JP2007138558A - 遮熱建築物の構築方法および遮熱建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 対流熱対策,伝導熱対策,輻射熱対策,表面結露対策に優れ、かつ、作業性に優れた遮熱建築物の構築方法および遮熱建築物を提供する。
【解決手段】 柱・間柱の屋外側にアルミ熱線反射材を取り付ける工程と、該アルミ熱線反射材1の屋外側に通気胴縁12を間隔を存して取り付ける工程と、該通気胴縁の屋外側に外壁仕上げ材13を取り付ける工程と、前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記柱・間柱の間隔区画内に、樹脂発泡性液を現場で発泡させて吹き付ける工程と、前記間柱の屋内側に内壁下地を取り付ける工程と、該内壁下地の屋内側に内壁仕上げ材を取り付ける工程とを含む構築方法とこれで得られた遮熱建築物。同様の天井構造と小屋裏構造の構築方法と得られた遮熱建築物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遮熱建築物の構築方法および遮熱建築物に関するものである。
従来の建築用断熱材料として、グラスウール,ウレタンボードのような発泡系の断熱材またはアルミの遮熱材がある。また、発泡系ボードの表面にアルミ素材等を張り合わせたボードが流通している。
しかしながら、前者のものは対流熱対策,伝導熱対策,輻射熱対策,表面結露対策等にそれぞれ欠点がある。また、後者のものは 作業性が悪く、ごみが大量に発生する。また、外張り断熱工法に使用した場合、断熱材の厚みが増す毎にビスの効果が少なくなり、支持体に問題が生じる。そのうえ、気密性能を上げるためには、ボードの互いに隣り合う突き合わせ部に気密テープを貼るので、手間と費用がかかることになる。
本発明は上記課題を解決し、対流熱対策,伝導熱対策,輻射熱対策,表面結露対策に優れ、かつ、作業性に優れた遮熱建築物の構築方法および遮熱建築物を提供することを目的とする。
本発明は、アルミ熱線反射材を取り付けた後に、樹脂発泡性液を現場で発泡させ吹き付ける断熱樹脂発泡層を形成する、複合体工法に係わる。これにより、断熱材料個々の欠点を補うので、高性能な断熱性能が期待できる。断熱,遮熱,保温,電磁波の軽減を必要とする箇所に適用し、住環境改善および省エネ・結露対策・温熱環境改善に貢献する。
即ち、本発明の第1課題解決手段の方法は、柱・間柱の屋外側にアルミ熱線反射材を取り付ける工程と、該アルミ熱線反射材の屋外側に通気胴縁を間隔を存して取り付ける工程と、該通気胴縁の屋外側に外壁仕上げ材を取り付ける工程と、前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記柱・間柱の間隔区画内に、樹脂発泡性液を現場で発泡させて吹き付ける工程と、前記間柱の屋内側に内壁下地を取り付ける工程と、該内壁下地の屋内側に内壁仕上げ材を取り付ける工程とを含むことである。
本発明の第2課題解決手段の方法は、天井下地材の小屋裏側にアルミ熱線反射材を取り付ける工程と、前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記天井下地材の間隔区画内に、樹脂発泡性液を現場で発泡させて吹き付ける工程と、該天井下地材の屋内側に天井仕上げ材を取り付ける工程とを含むことである。
本発明の第3課題解決手段の方法は、垂木の屋外側にアルミ熱線反射材を取り付ける工程と、該アルミ熱線反射材の屋外側に通気胴縁を間隔を存して取り付ける工程と、該通気胴縁の屋外側に野地板を取り付ける工程と、該野地板の屋外側にルーフィングを取り付ける工程と、該ルーフィングの屋外側に屋根仕上げ材を取り付ける工程と、前記アルミ熱線反射材の小屋裏側で前記垂木の間隔区画内に、樹脂発泡性液を現場で発泡させて吹き付ける工程とを含むことである。
本発明の第4の課題解決手段の建築物は、柱・間柱の屋外側に取り付けられたアルミ熱線反射材と、該アルミ熱線反射材の屋外側に間隔を存して取り付けられた通気胴縁と、該通気胴縁の屋外側に取り付けられた外壁仕上げ材と、前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記柱・間柱の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層と、前記柱・間柱の屋内側に取り付けられた内壁下地と、該内壁下地の屋内側に取り付けられた内壁仕上げ材とを含むことである。
本発明の第5の課題解決手段の建築物は、天井下地材の小屋裏側に取り付けられたアルミ熱線反射材と、前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記天井下地材の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層と、該天井下地材の屋内側に取り付けられた天井仕上げ材とを含むことである。
本発明の第6の課題解決手段の建築物は、垂木の屋外側に取り付けられたアルミ熱線反射材と、該アルミ熱線反射材の屋外側に間隔を存して取り付けられた通気胴縁と、該通気胴縁の屋外側に取り付けられた野地板と、該野地板の屋外側に取り付けられたルーフィングと、該ルーフィングの屋外側に取り付けられた屋根仕上げ材と、前記アルミ熱線反射材の小屋裏側で前記垂木の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層とを含むことである。
本発明は、アルミ熱線反射材と、樹脂発泡性液を現場で発泡させ吹き付けて断熱樹脂発泡層を形成することを組み合わせることにより、対流熱,伝導熱,輻射熱の3種類の熱移動に対し、断熱,遮熱,保温の性能を発揮することとなった。
また、アルミ熱線反射材に樹脂発泡性液を現場で発泡吹き付けることにより、作業性がよく、ゴミがほとんど発生しない。また、アルミ熱線反射材は、外張り断熱工法の扱いとなるが、厚みが薄いので、支持体に問題が生じにくくなる。また、現場で吹き付けることにより、発泡しながら隙間が埋まっていくこととなり、気密性能を簡単に上げることができる。
以下に本発明の一実施例を木造在来工法の例にとって図面にもとづき説明する。
図1と図3の下部は壁構造10を示したものである。柱・間柱11,軒桁A5(又は胴差しA3),土台A2にわたり、屋外側にアルミ熱線反射材1をタッカー等で取り付ける。ここで、土台の下半部には水切り16が取り付けられ、その外側に前記反射材1が垂下した状態となる。アルミ熱線反射材1として、例えば、ポリエチレン樹脂系気泡シートの片面にアルミニウム箔を貼り付けたものが使用される。次に、該アルミ熱線反射材の屋外側で前記柱に、上下に長い通気胴縁12を左右に間隔を存して取り付ける。該通気胴縁の屋外側で前記通気胴縁に外壁仕上げ材13を取り付ける。
そして、前記アルミ熱線反射材1の屋内側で、前記間柱11の間隔区画内と軒桁(又は胴差し)と土台A2の間に、樹脂発泡性液を現場で発泡させて吹き付ける。
即ち、例えば、次のような原料とスプレー発泡機を使って行われる。
○原料:硬質ウレタン 品名:フォームライトHNB−6200J,
組成(容量比)ポリオール成分……100,イソシアネート成分100,
発泡剤:HFC−245fc,JIFC−365mfc
○スプレー機械:GUSMER FF−1600
○製造販売者:ビーエーエスエフ イノアック(BASF INOAC)ポリウレタン株式会社,住所:愛知県新城市川田字本宮道1−196
ここで、発泡樹脂の吹き付けに際し、吹き付け圧力や反射材1の伸縮性により、反射材が取り付けられる柱,軒桁,土台等の面との間に吹き付け樹脂が侵入すれば、そこで発泡してその部分を外側へ不都合に膨張させてしまう。そのような恐れがあるときは、吹き付け作業の前に、それらの境界部に気密テープを貼り付けるとよい。また、タッカー(ホッチキス針)で止めるときのタッカー同志の間隔を狭くすればよいが、この場合、タッカーを含めてその周囲をアルミ箔の防水テープを貼り付ければよい。
次いで、前記間柱11,軒桁A5,胴差しA3,土台A2にわたり、その屋内側に内壁下地14を取り付け、該内壁下地の屋内側に内壁仕上げ材15を取り付ける。
この結果、できあがった壁構造10は次のとおりである。間柱11の屋外側に取り付けられたアルミ熱線反射材1と、該アルミ熱線反射材の屋外側に間隔を存して取り付けられた通気胴縁12と、該通気胴縁の屋外側に取り付けられた外壁仕上げ材13と、前記アルミ熱線反射材1の屋内側で前記間柱11の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層2と、前記間柱の屋内側に取り付けられた内壁下地14と、該内壁下地の屋内側に取り付けられた内壁仕上げ材15とを含む。
このような壁構造10において、通気胴縁12によって上下で外気に通じた空気層12aが、外壁仕上げ材13とアルミ熱線反射材1の間隔内(約15mm以上〜約40mm)に形成される。従って、この空気層(空間)の存在により、屋外側からの伝わってきた熱による熱線がアルミ熱線反射材1で反射(約95%反射)される。もし、この空間がなければ、外部からの熱は熱伝導として屋内側へ移動してしまう。また、空気層の熱は上方気流によって上部から逃れるので、熱が蓄積されることはない。また、湿気がたまって胴縁を腐らせることもない。
ここで、アルミ熱線反射材だけでは熱の伝導,対流に効果は少なく、結露が生じる。発泡樹脂層だけでは、熱線の反射がないので、熱吸収して伝導する。本発明では、両者の各々の欠点を互いに補い、各々の利点を有する極めて優れた効果を発揮することとなった。静止した空気層では、太陽熱(特に夏)で熱がたまって高温度となり、また、湿気もたまり、胴縁を腐らすことになる。
図2は、天井構造20を示したものである。碁盤目状の桟からなる天井下地材21の小屋裏側にアルミ熱線反射材1を取り付ける。前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記天井下地材21の間隔区画内に、硬質ウレタン原液を現場で発泡させて吹き付ける。該天井下地材21の屋内側に天井仕上げ材22を取り付ける。
この結果できあがった天井構造20は次のとおりである。天井下地材21の小屋裏側に取り付けられたアルミ熱線反射材1と、前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記天井下地材21の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層2と、該天井下地材の屋内側に取り付けられた天井仕上げ材22とを含む。
図3は小屋裏構造30を示したものである。棟木A7と軒桁A5間に張り渡された垂木31の屋外側で、棟木A7から軒桁A5までの部分にアルミ熱線反射材1を取り付ける。このとき、軒桁部分で、反射材1が垂木31に接している部分の垂木の両側面に対応する部分が切断され、隣り合う垂木間で反射材1が垂れ下げられ、その下端縁付近が軒桁の屋外側へ取り付けられる。そして、この反射材1の垂下部分と垂木側面との境界部には、場合によって気密テープが貼られる。該アルミ熱線反射材の屋外側で、垂木に通気胴縁32を間隔を存して取り付ける。該通気胴縁の屋外側に野地板33を取り付ける。該野地板の屋外側にルーフィング34を取り付ける。該ルーフィングの屋外側に屋根仕上げ材35を取り付ける。前記アルミ熱線反射材1の小屋裏30側で、前記垂木31の間隔区画内で棟木から軒桁の反射材垂下部まで、硬質ウレタン原液を現場で発泡させて吹き付ける。
この結果できあがった小屋裏構造30は次のとおりである。垂木31の屋外側に取り付けられたアルミ熱線反射材1と、該アルミ熱線反射材の屋外側に間隔を存して取り付けられた通気胴縁32と、該通気胴縁の屋外側に取り付けられた野地板33と、該野地板の屋外側に取り付けられたルーフィング34と、該ルーフィングの屋外側に取り付けられた屋根仕上げ材35と、前記アルミ熱線反射材1の小屋裏30側で前記垂木31の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層2とを含む。棟の上側には、通気胴縁
32の上昇気流を外気へ逃すため、公知の換気棟瓦36が取り付けられる。
前記アルミ熱線反射材1として、前記のほか、アルミニウム箔のみからなるもの、アルミ箔とポリエチレン樹脂系等の気泡シートが結合されたもの、などが適用できる。
前記樹脂発泡性液として、前記のほか、断熱性などに優れた建材分野で使用される樹脂発泡性原料が適用される。例えば、充填・被覆用断熱材としての高分子発泡体材料であって、公知の二液型のユリア樹脂をポンプで注入発泡させるもの,連続気泡体の軟質発泡ポリウレタン(モルトプレン等),ポリエチレンや塩化ビニルの軟質発泡体(独立気泡)などである。また、イソシアネートと水を混合して発生する炭酸ガスを発泡剤として利用した硬質ウレタンフォーム(製造者:株式会社日本アクア,住所:名古屋市南区北頭町2−25)。また、鉄骨造り,RC造り等の建築物に適用できる。
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の範囲および範囲を逸脱せずに種々の変形を含む。
本発明は遮熱建築物の構築方法および遮熱建築物、また、断熱,遮熱,保温,電磁波の軽減を必要とする種々な用途に利用できる。
壁構造の縦断面図である。 天井構造の縦断面図である。 小屋裏構造の縦断面図である。
符号の説明
A1 基礎
A2 土台
A3 胴差し
A4 床梁
A5 軒桁
A6 小屋梁
A7 棟木
1 アルミ熱線反射材
2 樹脂発泡層
10 壁
11 間柱
12 通気胴縁
12a 通気層
13 外壁仕上げ材
14 内壁下地
15 内壁仕上げ材
16 水切り
20 天井
21 天井下地材
22 天井仕上げ材
30 小屋裏
31 垂木
32 通気胴縁
33 野地板
34 ルーフィング
35 屋根仕上げ材
36 換気棟瓦

Claims (6)

  1. 柱・間柱の屋外側にアルミ熱線反射材を取り付ける工程と、該アルミ熱線反射材の屋外側に通気胴縁を間隔を存して取り付ける工程と、該通気胴縁の屋外側に外壁仕上げ材を取り付ける工程と、
    前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記柱・間柱の間隔区画内に、樹脂発泡性液を現場で発泡させて吹き付ける工程と、前記間柱の屋内側に内壁下地を取り付ける工程と、該内壁下地の屋内側に内壁仕上げ材を取り付ける工程とを含むことを特徴とする遮熱建築物の構築方法。
  2. 天井下地材の小屋裏側にアルミ熱線反射材を取り付ける工程と、
    前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記天井下地材の間隔区画内に、樹脂発泡性液を現場で発泡させて吹き付ける工程と、該天井下地材の屋内側に天井仕上げ材を取り付ける工程とを含むことを特徴とする遮熱建築物の構築方法。
  3. 垂木の屋外側にアルミ熱線反射材を取り付ける工程と、該アルミ熱線反射材の屋外側に通気胴縁を間隔を存して取り付ける工程と、該通気胴縁の屋外側に野地板を取り付ける工程と、該野地板の屋外側にルーフィングを取り付ける工程と、該ルーフィングの屋外側に屋根仕上げ材を取り付ける工程と、
    前記アルミ熱線反射材の小屋裏側で前記垂木の間隔区画内に、樹脂発泡性液を現場で発泡させて吹き付ける工程とを含むことを特徴とする遮熱建築物の構築方法。
  4. 柱・間柱の屋外側に取り付けられたアルミ熱線反射材と、該アルミ熱線反射材の屋外側に間隔を存して取り付けられた通気胴縁と、該通気胴縁の屋外側に取り付けられた外壁仕上げ材と、
    前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記柱・間柱の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層と、前記柱・間柱の屋内側に取り付けられた内壁下地と、該内壁下地の屋内側に取り付けられた内壁仕上げ材とを含むことを特徴とする遮熱建築物。
  5. 天井下地材の小屋裏側に取り付けられたアルミ熱線反射材と、
    前記アルミ熱線反射材の屋内側で前記天井下地材の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層と、該天井下地材の屋内側に取り付けられた天井仕上げ材とを含むことを特徴とする遮熱建築物。
  6. 垂木の屋外側に取り付けられたアルミ熱線反射材と、該アルミ熱線反射材の屋外側に間隔を存して取り付けられた通気胴縁と、該通気胴縁の屋外側に取り付けられた野地板と、該野地板の屋外側に取り付けられたルーフィングと、該ルーフィングの屋外側に取り付けられた屋根仕上げ材と、
    前記アルミ熱線反射材の小屋裏側で前記垂木の間隔区画内に、現場で発泡させて吹き付けられた樹脂発泡層とを含むことを特徴とする遮熱建築物。
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