密
性を保持することが困難であるため、断熱材による効果
的な遮音効果を期待することはできなかった。
【0004】さらに、グラスウール自体は何ら構造強度
を強化する部材にはならないため、所要の構造強度を確
保するためには、断熱材とは別個に構造物に管柱や筋か
い(ブレーシング)等を適宜配設している。すなわち断
熱材と強度部材の設計施工を個別に実施していたため、
設計工数および現場施工工数が大幅に増加してしまう問
題点があった。
【0005】一方グラスウールを内部に充填した構造用
パネルは、予め工場でプレカットされて安価に量産さ
れ、かつ構造用合板およびその枠体である程度の構造強
度を保持するように形成されている。このため、構造用
パネルは断熱材および構造部材の双方の機能を有してお
り、現場における施工工数を低減することができる。
【0006】しかしながら近年、省エネルギー化の観点
から建築用断熱材の施工基準の改正が実施され、より断
熱特性を高くするために、断熱材の厚さを増加させる傾
向がある。ところが断熱材の厚さを増加すると、グラス
ウール等の従来の繊維状断熱材では必要厚さが取付ける
管柱の厚さを超えてしまうため、現実には施工できない
問題点がある。
【0007】上記問題点を解決する断熱材パネルとし
て、例えば図33および図34に示すような複合断熱パ
ネル1が提案されている。この複合断熱パネル1は、木
材を矩形形状に接合して形成した所定寸法の囲枠2の両
面に木質合板3,3を貼設し、密閉空間を有するパネル
本体4を形成する。しかる後に、上記密閉空間内に、ウ
レタン樹脂などを注入し発泡せしめることにより、密閉
空間を断熱性が優れた発泡体5で満たして製造される。
またパネル本体4の縁部には、複合断熱パネル1と、管
柱や隣接する複合断熱パネルとを接合するための接続金
具取付穴6が設けられている。
【0008】上記複合断熱パネル1によれば、グラスウ
ールと比較してより断熱性に優れるとともに剛性および
構造強度が大きい発泡体を内部に充填して形成している
ため、断熱材および構造材としての機能が優れており、
現場における施工工数を削減できる効果が期待されてい
た。
【0009】一方、上記問題点を解決する手段として、
例えば特開昭5−50543号公報に記載された複合樽
パネルもある。この断熱パネル1Aは図35に示すよう
に、矩形の構造用合板7の一側に周縁部を残して矩形の
断熱補強体を固着したものである。この断熱補強体8は
幅方向中央に長手方向に延びる補強材8aと独立気泡の
発泡体8bとから構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図33に示すような従
来の複合断熱パネル1によれば、発泡体5の周囲に木製
または金属製の囲枠2および2枚の木質合板3,3を配
設する構造を有しているため、パネル本体4の木材使用
量が多く、また埋込式取付金具などの付属品も必要にな
る。したがって材料コストおよび加工コストが増大化す
るとともに、重量が極めて大きくなる。ちなみに厚さ1
2mmの木質合板3,3を使用したパネルで、例えば幅9
0cm、長さ295cm、全厚さ7cm程度の複合断熱パネル
1では1枚当りの重量が54kg程度となる。そのため、
製造コストが上昇するとともに、複合断熱パネル1の運
搬、組み付け等には最低2人の作業員が必要であり、ま
たパネルの面を所定位置に揃えるのに手間隙がかかるな
ど、施工現場における取扱いに多大な労力を要する欠点
があった。
【0011】また、取付ける枠体の組立誤差の大小に応
じて複合断熱パネルの寸法を適宜調整したり、修正する
ことが極めて困難であるという問題点もあった。すなわ
ちパネルを取付ける場所(枠体)の仕上り寸法が設計値
より狭い場合には取付けることができず、逆に広い場合
には生じた隙間の補修に労力を要するなど、構築物の仕
上り精度に大きく影響を受け易い問題点があった。
【0012】さらに図34に示すように、複合断熱パネ
ル1を柱Cに接合固定するためには、専用の固定金具9
aが必要であり、隣接する複合断熱パネル1との接合に
は、特殊な接続金具9bが必要となるため、パネルの製
造加工コストや現場取付工数が増大し、作業性が低くな
る問題点があった。
【0013】一方図35に示す複合断熱パネル1Aにお
いては、中央の補強材8aが発泡体8bより大きく突出
しているために、嵩ばりコンパクトな搬送ができなかっ
たり、搬送の荷送りに困難性を伴い、施工現場における
取扱いに多大な労力や手間隙がかかっていた。
【0014】また、補強材8aや発泡体8bが構造用合
板7の長手方向両端縁近くで終端しているために、この
断熱パネル1Aを長手方向に連接して配置することが困
難で、屋根パネルや床パネルとして使用できなかった
り、さらに屋根パネルや床パネルとして使用するために
は施工現場での全ての断熱パネル1Aのカッティングが
必要となったり、材料を無駄に使用するため、現場での
廃材が多く、建築材料を有効的に効率よく利用すること
が困難であった。
【0015】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、屋根,床,壁などをパネル化して生産性を向上
させる一方、搬送の効率性を高め、施工の均一化が図れ
る構造用パネルおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0016】本発明の他の目的は、施工現場における作
業員の負担を大幅に軽減し、建設工期を短縮することが
できる一方、熟練度による施工のバラツキを防止できる
構造用パネルおよびその製造方法を提供するにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、高断熱化およ
び高気密化が図れ、遮音性に優れ、優れた強度特性を有
する構造用パネルおよびその製造方法を提供するにあ
る。
【0018】本発明の別の目的は、工場製作により品質
を向上させると共に施工現場での廃材を減少させ、建築
材料を効率よく、有効的に利用でき、大幅なコストダウ
ンが可能な構造用パネルおよびその製造方法を提供する
にある。
【0019】本発明のさらに別の目的は、施工現場にお
ける作業員の負荷を軽減させる一方、施工現場での騒音
を減少させ、施工を能率よく簡単に行うことができる構
造用パネルおよびその製造方法を提供するにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る構造用パネ
ルは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載
したように、構造用合板等の面材に少なくとも1本の補
強材を固定する一方、上記補強材固定側の面材に発泡体
を一体に接合してパネル本体を形成し、上記パネル本体
は面材に固定される発泡体と補強材とから断熱補強体を
構成し、上記断熱補強体は幅方向の少なくとも一側が前
記面材の端縁から後退あるいは突出して係合段部がパネ
ル本体の長手方向に沿って形成されたものである。
【0021】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る構造用パネルは、面材は矩形形状の構造用合
板で構成される一方、断熱補強体は面材の長手方向に延
びて固定された補強材と独立気泡の発泡体とがほぼ面一
に形成されたものである。
【0022】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る構造用パネルは、パネル本体は幅方向両側
に係合段部が長手方向に沿って形成され、上記係合段部
は断熱補強体の幅方向両側が面材の端縁より後退あるい
は突出して構成されたり;また、パネル本体は幅方向両
側に係合段部が長手方向に沿って形成され、上記係合段
部は断熱補強体の幅方向一側が面材の端縁より後退し、
その他側が面材の端縁より突出して構成されたものであ
る。
【0023】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る構造用パネルは、面材はその長手方向
に複数本の補強材がほぼ平行に固定される一方、断熱補
強体は面材の端縁より少なくとも幅方向外方に突出する
側に前記補強材が補強枠体として備えられたものであ
る。
【0024】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る構造用パネルは、断熱補強体は面材の端縁
から長手方向の少なくとも一側が後退あるいは突出して
接続段部がパネル本体の幅方向に沿って形成されたもの
である。
【0025】また、本発明に係る構造用パネルの製造方
法は、上述した課題を解決するために、請求項7に記載
したように、所定寸法の構造用合板等の面材に少なくと
も1本の補強材を固定して枠状の発泡体形成治具にセッ
トした後、発泡体形成治具の内側空間に発泡剤を添加し
た樹脂材料を充填して発泡させ、独立気泡の発泡体を補
強材と面一になるように面材と一体に形成する方法であ
る。
【0026】一方、本発明に係る構造用パネルは、上述
した課題を解決するために、請求項8に記載したよう
に、対向設置された構造用合板等の面材間に少なくとも
1本の補強材を介装して固定し、対向設置された面材間
に発泡体を充填させて、接合してパネル本体を形成し、
上記パネル本体は発泡体と補強材とから断熱補強体を構
成し、上記断熱補強体は幅方向の少なくとも一側が前記
面材の端縁から後退あるいは突出して係合凹部あるいは
係合凸部がパネル本体の長手方向に形成されたものであ
る。
【0027】上述した課題を解決するために、本発明に
係る構造用パネルは、パネル本体は幅方向両側に係合凹
部が長手方向に沿って形成され、上記係合凹部は断熱補
強体の幅方向両側が面材の端縁より後退して構成された
り;また、パネル本体は幅方向両側に係合凸部が長手方
向に沿って形成され、上記係合凸部は断熱補強体の幅方
向両側が面材の端縁より突出して構成されたり;さら
に、パネル本体は幅方向一側に係合凹部が、その他側に
係合凸部がそれぞれ形成され、上記係合凹部は断熱補強
体の幅方向一側が面材の端縁より後退し、また係合凸部
は断熱補強体の幅方向他側が面材の端縁より突出するこ
とにより構成されたものである。
【0028】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る構造用パネルは、面材はその長手方向に複数
本の補強材がほぼ平行に固定される一方、断熱補強体は
面材の端縁より少なくとも幅方向外方に突出する側に前
記補強材が補強枠体として備えられたものである。
【0029】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る構造用パネルにおいては、断熱補強体は面
材の端縁から長手方向の少なくとも一側が後退あるいは
突出して接続凹部あるいは接続凸部がパネル本体の幅方
向に形成されたものである。
【0030】他方、本発明に係る構造用パネルの製造方
法は、上述した課題を解決するために、請求項14に記
載したように、対向設置された所定寸法の構造用合板等
の面材間に少なくとも1本の補強材を介装し、固定して
枠状の発泡体形成治具にセットした後、発泡体形成治具
により対向設置の面材間の内側空間に発泡剤を添加した
樹脂材料を充填して発泡させ、独立気泡の発泡体を対向
設置の面材間に一体に形成する方法である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につ
き、添付図面を参照して説明する。
【0032】図1は、本発明に係る構造用パネルを木造
住宅に適用した一例を示すものである。
【0033】本発明に係る構造用パネル10は、建物1
1の床,壁,屋根などに用いられる。建物の床,壁,屋
根などにパネル化され、剛性が高められた複合断熱パネ
ルが構造用パネルとして用いられ、この複合断熱パネル
には壁パネル12,屋根パネル(野地パネル)13,パ
ネル14がある。
【0034】このうち、屋根パネル13は建物11の屋
根に横架される軒桁材15,母屋材16,図示しない棟
木材上に直接取り付けられ、固定される。屋根パネル1
3は横架材に直接取り付けることができるので、建物1
1に垂木が不要となり、省略することができる。軒桁材
15は柱17あるいは梁18により支持され、母屋材1
6や棟木材は梁18上に立設された束材19上に横架さ
れる。梁18も柱17上に横架され、柱17間には管柱
20が設けられ、補強される。
【0035】また、壁パネル12は外壁パネルおよび仕
切壁パネル(芯壁用パネル)が存在する。壁パネル12
は建築基準法で定められた壁の倍率をクリアする耐力壁
として用いられる。外壁パネルに用いられる壁パネル1
2は、図1に示すように、柱12と管柱20間、管柱2
0間あるいは柱17間に取り付けられ、壁倍率2.5倍
以上の耐力壁を構成している。符号21は胴差しあるい
は土台である。
【0036】この構造用パネル10は、予め工場でプレ
カットによりパネル化され、製造される。製造された構
造用パネル10は施工現場に搬送され、現場で建物に組
み付けられ、あるいは嵌め込まれる施工が行なわれる。
構造用パネル10を工場で製造する際、サッシ等の窓枠
を組み込み、何らかの性能や機能を付加してもよい。
【0037】ところで、建物11の床,壁,屋根などを
パネル化するためには、図2に示すように工場における
機械プレカット,構造部材の統一,施工現場における架
構方法(組付方法)のルール化の3つの条件が上手く噛
み合うことが前提条件となる。パネル化には3つの前提
条件に物流を整備して搬送作業を円滑に、かつ能率よく
行なって相互の調整をスムーズに行なう必要がある。
【0038】パネル化の第1条件である工場における機
械プレカットは、構造用パネル10に使用される構造用
合板等の面材の品質管理が重要であり、しっかりした品
質管理の下で、工場で部材乾燥,プレカット,組立等を
行なうことによって品質の低下や品質のバラツキを防止
できる。
【0039】構造用合板として用いられる合板には、ラ
ワン合板等の普通合板の他に、銘木合板等の天然木化粧
合板,プリント合板,合成樹脂化粧合板等ある。ラワン
等の熱帯広葉樹で形成された合板に代え、松,檜,杉,
欅,チーク,メープル等の銘木薄板で合板を作ってもよ
い。
【0040】パネル化の第2条件である構造部材の統一
は、例えば壁のパネル化には梁18や胴差し21などの
主要な横架材の寸法の規格化,統一化の必要がある。木
造軸組住宅には極めて多くの断面寸法の木材が使われて
おり、特に梁18や胴差し21等の主要な横架材に著し
い。この主要な横架材の寸法を統一あるいは規格化すれ
ば、柱17の長さを統一あるいは規格化でき、用意する
壁パネルの種類を少なくすることができ、コストダウン
が図れる。
【0041】パネル化の第3条件である架構方法のルー
ル化は、構造用パネル10の組付・組立方法のルール化
である。パネル化に対応して架構方法をルール化するこ
とにより、建物11の形状をある程度限定した規格型住
宅においてメリットを発揮でき、コストダウンを図るこ
とができる。
【0042】例えば、壁パネル12の取付方法は、枠組
壁工法の架構手順を導入した方法と従来の架構手順に壁
パネル12を取り付ける方法がある。
【0043】前者の方法は、建物11の隅に柱17を建
てて壁パネル12を取り付け、壁パネル12の横に管柱
20を建てる。この作業を順次繰り返し、その階の全て
の柱(管柱)17,20,壁パネル12を建て起こした
後、次階用の梁18や軒桁材15,胴差し21等の横架
材を載せていく組立工法である。この組立工法は、壁パ
ネル12と主要構造材(柱や横架材)とのクリアランス
を極力抑えることができる利点がある。
【0044】後者の方法は、柱17,20や梁18等の
主要な構造材の架構(組立)後に壁パネル12を挿入す
る組付方法である。この場合には、主要構造材と壁パネ
ル12との間に例えば2mm程度のクリアランスが生じる
ので、気密性や断熱性を向上させるコーキング等の施工
も必要となる。
【0045】このように、建物11の床,壁,屋根等の
パネル化には、工場における機械プレカットの導入,構
造部材の統一(基準化),架構方法のルール化が必須の
条件となる。
【0046】この構造用パネル10に用いられる面材
(合板)としては、建物の構造補強材としての機能を発
揮させるために、厚さ7.5mm以上、例えば7.5〜2
8mm程度の構造用合板が使用される。構造用合板の大き
さは、取付場所の寸法によって異なるが、大略、幅寸法
が450〜1200mm,長さ寸法が400〜4000mm
の範囲の矩形形状のものが標準品として用いられる。厚
さ寸法は30〜120mm程度のものが用いられる。
【0047】建物11に用いられる構造用パネル10は
図3に示すように構成される。この構造用パネル10は
壁パネル12として用いたものである。壁パネル12と
して用いられる構造用パネル10は、幅寸法w×長さ寸
法l×厚さ寸法tが規格化され、標準化されるのが望ま
しい。構造用パネル10は幅寸法w×長さ寸法lが例え
ば905mm(995mm)×2960mm(2430mm,2
730mm,3640mm)である。構造用パネル10は壁
倍率の高い耐力壁の必要性から厚さ7.5mm以上、例え
ば9mmの構造用合板が面材24として用いられる。この
面材24には矩形形状の仕上げ材が使用される。面材2
4の厚さに比例して室内の温度調節機能が増大する。
【0048】面材24の一側に矩形の断熱補強体25が
接合され、一体化されたパネル本体26が形成される。
パネル本体26は幅方向両側に係合段部27が形成され
る。この係合段部27は断熱補強体25を面材24の幅
方向両端縁から所要寸法、例えば数mm〜十数cm程度後退
させることにより構成される。係合段部27はパネル本
体26の長手方向全体に亘って形成される。
【0049】断熱補強体25は、矩形断面の補強材を構
成する補強材28とこの補強材28と一体に結合される
独立気泡の発泡体29とから構成される。断熱補強体2
5は補強材28と発泡体29がほぼ面一に形成される。
発泡体29を補強材28と面一に形成することにより、
構造用パネル10を積み重ねたときの嵩ばりを防止して
安定的に積み上げることができ、運搬や取扱いに利便性
を持たせ、搬送の効率化を図ることができる。
【0050】面材24の中央部に長手方向に沿って釘打
ちあるいは接着剤等で固定される補強材28は、構造用
パネル10の補強桟を構成して機械的・物理的強度を向
上させる一方、上記補強材28は木材を所要長さの矩形
断面形状に切断して形成される。また、補強材28は細
長い本材や木材細片を相互に接合し、矩形断面形状に構
成することにより形成してもよい。
【0051】断熱補強体25を構成する発泡体29は、
例えば、ウレタン,スチレン,塩化ビニル,スチロー
ル,エチレン等の重合体や酢酸ビニルとの共重合体等が
使用され、厚さは30mm〜100mm程度のものが用いら
れる。特にポリウレタン樹脂を8〜25倍程度の発泡倍
率で発泡させて形成した発泡体29は内部に多数の独立
気泡が分散して形成され、断熱性,防音性および構造強
度に優れている。この発泡体29を構造用合板の面材2
4と一体に接合することにより、パネル本体26の剛性
を大幅に高めることができる。
【0052】この構造用パネル10は次の手順で製造さ
れる。
【0053】構造用パネル10は工場で機械プレカット
されて製造されるが、この構造用パネル10を製造する
際、構造用合板として所要寸法にカットされた面材24
を用意し、この面材24の幅方向中央部に1本の補強材
28を長手方向全体に亘って介装し、釘打ちあるいは接
着剤等で固定する。補強材28が固定された面材24を
枠状の発泡体形成治具(図示せず)内にセットし、発泡
体形成治具内に面材24と補強材28とにより内部空間
を形成する。
【0054】一方、発泡体29の形成は、まず、ポリウ
レタン樹脂等の液状樹脂材料と必要に応じて架橋剤を含
む液状発泡剤とを加圧状態でミキシングチャンバに連続
的に供給して両原料を混合させることにより行なわれ
る。両原料の温度はそれぞれ30〜60℃程度に保持す
ることが必要である。そして、両原料は混合加圧され、
加圧された樹脂混合体を自動吹付け機から発泡体形成治
具の枠内内部空間に吹き付け、充填させる。これによ
り、所定厚さの硬質有機発泡体29を面材24および補
強材28と接合して一体あるいは一体的に形成し、パネ
ル本体26が構成される。有機発泡体29の硬化が完了
した時点で発泡体形成治具は撤去される。
【0055】なお、注入発泡によって有機発泡体29を
形成する場合には、上記発泡体形成治具の上面に、平板
状の加工板を載置してこの加工板と面材24および補強
材28との間に密閉空間を形成する。しかる後に温度2
0〜22℃に保持した樹脂材料混合体を、圧力6〜7kg
/cm2 程度の空気圧によって上記密閉空間内に注入充填
する。
【0056】硬質有機発泡体29の厚さは、断熱パネル
製品に要求される断熱性および構造強度等の特性に応じ
て30〜100mm程度に選定される。
【0057】また樹脂材料の発泡倍率は構造用パネル1
0の断熱性、構造強度、遮音性、耐水保温性などに大き
な影響を与えるが、断熱特性および構造強度を共に満足
させるために発泡倍率は8〜25倍の範囲がよい。
【0058】なお発泡剤としては、アゾジカルボンアミ
ド等が使用される一方、架橋剤としてはジクミルパーオ
キシドなどの有機過酸化物が必要に応じて使用される。
【0059】こうして形成された硬質有機発泡体(板状
発泡体)29は多数の気泡がマトリックス樹脂中に分散
した構造を有する。気泡の形態としては、発泡体の両面
側に連通する連通気泡や発泡体内において密閉空間を形
成する独立気泡の2通りがあるが、連通気泡の場合には
着火後に燃え易い性質があり、また通気による断熱性お
よび遮音性がわずかに劣るため、独立気泡の発泡体を採
用することが望ましい。
【0060】この構造用パネル10によれば、従来の木
材薄板やベニアとは異なり構造用合板の面材24を使用
し、さらに断熱性および構造強度が優れた硬質有機発泡
体29を構造用合板の面材24に一体に接合して構成し
ているため、構造用合板の面材24および硬質有機発泡
体29をそれぞれ単独に使用した場合に比較して、剛性
が相乗的に高まり、断熱材のみならず構造用部材として
も優れた特性を発揮する。
【0061】また構造用パネル10は、発泡体29の外
周に囲枠等を設けず、かつ発泡体29の片面のみに構造
用合板の面材24を取付ける簡単な構造を有しているた
め、木材使用量が少なく材料コストおよび加工コストを
大幅に低減することができる。さらに構造用パネル10
自体の重量を従来製品に比較して半分程度に低減でき、
しかも断熱補強体25は補強材28が発泡体29から突
出せず面一に保たれるため、工場および現場における製
品の輸送や取扱いが極めて簡素になり、特に施工現場に
おいては、1人の作業員で構造用パネル10を取付け固
定することが可能になり、現場における作業性を改善
し、作業工数を削減することができる。
【0062】特に、この構造用パネル10はパネル本体
26の幅方向両側に形成される係合段部27の段差を図
3および図4に示すように所要寸法とすることにより、
枠組壁工法の架構手順を導入すれば、図5に示すよう
に、パネル本体26の係合段部27を柱17あるいは管
柱20に凹凸係合させ、構造用パネル10と主要構造材
(柱17や管柱20)とのクリアランスをゼロに抑える
ことができる。
【0063】この構造用パネル10を壁パネル12とし
て建て込む場合には、柱(通し柱)17や管柱20の対
向する側面に長手方向に延びる所要幅および深さの係合
溝30,30を形成する。そして、建物11の隅に柱
(通し柱)17を立ててその柱17の係合溝30に壁パ
ネル12の係合段部27を係合させ、構造用合板である
面材24の幅方向一側の突出端縁を係合溝30に挿入し
て嵌合固定させる。続いて壁パネル12の他側に管柱2
0を立てて、管柱20を壁パネル12に寄せながら、土
台(あるいは胴差し21)の柄穴に管柱20の柄(突
起)を落し込む一方、管柱20の係合溝30に他側の係
合段部27を係合させ、面材24の他側の突出端縁を係
合溝30に挿入して嵌合固定させる。このようにして、
壁パネル12の横に管柱20を建てることができ、以
下、施工現場で順次この作業を繰り返し行なってその階
の全ての柱(管柱)17,20と壁パネル12とを建て
起こした後、梁や胴差し等の次の階を形成するための横
架材を載せることにより、壁パネル12を順次埋込み式
で取り付けていくことができる。
【0064】この場合、柱(管柱)17,20と壁パネ
ル12の外側面を図5に示すように面一に形成でき、こ
の外側面の面一化により外壁の構築が簡単かつ容易にな
る。
【0065】また、壁パネル12は室内側に構造用合板
の仕上げ材である面材24が位置するので、この面材2
4を利用して室内の造作を簡単に行なうことができ、造
作の自由度が大きくなる。
【0066】この場合、柱17や管柱20に壁パネル1
2の幅方向両側係合段部27を埋め込む形で凹凸嵌合さ
せて組み建てることができるので、柱17と壁パネル1
2との気密性,遮音性を良好に維持でき、しかも、壁パ
ネル12は独立気泡の発泡体29が構造用合板としての
面材24や補強材28に良好に密着して一体化している
ため、気密性をほぼ完全に保持することが可能となり、
断熱性や遮音性を大幅に向上させることができる。
【0067】図6および図7は構造用パネル10Aを壁
パネル12として用いた第2実施形態を示すものであ
る。
【0068】図6および図7に示される構造用パネル1
0Aは外壁用の壁パネルにも適用できるが、芯壁用ある
いは仕切壁用の壁パネル12として適したものである。
【0069】この構造用パネル10Aは、構造用合板で
ある面材24に断熱補強体25が接合され、一体化した
構成は、図3ないし図5に示す構造用パネル10と共通
する。共通する部分は同一符号を付して説明を省略す
る。
【0070】図6および図7に示す構造用パネル10A
が図3ないし図5に示す構造用パネル10と基本的に相
違する点は、パネル本体26の幅方向両側に形成される
係合段部27は、面材24が断熱補強体25の端縁から
数cm〜十数cm大きく突出する一方、面材24の長手方向
端縁も断熱補強体25の端縁から数cm〜十数cm大きく突
出し、幅方向に延びる接続段部31が形成されているこ
とである。この構造用パネル10Aにおいても、断熱補
強体25は補強材28と発泡体29とをほぼ面一に形成
して、輸送や取扱いの利便性が考慮されている。
【0071】この構造用パネル10Aは建物11に壁パ
ネル12として組み付けられるが、この組付は、図8に
示すように、柱17や管柱20,横架材としての梁18
や胴差し21等の主要な構造材を架構し、組み立てた後
に、壁パネル12が挿入され、取り付けられる。符号3
2は布基礎33上に設置させる土台であり、この土台3
2上に柱17や管柱20が立設される。
【0072】具体的には、壁パネル12はクレーン等で
持ち上げられ、柱(通し柱17や管柱20)間の開口に
外側から挿入された後、柱17(20)や横架材(胴差
し21や梁18等)に釘等を打ち付けて固定する。
【0073】この壁パネル12の取付方法では、主要構
造材21と壁パネル12との間に数mm程度、例えば2mm
以上のクリアランスが隙間となって存在するので、コー
キングなどを施して気密性や断熱性を損わないようにす
る。
【0074】図9は本発明に係る構造用パネルの第2実
施形態を示す斜視図である。
【0075】この実施形態に示された構造用パネル10
Bは屋根パネル13に適したパネルであるが、床パネル
14や壁パネル12としても適用できる。この構造用パ
ネル10Bは矩形形状の面材24に同じく矩形形状の断
熱補強体25を接合し、一体化したものである。この構
造用パネル10Bを屋根パネル13に適用した場合、面
材24には厚さが例えば12mmの構造用合板が用いられ
る。屋根パネル13も幅寸法w×長さ寸法l×厚さ寸法
tが規格化され、標準化されるのが望ましく、例えば9
05mm×2960mm(2430mm,2730mm,364
0mm)×70mmの屋根パネルが使用される。
【0076】その際、構造用パネル10Bは機械的・物
理的強度を増大させ、剛性を高めるために、断熱補強体
25に3本の補強材28が補強桟として用いられる。各
補強材28は構造用合板である面材24に釘や接着剤等
で固定され、面材24の長手方向に沿って平行に延設さ
れ、中央の補強材28と両側の2本の補強材28が等間
隔に平行に配置される。両側の補強材28は補強枠体と
して機能し、パネルの剛性を向上させている。
【0077】構造用合板である面材24に固定された3
本の補強材28間に独立気泡の発泡体29を介装し、こ
の発泡体29を面材24に接合して一体化されたパネル
本体26を形成する。このパネル本体26は発泡体29
と3本の補強材28とから構成される断熱補強体25を
備えており、断熱補強体25は3本の補強材28を備え
ることにより剛性が高められる一方、各補強材28と発
泡体29はほぼ面一に形成され、搬送の便にも供され
る。
【0078】この屋根パネル13は3本の補強材28を
使用して物理的・機械的強度を増大させ、剛性を高めて
いるので、図1に示す建物11の屋根を構成する軒桁材
15や母屋材16、図示しない棟木材上に直接取り付
け、釘等を用いて固定させることができる。その際、屋
根パネル13は3本の補強材28が垂木の機能を備えて
いるので、建物11に垂木を敷設する必要がなく、建築
材料の大幅な節約を図ることができ、コストダウンが可
能となる。
【0079】また、パネル本体26の断熱補強体25は
幅方向一側が面材24の端縁から所要量、例えば20mm
程度突出して凸側の係合段部35aが形成され、幅方向
他側は突出量と同等の所要量だけ面材24の端縁から後
退した凹側係合段部35bが形成される。パネル本体2
6の両側に形成される係合段部35a,35bは屋根パ
ネル13の長手方向全体に亘って形成されている。
【0080】屋根パネル13を図1に示す軒桁材15や
母屋材16、棟木材上に敷設する場合には、屋根パネル
13を軒桁材15の長手方向に順次並設していくことに
より、屋根パネル13が順次連接状態で敷設される。そ
の際、屋根パネル13の凸側あるいは凹側係合段部35
a,35bを隣接する屋根パネル13の凹側あるいは凸
側係合段部35b,35aに凹凸係合させることによ
り、屋根パネル13間の幅方向の合せ目の間隙を殆どゼ
ロにすることができ、良好となる。また、屋根パネル1
3同士を互いに凹凸係合させることにより、全体的に屋
根の剛性アップを図ることができ、構造強度を増大させ
ることができる。
【0081】また、各屋根パネル13は軒桁材15や母
屋材16に釘等を打ち付けて固定されるので、屋根パネ
ル13の長手方向の合せ目が母屋材16上に位置するこ
とが要求される。
【0082】構造用パネル10Bを屋根パネル13とし
て用いた場合は、構造用合板である面材24が上方を向
くように位置決めされて固定される。位置決めを容易に
するために、構造用パネル10Aの裏面側に細片を幅方
向に固定し、この細片が母屋材16に係合することによ
り、位置決めできるようにしてもよい。
【0083】また、パネル10Bを壁パネル12として
用いた場合には、柱17と柱(あるいは管柱)17との
スパンが長い場合に有効である。この構造用パネル10
Bは隣接する構造用パネル10Bと係合段部35a,3
5b同士が凹凸係合するので係合強度を向上させること
ができ、柱17と柱17のスパンが長い大型建物に有効
となる。
【0084】この構造用パネル10Bを壁パネル12と
して用いた場合、壁パネル12同士の合せ目にクリアラ
ンスδが生じるおそれがあり、このクリアランスδを解
消するために、図12に示すようにシール材36を注入
して目張りするとよい。シール材36をシールする代り
に両面テープであるシールテープ等のシール手段により
目張りを行なってもよい。この目張りにより気密性や断
熱性を向上させることができる。
【0085】また、構造用パネル10Bを壁パネル12
として用いたとき、壁パネル12は図13に示すように
柱(管柱)17に突き合せて設けても、また図14に示
すように柱17の係合溝30に壁パネル12の凸側係合
段部35aを挿入して嵌合させ、凹凸嵌合させることに
より固定させてもよい。
【0086】図13に示す壁パネル12の取付において
は、構造用パネル10Bの凸側係合段部35aを形成す
る面材24の突出端縁を予めプレカットで切り落とし、
補強材28と揃えておくことが望ましい。このカットは
施工現場で行なってもよい。また、構造用パネル10B
と柱17間のクリアランスδにはシール材の注入あるい
はシールテープ等のシール手段36により目張りされ
る。
【0087】しかして、図9ないし図11に示す構造用
パネル10Bを製造する場合にも、構造用合板である面
材24に工場にて3本の補強材28を釘打ちあるいは接
着剤により固定し、補強材28を面材24に固定した状
態で枠状の発泡体形成治具内にセットし、この発泡体形
成治具内に面材24と3本の補強材28により内部空間
を形成する。
【0088】そして、この内部空間に樹脂材料混合体を
自動吹付け機により吹き付けたり、あるいは自動注入機
により注入して、充填させて発泡させ、所要長さの独立
気泡の硬質有機発泡体29を面材24と接合して一体化
させ、パネル本体26が製造される。有機発泡体29の
硬化が完了した時点で発泡体形成治具が撤去され、所要
形状,寸法の構造用パネル10Bが製造される。
【0089】図15は本発明に係る構造用パネルの第2
実施形態の第1実施例を示すものである。
【0090】この実施例に示された構造用パネル10C
は、基本的な構成は図9に示す構造用パネル10Bと共
通するので、共通部分には同一符号を付して説明を省略
する。
【0091】図15に示される構造用パネル10Cが図
9の構造用パネル10Bと基本的に相違する点は、パネ
ル本体26の断熱補強体25に2本の補強材28を用い
たことである。1本の補強材28は断熱補強体25の幅
方向中央部に配置される一方、残りの1本は断熱補強体
25の幅方向一側に補強枠体として配置され、その他側
には補強材が配置されない構造となっている。
【0092】この構造用パネル10Cにおいては、断熱
補強体25が幅方向一側に構造用合板である面材24の
端縁から突出する凸側係合段部35aに補強材28が備
えられ、面材24の端縁から後退する凹側係合段部35
bには補強材28を設けていない。
【0093】この構造用パネル10Cは壁パネル12,
床パネル14,屋根パネル13として用いることがで
き、壁パネル12の凸側係合段部35aは隣接する壁パ
ネル12の凹側係合段部35bと係合するようになって
いる。壁パネル12間の合せ目はシール材やシールテー
プのシール手段36により目張りされる。
【0094】この構造用パネル10Cの製造方法は、図
9に示す構造用パネル10Bと異ならないので説明を省
略する。
【0095】図17は本発明に係る構造用パネル10D
の第3実施形態を示すものである。
【0096】この実施形態に示された構造用パネル10
Dは断熱補強体25が構造用合板である面材24の端縁
から幅方向両側に突出して凸側係合段部35aを形成
し、各凸側係合段部35aに補強材28が備えられる。
断熱補強体25には3本の補強材28が補強桟として備
えられ、1本は断熱補強体25の幅方向中央部に、他の
2本は断熱補強体25の両側に、補強枠体として長手方
向に沿って設置される。
【0097】断熱補強体25の各補強材28は構造用合
板である面材24に固定され、各補強材28間に独立気
泡の硬質有機発泡体29が設けられ、各補強材28や面
材24と一体に結合されている。
【0098】図17に示された構造用パネル10Dは図
3に示す構造用パネル10と好ましくは共用され、屋根
パネル13,壁パネル12および床パネル14として利
用される。この場合には、構造用パネル10Dは3本の
補強材28を備えているので機械的・物理的強度が増大
し、剛性アップを図ることができる。より大きな剛性を
得るために、補強材28間にブリッジ材(図示せず)を
介装し、このブリッジ材を面材24に固定させてもよ
い。
【0099】この構造用パネル10Dの製造方法は、図
9に示す構造用パネル10Bと実質的に同一であり、製
造手順が異ならないので説明を省略する。
【0100】図18は本発明に係る構造用パネル10E
の第4実施形態を示すものである。
【0101】この実施形態に示された構造用パネル10
Eは構造用合板としての面材24に断熱補強体25が接
合されて一体化したパネル本体26を構成する。この内
容は図9に示す構造用パネル10Bと異ならない。この
構造用パネル10Eが図9に示した構造用パネル10B
と基本的に異なる点は、断熱補強体25を面材24に対
し、幅方向のみならず、長手方向にもシフトさせたこと
である。
【0102】図18に示された構造用パネル10Eは図
9に示した構造用パネル10Bと同様、断熱補強体25
は3本の補強材28を補強桟として備えており、この断
熱補強体25は面材24の端縁より幅方向一側から突出
して凸側係合段部35aが形成され、幅方向他側は面材
24の端縁から後退して凹側係合段部35bが形成され
る。
【0103】また、パネル本体26の断熱補強体25は
面材24の端縁より長手方向一側が突出して凸側接続段
部37aが形成され、その長手方向他側は面材24の端
縁より後退して凹側接続段部37bが形成される。
【0104】図18に示される構造用パネル10Eは屋
根パネル13として好適に使用される。この構造用パネ
ル10Eを屋根パネル13として用いた場合、この屋根
パネル13を幅方向および長手方向にそれぞれ順次並設
し、連接状態に敷設される。屋根パネル13をパネル幅
方向に敷設する場合には、凸側係合段部35aあるいは
凹側係合段部35bが隣接する屋根パネル13の凹側係
合段部35bあるいは凸側係合段部35aに凹凸係合し
て屋根パネル13同士の合せ目が密に係合される。
【0105】また、屋根パネル13の長手方向において
も、屋根パネル13の凸側接続段部37aあるいは凹側
接続段部37bが隣り合う屋根パネル13の凹側接続段
部37bあるいは凸側接続段部37aに凹凸係合して屋
根パネル13同士の合せ目が密に係合される。
【0106】このように屋根パネル13はパネル幅方向
にも、長手方向にも屋根パネル13同士が凹凸係合する
のでパネル合せ部の機械的・物理的強度を向上させるこ
とができる。屋根パネル13は長手方向にも凹凸係合す
ることにより、合せ目の位置が母屋材16(図1参照)
上に位置しなくても機械的強度や剛性を損うことが少な
い。屋根パネル13の敷設の作業性を向上させ、作業効
率をアップさせることができる。
【0107】図19は本発明に係る構造用パネルの第5
実施形態を示す斜視図である。
【0108】この実施形態に示された構造用パネル40
は両面パネルの複合断熱パネルであり、好適には屋根パ
ネル(野地パネル)13として用いられる。この構造用
パネル40は壁パネル12や床パネル14として用い得
ることは勿論である。この構造用パネル40は幅寸法w
×長さ寸法l×厚さ寸法tが標準化あるいは規格化さ
れ、例えば905mm×2960mm(2730mm,293
0mm)×73mm(70mm,80mm)の構造用パネルが用
いられる。
【0109】図19に示された構造用パネル40は対向
設置された対をなす面材41a,41bを有する、この
面材41a,41bは厚さ数mm〜十数mm、例えば9mmの
構造用合板で矩形形状に構成され、対向する面材41
a,41b間の所要位置に細長い3本の補強材28が補
強桟として介装される。3本の補強材28は対をなす面
材41a,41bに釘打ちあるいは接着剤等で固定され
る。補強材28は図19および図20に示すように面材
41a,41bの長手方向全体に亘って延びている。
【0110】対向する面材41a,41b間の内部空間
にウレタン樹脂等の樹脂材料混合体を充填させて発泡さ
せた発泡体29が設けられる。発泡体29は独立気泡を
有する硬質有機発泡体で面材41a,41bと一体に結
合される。この発泡体29は補強材28とも一体に結合
されて断熱補強体25が構成される。このように対をな
す面材41a,41b間に断熱補強体25が一体に結合
されてパネル本体43が構成され、このパネル本体43
は気密性,遮音性,断熱性,構造強度に優れたものとな
る。
【0111】パネル本体43の断熱補強体25には幅方
向中央に1本の補強材28が、その両側に2本の補強材
28が補強枠体として備えられて構造用パネル40の機
械的・物理的強度を増大させ、剛性を大きくしている。
【0112】また、断熱補強体25は構造用合板である
面材41a,41bから幅方向一側にシフトしており、
パネル本体43の両側に係合部44a,44bがその長
手方向に沿って形成される。一方の係合部44aは断熱
補強体25が面材41a,41bの端縁から幅方向一側
に突出する係合凸部であり、他方の係合部は断熱補強体
25が面材41a,41bの端縁から幅方向他側で後退
する係合凹部である。係合凸部44aの突出量および係
合凹部44bの後退量は、互いにほぼ等しく、細長い補
強材28の幅寸法内で適宜選択される。
【0113】この構造用パネル40を屋根パネル13と
して用いる場合、パネル幅方向に順次並設され、組み付
けられる。その際、屋根パネル13の係合凸部44aあ
るいは係合凹部44bが隣接する屋根パネル13の係合
凹部44bあるいは係合凸部44aと凹凸係合して嵌合
し、図21に示すように両屋根パネル13の合せ目のク
リアランスδがほぼゼロになる。互いに並設される屋根
パネル13は長手方向全体が凹凸係合することにより強
度的に補強され、屋根の剛性アップを図ることができ
る。
【0114】また、構造用パネル40を屋根パネル13
として用いる場合には、屋根パネル13の剛性が大き
く、補強材28が垂木の機能を備えているので、垂木の
使用が不要となる。この屋根パネル13を棟木材、母屋
材16および軒桁材15(図1参照)上に直接釘打ち等
で取り付け、固定することができる。屋根パネル13同
士の長手方向の合せ目は突き当てによる当接であるの
で、合せ目が母屋材16上に位置するようにセットされ
る。
【0115】一方、この構造用パネル40を壁パネル1
2として使用する場合、3本の補強材28が管柱として
の機能を有し、しかも、壁パネル12同士が凹凸係合さ
れるので結合強度を向上させることができ、柱17と柱
(管柱)17のスパンの長い大型建造物に特に適したも
のとなる。
【0116】その際、凹凸係合する壁パネル12同士の
合せ目のクリアランスδを解消するために、合せ目に図
22に示すようにシール材や目透し梁,シールテープ等
のシール手段36を介装して目透しが必要に応じて行な
われ、気密性が保持される。
【0117】また、図23に示すように、壁パネル12
と柱17あるいは管柱20とその間のクリアランスδに
は発泡性シール材等のシール手段36を介装させて密封
し、気密性を保持している。その際、柱(管柱)17に
当接する壁パネル12は、断熱補強体25より幅方向一
側に突出する面材41a,41bの端縁がプレカットに
より予め切断され、面材41a,41bの端縁が補強材
28と面一となるようにセットされる。面材41a,4
1bの切断は施工現場で行なうようにしてもよい。
【0118】この構造用パネル40は次の手順で製造さ
れる。
【0119】構造用パネル40は工場でプレカットされ
製造されるが、この構造用パネル40を製造する際、面
材41a,41bとして所要寸法にカットされた構造用
合板を用意し、対向する2枚の面材41a,41b間に
3本の細長い補強材28を介装し、各補強材28を面材
41a,41bに釘打ちや接着剤等で固定させる。各補
強材28の面材41a,41bへの固定は、工場にて面
材41a,41b毎に経時的に行なわれる。
【0120】対向する2枚の面材41a,41b間に3
本の補強材28を所定位置に固定したものを、枠状の発
泡体形成治具(図示せず)内にセットし、発泡体形成治
具内に対向する面材41a,41bと補強材28とで囲
まれ、密閉された内部空間を形成する。
【0121】この内部空間に、ポリウレタン樹脂等の液
状樹脂材料と液状発泡剤とがミキシングされた樹脂材料
混合体を自動吹付け機あるいは自動注入機により、吹付
け充填あるいは注入充填させて所要の発泡倍率、例えば
8倍から25倍の範囲で発泡させる。
【0122】このようにして形成された硬質有機発泡体
29は多数の独立気泡がマトリックス樹脂中に分散した
構造を採り、この発泡体29が硬化した状態で発泡体形
成治具を撤去することにより、所要寸法の構造用パネル
40が製造される。
【0123】この構造用パネル40は断熱補強体25を
構成する発泡体29が独立気泡の硬質有機発泡体で構成
されるので、断熱性や遮音性に優れたものとなる。ま
た、この構造用パネル40は断熱性および構造強度が優
れた硬質有機発泡体29を構造用合板の面材41a,4
1bに一体に接合しているため、剛性が相乗的に高ま
り、断熱材のみならず構造用部材として優れた特性を発
揮する。
【0124】さらに、この構造用パネル40は断熱補強
体25の両側に構造用合板の面材41a,41bを一体
に接合した上、断熱補強体25には3本の補強材28が
備えられるので、機械的・物理的強度の大きな、かつ剛
性の高い構造用部材となる。
【0125】図24は、本発明に係る構造用パネルの第
5実施形態における第1実施例を示す斜視図である。
【0126】この実施例に示された構造用パネル40A
は、基本的には図19に示した構造用パネル40と、断
熱補強体25の構造を除いて異ならないので、共通する
部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0127】図24に示された断熱補強体25は対向設
置されて対をなす面材41a,41bから幅方向一側に
所定量シフトしたものである。断熱補強体25は矩形形
状の面材41a,41bに一体に接合される一方、対を
なす面材41a,41b間の所定位置に固定された2本
の細長い補強材28と独立気泡の硬質有機発泡体29と
を一体に結合して構成される。
【0128】断熱補強体25は幅方向一側に面材41
a,41bの端縁から突出する係合凸部44aが、その
他側に面材41a,41bの端縁から後退する係合凹部
44bがそれぞれ長手方向に沿って形成される。係合凸
部44aの突出量や係合凹部44bの後退量は適宜調節
され、この構造用パネル40Aは係合凸部44aあるい
は係合凹部44bが隣り合う構造用パネル40Aの係合
凹部44bあるいは係合凸部44aに凹凸係合し、合せ
目に隙間が生じないようにして嵌合するようになってい
る。合せ目に生じるクリアランスδは図25に示すよう
にシール手段36により必要に応じて目張りされる。
【0129】断熱補強体25は係合凸部44a側に補強
材28を有し、係合凹部44b側に補強材を備えない構
成となっている。この構造用パネル40Aはパネル幅方
向に順次整列状態に組み付けたとき、補強材28の間隔
が互いに等しくなるように組み立てられる。構造用パネ
ル40Aを壁パネル12として用いる場合には、補強材
28が管柱あるいは補強桟として機能し、柱17間ピッ
チの大きな建物の壁パネルとして適用できる。また、構
造用パネル40Aを屋根パネル13として用いた場合に
は、補強材28が等間隔に配置された垂木の機能を有す
るので、構造用パネル40Aを屋根の横架材(軒桁材1
5,母屋材16,棟木材)に直接取り付けることがで
き、垂木が不要となり、省略することができる。
【0130】この構造用パネル40Aの製造方法は、図
19に示す構造用パネルと実質的に異ならないので説明
を省略する。
【0131】図26は本発明に係る構造用パネルの第6
実施形態を示すものである。
【0132】この実施形態に示された構造用パネル40
Bは基本的構造を図19に示す構造用パネル40と同じ
くする。ただ、構造用パネル40Bの断熱補強体25が
対をなす面材41a,41bから幅方向一側にシフトす
るとともに、長手方向一側にもシフトさせた点で、図1
9の構造用パネル40と構成を基本的に異にする。共通
部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0133】この構造用パネル40Bは屋根パネルある
いは床パネルとして好適に用いられる。構造用パネル4
0Bは断熱補強体25を対をなす面材41a,41bに
一体に接合して構成されるパネル本体43を備える。断
熱補強体25は3本の細長い補強材28と独立気泡の硬
質樹脂発泡体29とが一体に結合されて構成され、3本
の補強材28は幅方向中央に1本が、両側に2本が補強
枠体としてそれぞれ配置される。
【0134】構造用パネル40Bは幅方向一側に断熱補
強体25が面材41a,41bの端縁から突出して係合
凸部44aが、その他側に断熱補強体25が面材41
a,41bの端縁から後退して係合凹部44bがそれぞ
れ形成される。係合凸部44aおよび係合凹部44bは
構造用パネル40Bの長手方向全体に亘って形成されて
おり、ある構造用パネル40Bの係合凸部44a(係合
凹部44b)がパネル幅方向に隣り合う構造用パネル4
0Bの係合凹部44b(係合凸部44a)と凹凸係合
し、隙間が生じないように嵌合できる構造となってい
る。面材41a,41bには構造用合板が用いられる。
【0135】また、構造用パネル40Bは、長手方向一
側に断熱補強体25が面材41a,41bの端縁から突
出して接続凸部46aが、その他側に断熱補強体25が
面材41a,41bの端縁から後退して接続凹部46b
が形成される。
【0136】この構造用パネル40Bを長手方向に連接
した場合、接続凸部46a(接続凹部46b)が隣り合
う構造用パネル40Bの接続凹部46b(接続凸部46
a)と凹凸係合して、隙間が生じないように嵌合せしめ
られる。多数の構造用パネル40Bを敷設したとき、パ
ネル幅方向のみならずパネル長手方向にも隣り合う構造
用パネル40Bは凹凸係合して隣り合うので結合の機械
的・物理的強度を増大させ、剛性アップを図ることがで
きる。
【0137】したがって、構造用パネル40Bを屋根パ
ネル13として使用した場合、パネル長手方向の合せ目
が母屋材16(図1参照)上に必ずしも位置させなくて
もよいので、作業性が良好となり、作業が簡素化され
る。この構造用パネル40Bを床パネル14として用い
た場合も同様である。
【0138】構造用パネル0Bの製造手順は、図19に
示すパネル40と実質的に異ならないので、説明を省略
する。
【0139】図27は本発明に係る構造用パネルの第7
実施形態を示す斜視図である。
【0140】この実施形態に示された構造用パネル40
Cは、基本的な構造は、図19に示す構造用パネル40
と異にしないので、共通部分には同じ符号を付して説明
を省略する。
【0141】図27に示された構造用パネル40Cは、
断熱補強体25が対向設置された対の面材41a,41
bの端縁より、幅方向両側に突出するようにしたもので
ある。この構造用パネル40Cは幅方向両側に係合凸部
44aを長手方向に沿うように延設したものである。こ
の構造用パネル40Cにおいても、パネル自体の機械的
・物理的強度を増大させて剛性アップを図ることができ
る。
【0142】この構造用パネル40Cは図28に示され
る構造用パネル40Dと組み合せて好適に使用される。
図27のパネル40Cは図28の構造用パネル40Dと
共用することにより、屋根パネル13,床パネル14あ
るいは壁パネル12として用いることができる。
【0143】図28は、本発明に係る構造用パネルの第
8実施形態を示す斜視図である。
【0144】この実施形態に示された構造用パネル40
Dは、図27に示された構造用パネル40Cと組をな
し、共用される。図28に示された構造用パネル40D
は、断熱補強体25が対向設置された対の面材41a,
41bの端縁より、幅方向両側がそれぞれ後退せしめら
れている。この構造用パネル40Dは幅方向両側に係合
凹部44bが長手方向に沿って延設されている。
【0145】構造用パネル40Dに図27に示す構造用
パネル40Cを連接させたとき、構造用パネル40Dの
係合凹部44bが連接される構造用パネル40Cの係合
凸部44aに凹凸係合し、嵌合することにより結合強度
が得られるようになっている。
【0146】図27および図28に示される構造用パネ
ル40C,40Dの製造手順は、図19に示された構造
用パネル40と実質的に異ならないので説明を省略す
る。
【0147】図29および図30は本発明に係る構造用
パネルの第9実施形態を示すものである。
【0148】この実施形態に示された構造用パネル40
Eは壁パネル12に用いられるもので、構造用パネル4
0Eは室外側に位置する面材41aと室内側に位置する
面材41bとは矩形形状の大きさを異にする。室外側の
面材41aは構造耐力用の構造用合板が用いられ、室内
側の面材41bには仕上げ材が用いられる。
【0149】対向設置された面材41a,41bの間に
断熱補強体25が設けられ、この断熱補強体25が面材
41a,41bに接合され、一体化されてパネル本体4
3が構成されるのは、図19に示される構造用パネル4
0と異ならない。
【0150】ただ、この構造用パネル40Eは幅方向両
側に係合段部27が形成される。この係合段部27は室
外側面材41aを断熱補強体25の端部より幅方向外方
に突出させることにより構成される。室内側面材41b
は断熱補強体25の端部とほぼ面一に形成される。
【0151】また、構造用パネル40Eは長手方向両側
に接続段部31が形成される。この接続段部31は室外
側面材41aを断熱補強体25の端部より長手方向外方
に突出させることにより形成される。
【0152】断熱補強体25は矩形形状をなし、幅方向
中央に1本配置される補強材28とこの補強材28と一
体に接合される独立気泡の硬質樹脂発泡体29とから構
成され、この断熱補強体25が面材41a,41bに一
体に接合されてパネル本体43が構成される。
【0153】この構造用パネル40Eの製造手順は、図
19に示される構造用パネル40と実質的に異ならない
ので説明を省略する。
【0154】構造用パネル40Eを壁パネル12として
用いる場合には、面材41aを室外側にセットし、室外
側から柱17と管柱(柱)20の間に挿入し、室外側面
材41aを柱17や管柱20あるいは主要な横架材(胴
差し等)に釘打ち等で固定させればよい。
【0155】その際、構造用パネル40Eと柱17や管
柱20とのクリアランスδを小さくするために、図30
に鎖線で示すように室内側面材41bを断熱補強体25
より幅方向外方に僅かに突出させておき、この突出部4
9を柱17あるいは管柱20の係合溝に嵌合させるよう
にすればよい。
【0156】図31および図32は構造用パネルの第1
0実施形態を示すものである。
【0157】この実施形態に示された構造用パネル50
は、構造用合板の面材51a,51b間に遮音材あるい
は防音材52をサンドイッチ構造に介装して3層のラミ
ネート構造に構成したもので、床パネル14として用い
られる面材の一方は床ボード51aで、その他方は下地
ボード51bで構成される。
【0158】床パネル14に用いる構造用パネル50
は、遮音材や防音材を多層構造にして4層以上のラミネ
ート構造としてもよい。
【0159】なお、本発明の各実施形態においては、パ
ネル本体を構成する断熱補強体を矩形形状に構成し、1
本ないし3本の細長い補強材を長手方向に平行に設置し
た例を示したが、補強材の設置本数は1本ないし3本に
限定されず、種々の応用が考えられる。また、場合によ
っては、断熱補強体の幅方向に沿うように補強体を設置
してもよく、さらに、平行な補強体間にブリッジ材を介
装して、パネル強度をより一層向上させるようにしても
よい。
【0160】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係るパネル
およびその製造方法においては、床,壁,屋根をパネル
化し、工場で製造できるようにしたので、生産性を向上
させ、優れた強度特性を持たせることができる一方、施
工現場ではクレーン等の重機を使ってパネル化した構造
用パネルを取り付けるだけであるから、建設工期が大幅
に短縮され、施工の均一化が図れる。したがって、施工
のバラツキがなくなり、作業員の熟練度を不要にし、施
工の自由度が向上し、作業性が向上する。
【0161】また、本発明に係る構造用パネルおよびそ
の製造方法においては、パネル本体を構成する断熱補強
体を発泡体と補強材とから一体に結合させ、発泡体を面
材に一体に接合させたので、均一で高断熱の構造用パネ
ルを提供でき、気密性,断熱性,遮音性を向上させ、省
エネ効果が良好で住環境の改善効果の高い構造用パネル
を提供できる。
【0162】さらに、本発明に係る構造用パネルおよび
その製造方法は、断熱補強体を構成する発泡体と補強体
はほぼ面一に形成したから安定的かつコンパクトに重ね
合せることができ、構造用パネルの取扱いや作業性が良
好となり、搬送の効率性を高めることができる。
【0163】さらに、本発明に係る構造用パネルおよび
その製造方法においては、作業環境の良い工場で生産で
きるので、工場製作により品質を向上させるとともに、
施工現場での廃材を減少させ、建築材料を効率よく、有
効に利用することができ、コストダウンを図ることがで
きる。
【0164】さらにまた、本発明に係る構造用パネルお
よびその製造方法においては、施工現場における作業員
の負担を大幅に軽減させ、建設工期の大幅な短縮が図
れ、施工を簡単かつ能率よく進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造用パネルを建築物に取り付け
る状態を示す斜視図。
【図2】建物に使用される床,壁,屋根のパネル化条件
を説明した図。
【図3】本発明に係る構造用パネルの一実施形態示す斜
視図。
【図4】図3に示された構造用パネルを面材側から見た
図。
【図5】図3に示された構造用パネルを壁パネルとして
組み付けた状態を示す平断面図。
【図6】図3に示された構造用パネルの実施例を示す平
面図。
【図7】図6に示された構造用パネルを壁パネルとして
組み付けた状態を示す平断面図。
【図8】構造用パネルを壁パネルとして組み付けた組付
状態を示す平断面図。
【図9】本発明に係る構造用パネルの第2実施形態示す
斜視図。
【図10】図9に示された構造用パネルの平面図。
【図11】図9に示された構造用パネルの連接状態を示
す平断面図。
【図12】図9に示された構造用パネルの接合部を拡大
して示す平断面図。
【図13】図9に示された構造用パネルと柱との取付配
置関係を示す平断面図。
【図14】図9に示された構造用パネルと柱との他の取
付配置関係を示す平断面図。
【図15】図9に示された構造用パネルの実施例を示す
斜視図。
【図16】図15に示された構造用パネルの連接状態を
示す接合部の拡大平面図。
【図17】本発明に係る構造用パネルの第3実施形態を
示す斜視図。
【図18】本発明に係る構造用パネルの第4実施形態を
示す斜視図。
【図19】本発明に係る構造用パネルの第5実施形態を
示す斜視図。
【図20】図19に示した構造用パネルの平面図。
【図21】図19に示された構造用パネルの連接状態を
示す平断面図。
【図22】図21に示された構造用パネルの接合部を拡
大して示す平断面図。
【図23】図19に示された構造用パネルと柱との取付
配置関係を示す平断面図。
【図24】図19に示された構造用パネルの実施例を示
す斜視図。
【図25】図24に示された構造用パネルの連接状態の
接合部を拡大して示す平断面図。
【図26】本発明に係る構造用パネルの第6実施形態を
示す斜視図。
【図27】本発明に係る構造用パネルの第7実施形態を
示す斜視図。
【図28】本発明に係る構造用パネルの第8実施形態を
示す斜視図。
【図29】本発明に係る構造用パネルの第9実施形態を
示す斜視図。
【図30】図29に示された構造用パネルを壁パネルと
して用いた取付状態を示す平断面図。
【図31】構造用パネルを床パネルとして用いた平面
図。
【図32】図31に示す床パネルの断面図。
【図33】従来の複合断熱パネル(構造用パネル)を示
す斜視図。
【図34】図33に示された複合断熱パネルを窓パネル
として取り付けた状態を示す平断面図。
【図35】従来の複合断熱パネルの他の例を示す斜視
図。
【符号の説明】
10,10A〜10E 構造用パネル 11 建物 12 壁パネル 13 屋根パネル 14 床パネル 15 軒桁材 16 母屋材 17 柱(通し柱) 18 梁 19 束材 20 管柱 21 胴差し(土台) 24 面材(構造用合板) 25 断熱補強体 26 パネル本体 27 係合段部 28 補強材 29 発泡体 30 係合溝 31 接続段部 32 土台 35a 凸側係合段部 35b 凹側係合段部 36 シール材(シール手段) 37a 凸側接続段部 37b 凹側接続段部 40,40A〜40E 構造用パネル 41a,41b 面材(構造用合板) 43 パネル本体 44a 係合凸部(係合部) 44b 係合凹部(係合部) 46a 接続凸部 46b 接続凹部 50 構造用パネル(床パネル)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 2/56 603 E04B 2/56 603B 605 605C 611 611C 622 622A 622K 632 632B 632C 632K 632D 643 643F 644 644B 645 645B 2/74 551 2/74 551A

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造用合板等の面材に少なくとも1本の
    補強材を固定する一方、上記補強材固定側の面材に発泡
    体を一体に接合してパネル本体を形成し、上記パネル本
    体は面材に固定される発泡体と補強材とから断熱補強体
    を構成し、上記断熱補強体は幅方向の少なくとも一側が
    前記面材の端縁から後退あるいは突出して係合段部がパ
    ネル本体の長手方向に沿って形成されたことを特徴とす
    る構造用パネル。
  2. 【請求項2】 面材は矩形形状の構造用合板で構成され
    る一方、断熱補強体は面材の長手方向に延びて固定され
    た補強材と独立気泡の発泡体とがほぼ面一に形成された
    請求項1に記載の構造用パネル。
  3. 【請求項3】 パネル本体は幅方向両側に係合段部が長
    手方向に沿って形成され、上記係合段部は断熱補強体の
    幅方向両側が面材の端縁より後退あるいは突出して構成
    された請求項1または2に記載の構造用パネル。
  4. 【請求項4】 パネル本体は幅方向両側に係合段部が長
    手方向に沿って形成され、上記係合段部は断熱補強体の
    幅方向一側が面材の端縁より後退し、その他側が面材の
    端縁より突出して構成された請求項1または2に記載の
    構造用パネル。
  5. 【請求項5】 面材はその長手方向に複数本の補強材が
    ほぼ平行に固定される一方、断熱補強体は面材の端縁よ
    り少なくとも幅方向外方に突出する側に前記補強材が補
    強枠体として備えられた請求項3または4に記載の構造
    用パネル。
  6. 【請求項6】 断熱補強体は面材の端縁から長手方向の
    少なくとも一側が後退あるいは突出して接続段部がパネ
    ル本体の幅方向に沿って形成された請求項1記載の構造
    用パネル。
  7. 【請求項7】 所定寸法の構造用合板等の面材に少なく
    とも1本の補強材を固定して枠状の発泡体形成治具にセ
    ットした後、発泡体形成治具の内側空間に発泡剤を添加
    した樹脂材料を充填して発泡させ、独立気泡の発泡体を
    補強材と面一になるように面材と一体に形成することを
    特徴とする構造用パネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 対向設置された構造用合板等の面材間に
    少なくとも1本の補強材を介装して固定し、対向設置さ
    れた面材間に発泡体を充填させて、接合してパネル本体
    を形成し、上記パネル本体は発泡体と補強材とから断熱
    補強体を構成し、上記断熱補強体は幅方向の少なくとも
    一側が前記面材の端縁から後退あるいは突出して係合凹
    部あるいは係合凸部がパネル本体の長手方向に形成され
    たことを特徴とする構造用パネル。
  9. 【請求項9】 パネル本体は幅方向両側に係合凹部が長
    手方向に沿って形成され、上記係合凹部は断熱補強体の
    幅方向両側が面材の端縁より後退して構成された請求項
    8記載の構造用パネル。
  10. 【請求項10】 パネル本体は幅方向両側に係合凸部が
    長手方向に沿って形成され、上記係合凸部は断熱補強体
    の幅方向両側が面材の端縁より突出して構成された請求
    項8記載の構造用パネル。
  11. 【請求項11】 パネル本体は幅方向一側に係合凹部
    が、その他側に係合凸部がそれぞれ形成され、上記係合
    凹部は断熱補強体の幅方向一側が面材の端縁より後退
    し、また係合凸部は断熱補強体の幅方向他側が面材の端
    縁より突出することにより構成された請求項8記載の構
    造用パネル。
  12. 【請求項12】 面材はその長手方向に複数本の補強材
    がほぼ平行に固定される一方、断熱補強体は面材の端縁
    より少なくとも幅方向外方に突出する側に前記補強材が
    補強枠体として備えられた請求項10または11に記載
    の構造用パネル。
  13. 【請求項13】 断熱補強体は面材の端縁から長手方向
    の少なくとも一側が後退あるいは突出して接続凹部ある
    いは接続凸部がパネル本体の幅方向に形成された請求項
    8記載の構造用パネル。
  14. 【請求項14】 対向設置された所定寸法の構造用合板
    等の面材間に少なくとも1本の補強材を介装し、固定し
    て枠状の発泡体形成治具にセットした後、発泡体形成治
    具により対向設置の面材間の内側空間に発泡剤を添加し
    た樹脂材料を充填して発泡させ、独立気泡の発泡体を対
    向設置の面材間に一体に形成することを特徴とする構造
    用パネルの製造方法。
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