JPH05503949A - 作動油配合用環境親和性基剤油 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 作動油配合用環境親和性基剤油 本発明は、一般的に４作動流体、特に油圧伝導装置に使用する作動油に関する。

これまて、大部分の作動油は、鉱油から作られてきた。例えば避けることができ ない漏れにより、周辺環境へ油が侵入することがある用途においては、環境的に 親和性のエステル油、特に基剤としてのナタネ油および／または大豆油を基礎と するものを含む作動器の需要が増加している。問題としているタイプの典型的な 用途は、林業および農業の機械ならびに装置、浚渫機などである。そのような用 途では、今や、水に対する危険がない作動油を使用することが必要となっている 。エステル系作動油は、このような要請を満たすこしかしながら、実際の用途に おいて不可欠である上４のエステル油、即ち、精製されて特にアミロペクチンお よび他の粘質物を除去したナタネ油および／または大豆油は、実際の用途にお０ て２つの重大な弱点を有する：即ち、 不飽和脂肪酸系のエステル油は、それほどでもない高温の操作温度、例えば５０ 〜８０℃においても、急速に増粘する傾向がある。

これは、問題としている種類の油のエステル形成酸のオレフィン性二重結合が、 最終的に粘度の上昇をもたらす反応を、周囲の酸素の影響下、容易に起こしやす いことに理由がある。望ましくない粘度の上昇は、酸化防止剤を加えることによ り解消てきることは基本的には既知であるが、これまで鉱油系の作動油に好まれ て使用されていた酸化防止剤は、問題としている種類のエステル油においては満 足すべき性能を示さないことが判っている。

上述の環境的に親和性のエステル油系の作動油のもう一つの重要な制限は、低温 における不適当な安定性である。例えば精製ナタネ油は、−１６℃の固化点また は流動点を有するっ固化点に達する前であっても、温度が下がると油の粘度は相 当上昇する。ナタネ油の固化点が比較的高いと、例えば冬の条件では、低い周辺 温度において作動油の実際の用途において相当な問題が生じる。実際の用途にお いて、このような問題は、上述の種類のエステル油の酸化による増粘が作動油の 固化点の相当な上昇を伴なうという事実により、当然ながら非常に促進されるこ とがある。流動点降下剤の添加は、関連する技術的な問題を解決することになら ない。流動点降下剤の影響は、処理される油中に長時間滞留する場合、無（なっ てしまうことが知られている。

本発明が課題とする問題は、環境的に親和性を有する基剤油を基礎とする作動油 の先に説明した２つの基本的な問題に対する有効な救済策を提供することである 。特に、本発明の目的は、一方では、選択された酸化防止剤を加えることにより 、エステル混合物中に実質的な割合で高不飽和脂肪酸を含むエステル油を酸化に よる増粘に対して有効に安定化することであり、他方では、生態学適に安全なエ ステル油を基礎とする混合物成分を提供し、それにより、長い使用期間にわたっ て作動油の固化点を実質的に有効に下げることである。

従って、第１の態様において、本発明は、実用において改善された粘度および／ または低温安定性を有する作動油の配合用の、天然物質を基礎とする環境的に親 和性を有する基剤油に関し、この基剤油は、 ａ）主油成分として精製ナタネ油および／または大豆油、ｂ）メトキシフェノー ル、エトキンフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトル エン、メトキシヒドロキノン、エトキンヒドロキノン、ｔ−ブチルヒドロキノン および／またはトコフェロールから成る群から選択される、混合物全体基準で０ ．５〜５重量％の酸化防止剤 を含む。

要すれば、本発明により選択した酸化防止剤を加えるこれらのエステル油は、追 加の混合物成分 Ｃ）以下のサブクラス・ ＣＩ）飽和Ｃ５−１０モノカルボン酸および／またはｃ２）ナタネ油、大豆油お よび／または工業用オレイン酸を基剤とする脂肪酸 のモノカルボン酸とのトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよび／ またはネオペンチルグリコールのエステルを含み、エステル成分（Ｃ）は、最大 で主油成分（ａ）に実質的に等しい量で存在する。

もう１つの態様において、本発明は、ナタネ油および／または大豆油を基剤とす る作動油の粘度を安定化するための酸化防止剤を含む添加剤に関し、この添加剤 は、以下の酸化防止剤：メトキシフェノール、エトキシフェノール、ブチルヒド ロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、メトキシヒドロキノン、ニドキ シヒドロキノン、ｔ−ブチルヒドロキノンおよび／またはトコフェロールの１種 またはそれ以上を含むことを特徴とする。

要すれば、これらの選択された添加剤は、好ましくは高沸点溶媒の溶液中に存在 し、次にこれを主油成分を形成するナタネ油および／または大豆油系のエステル 油に溶解させる。

最後に、本発明のもう１つの態様は、ナタネ油および／または大豆油系の環境的 親和性作動油と混合し、エステル系作動油の流動点を下げて低温安定性を改善す るために、以下のサブクラス：ｃｌ）飽和Ｃ５−１゜モノカルボン酸および／ま たはｃ２）ナタ不油、大豆油および／または工業用オレイン酸を基剤とする脂肪 酸 のモノカルボン酸とのトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよび／ またはネオペンチルグリコールのエステルの使用に関する。

作動油の特定の組成は、「ウルマンズ・エンツィクロペディー・デル・テヒニツ シェン・ヘミ−（Ｕｌｌｍａｎｎｓ　Ｅｎｚｙｋｌｏｐａｅｄｉｅ　ｄｅｒｔｅ ｃｈｎｉｓｃｈｅｎ　Ｃｈｅｍｉｅ）Ｊ　、第４版、（フエルラーク・ヘミ−（ 〜’ｅｒｌａｇ　Ｃｈｅｍｉｅ）　、ヴアインハイム（Ｗｅｉｎｈｅｉｍ）　） 第１３巻、８５頁以降、特に「ヒドラウリックフリュッシヒカイテン（Ｈｙｄｒ ａｕｌｉｋｆｌｕｅｓｓｉｇｋｅｉｔｅｎ、作動流体）」に、また、ディーター ・クラマン（Ｄｉｅｔｅｒ　Ｋｌａｍａｎｎ）、「シュミールシュトッフェ・ラ ント・フェルヴアンテ・プロドウクチ、ヘルシニテルング、アイゲンシャフテン 、アンプニドラング（Ｓ　ｃｈｍｉｅｒｓｔｏｆｆｅ　ｕｎｄ　ｖｅｒｖａｎｄ ｔｅＰｒｏｄｕｋｔｅ、　Ｈｅｒｓｔｅｌｌｕｎｇ、Ｅｉｇｅｎｓｃｈａｆｔｅ ｎ、　Ａｎｗｅｎｄｕｎｇ）潤滑剤および関連製品、製造、性質、用途」、フエ ルラーク・ヘミ−、ヴアインハイム、１９８２年、１４７／１４８頁、１１．９ ヒドラウリックエーレ（Ｈｙｄｒａｕｌｉｋｏｅｌｅ、作動油）に記載されてい る。

本発明の混合物は、作動油の基剤成分として上述の種類の環境的に親和性のエス テル油を選択している点で実際に広く使用されている既知の鉱油系作動油とは異 なる。本発明の特定の特徴を本発明の先に説明した第１の態様、即ち、作動油の 配合用の天然物質系の生態学的に安全な基剤油を参照して説明する。

主油成分を構成し、場合によりすくなくとも部分的な脱色により更に再生されて いてよい精製エステル油は、市販製品として安価に入手できる。特に適当なナタ ネ油は、エルカ酸を除いたものであり、広く使用されている。

この種類のナタネ油は、典型的には一１６℃の固化点を有する。

流動点または固化点の明きらかな低下は、トリメチロールエタン、トリメチロー ルプロパンおよび／またはネオペンチルグリコールの選択されたエステルを加え ることにより達成できる。先に述べた２つのサブクラスにおいて、これらの混合 物成分のエステル生成酸は、粘度の所望の改善、特に低温におけるものと高い環 境適合性とを組み合わせるように選択する。従って、本発明では、双方のエステ ルサブクラスにおいて天然産の脂肪酸を使用するのが好ましい。

上述のトリメチロール誘導体系の第１エステル成分は、エステル生成カルボン酸 として１０までの炭素原子数を含む比較的低級の、特に飽和の、カルボン酸を使 用する。この種の１つの既知の天然の出発物質は、いわゆるヘッドーフラクショ ネーテッド（ｈｅａｄ−ｆｒａｃｔｉｏｎａｔｅｄ）脂肪酸、即ち、６がら１ｏ の炭素原子数を含む線状飽和モノカルボン酸である。このグループのエステルは 、特に低い固化点を特徴とし、従って、望ましい意味で主油成分の低温挙動を改 善するために特に好ましい。

しかしながら、本発明において説明したトリメチロール誘導体の第２グループか らのエステル生成カルボン酸も、ナタネ油または大豆油あるいは工業用オレイン 酸のオレフィン性のモノおよび／またはポリ不飽和カルボン酸の高い濃度により 目的とする用途に構成的に適当である。

トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンまたはネオペンチルグリコール エステルのこれらの２つのサブクラスの混合物を本発明で使用するのが好ましい 。１つの好ましい態様において、より少ないエステル成分は、主油成分に加える エステル混合物基準で少なくとも約２０重量％の量で存在する。本発明では、エ ステル混合物中で最大１０の炭素原子数を含む低級脂肪酸系のトリメチロールエ ステルを生成分として使用するのが特に好ましい。従って、本発明では、ナタ不 油の固化１点を例えば−４０〜−４５℃に下げることが可能である。大きい環境 適合性により、これらのエステル成分は、必要とされる環境的適合性を下げるよ うな望ましくない危険性無しに、主油成分基準で加えるエステル混合物と実質的 に等しい割合まで安全に主油成分加えることができる。

酸化防止剤として本発明において提案される安定剤は、基本的なヒドロキノン構 造を有するフェノール系防止剤またはそれに対応する化合物の種類の自体既知の 化合物である。しかしながら、特定の安定剤を選択することは、自明な選択では ない。本発明に基づく選択により本発明で使用するエステル油またはエステル油 混合物の空気中におけるエーシング（経時変化）による望ましくない粘度増加を 驚くべきほど有効に防止できる。従って、天然物質系の作動油の寿命および効能 を、実質的に一定の物性でこれまで知られていない程度まで延ばすことができる 。

作動油が、先に説明したような大きな低温安定性を示すことが必要であるだけで な（、基剤油も、一方では製造直後に、他方では空気の存在下における熱への暴 露により粘度が最小限しか変化しない必要があることは知られている。作動油の 粘度特性は、ｌ５Ｏ３４４８またはＤＩＮ　５１５１９において異なる粘度等級 毎に定義に記載されている。この定義に基づくと、以下の意味になる・４０℃に おける粘度（ｍｍ２／ｓ） 最小　最大 ＩＳ○−ＶＧ２２　１９．８　２４．２ＩＳ〇−ＶＧ３２　２８．８　３５．２ ＩＳＯ−ＶＧ４６　４１．４　５０．６ＩＳＯ−ＶＧ６８　６１．２　７４．８ 本発明に基づいてエステル油を混合する割合および本発明に基づてい規定された 防止剤の選択に応じて、Ｉ　５Ｏ−ＶＧ２２、ＩＳ○−ＶＧ３２およびｌ５Ｏ− ＶＧ４６の粘度等級を達成でき、本発明の混合物を使用することにより長期間維 持できる。

本発明の種類の防止剤を基剤油に加える量は、全体としてのエステル油混合物基 準で０．　５〜５重量％である。これに関連して、溶媒溶液中の添加剤として入 手できるようにするのが好ましい。選択した溶媒が満足すべき要件には、広い温 度範囲にわたる選択した防止剤の溶解性およびエステル油混合物におけるこの溶 媒の均一な混和性である。更に、選択した溶媒は十分に小さい揮発性を有する必 要がある。種々の組成のエステル油を溶媒として使用できる。

本発明に基づいて配合される基剤油からの作動油の配合には、既知の方法で追加 の成分を加えることが必要である。従って、特に以下の追加の成分を、本発明に おいて説明した基剤油に特に加えてよい： 高圧添加剤 これらの添加剤には、特に、硫化トリグリセリド、硫化脂肪酸アルキルエステル 、硫化マッコウクシラ油、燐酸エステル、例えばトリオレイルアルコール燐酸エ ステルまたはトリアリールポスフェートエステルなどが包含される。

抗摩耗剤 適当な抗摩耗剤には、特に、ジアルキルジチオ燐酸亜鉛化合物、例えばジー２− エチルへキシルジチオ燐酸亜鉛が包含される。

流動点降下剤 適当な流動点降下剤の一例は、商品名「ニブノール（Ｅ　ｄｅｎｏｒ）２４１０ 」でヘンケル（Ｈｅｎｋｅｌ　ＫＧａＡ）から市販されている製品である。

作動油の特定の配合の特定のもの、その添加剤および添加剤を使用する量は、先 に詳細に引用した種類の物質に関する従来の刊行物に見出すことができる。

以下の実施例は、ナタネ油および大豆油に基づ（主油成分を用いて本発明により 得られる効果を説明し、これらの結果を本発明の定義に対応しない同等の混合物 と比較している。

実施例 実施例１ ４０℃にて３６ｍｍ２／ｓの初期粘度を有する、９９％のナタネ油ならびに０． ３３％のブチルヒドロキシアニソール、ｔ−ブチルヒドロキノンおよびトコフェ ロールの混合物を開放容器内で２００℃にて１１２時間貯蔵した。その後、この 混合物の粘度は４０°Ｃにて６９ｍｍ２／ｓであった。この油は、−１５℃にお いて液体であった。

比較例１ ３６ｍｍ２／ｓの粘度を有するナタネ油を開放容器内で２００’Ｃにて１１２時 間貯蔵した。その後、この混合物は、４０℃にて２００ｍｍ２／ｓの粘度を有し た。

実施例２ ４０℃にて２９ｍｍ２／ｓの初期粘度を有する６９％のナタネ油、３０％のトリ メチロールプロパントリカブリレートならびにそれぞれ０．３３％のブチルヒド ロキンアニソール、ｔ−ブチルヒドロキノンおよびトコフェロールの混合物を開 放容器内で２００℃にて１０６時間貯蔵した。その後、この混合物は、４０°Ｃ にて５０ｍｍ２１５の粘度を有した。この混合物は、−２５℃において液体であ った。

比較例２ ７０％のナタネ油および３０％のトリメチロールプロパントリカプリレートの混 合物を２００℃にて１０６時間貯蔵した。その後、この混合物は、４０℃にて１ ６０ｍｍ２／ｓの粘度を有した。この混合物は、−１６℃において固体であった 。

実施例３ ３３ｍ＋ａ２／ｓの初期粘度を有する５０％のナタネ油、２５％のトリメチロー ルプロパントリオレエート、２５％のトリメチロールプロパントリカプリレート ならびにそれぞれ０．３３％のブチルヒドロキシアニソール、ｔ−ブチルヒドロ キノンおよびトコフェロールの混合物を開放容器内で２００℃にて１１０時間貯 蔵した。その後、この混合物は、４０℃にて５２ｍｍ２／ｓの粘度を有した。こ の油混合物は、−３０℃において液体であった。

比較例３ ４０℃において３３ｍｍ２／ｓの初期粘度を有する５０％のナタネ油、２５％の トリメチロールプロパントリオレエートおよび２５％のトリメチロールプロパン トリカプリレートの混合物を開放容器内で２００℃にて１１０時間貯蔵した。そ の後、この混合物は、４０°Ｃにて１３　Ｑｍｍ”／ｓの粘度を有した。この混 合物は、−３０８Ｃにおいて液体であった。

国際調査報告 国際調査報告 ＥＰ　９００１２９６ ＳＡ　３９３１５

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. １．実用において改善された粘度および／または低温安定性を有する作動油の配 合用の、天然物質を基礎とする環境的に親和性を有する基剤油であって ａ）主油成分として精製ナタネ油および／または大豆油、ｂ）メトキシフェノー ル、エトキシフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトル エン、メトキシヒドロキノン、エトキシヒドロキノン、ｔ−ブチルヒドロキノン および／またはトコフェロールから成る群から選択される、混合物全体基準で０ ．５〜５重量％の酸化防止剤、ならびに ｃ）以下のサブクラス： ｃ１）飽和Ｃ５−１０モノカルボン酸および／またはｃ２）ナタネ油、大豆油お よび／または工業用オレイン酸を基剤とする脂肪酸のモノカルボン酸とのトリメ チロールエタン、トリメチロールプロパンおよび／またはネオペンチルグリコー ルのエステルを含み、エステル成分（ｃ）は、最大で主油成分（ａ）に実質的に 等しい量で存在する基剤油。
2. ２．混合物成分（ｃ）は、エステル混合物基準で少なくとも約１５重量％の一方 のエステルサブクラスおよび残りの他方のサブクラスから成るサブクラス（ｃ１ ）および（ｃ２）のカルボン酸のエステル混合物の形態で存在し、好ましくはエ ステルサブクラス（ｃ１）の量が多い請求の範囲第１項記載の基剤油。
3. ３．ナタネ油および／または大豆油系の作動油の粘度を安定化するための酸化防 止剤を含む添加剤であって、下記の酸化防止剤：メトキシフェノール、エトキシ フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、メトキ シヒドロキノン、エトキシヒドロキノン、ｔ−ブチルヒドロキノンおよび／また はコトフェロールの１種またはそれ以上を含み、要すれば、溶液中、好ましくは エステル油に溶解する高沸点溶媒の溶液中に存在できる添加剤。
4. ４．ナタネ油および／または大豆油系の環境的に親和性のある作動油と混合して エステル系作動油の流動点を下げて低温安定性を改善するための、トリメチロー ルエタン、トリメチロールプロパンならびに／またはネオペンチルグリコールと 下記のサブクラス：ｃ１）飽和Ｃ５−１０モノカルボン酸および／もしくはｃ２ ）ナタネ油、大豆油および／もしくは工業用オレイン酸系の脂肪酸のモノカルボ ン酸とのエステルの使用。
5. ５．最大でナタネ油および／または大豆油に実質的に等しい量でトリメチロール エタン、トリメチロールプロパンおよび／またはネオペンチルグリコールエステ ルを作動油に加える請求の範囲第４項記載の使用。
6. ６．比較的高いパーセントのサブクラス（ｃ１）の酸のエステルおよび残りのサ ブクラス（ｃ２）の酸のエステルを含むトリメチロールエタン／トリメチロール プロパンエステル混合物を加える請求の範囲第４項または第５項記載の使用。
7. ７．酸成分が天然産、特にヘッドフラクショネーティッド脂肪酸であるサブクラ ス（ｃ１）の酸のエステルまたはエステル混合物を使用する請求の範囲第４〜６ 項のいずれかに記載の使用。