JPH0549711U - システム倉庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 システム倉庫を設置するに必要な床面領域お
いて十分に活かしきれていないスペースを有効活用でき
るようにする。 【構成】 前後両外側配置となる自動倉庫１Ａのうち、
内側ラック２Ｂの左側方へ上下二段のコンベヤ７を配置
することで、外側ラック２Ａの左側方は空きスペースと
する。そして、この空きスペースに対応させて搬送台車
６をＵターン走行させるようにしたので、従来活かしき
れないでいた無駄スペースを省いてシステム倉庫全体と
しての床面積を小スペースとするか、又は従来の無駄ス
ペースの中へ新たな自動倉庫１を増設するかする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、複数の自動倉庫を有するシステム倉庫に関する。

【０００２】

【従来のシステム倉庫】

従来この種システム倉庫として、図４の如きものは知られている。即ち、前後 方向（前とは図４下側を、後とは同図上側を言う）へ向けて複数の自動倉庫１， １，…が並設されており、これら各自動倉庫１，１，…の左側方（左とは図４左 側を、右とは同図右側を言う）に互いに前後の所定間隔をおいた入庫コンベヤ４ と出庫コンベヤ５とが対を成して設けられたシステム倉庫である。これら各コン ベヤ（４，４，…及び５，５，…）の更に左側方領域では、搬送台車６が長丸状 の軌跡を描いて周回走行しつつ、所定のコンベヤ（４又は５）に横付け停止して 物品１４の受け取り又は受渡しを行うようになっている。なお、前記したそれぞ れの自動倉庫１は、対向する前後一対のラック２，２間にスタッカークレーン３ が設けられたものである。このスタッカークレーン３は、各ラック２が備える物 品収納棚（図示略）と前記各コンベヤ（４，５）との間で物品１４を出し入れす るようになっている。

【０００３】

【従来システム倉庫の欠点】

従来のシステム倉庫には以下の如き欠点があった。即ち、搬送台車６は、入庫 コンベヤ４や出庫コンベヤ５に横付け停止する部分では直線走行状態となってい なければならない。従って、全部の自動倉庫１，１，…及び各コンベヤ（４，４ ，…や５，５，…）を設置するに必要な床面領域に対して、その前後幅よりも更 に両外側において搬送台車６をＵターン走行させなければならず、結局、搬送台 車６の旋回半径ｒの２倍以上に相当する幅と、自動倉庫１及び各コンベヤ（４， ５）の左右方向長さに匹敵する長さＬとで囲まれた床面積分は有効に活かすこと ができなかった。

【０００４】

【前記欠点を解決するための手段】

この考案は前記欠点を解決するために以下の如き手段を採用した。 即ち、前後一対のラックの対向間にスタッカークレーンが設けられた自動倉庫 が前後方向に複数並設され、前後両外側となる自動倉庫の外側ラックの側方は空 きスペースとなされ、同内側ラックの側方に上下二段のコンベヤが設けられ、前 記前後両外側となる自動倉庫以外の自動倉庫のラックの側方にコンベヤが設けら れているものである。

【０００５】

【考案の作用】

この考案は以下の如き作用をなすものである。 複数の自動倉庫が配置されている中で前後の最も外側へ位置付けられる自動倉 庫では、この自動倉庫の中でも外側配置となるラックの左（又は右）側方に対し て入庫コンベヤも出庫コンベヤも設けられていない。従って、この外側ラックの 左（又は右）側方のスペースは搬送台車を停止させる必要のない空きスペースと なる。そのため、この空きスペースに対応する部分（その更に側方の領域）を、 搬送台車のＵターン走行のために用いることができるようになる。外側ラックの 側方にコンベヤが設けられていないことに関しては、同内側配置となるラックの 側方へ上下二段のコンベヤを設けることでカバーしている。

【０００６】

【実施例】

以下にこの考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、この明細書に おいて、前とは図１下側を、後とは同図上側を言い、左とは図１左側を、右とは 同図右側を言う。 本考案に係るシステム倉庫において、自動倉庫１が前後に複数並設されている ことをはじめとして、その中で前後両外側のもの（１Ａ，１Ａ）以外のものにつ いてはそれぞれの左側方に入庫コンベヤ４と出庫コンベヤ５とが対を成して設け られていること、各自動倉庫１が前後一対のラック２，２とその相互間のスタッ カークレーン３とを有するものであること、そして上記の各コンベヤ（４，５） の更に左側方領域で搬送台車６が周回走行すること等は、従来のシステム倉庫（ 図４参照）と略同様である。

【０００７】 前後両外側へ位置付けられる自動倉庫１Ａ，１Ａにおいて、その中でも外側配 置となるラック２Ａ，２Ａに対しては、それらの左側方に入庫コンベヤ４も出庫 コンベヤ５も設けられていない。そして、これらラック２Ａ，２Ａと前後の所定 間隔をおいて対向する内側のラック２Ｂ，２Ｂには、その左側方に上下二段とな るコンベヤ７が設けられている。

【０００８】 図２の如く、上下二段のコンベヤ７は、それぞれ搬送方向を左右へ向けた下段 コンベヤ９と上段コンベヤ８とを有したものである。下段コンベヤ９は、搬送台 車６の上面部に設けられた駆動ローラコンベヤ１８と同一高さとなる搬送面を有 しており、上段コンベヤ８は、搬送台車６の上方部を横切るように設けられた下 段コンベヤ９よりも長い搬送面を有している。これら各コンベヤ（９，８）の各 搬送方向は左右いずれを向くものでもよいが、両者は必ず逆向きの関係としなけ ればならない。即ち、いずれか一方が入庫用となり他方が出庫用となる。各コン ベヤ（９，８）には、いずれもラック２Ｂ寄りとなる部分に上下を貫通する隙間 １１が形成されている。この隙間１１は、当該場所においてスタッカークレーン ３のスライドフォーク１２が前後摺動したり、昇降台１３により昇降動させられ たりするのを許容して、各コンベヤ（９，８）に対する物品１４の受け取り又は 受渡しを可能とするためのものでる。なお、隙間１１の間隔が広すぎると、この 上部を物品１４が通過する場合に引っ掛かりや落下の原因となることもあるので 、この物品通過時に隙間１１を架橋しそれ以外は退避動するようにした渡りロー ラ盤（図示略）を付設しておくとよい。上記各コンベヤ（９，８）の形式はロー ラコンベヤでもそれ以外でもよいが、駆動機構（図示略）を備えている必要があ る。

【０００９】 下段コンベヤ９に搬送台車６が横付け停止した状態において、この搬送台車６ の左側方となる部分には、搬送台車６上と上段コンベヤ８上との間で物品１４の 移載を行うための垂直移載装置１０が設けられている。この垂直移載装置１０は 、ガイドポスト１５に沿って昇降台１６が昇降自在となったものであって、この 昇降台１６の上部には、搬送方向を左右へ向けた正逆駆動自在な駆動ローラコン ベヤ１７が設けられている。

【００１０】

【実施例の作用】

次に、実施例装置の作用を説明する。 いま、図１において、最前側となる自動倉庫１Ａのうち、その内側ラック２Ｂ における左側方の下段コンベヤ９に対して、図２の如く、物品１４を積載した搬 送台車６が横付け停止したとする。搬送台車６の駆動ローラコンベヤ１８が駆動 してその上部の物品１４を例えば左方向へ送り出すと、垂直移載装置１０におい て同高さで待機していた昇降台１６が、その駆動ローラコンベヤ１７を同様に左 方向へ駆動させて物品１４を受け取る。そして昇降台１６を上段コンベヤ８と同 一高さまで上昇させ、前記駆動ローラコンベヤ１７を逆駆動させて、物品１４を 上段コンベヤ８へと移載する。上段コンベヤ８において隙間１１の設けられた部 分まで物品１４が搬送されると、スタッカークレーン３が、その左右動と、昇降 台１３の昇降動と、スライドフォーク１２の前後摺動とを所定量づつ行い、この スライドフォーク１２上へ物品１４を受け取るようにする。そして、スタッカー クレーン３は引き続き所定の動作を行って、この物品１４をラック２Ａ又は２Ｂ のうち所定の物品収納棚１９へと収納する。 なお、上記の如く収納した物品１４とは別の物品１４を運び出す必要のある場 合には、スタッカークレーン３を適宜動作させてラック２Ａ又は２Ｂの所定の物 品収納棚１９から物品１４を取り出させた後、このスライドフォーク１２を下段 コンベヤ９における隙間１１へその上方側から嵌め込ませるようにして、この部 分へ物品１４を載置させる。そして、下段コンベヤ９と、その左端部に横付け停 止して待機する搬送台車６の駆動ローラコンベヤ１８とを左方向へ駆動させ、物 品１４を搬送台車６上へ積載する。

【００１１】 上記の如くして、最前側の自動倉庫１Ａに対する物品１４の受け渡しを終了し た搬送台車６は、図１の如く、走行を開始する。ここで、搬送台車６は最初に外 側ラック２Ａの左側方スペースを横切るようになるが、このスペースは、入庫コ ンベヤ４や出庫コンベヤ５はもとより上下二段のコンベヤ７も設けられていない 空きスペースとなっている。勿論、この空きスペースで搬送台車６を停止させる 必要はない。そのため、この空きスペースに対応する部分（その更に左側方の領 域）を用いて搬送台車６をＵターン走行させることができるようになる。即ち、 搬送台車６には前記下段コンベヤ９の左側方を離れ始めると同時に旋回を開始さ せることができるものである。

【００１２】 前記垂直移載装置１０（図２参照）は、図３の如く、搬送台車６の停止位置と 上下二段のコンベヤ７との間に設置することが可能である。このようにすると、 上段コンベヤ８と下段コンベヤ９とを同じ長さに揃えることができる。また、図 示は省略したが、搬送台車６の駆動ローラコンベヤ１８を昇降自在なものとする ことで、上段コンベヤ８と下段コンベヤ９とに対する物品１４の受け取り又は受 渡しを可能とさせれば、前記の如き垂直移載装置１０は不要である。ところで、 言うまでもないことであるが、前記した空きスペースとは「空」の状態であるこ とが必要なのではないから、例えばここへ修理用工具の収納棚やバッテリーの充 電設備又は物品１４の仮置きステーション等を設けることは任意に行えるもので ある。また前記実施例では、自動倉庫１が右側でその他コンベヤ（４，５，７） や搬送台車６の走行領域が左側となる配置を示したが、これが反対でもよいこと は勿論である。

【００１３】

【考案の効果】

この考案は、前記の如き構成によって、以下の如き効果を奏するものである。 搬送台車をＵターン走行させるに必要な領域の一部又は全部を、前後両外側の 配置となる自動倉庫の設置幅の中へ（外側ラックの左又は右側方の空きスペース に対応させて）組み入れられるようにしたので、従来活かしきれないでいた無駄 スペースを省いてシステム倉庫全体としての床面積を小スペースとするか、又は 従来の無駄スペースの中へ新たな自動倉庫を増設することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るシステム倉庫の全体を示す概略
平面図である。

【図２】図１中のＩＩ−ＩＩ線拡大正面図である。

【図３】垂直移載装置の別配置を示す要部正面図であ
る。

【図４】従来のシステム倉庫の全体を示す概略平面図で
ある。

【符号の説明】

１ 自動倉庫 １Ａ 前後両外側の自動倉庫 ２ ラック ２Ａ 外側ラック ２Ｂ 内側ラック ３ スタッカークレーン ４ 入庫コンベヤ ５ 出庫コンベヤ ６ 搬送台車 ７ 上下二段のコンベヤ ８ 下段コンベヤ ９ 上段コンベヤ １４ 物品

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後一対のラックの対向間にスタッカー
   クレーンが設けられた自動倉庫が前後方向に複数並設さ
   れ、前後両外側となる自動倉庫の外側ラックの側方は空
   きスペースとなされ、同内側ラックの側方に上下二段の
   コンベヤが設けられ、前記前後両外側となる自動倉庫以
   外の自動倉庫のラックの側方にコンベヤが設けられてい
   るシステム倉庫。