JPH0549433B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、油圧レンチに関する。

【従来の技術】

円に沿つて配置された複数個のねじ込みコネク
タを締結あるいは弛緩せしめる装置が既に多数知
られている。このようなねじ込みコネクタは個別
に締結されていたが当然の事ながら多くの時間を
要した。油圧レンチは概して重く、90.7Kg（200
ポンド）に達するものもあり、かかる重い油圧レ
ンチを用いて引き続くねじ込みコネクタを締結或
いは弛めるには前記油圧レンチをクレーンにより
昇降させなければなない。従つてこの油圧レンチ
を最初のねじ込みコネクタから次のねじ込みコネ
クタに移動させるための設定時間は５分から最高
30分を要する場合がある。一方、数個のボルト或
いはねじ込みコネクタを同時に締結或いは弛める
ことの出来る装置も提供されているが、かかる装
置はその構造が複雑で更に重く、高価であり、そ
の操作も非常に難しいものである。 ところで、油圧レンチを使用する際に、該油圧
レンチの上部空間が非常に狭い場合、上述の如き
公知の構成の油圧レンチを使用することが出来
ず、かかる場合には、ねじ込みコネクタを締結或
いは弛めるのにハンマーによる打撃が必要なボツ
クスレンチが使用された。勿論、かかる場合には
所定の力でねじ込みコネクタを適切に締めること
は出来ない。 又、１部腐食したねじ込みコネクタを弛めるに
は初めに所定の度合まで該ねじ込みコネクタを締
めるのに要した力より更に大きな力が要求され
る。この様な場合は、始めにねじ込みコネクタを
所望の程度まで締めるのに使用した油圧レンチで
再びこれを弛めるには不十分である。

【発明が解決しようとする課題】

従来の油圧動作レンチは、２つのねじ込みコネ
クタを同時に締付け或いは緩め、これにより多数
のねじ込みコネクタを締付け或いは弛める時間を
低減することが難しい。また、２つのねじ込みコ
ネクタの相互の間隔とは無関係にこれ等のコネク
タを同時に締付けることも難しい。 そこで、本発明は、油圧レンチを用いるのに必
要な上部空間が極度に制限された２つのねじ込み
コネクタを同時に締付け或いは弛めることが出来
る油圧レンチを提供することを目的とする。 本発明は更に、油圧レンチの最大力が単一のね
じ込みコネクタにのみ加えられる場合の該コネク
タの締付け、特にその弛める動作に迅速に適合出
来ると共に、２個のねじ込みコネクタを同時に締
付け或いは弛めることが出来る油圧レンチを提供
することも目的とする。

【課題を解決するための手段】

本発明による油圧レンチは、シリンダーと、前
記シリンダー内において作用ストローク及び戻り
ストロークの間でその軸線に沿つて往復動自在な
ピストンとを有する液体作動シリンダー・ピスト
ン装置と、 前記シリンダーの側面から突出してこれに接続
された接続手段と、 前記ピストンの作用ストロークの間に回動され
るべき第１のねじ込みコネクタの多角形状部を強
制駆動するレンチ手段を、その一端領域に有し、
その他端領域が前記ピストンに駆動されるように
接続された細長い駆動レバー手段と、 第１ピボツト軸を有し、前記駆動レバー手段の
略中央を前記接続手段に結合せしめ前記駆動レバ
ー手段を前記第１ピボツト軸周りにて回動自在と
する第１結合手段と、 前記ピストンの作用ストロークの間に回動され
るべき第２のねじ込みコネクタの多角形状部を強
制駆動するレンチ手段を、その一端領域に有した
細長い駆動リンク手段と、 その一端において前記第１のねじ込みコネクタ
近傍の第２のねじ込みコネクタの多角形状部に係
合し得、かつ前記駆動リンク手段と交換自在な細
長いアンカーリンク手段と、 前記第１ピボツト軸に平行であつて該軸から横
方向に隔置された第２ピボツト軸を有し、前記駆
動リンク手段又は前記アンカーリンク手段の他端
領域を前記接続手段に結合せしめ、前記駆動リン
ク手段又は前記アンカーリンク手段を前記第２ピ
ボツト軸周りにて回動自在とし、前記駆動リンク
手段が前記接続手段に接続される時、前記第１及
び第２のねじ込みコネクタが前記ピストンの作用
ストロークの間に同時に回動され、一方、前記ア
ンカーリンク手段が前記接続手段に接続される
時、前記第１のねじ込みコネクタのみが駆動さ
れ、回動の間に生成された反力が前記アンカーリ
ンク手段によつて前記第２のねじ込みコネクタに
伝達される第２結合手段とからなる油圧レンチで
あつて、 前記接続手段は、前記第１及び第２ピボツト軸
間の距離を変化させ前記第２結合手段に結合する
距離変更手段を有することを特徴とする。 この距離変更手段は、上記アンカーリンク手段
が接続手段に取り付けられるときに上記第１ピボ
ツト軸と第２ピボツト軸との距離を上記第１及び
第２のねじ込みコネクタの中心間距離よりも小さ
く維持し、それにより第１のねじ込みコネクタを
回動させる力を、第１及び第２ピボツト軸間の距
離を第１及び第２のねじ込みコネクタの中心間距
離とほぼ等しく維持する場合に比して増大せしめ
るように構成させる。 上記の接続手段は好ましくは、上記シリンダ
ー・ピストン装置のシリンダーに取り付けられた
細長い板部材からなる。 上記距離変更手段は、上記接続手段に結合され
た第１アームと、該第１アームに結合した第２ア
ームとを有し、上記第２結合手段は該第１及び第
２アームの相互結合部に配置されてなる。 上記アンカーリンク手段は、一端において上記
距離変更手段に接続されて上記第２ピボツト軸周
りの回動運動が与えられる細長い板部材と、該板
部材の他端部領域に設けられて上記第２のねじ込
みコネクタを取り囲み得ると共に該板部材を上記
第２のねじ込みコネクタに対して回動自在とする
リング手段とからなる。

【作用】

本発明によれば、シリンダーが接続手段を介し
て駆動レバー手段の略中央に結合されているの
で、ピストンからシリンダーへの反作用の一部を
駆動レバー手段の駆動に用いることが出来、さら
に、駆動レバー手段の略中央に結合された接続手
段がその距離変更手段を介して駆動リンク手段に
接続されているので、駆動レバー手段による第１
のねじ込みコネクタの駆動と同時に距離変更手段
を介して駆動リンク手段を駆動せしめ第２のねじ
込みコネクタを締結又は弛緩させることが出来
る。さらに、距離変更手段を含む接続手段並びに
上記アンカーリンク手段を備えることにより、ト
グルレバーを構成し第１のねじ込みコネクタへの
出力トルクを調整可能としつつ高い出力トルクを
発生させることが出来る。

【実施例】

第１図及び第２図を参照しつつ本発明による実
施例を説明する。 （液体作動シリンダー・ピストン装置） 本発明による油圧レンチは、液体作動シリンダ
ー・ピストン装置を含み、該装置はシリンダー内
腔２を備えるシリンダー１を有し、環状シール４
を有するピストン３は第１図で左方向に向う作用
ストロークと戻りストロークをなすべく往復動自
在である。ニツプル５及び６はシリンダー１の右
側端部壁の対応す内腔に螺合接続され、且つ適当
な通路を通じてシリンダー２の対向端部に連通し
て、図示しない流体源から公知の方法で圧縮流体
をシリンダーに各々供給し、且つ該シリンダーか
ら放出し、これによりピストンは作用ストローク
と戻りストロークとの往復運動をする。ピストン
ロツド７は適切な方法で該ロツドと同心のピスト
ン３に接続され、これにより第１図に示したよう
に、封止リング８により封止されつつシリンダー
１の左手端部壁の開口を通して突出する。 （接続手段） 更に、上記油圧レンチは、第１図に示したよう
に、シリンダー２の横手方向に隔置され、ほぼ平
行な一対の略三角形状の側板部１０を有する接続
手段９をも含む。前記側板部１０の各々は、第２
図に示したように、上方広面積部１０ａと、該上
方広面積部を接続部１０ｃにより互いに一体的に
結合する下方狭面積部１０ｂとからなる。２枚の
側板部１０は各々、上方において、シリンダー１
の前方すなわち図の左端部領域の盲孔に螺合した
接続ピン１０ｄにより枢支接続される。 （駆動レバー手段） 当該油圧レンチは更に、細長い駆動レバー手段
１１を有する。該駆動レバー手段１１は、第１図
に示したように、単一の板状レバーからなり、該
レバーは、シリンダー内腔２におけるピストン３
の作用ストロークの間に回転せしめられる第１の
ねじ込みコネクタの多角形状部に強制係合する多
角形状の、例えば六角形状の開口１１ａすなわち
レンチ手段をその下端部領域に有する。駆動レバ
ー手段１１の上端部は、好ましくは着脱自在にか
つシリンダー１を越えて突出するピストンロツド
７の前方端部７′にピン１２により枢着される。
このピストンロツド７の前方端部７′は好ましく
は二又形状をなし、従つて駆動レバー手段１１の
上部端はピストンロツド７の二又状前方端部７′
の２個の態手の間に配置される。ピン１２はピス
トンロツド７の二又状前方端部７′内及び駆動レ
バー手段１１の上端部内に設けられた同芯孔に貫
通し、且つピストンロツド７の二又状端部７′の
態手部分の反対側でピン１２の適当な溝内に設け
られたスナツプリング１３により前記孔内に取り
外し自在に支承される。 （第１結合手段） 第１図に示したように、駆動レバー手段１１の
両端部間の中間には、該駆動レバー手段の三角形
状の側板部１０の左手端部領域を接続手段９に取
り外し自在に結合する第１結合手段１４が設けら
れる。第１結合手段１４は第１ピボツト軸A₁を
有し、これにより、第１ピボツト軸A₁周りの回
動運動が側板部１０の左手端部領域にて駆動レバ
ー手段１１へ与えられる。この第１結合手段は側
板部１０及び駆動レバー手段１１の同芯孔を貫通
して延在する第１結合ピン１４からなり、側板部
１０を越えて突出する第１結合ピン１４の端部部
分における適切な溝に設けたスナツプリング１５
が上記の同芯孔内の第１結合ピン１４を取り外し
自在に保持するために設けられている。 駆動レバー手段１１は、好ましくは上記した如
く、ピストンロツド７の前方端部７′、或いは側
板部１０にピン１２及び１４により取り外し自在
に固定される。これにより、駆動レバー手段１１
は、異なる構成の、例えば大きさ又は構成が異な
る開口１１ａすなわちレンチ手段を有する駆動レ
バー手段に交換され得る。 （距離変更手段） 第１図に示したように、油圧レンチは更に、側
板部１０の下方右側部分に１端部にて接続された
第１アーム１６と、第１アーム１６の他端部に以
下に記載するように１端部にて接続された第２ア
ーム１７とからなる距離変更手段を含む。第１ア
ーム１６は、上下の側板部１０の下方狭面積部１
０ｂの間に延在する狭小中央部１６ａと幅広部１
６ｂとからなる。第２アーム１７は第１アーム１
６の幅広部１６ｂの両側に配置されて第１アーム
１６の右端部を越えて突出する１対のアームから
なる。第１アーム１６は接続手段９に対して角度
位置に変更可能に接続される。このために、第１
図及び第２図に示したように、第１アーム１６の
狭小中央部１６ａのスプラインされた貫通孔１８
と、側板部１０の下方狭面積部１０ｂの右手端部
領域に位置してこの貫通孔１８に整合された１対
のスプラインされた貫通孔１９と、両貫通孔１８
及び１９に挿通されたスプラインされたピン２０
とからなるスプライン結合が設けられている。こ
のスプライン結合により、第１アーム１６の角度
位置が接続手段９に対して変更され得る。第２ア
ーム１７を形成する２つのアームはスプライン結
合により第１アーム１６の幅広部１６ｂに同様に
接続されている。この後者のスプライン結合は、
同様に、第１アーム１６の幅広部１６ｂを通じて
上記の貫通孔１８と平行に延在する少なくとも１
つのスプラインされた貫通孔２１と、第２アーム
１７の左端部分内を貫通してこの貫通孔２１と芯
の合つた１対のスプライン貫通孔２２と、両貫通
孔２１及び２２に挿通されたスプラインピン２３
とからなる。スナツプリング２４がピン２３の外
側端部に形成された適切な溝に設けられ、これに
よりこれ等のアームがピン２３の端部から外れる
ことがない。第１及び第２アーム１６，１７の間
のスプライン結合により２つのアーム間の角度位
置の変化が可能になる。第２アーム１７の２つの
アームは、更に貫通孔２２とは別に、貫通孔２１
及び２２の軸に対してのみならず第１のピボツト
軸A₁にも平行な第２のピボツト軸A₂を形成する
後述の第２結合手段である第２結合ピン３１に合
芯した円形貫通孔２５を有する。第１アーム１６
も幅広部１６ｂに貫通孔１８と２１との間に第２
のスプラインされた貫通孔２７を備え、これによ
り第２アーム１７を接続するスプラインピン２３
が貫通孔２１或いはスプライン貫通孔２７のいず
れかに挿通される。好ましくは、第２図に示すよ
うに、貫通孔１８，２１及び２７に各々垂直なね
じ込み貫通孔２８が各々設けられ、これにより
各々の貫通孔１８，２１或いは２７内の適切な位
置にスプラインピン２０と２３が保持される。 （駆動リンク手段、アンカーリンク手段及び第２
結合手段） 汎用性のある油圧レンチを得るために、油圧レ
ンチには、第３図及び第１図ｂに示した細長い駆
動リンク手段２９と、これと交換可能な第１図ａ
のアセンブリに示した細長いアンカーリンク手段
３０とが更に設けられる。これ等のリンク手段
は、いずれも第２ピボツト軸A₂を有する第２結
合ピン３１すなわち第２結合手段によつて、第２
アーム１７の貫通孔２５に取り付けられ、これに
より第２ピボツト軸A₂周りの枢動が可能になる。
これ等のリンク手段は各々板状をなし、その上部
端部に突設された第２結合手段の第２結合ピン３
１により貫通孔２５に装着されている。第２図に
示すように第２アーム１７を成す一対のアームの
互いの間隔は上記の板状リンク手段各々の幅より
かなり大きく、又、適切なスペーサリングが第２
結合ピン３１に設けられ、これにより第２アーム
１７の両アーム間に各々のリンク手段が保持され
る。 ２つのねじ込みコネクタが同時に回動されなけ
ればならない場合には、第１図ｂに示した駆動リ
ンク手段２９が用いられ、このために該駆動リン
ク手段２９はその下部部分に多角形、例えば六角
形の開口３２を備え、該開口に対し、多角形状
部、例えば第２のねじ込みコネクタの６角ナツト
が係合され、一方、第１のねじ込みコネクタのナ
ツトが駆動レバー手段１１の開口１１ａに係合さ
れ、かくして両ナツトは次に説明するように同時
に回動されることになる。本発明による油圧レン
チにより単一のねじ込みコネクタを回動しなけれ
ばならない時は第３図に示した駆動リンク手段２
９が第１図ａのアセンブリに示したアンカーリン
ク手段３０により代替される。このアンカーリン
ク手段３０は第３図に示した駆動リンク手段２９
の如き六角形状開口は備えないが、駆動レバー手
段１１の開口１１ａに係合された第１のねじ込み
コネクタの多角形状部に隣接する第２のねじ込み
コネクタの多角形状部を取り囲むようにされた円
形の開口３３すなわちリング手段を備える。この
開口３３は、第１図ａに概略図示したようにアン
カーリンク手段３０の下部部分内に設けられたス
リーブ形軸受、又は内外環間に多数の針状ローラ
介在する針状軸受３４に設けられ、これにより摩
擦が更に低減される。 （油圧レンチの動作） 上記した油圧レンチは次のように動作する。本
発明による油圧レンチを用いて２つの隣接するね
じ込みコネクタを回動し、これにより該両ねじ込
みコネクタを締付け或いは弛める場合、第１図ａ
に示したアンカーリンク手段３０は第３図に示し
た駆動リンク手段２９により代替され第１図ｂに
示す様に油圧レンチは構成される。回動されるべ
き第１のねじ込みコネクタの多角形状部が駆動レ
バー手段１１の開口１１ａに係合され、第２のね
じ込みコネクタの多角形状部が駆動リンク手段２
９の開口３２に係合される。第１図ｂの二点鎖線
に示したように、接続手段９は、ピストン７端部
のピン１２とシリンダのピン１０ｄとの距離が拡
大するピストン３の作用ストローク（左方向移
動）中に、第１ねじ込みコネクタの軸周りに反時
計方向に回動し、これを回転させる。 同時に、駆動レバー手段１１は、その両端の間
の領域にて第１結合ピン１４（第１結合手段）を
介して結合されている接続手段９並びに第１アー
ム１６及び第１アーム１６（距離変更手段）を、
作用ストローク方向に移動させる。これにより、
第２結合ピン３１（第２結合手段）により回動自
在に結合されている駆動リンク手段２９も第２の
ねじ込みコネクタの軸周に反時計方向に回動し、
これを回転させる。 このように、接続手段９並びに第１アーム１６
及び第１アーム１６（距離変更手段）と、駆動レ
バー手段１１と、駆動リンク手段２９とは、第１
及び第２のねじ込みコネクタの軸に関して、第１
結合ピン１４（第１結合手段）並びに第２結合ピ
ン３１（第２結合手段）によつて回動自在に結合
され、パンタグラフ機構を形成しているので、第
１及び第２のねじ込みコネクタを同時に回転させ
ことができる。両ねじ込みコネクタが同じ力で回
動されることを保証するためには、多角形状開口
１１ａの中心と第１結合ピン１４の中心とを通過
するラインl₁が多角形状開口３２の中心と第２結
合ピン３１の中心とを通過するラインl₂に平行で
ある必要があり、この場合には２つの多角形状開
口１１ａと３２の中心間の距離Ｃは距離B′、即
ち、第１ピボツト軸A₁と第２ピボツト軸A₂との
間の距離に等しい。これは、第１アーム１６の角
度位置を接続手段９に対して、又第２アーム１７
の角度位置を第１アーム１６に対して調節するこ
とにより非常に正確に実施可能である。 開口１１ａと３２とに係合された多角形状部が
ピストン３の一行程では十分に締付けられない場
合には、駆動レバー手段１１と駆動リンク手段２
９は各々の多角形状部から一旦離脱され、第１図
ｂに示した実線の位置にリセツトされて各多角形
状部に再係合され、これによりピストン３の次の
作用ストロークの間に更に回動されなければなら
ない。但し、シリンダー内腔２内でのピストン３
の往復運動はこのリセツト操作の間に、従来公知
の方法で停止される。 本発明による油圧レンチを用いてより大きな力
により単一の多角形状部のみを回動する時は、駆
動リンク手段２９は第１図ａに示すように、アン
カーリンク手段３０により代替され、その円形開
口３３が第１のねじ込みコネクタに隣接する第２
のねじ込みコネクタの多角形状部に回転自在に外
嵌される。作用ストローク（左方向移動）中、上
記した駆動リンク手段２９を用いた場合と同様
に、駆動レバー手段１１はその多角形状開口１１
ａに係合した第１のねじ込みコネクタを回転する
が、アンカーリンク手段３０は第２のねじ込みコ
ネクタの多角形状部に回転自在に係合されている
から、これを回転させず、第１のねじ込みコネク
タの回転動作の間に発生する反力を受けることに
なる。この場合、第１アーム１６及び第２アーム
１７の相対的角度位置と、該各アームの接続手段
９に対する角度位置が、距離Ｃが距離B′（第１図
ｂ）に等しくなるように再び調節されていると、
駆動レバー手段１１の開口１１ａに係合された多
角形状部はシリンダー・ピストン装置の最大力に
より締付けられ、或いは弛められることになる。 ところで、ねじ込みコネクタが弛められた状態
に置かれていると、部分的な腐食が生じてシリン
ダー・ピストン装置の全力を以てしても該コネク
タを回動させることは困難となり、そのような場
合、第１図ａに示したように、第１アーム１６及
び第２アーム１７の相対角度位置と、該各アーム
の接続手段９に対する角度位置を適宜調節して距
離B″を距離Ｃより小さくする。この場合、２つ
のアーム手段は接続手段９及びアンカーリンク手
段３０と共にトグルレバーのように動作し、これ
により駆動レバー手段１１を回動させる力が増加
される。 以上のように、第１アーム１６及び第２アーム
１７の相互のスプライン結合と、該第１アームの
接続手段９とのスプライン結合とによつて、第１
及び第２のピボツト軸A₁及びA₂の距離を変化さ
せる距離変更手段が構成されている。一方、第１
結合ピン１４はその端部の中間の駆動レバー手段
１１を接続手段９に対して好ましくは取り外し自
在に結合する第１結合手段を構成する。又、第２
結合ピン３１は前述した２つのリンク手段のいず
れかを第１ピボツト軸A₁に平行に取り外し自在
に結合し、且つ、該ピボツト軸から横手方向に隔
置された第２のピボツト軸A₂周りの回動運動を
与える第２結合手段を形成する。駆動レバー手段
１１が駆動リンク手段２９及びアンカーリンク手
段３０と共に各々単一の板状部材により構成され
る図示の如き油圧レンチは、これを使用する際の
上部空間が極度に小さい用途に用いられて好適で
ある。 第２図に示した如く、第２アーム１７が具備す
る２つのアーム間の距離は、駆動レバー手段１１
が枢着される側板部１０の下方狭面積部１０ｂ間
の距離よりも大であると共に、駆動レバー手段１
１の幅、板状駆動リンク手段２９及びアンカーリ
ンク手段３０の幅よりかなり大きい。従つて、駆
動レバー手段１１としては、その他の駆動レバー
手段及びアンカーリンク手段、例えば第４図に示
したラチエツト駆動レバー手段及びラチエツト形
リンク手段を適用することも出来る。この場合、
第４図に示されたリンク手段１００が具備する如
きラチエツトギヤ１０１により爪１０２を脱着す
る機構１０３が与えられるとすると、単一のコネ
クタだけを回動せしめる場合には、本実施例で示
した如く上記記載のアンカーリンク手段３０を駆
動リンク手段２９に代替する必要はなくなる、そ
の代りに、第４図に示したリンク手段は、該リン
ク手段が有する爪１０２がラチエツトギヤ１０１
の歯と係合される時に駆動リンク手段として使用
され、爪が脱係合される時（脱着機構１０３によ
り爪１０２が図面上方へ外れるとき）にはアンカ
ーリンク手段として使用される。 上記の説明から理解されるように、本発明によ
る油圧レンチは、２つのねじ込みコネクタを同時
に締付け或いは弛めるために、或いは、単一のね
じ込みコネクタをより大きな力で締付け且つ弛め
るために有用である。

【発明の効果】

以上詳述した如く、本発明による油圧レンチに
おいては、２つのねじ込みコネクタを同時に且つ
より大きな力で、或いは単一のねじ込みコネクタ
をより大きな力で締付け、或いは弛めることが出
来ると共に、又その使用に際して上部空間が極度
に制限されている状況であつても有効に使用する
ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例としての油圧レンチの
側面図であり、第２図はシリンダー・ピストン装
置と駆動レバー手段とリンク手段を除去した場合
の本実施例の部分上面図であり、第３図は第１図
に示したアンカーリンク手段の代りに距離変更手
段に取付け可能な駆動リンク手段の側面図であ
り、第４図は第１図に示したリンク手段の代りに
取付け可能なラチエツト駆動レバー手段及びラチ
エツト形リンク手段の側面図である。 主要部分の符号の説明、１……シリンダ、３…
…ピストン、４……環状シール、５，６……ニツ
プル、７……ピストンロツド、８……封止リン
グ、９……接続手段、１０……側板部、１０ａ…
…上方広面積部、１０ｂ……下方狭面積部、１０
ｃ……接続部、１０ｄ，１２，１４，２０，２３
……ピン、１４……第１結合ピン、１１……駆動
レバー手段、１１ａ……開口、１３，１５，２４
……スナツプリング、１６……第１アーム、１７
……第２アーム、１８，１９，２１，２２，２
７，２８……貫通孔、２９……駆動リンク手段、
３０……アンカーリンク手段、３１……第２結合
ピン、３２，３３……開口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シリンダーと、前記シリンダー内において作
   用ストローク及び戻りストロークの間でその軸線
   に沿つて往復動自在なピストンとを有する液体作
   動シリンダー・ピストン装置と、 前記ピストンの作用ストロークの間に回転され
   るべき第１のねじ込みコネクタの多角形状部を強
   制駆動するレンチ手段を、その一端領域に有し、
   その他端領域が前記ピストンに駆動されるように
   接続された細長い駆動レバー手段と、 前記シリンダー及び前記駆動レバー手段に枢支
   接続された接続手段と、 第１ピボツト軸を有し、前記接続手段を前記駆
   動レバー手段の両端の間の領域に結合せしめ、前
   記駆動レバー手段を前記第１ピボツト軸周りにて
   回動自在とする第１結合手段と、 前記ピストンの作用ストロークの間に回転され
   るべき第２のねじ込みコネクタの多角形状部を強
   制的に回転駆動するレンチ手段を、その一端領域
   に有した細長い駆動リンク手段と、 その一端において、前記第１のねじ込みコネク
   タ近傍の第２のねじ込みコネクタの多角形状部
   に、その回転軸周りに回転自在に係合し得、かつ
   前記駆動リンク手段と交換自在な細長いアンカー
   リンク手段と、 前記第１ピボツト軸に平行であつて該軸から横
   方向に隔置された第２ピボツト軸を有し、前記駆
   動リンク手段又は前記アンカーリンク手段の他端
   領域を前記接続手段に結合せしめ、前記駆動リン
   ク手段又は前記アンカーリンク手段を前記第２ピ
   ボツト軸周りにて回動自在とし、前記駆動リンク
   手段が前記接続手段に接続される時、前記第１及
   び第２のねじ込みコネクタが前記ピストンの作用
   ストロークの間に同時に回転され、一方、前記ア
   ンカーリンク手段が前記接続手段に接続される
   時、前記第１のねじ込みコネクタのみが駆動さ
   れ、回転中に生成された反力が前記アンカーリン
   ク手段によつて前記第２のねじ込みコネクタに伝
   達される第２結合手段とからなる油圧レンチであ
   つて、 前記接続手段は、前記第１及び第２ピボツト軸
   間の距離を変化させ前記第２結合手段に結合する
   距離変更手段を有することを特徴とする油圧レン
   チ。 ２ 前記距離変更手段は、前記アンカーリンク手
   段が前記接続手段に結合されるときに前記第１及
   び第２ピボツト軸間の距離を前記第１及び第２ね
   じ込みコネクタの中心間距離よりも小さく維持
   し、それにより前記第１のねじ込みコネクタを回
   転させる力を増大せしめることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の油圧レンチ。 ３ 前記接続手段は前記シリンダー・ピストン装
   置のシリンダーに枢着された細長い側板部を有す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１ないし第
   ２項のうちいずれか１記載の油圧レンチ。 ４ 前記距離変更手段は、前記接続手段に結合さ
   れた第１アームと、前記第１アームに結合した第
   ２アームとを有し、前記第２結合手段は前記第１
   及び第２アームの相互結合部に配置されてなるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１ないし第３項
   のうちいずれか１記載の油圧レンチ。 ５ 前記アンカーリンク手段は、一端において前
   記距離変更手段に接続されて前記第２ピボツト軸
   周りの回動運動が与えられる細長い板部材と、該
   板部材の他端部領域にあり、少なくとも部分的に
   前記第２ねじ込みコネクタを包囲すると共に前記
   板部材に対して回転自在なリング手段とからなる
   特許請求の範囲第１ないし第４項のうちいずれか
   １記載の油圧レンチ。 ６ 前記第１アーム及び前記接続手段、並びに、
   前記第１及び第２アームは、スプライン接続によ
   り相互に締結されてなることを特徴とする特許請
   求の範囲第４項記載の油圧レンチ。 ７ 前記駆動レバー手段及び前記駆動リンク手段
   は前記第１及び第２のねじ込みコネクタの多角形
   状部に嵌合すべく多角形状部開口を有したラチエ
   ツトを有し、前記アンカーリンク手段の前記リン
   グ手段は円形開口を有するスリーブ形軸受または
   内外環間に多数の針状ローラが介在する針状軸受
   ３を有することを特徴とする特許請求の範囲第５
   項記載の油圧レンチ。