JP2021528266A - ボルトにナットを締結して固定的結合を形成するための工具 - Google Patents

Abstract

ボルトにナットを締結して固定的結合を形成するための工具は、液圧シリンダーに油圧を供給する空気圧駆動の液圧ポンプを備える。該液圧シリンダーは、シャフトに接続されたピストンを備え、該シャフトは空気圧駆動モータ（９０’）によってボルトのねじに螺合される。ナットは別の第２の空気圧駆動モータ（９１’）に接続され、前記ボルトが引張された状態で、前記ナットは該第２の空気圧駆動モータによって前記ボルトに締結される。
【選択図】図２Ａ

Description

本発明は、固定手段として使用されるボルトとナットについて、ボルトにナットを締結するための工具に関する。

このような用途で最もよく知られている工具は固定レンチとスパナレンチであり、これらは締め付けトルクと締め付け精度に特定の要件がない場合に使用される。しかし、例えば、車両のホイールナットのようなより高い精度を必要とするものにおいては、トルクレンチを使用して締め付けの最終ステップが行われる。

海洋産業やプロセス産業における機械やパイプの接続部では、ボルトの正確な締め付けに関する要件は非常に厳しいことが多く、潤滑剤と、これをねじ山に塗布する方法、そしてトルクの狭い許容範囲の両方が関わる手順によって、その要件は満たされている。しかしながら、ねじ山間の摩擦や、ナット、基材、または一般的に使用されるワッシャーとの間の摩擦の変動により、ボルトに異なる引張力が発生することがわかっている。

固定的結合においてボルトとナットを一緒に締結するためのこれらの既知のボルト引張工具のいくつかは、ナットを納めるために凹んでいて回転自在な装置を備え、底部に取り付け面を備える中空液圧シリンダーと、外部の高圧オイルポンプとからなる。オイルがシリンダーに圧入されると、その圧力によって決定される力でボルトが引張され、ナットを締結できる。その後、油圧が解放され、次のボルトで使用するためにこのセットの螺合が解除される。これにより、すべてのボルトに均一で正確な引張力が加えられる。

特許文献１には、ボルトに引張力を加えるためのテンションロッドを備える工具に関する技術が記載されている。このテンションロッドには、パイプヘッドを交換するための取り外し可能で簡単なリンクがない。また、ナットを締めるための一体型の機構も備えておらず、ナットは別のトルクロッドを使用して手動で締めたり緩めたりする必要がある。

欧州公開公報第３１２６０９６号

本発明の目的は、必要となる一連の機能と要素の全てが組み込まれた工具であって、ノズルアセンブリを交換するだけで異なるボルトサイズとナットサイズに適合する工具を提供することで、工具の時間効率性を向上させ、他のハンドツールと一緒に使いやすくすることである。このノズルアセンブリは、テンショナーシャフトと、特定のサイズのボルトと関係するナットに適合するパイプとを含む。危険な場所で操作できるようにするために、本工具は外気/屋内施設において動力源として圧縮空気のみを使用して操作することができ、ホースや接続部などの外部の油圧高圧器具による危険性や欠点が避けられることが好ましい。

本発明の工具は、ロボットやＲＯＶと通常呼ばれる潜水機などの遠隔制御装置への搭載に適している。ここでは、動力供給は、水またはある種のオイル、あるいはそれらを組み合わせた形態の液圧式による。この実施形態では、ハンドルは適切なコネクタとトリガーのシステムに置き換えられる。

好ましい実施形態において、ボルトにナットを締結して固定的結合を形成するための本工具（ツール）は、第１のモータと、該第１のモータによって回転されるように構成され、ボルトと結合する内ネジを備えるボルトテンショナーシャフトと、該ボルトテンショナーシャフトを上部液圧テンショナーシャフトに接続する係止鉤（ロッキングクロウ、locking claw）と、該液圧テンショナーシャフトに取り付けられた液圧ピストンと、該液圧ピストンにオイルを供給するためのオイルポンプとを含んでおり、該オイルポンプから液圧ピストンに油圧が導入されると、液圧ピストンがボルトを引張するように構成されている。この工具は更に第２のモータと、ボルトテンショナーシャフトに軸周りに旋回自在に接続されたナット係合用のパイプとを含み、このパイプは第２のモータによって回転するように構成されている。

より好ましい実施形態では、共通のギア支軸に設置された回転可能な第１のギアホイールと、第２のギアホイールとを備えたギア機構も含み、前記第１のギアホイールは、第１の流体駆動モータからボルトテンショナーシャフトに回転運動を伝達するように構成され、前記第２のギアホイールは、第２の流体駆動モータから前記パイプに回転運動を伝達するように構成されている。

さらに好ましい実施形態では、マイクロプロセッサが接続されたディスプレイシステムと、前記マイクロプロセッサに接続された油圧センサとを含み、オイルポンプから供給される油圧が前記油圧センサによって検出され、前記ディスプレイに表示される。

最も好ましい実施形態では、第１の流体駆動モータおよび第２の流体駆動モータに供給される流体圧力を検出する流体圧力センサを更に含み、第１のモータおよび第２のモータは、流体または電気によって動力を供給される。

これらの目的は、添付の特許請求の範囲に開示された本工具によって解決される。

次に、以下に添付したものを参照しながら、本発明をより詳細に説明する。

図１Ａは本工具の左側面図、図１Ｂは本工具の底面図、図１Ｃは本工具の全体の斜視図を示している。 図２Ａは交換可能なノズルを含むシリンダーハウスの断面図、図２Ｂは交換可能なノズルを含む機構のサブアセンブリを示している。 図３Ａは空圧ハウスの詳細断面図、図３Ｂはモータハウスの詳細断面図を示している。 システム全体の概略図を示している。

図１Ａ、１Ｂ、１Ｃで位置が示されるように、キャップ１は液圧用のシリンダーハウス２の上部にボルトで取り付けられ、空気供給用のシリンダーハウス３は本工具の後部に取り付けられている。ミドルプレート４は、前記シリンダーハウス２、３の間に設置され、エアモータハウス５は工具の最下部にあって、モータを収容している。

リアプレート６は、空気供給用のシリンダーハウス３を介して液圧用のシリンダーハウス２にボルトで固定され、該リアプレートによってハンドル７は工具に接続されている。バルブハウス８は、シリンダーハウス２、３の間に配置され、操作スイッチ１０と最大圧力用のレギュレータ１１が備えられている。操作スイッチ１０は回転方向を変更するためのものであり、本工具の両側に設置されたハンドルを有する。最大圧力用のレギュレータ１１は動力源圧力を調節するためのものであり、圧力を調整するためのホイールはトッププレート１の右上に設置されている。構造の最下部にあるスタブ９は、基材またはワッシャーなどに対する直接的なインターフェースになっている。

トリガー１２は、ハンドル７の一部として、動力供給の流れを調整するバルブを開閉するものである。動力源カプラー１３は、本工具と動力源の間の接続部である。最後に、ディスプレイには、動力源システムにある圧力センサおよび/または液圧動力源システムにあるセンサからのセンサデータを読み取って分析するように構成されたマイクロプロセッサが備えられる。

さらに、液圧用のシリンダーハウス２には係止鉤２５が備えられており、これによって、ボルトに結合するボルトテンショナーシャフト２６と、ナットを回転させるパイプ２７とを含むノズル部分の交換が可能となる。

図２Ａ、２Ｂには、液圧用のシリンダーハウス２の詳細図と、視覚化され番号が付された各部品が示されている。

液圧ピストン２０は、Ｏ−リングシール２０’を備え、垂直方向に動くことができる。ハウジングスプリング２２によって正のダウンフォースが加えられる。液圧シャフト２１は、この液圧ピストンに接続されており、液圧の上側と下側の両方でシール２３によってシールされている。前記液圧ピストン２０の下部にあって該液圧ピストンに螺結された上部液圧テンショナーシャフト２４によって、上部液圧システムは係止鉤２５に接続される。

この係止鉤によって、前記上部液圧テンショナーシャフト２４と交換可能なボルトテンショナーシャフト２６とが接続される。このボルトテンショナーシャフトには内ネジ２６’があり、この内ネジによってシャフト２６はボルトに螺合され、本工具からの力が前記ボルトに伝達される。ナット用の標準六角形インターフェース２７’を備えた標準サイズのパイプ２７は、前記シャフト２６に旋回自在に接続されている。

図３Ａ、３Ｂには、空気供給用のシリンダーハウス３の詳細図と、モータハウス５および視覚化され番号が付された各部品が示されている。

空気圧駆動ピストン３１はピストン３３を作動させ、該ピストン３３はオイルポンプ３４’を作動させる。このオイルポンプ３４’によって前記液圧ピストンに作用する液圧を増減することができる。前記空気圧駆動ピストンに空気圧が作用しないときは、リターンスプリング３２によって、図示された開始位置に前記空気圧駆動ピストンが押し戻される。

コミュニケータピン３６によって、前記空気圧駆動ピストンに作用する空気の流れが制御される。逆止弁タイプの入り口バルブ８０’によって流れが確保される。バルブプラグ８１は空気供給用のシリンダーハウス３の上部に取り付けられている。フローターンピン８４は空気の流れを方向付けするためのものである。

図４には本工具の機能接続図が示されている。オペレーターはまず最大圧力用レギュレータ（８３'）上のホイール１１を使用して、ボルトを引っ張る力を調整し、本工具をボルトの上に配置する。そして第１の位置にある操作スイッチを作動し、エアモータ９０’を作動させ、テンショナーシャフト２６をボルトねじに螺合すると、それと同時に取り付けパイプ２７がナットに係合し、該ナットを回転させて同じボルトねじに螺合する。

次に、トリガー１２を介してバルブ１２'を作動させることにより、空気圧駆動される内部液圧ポンプ３４’により液圧シリンダーにオイルが圧入され始め、ピストン２０によってテンショナーシャフト２４が引かれ、ボルトを引張する力が加わる。それと同時にエアモータ９１’からのトルクによってナットが回転する。ボルトに所定の引張力がかかると、操作スイッチは第２の位置に移動させられ、エアモータ９０'が逆回転することになる。

トリガー１２が解放されると、オイルポンプ３４’が停止し、バルブ１２’からの空気圧がなくなると圧力逃し弁８６’が開いて油圧が解放され、本工具はボルトとの螺合が解かれ、次のボルトとナットに備える。

Claims (5)

1. 設定された力でボルトを引張し、続いて適正なプレストレスとなるようにナットをねじることで、ボルトにナットを締結して固定的結合を形成する工具であって、
   第１のモータ（９０’）と、
   前記ボルトに螺合する内ネジ（２６’）を備え、前記第１のモータ（９０’）によって回転されるように構成されたボルトテンショナーシャフト（２６）と、
   前記ボルトテンショナーシャフト（２６）を上部液圧テンショナーシャフト（２４）に接続する係止鉤（２５）と、
   前記液圧テンショナーシャフト（２４）に取り付けられた液圧ピストン（２０）と、
   前記液圧ピストン（２０）にオイルを供給するオイルポンプ（３４’）であって、該オイルポンプ（３４’）から前記液圧ピストン（２０）に油圧が導入されると、前記液圧ピストンが前記ボルトを引張するように構成された、オイルポンプ（３４’）と、
   第２のモータ（９１’）と、
   前記ナットに係合するために前記ボルトテンショナーシャフト（２６）に軸周りに旋回自在に接続されているパイプ（２７）であって、前記第２のモータによって回転されるように構成されたパイプ（２７）と、
   を備える工具。
2. 共通のギア支軸に回転可能に設けられた第１のギアホイールと第２のギアホイールを備えたギア機構をさらに含み、前記第１のギアホイールは、前記第１の流体駆動モータ（９０’）から前記ボルトテンショナーシャフト（２６）に回転運動を伝達するように構成され、前記第２のギアホイールは、前記第２の流体駆動モータ（９１’）から前記パイプ（２７）に回転運動を伝達するように構成されている、請求項１に記載の工具。
3. ディスプレイ（１４）と、前記ディスプレイに接続されたマイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサに接続された油圧センサとをさらに含み、前記オイルポンプ（３４'）から供給される前記油圧は前記油圧センサによって検出され、前記ディスプレイに表示されるように構成されている、請求項１または２に記載の工具。
4. 前記第１の流体駆動モータ（９０'）および前記第２の流体駆動モータ（９１'）に供給される前記流体圧力を検出する流体圧力センサをさらに含む、請求項１〜３の何れか一項に記載の工具。
5. 前記第１のモータ（９０’）および前記第２のモータ（９１’）は、流体または電気によって動力が供給される、請求項１に記載の工具。

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