JPH0549382B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は鋳物砂を圧縮空気により鋳枠内に吹込
んだ後、該鋳物砂を圧縮して鋳型を造型する、い
わゆるブロースクイズマシンに関し、更に詳しく
は、生砂組中子造型用のブロースクイズマシンに
関する。

（従来技術） 組中子、特に大型の組中子は強度上、及び寸法
精度上の理由からシエルモールド法、コールドボ
ツクス法、CO₂法などにより造型されるのが通例
であるが、このような組中子は高価であると共
に、主型の生砂とは性質を異にするため注湯後の
砂再生上問題がある。

また上記大型の組中子を主型にセツトする工程
は、重量があること、正確な位置決めが必要なこ
と等から、従来複数の作業者により行つており、
造型ラインの自動化、高速化を計る上でネツクに
なつていた。

（発明の目的） 本発明は上記のような事情に鑑みてなされたも
のであり、十分な強度と寸法精度を備えた大型の
生砂組中子を、造型ラインの自動化に適した形で
造型することが可能なブロースクイズマシンを提
供せんとするものである。

（発明の構成） 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
ると、第１図は本発明に係る生砂組中子造型用の
ブロースクイズマシンを示し、１は床面より所定
高さ位置に水平に配設されたローラコンベヤであ
り、該ローラコンベヤ１の軌道上には上下を開口
した生砂組中子造型用の鋳枠２（以下、中子枠と
呼ぶ）が横行自在に載置されている。

該中子枠２の造型ステーシヨンにおける停止位
置の直上方には、本発明に係るブロースクイズマ
シンのブロータンク３が図示しない架台に支持さ
れて配設されており、該ブロータンク３内には所
定量の生砂が収容可能にされていると共に、図示
しない圧縮空気源より圧縮空気が供給可能にされ
ている。該ブロータンク３の底面には上パターン
取付プレート４が取付けられており、該取付プレ
ート４の下面中央部には逆円錐台状の上パターン
５が固着されている。

前記ブロータンク３の底板及び上パターン取付
プレート４を貫通して適数個のブローホール６が
穿設されており、該ブローホール６にはブローノ
ズル７が嵌着されていて、該ブローノズル７の先
端は前記中子枠２が上パターン取付プレート４に
当接した時、該中子枠２の開口内へ挿入可能にさ
れている。

前記中子枠２の造型ステーシヨンにおける停止
位置の下方には、上向きのスクイズシリンダ８が
図示しない基台上に立設されており、該シリンダ
８のピストンロツド９の先端にはスクイズテーブ
ル１１が固着されている。更に該スクイズテーブ
ル１１上には上端を開口した箱体状のキヤリヤボ
ツクス１２が固定載置されており、該キヤリヤボ
ツクス１２の中央上面には４基のエアスプリング
シリンダ１３，１３が互いに等間隔を置いて上向
きに立設されている。該シリンダ１３，１３内に
は図示しない圧縮空気源より圧縮空気が供給可能
にされており、該圧縮空気により該シリンダ１
３，１３の可動部１４，１４が同期昇降するよう
に設計されている。該可動部１４，１４の先端に
は、その平面積が前記中子枠２の開口面積よりも
小さい太鼓状の下パターン取付ボツクス１５がそ
の平面部を水平にして連結固着されており、該取
付ボツクス１５の上面には、円錐台状でその上面
が前記上パターン５の下面に当接可能にされた下
パターン１６が固着されている。

前記キヤリヤボツクス１２における相対向する
外側壁の各々の両端部には盛枠シリンダ１７，１
７が上向きに取付けられており、該シリンダ１
７，１７には図示しない圧縮空気源より圧縮空気
が供給可能にされていて、該圧縮空気により該シ
リンダ１７，１７のピストンロツド１８，１８が
同期昇降するように設計されている。該ピストン
ロツド１８，１８の先端には，前記中子枠２の開
口とほぼ等しい開口を備えた盛枠１９が該中子枠
２の真下に位置して水平に連結固着されている。
なお、前記エアスプリングシリンダ１３ならびに
盛枠シリンダ１７へ供給される圧縮空気の圧力
は、前記スクイズシリンダ８のヘツド側へ供給さ
れる圧縮空気の圧力よりも小さくされている。

前記キヤリヤボツクス１２の上端部には、その
中央部に前記下パターン取付ボツクス１５が摺動
して貫通可能な透孔２１を備えると共に、その外
周面が前記盛枠１９の内周面と摺動可能にされた
圧縮ツール取付プレート２２が固着されており、
前記エアスプリングシリンダ１３，１３の可動部
１４，１４および盛枠シリンダ１７，１７のピス
トンロツド１８，１８がそれぞれ上昇端まで伸長
した時、前記盛枠１９の下端開口は圧縮ツール取
付プレート２２及び下パターン取付ボツクス１５
により密封可能に設計されている。該取付プレー
ト２２の上面には下パターン１６を包囲する圧縮
ツール２３が取付けられている。

（作用） 上記のように構成された装置によつて大型の生
砂組中子を造型する一連の工程を説明すると、第
１工程として圧縮空気をエアスプリングシリンダ
１３，１３及び盛枠シリンダ１７，１７に供給し
て下パターン取付ボツクス１５及び盛枠１９を上
昇端まで上昇させた後、両者の圧縮空気供給バル
ブ（図示せず）をカツトして両者をその位置に保
持させる。第２工程として、空の中子枠２をロー
ラコンベヤ１を介してブロータンク３の真下位置
まで導く。第３工程として、スクイズシリンダ８
のピストンロツド９を伸長作動させてスクイズテ
ーブル１１及びキヤリヤボツクス１２を上昇させ
ると、やがて盛枠１９の上面が中子枠２の下面に
当接する。なおこの時、両者は図示しない枠合せ
ピンにより位置合せされる。スクイズシリンダ８
のピストンロツド９はなおも伸長し、その結果中
子枠２は盛枠１９に持上げられてローラコンベヤ
１の軌道から離れ、やがて該中子枠２の上面が上
パターンプレート４の下面に当接するに至る。そ
してこれとほぼ同時に上パターン５の下面と下パ
ターン１６の上面とが当接し、ここでスクイズシ
リンダ８のピストンロツド９の伸長作動が一旦停
止される。

なお、中子枠２と上パターンプレート４及び上
パターン５と下パターン１６の当接によつて発生
する反力は、盛枠シリンダ１７及びエアスプリン
グシリンダ１３のクツシヨン作用によつてそれぞ
れ吸収され、これらの当接面は気密に保たれる。
第４工程として、ブロータンク３内へ圧縮空気を
供給し、内部に収容されている生砂をブローノズ
ル７を介して中子枠２及び盛枠１９内へ吹込み充
填する。この時、盛枠１９の下端開口は下パター
ン取付ボツクス１５及び圧縮ツール取付プレート
２２により密封されているため、吹込まれた砂が
該開口より洩れ出ることはない。第５工程とし
て、前記スクイズシリンダ８のピストンロツド９
を再び伸長作動させると、スクイズテーブル１１
及びキヤリアボツク１２が上昇するが、この時盛
枠１９の上面及び下パターン１６の上面に発生す
る反力は盛枠シリンダ１７及びエアスプリングシ
リンダ１３内の圧縮空気の反発力を上回るため、
ピストンロツド１８及び可動部１４がそれぞれ収
縮してスクイズテーブル１１及びキヤリヤボツク
ス１２の押圧力を吸収する。その結果、圧縮ツー
ル２３が盛枠１９の上端開口から突出して中子枠
２内へ押込まれ、これにより中子枠２内の生砂が
強固に圧縮される。圧縮ツール２３により所定時
間、所定圧力で圧縮し続けた後、第６工程として
スクイズシリンダ８のピストンロツド９を縮引作
動させると、スクイズテーブル１１及びキヤリヤ
ボツクス１２が下降し、圧縮ツール２３が中子枠
２から分離する。前記スクイズシリンダ８におけ
る縮引作動の初期段階では、盛枠１９及び下パタ
ーン１６は盛枠シリンダ１７及びエアスプリング
シリンダ１３の反発力の回復によりそれぞれの上
昇端まで再上方し、その結果上パターンプレート
４、中子枠２及び盛枠１９三者の当接状態及び上
パターン５と下パターン１６との当接状態は一時
的に維持されるが、やがて中子枠２が盛枠１９に
載置された状態で下降し、この時上パターン５の
中子枠２からの抜型がなされる。スクイズテーブ
ル１１及びキヤリヤボツクス１２は引続いて下降
し、これにより中子枠２がローラコンベヤ１上に
係止されて盛枠１９から分離し、この時下パター
ン１６の中子枠２からの抜型がなされ、その結
果、平面中央部に上下方向の貫通孔を備えた生砂
組中子２４が得られる。しかる後、前記スクイズ
テーブル１１及びキヤリヤボツクス１２が下降端
に到達して停止する。第７工程として、前記ロー
ラコンベヤ１上の中子枠２を図示しない型合せス
テーシヨンへ送る。これにより該中子枠２は別途
造型された枠付の上型２５及び下型２６と鋳枠を
介して型合せされ、（第２図参照）、所望の製品キ
ヤビテイ２７が画成される。それと共に新たな空
の中子枠２を該ローラコンベヤ１を介してブロー
タンク３の真下位置へ導く。以上の諸工程を１サ
イクルとして、以後同じサイクルがくり返される
ものである。

なお実施例では、下パターン取付ボツクス１５
を上昇端に位置させると共に、上パターンプレー
ト４、中子枠２及び盛枠１９の三者が当接した
時、上パターン５の下面と下パターン１６の上面
とがほぼ同時に当接するように成し、これによつ
て平面中央部に上下方向の貫通孔を備えた生砂組
中子２４を造型するようにしているが、前記下パ
ターン取付ボツクス１５を下降端に位置させると
共に、上パターン５及び下パターン１６として第
１図の破線で示す形状のものを使用することによ
り、第３図に示すようなスタツクモールド２８を
造型することも可能である。更にパターンを一方
だけに取付けることにより主型を造型することも
勿論可能である。

（発明の効果） 以上の説明から明らかなように、本発明は鋳物
砂（生砂）を圧縮空気により鋳枠内に吹込んだ
後、該鋳物砂（生砂）を圧縮して鋳型を造型する
ブロースクイズマシンにおいて、搬送手段により
水平移動可能にされた中子枠の上方にブロータン
クを配設し、該ブロータンクの底面に、その下面
中央部に上パターンを固着した上パターンプレー
トを取付け、前記ブロータンクの底面及び上パタ
ーンプレートを貫通して前記中子枠の開口内へ挿
入可能なブローノズルを取付け、前記中子枠の下
方に上端を開口した箱体状のキヤリヤボツクスを
昇降可能に配設し、該キヤリヤボツクスの中央上
法にエアスプリングシリンダを介して、その平面
積が前記中子枠の開口面積よりも小さい下パター
ンボツクスを昇降可能に配設し、該下パターンボ
ツクスの上面に下パターンを固着し、前記キヤリ
ヤボツクスの上方に前記中子枠の開口と等しい開
口を備えた盛枠を盛枠シリンダを介して昇降可能
に配設し、前記キヤリヤボツクスの上端に、その
中央部に前記下パターンボツクスが摺動して貫通
可能な透孔を備えると共に、その外周面が前記盛
枠の内周面と摺動可能にされた圧縮ツール取付プ
レートを固着し、該取付プレートの上面に前記下
パターンを包囲する圧縮ツールを取付けたもので
ある。

このような本発明によれば、中子枠内に吹込み
充填された生砂は圧縮ツールが該枠内へ押込まれ
ることにより強固に圧縮され、その結果全体の強
度が大きいと共に、型面が十分に締まつて寸法精
度の高い組中子を得ることができる。また該組中
子は鋳枠付で造型されており、鋳枠付で別途造型
された上下鋳型とそれぞれの鋳枠を介して正確
に、かつ人手によらずに型合せできるため、造型
ラインの自動化、高速化が計れる。更に該組中子
は生砂から造型されるため、シエル中子、コール
ドボツクス中子等に較べてコストが安くなると共
に注湯後の砂再生が容易になる。

更に本発明に係るブロースクイズマシンは、生
砂組中子だけでなくスタツクモールドや主型の造
型にも利用でき、汎用性にも優れている。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はブロ
ースクイズマシンにおける生砂組中子造型後の状
態を示す要部切欠き正面図、第２図は造型後の中
子枠を上下鋳枠と枠合せした状態を示す断面図、
第３図はブロースクイズマシンで造型したスタツ
クモールドを型合せした状態を示す断面図であ
る。 ２……中子枠、３……ブロータンク、４……上
パターンプレート、５……上パターン、７……ブ
ローノズル、１２……キヤリヤボツクス、１３…
…エアスプリングシリンダ、１５……下パターン
ボツクス、１６……下パターン、１７……盛枠シ
リンダ、１９……盛枠、２１……透孔、２２……
圧縮ツール取付プレート、２３……圧縮ツール、
２４……生砂組中子、２８スタツクモールド、８
……スクイズシリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋳物砂を圧縮空気により鋳枠内に吹込んだ
   後、該鋳物砂を圧縮して鋳型を造型するブロース
   クイズマシンにおいて、ブロータンク３を水平移
   動可能にされた中子枠２の上方に配設し、該ブロ
   ータンク３の底面に、下面中央部に上パターン５
   を固着した上パターンプレート４を取付け、前記
   ブロータンク３の底面及び上パターンプレート４
   を貫通して前記中子枠２の開口内へ挿入可能なブ
   ローノズル７を取付け、前記中子枠２の下方に上
   端を開口した箱体状のキヤリヤボツクス１２をス
   クイズシリンダ８を介して昇降可能に配設し、該
   キヤリヤボツクス１２の中央上方に、平面積が前
   記中子枠２の開口面積よりも小さい下パターンボ
   ツクス１５をエアスプリングシリンダ１３を介し
   て昇降可能に配設し、前記下パターンボツクス１
   ５の上面に下パターン１６を固着し、前記キヤリ
   ヤボツクス１２の上方に前記中子枠２の開口とほ
   ぼ等しい開口を備えた盛枠１９を盛枠シリンダ１
   ７を介して昇降可能に配設し、前記キヤリヤボツ
   クス１２の上端に、中央部に前記下パターンボツ
   クス１５が摺動して貫通可能な透孔２１を備える
   と共に、外周面が前記盛枠１９の内周面と摺動可
   能にされた圧縮ツール取付プレート２２を固着
   し、該取付プレート２２の上面に前記下パターン
   １６を包囲する圧縮ツール２３を取付け、前記エ
   アスプリングシリンダ１３ならびに盛枠シリンダ
   １７内の圧縮空気の圧力を前記スクイズシリンダ
   ８内のヘツド側のそれよりも小さくしたことを特
   徴とするブロースクイズマシン。