JPH0548366A - 積層チツプlcフイルタのポール調整方法 - Google Patents

積層チツプlcフイルタのポール調整方法

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JPH0548366A
JPH0548366A JP20911591A JP20911591A JPH0548366A JP H0548366 A JPH0548366 A JP H0548366A JP 20911591 A JP20911591 A JP 20911591A JP 20911591 A JP20911591 A JP 20911591A JP H0548366 A JPH0548366 A JP H0548366A
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capacitor
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哲夫 谷口
Naotake Okamura
尚武 岡村
Teruhisa Tsuru
輝久 鶴
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 積層チップLCフィルタの周波数特性の調整
を、ポール位置の移動により簡単に行う方法を提供す
る。 【構成】 共振コイルL1 、L2 の中間タップ部に入力
用或いは出力用の端子部In、Outを有し、該共振コ
イルL1 、L2 及び共振コンデンサC1 、C2 が共にア
ース接続用コイルL4 、L5 を介してアースされた2組
のLC並列共振回路2、3が、該共振コイルL1 、L2
及び該共振コンデンサC1 、C2 の一方の接続部の位置
にて、結合用コンデンサC3 により結合されると共に、
もう一方の接続部で結合用コイルL3 により結合された
LCフィルタ1において、アース接続用コイルL4 、L
5 のインダクタンスを調整して、ポールの移動を可能と
する。また、アース接続用コイルL4 、L5 が形成され
た電極パターンシートを一積層成分とし、その挿入位置
を変化させて、インダクタンスを調整し、ポールの移動
を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層チップLCフィル
タを設計するにあたって、その周波数特性を改善するた
めに必要となるポールの調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層チップLCフィルタは、小型、軽
量、高性能、高密度実装性等の特徴を有するものであ
り、プリント基板における表面実装部品の一つである。
その内容は、容量用電極を付与したセラミック誘電体シ
ートを積層したコンデンサ成分と、インダクタ用電極を
付与したセラミック磁性体シートを積層したインダクタ
成分やトランス成分を一体的に同時焼成することによっ
て、完全モノリシック構造をなすLC回路を構成したも
のがある。
【0003】ところで、積層チップLCフィルタを設計
するにあたっては、その周波数特性(遮断特性のこと)
を改善するため、ポールの移動調整が必要となる。ここ
でポールとは、フィルタの周波数特性、即ち、減衰量
〔dB〕−周波数〔MHz〕の関係を示すグラフにおい
て、減衰量のピークを示す山形頂点部分を表現するもの
である。本発明者らは、特開平2−67810におい
て、LCフィルタとして構成された単板状のバンドパス
フィルタにおける周波数特性の調整方法について技術開
示した。即ち、通常のバンドパスフィルタでは、コンデ
ンサ、コイル等の各回路素子を変更せずしてポール位置
を移動させることは不可能であるが、本発明者らは、単
板状に形成されたバンドパスフィルタにおいて、端子の
取り出し位置を移動させることによって、ポールの位置
を移動させるという技術を確立したのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記技術
は、あくまでバンドパスフィルタの構造が単板状である
が故に実現できるものであって、積層チップLCフィル
タのように立体積層構造をとった場合においては、端子
ピッチ及び端子位置が固定してしまうため、上記技術の
ように端子の取り出し位置を変更する方法を利用するこ
とは極めて困難であると言わざるを得ない。
【0005】本発明はこのような現状に鑑みてなされた
ものであり、周波数特性としてのポール位置の移動を簡
単に行うことを可能とする積層チップLCフィルタのポ
ール調整方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、共振コイルの
中間タップ部に入力用或いは出力用の端子部を有し、該
共振コイル及び共振コンデンサが共にアース接続用コイ
ルを介してアースされた2組のLC並列共振回路が、該
共振コイル及び該共振コンデンサの一方の接続部の位置
にて、結合用コンデンサにより結合されると共に、同じ
く該共振コイル及び該共振コンデンサのもう一方の接続
部であり、また前記アース接続用コイルとの接続部でも
ある位置にて、結合用コイルにより結合された回路構成
をなす積層チップLCフィルタにおいて、前記アース接
続用コイルの有するインダクタンスを調整することによ
り、ポールの移動を可能ならしめることを特徴としてい
る。
【0007】また、本発明は、前記アース接続用コイル
が形成された電極パターンシートを一積層成分とし、そ
の挿入位置を変化させることによってコイルのインダク
タンスを調整し、ポールの移動を可能ならしめることを
特徴としている。
【0008】
【作用】上記構成によれば、共振コイルと共振コンデン
サから形成される2組のLC並列共振回路が、結合コン
デンサと結合コイルにより結合されて積層チップLCフ
ィルタが形成される。また、夫々の共振回路について
は、共振コイルの中間タップ部に入力用或いは出力用の
端子部が設けられている。更に、これらの共振コイル及
び共振コンデンサは共に、アース接続用コイルを介して
アースされている。
【0009】一方、結合コンデンサによる上記2組の共
振回路の結合位置については、各共振回路における共振
コイルと共振コンデンサの片方の接続部となっている。
また、結合コイルによる結合位置については、該共振コ
イル及び該共振コンデンサの接続するもう片方の接続部
となっており、更に、アース接続用コイルとの接続部に
もなっている。
【0010】以上のように形成された積層チップLCフ
ィルタ回路において、アース接続用コイルのインダクタ
ンスを変化させることにより、フィルタの周波数特性と
してのポールが移動する。この場合、アース接続用コイ
ルが形成された電極パターンシートを一積層成分とし、
その挿入する位置を変化させることにより、コイルのイ
ンダクタンスが変化する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従って具体
的に説明する。図1は、本発明に係る積層チップLCフ
ィルタの等価回路を示す回路図である。この積層チップ
LCフィルタ1は、共振コイルL1 と共振コンデンサC
1とを並列接続してなる共振回路2(図中、一点鎖線で
囲む内部の回路のこと)と、共振コイルL2 と共振コン
デンサC2 とを並列接続してなる共振回路3(図中、破
線で囲む内部の回路のこと)との2組のLC共振回路
を、結合コンデンサC3 と、結合コイルL3 によって並
列接続したものであり、LCフィルタ回路を形成してい
る。また、これらの共振回路2、3は、夫々前記結合コ
イルL3 の両端子部分にてアース接続用コイルL4 及び
5 を介してアースされている。
【0012】ここで、共振回路2を入力側とした場合に
は、その共振コイルL1 の中間タップ部に入力リード端
子Inが設けられる。また、共振回路3は反対に出力側
となり、その共振コイルL2 の中間タップ部に出力リー
ド端子Outが設けられる。一方、上記構成のLCフィ
ルタ回路の特性については、回路構成素子の各特性と、
共振コイルL1 及びL2 における入力リード端子Inと
出力リード端子Outのタップ位置とによって決定され
る。そして、特定の周波数帯にある信号を通過させたり
遮断させたりする所謂フィルタ機能を実行することが可
能となる。
【0013】図2は、図1で示す積層チップLCフィル
タ1の等価回路が有する周波数特性を示すグラフであ
る。このグラフにおいて、縦軸は減衰量(単位:dB)
を、そして横軸は周波数(単位:MHz)を表してい
る。グラフ曲線はアース接続用コイルL4 、L5 =2
nHのときの、はL4 、L5 =4nHのときの、そし
てはL4 、L5 =6nHのときの夫々の周波数特性を
示している。グラフから明らかなように、積層チップL
Cフィルタ1の等価回路におけるアース接続用コイルL
4 及びL5 の有するインダクタンスを変化させることに
よって、左右のポールの位置が移動することがわかる。
具体的には、インダクタンスを大きくすることにより
(2nH→6nH)、左右のポール位置が共振周波数f
0 に近づくことが観察される。
【0014】図3は、本発明に係る積層チップLCフィ
ルタ1の外観を示す斜視図である。図面からも明らかな
ように、この積層チップLCフィルタ1は全体として直
方体形状の外観をなし、その側方対向面に縦方向に延び
た帯状の外部電極4(図面上、斜線を施した部分)がい
くつか(図面では12個)設けられている。この外部電
極4は、主として積層チップLCフィルタ1の内部に形
成されたいくつかの内部電極(図示せず)に対する端子
電極となるものである。
【0015】次に、アース接続用コイルL4 及びL5
有するインダクタンスを変化させる方法について説明す
る。図4はその説明図であり、図3に示す積層チップL
Cフィルタ1の外観の一部であって、アース接続用コイ
ルL4 及びL5 の端子電極部分4に着目したものであ
る。即ち、直方体の外観形状をなす積層チップLCフィ
ルタ1の側面部5には、アース接続用コイルL4 及びL
5 に対応した外部端子電極6、7(図面上、斜線を施し
て示してある)が、縦方向に延びた状態で設けられてい
る。そして、アース接続用コイルL4 及びL5 からなる
インダクタンス調整パターン8が、外部端子電極6、7
に対して、図面上c及びdの示す位置にて接続されてい
る。なお、インダクタンス調整パターン8は積層チップ
LCフィルタ1の内部に水平状態で積層されているた
め、外部端子電極6、7に対しては垂直交差する関係位
置にある。
【0016】この場合、外部端子電極6及び7について
は、積層チップLCフィルタ1の厚みnと同じ長さを有
する電極膜と認識されるものである。そして、外部端子
電極6の下端部aから、インダクタンス調整パターン8
との接続部分c、インダクタンス調整パターン8、同接
続部分dそして外部端子電極7の下端部bに至る電極膜
は、一つのコイルと認識することができる。従って、接
続部分c及びdの位置を上下方向(両矢印Xが示す方
向)に移動させることによって、かかるコイルの長さを
変化させることになるので、そのインダクタンスを変化
させることが可能となる。また、インダクタンス調整パ
ターン8を水平方向(矢印Yが示す方向)に拡げると、
同じくコイルの長さを変化させることになるので、更に
そのインダクタンスを変化させることが可能となる。こ
のように、インダクタンス調整パターン8の挿入位置を
変化させることにより、アース接続用コイルL4 及びL
5 の有するインダクタンスを自在に変化させることが可
能になるのである。そして、インダクタンスを変化させ
ることによって、ポールの位置を移動させることができ
ることは上述したとおりである。
【0017】図5は、インダクタンス調整パターン8を
有する積層チップLCフィルタ1の構成を示す分解斜視
図である。即ち、この図は、図1で示す等価回路を積層
部品として立体構成したものを示している。なお、積層
成分としては、セラミック誘電体シートの表面に金属膜
で各電極パターンを印刷した電極パターンシート(図面
上、斜線を施してある部分が印刷された電極部分を示
す)を使用し、これらを積層した後、焼成して積層部品
となす。
【0018】この積層チップLCフィルタ1は、アース
側のコンデンサパターンシート10と、これに対向し、
その上面に積層されるコンデンサパターンシート11
と、その上面に積層されるダミーシート12〜15と、
更にその上面に積層されるコイルパターンシート16
と、その上面に積層されるダミーシート17、18と、
更にその上面に積層されるインダクタンス調整パターン
19と、その上面に積層されるダミーシート20、21
と、更にその上面に積層されるシールドパターンシート
22と、その上面に積層される表面保護シート23とか
ら構成される。
【0019】積層チップLCフィルタ1の上記構成にお
いて、コンデンサパターンシート10及び11は、図1
で示した等価回路における回路素子としての共振コンデ
ンサC1 、C2 及び結合コンデンサC3 を形成してい
る。また、コイルパターンシート16上に、左右2つ描
かれた略コの字形のコイルパターンは、共振コイルL1
及びL2 を形成している。更に、略コの字形のかかるコ
イルパターンの中央部からコイルパターンシート16の
外縁部に延長された部分160、161については、入
力リード端子In及び出力リード端子Outを形成して
いる。
【0020】また、インダクタンス調整パターンシート
19は、2つのアース接続用コイルL4 、L5 を形成し
ている。このインダクタンス調整パターンシート19
は、積層チップLCフィルタの周波数特性としてのポー
ルの移動調整を可能ならしめるために挿入されるもので
ある。図6は、インダクタンス調整パターンシート19
の挿入位置を変化させたときの積層チップLCフィルタ
1の周波数特性を示すグラフである。なお、このグラフ
の構成は図2で示したグラフと同じであり、縦軸に減衰
量(単位:dB)が横軸に周波数(MHz)が示されて
いる。グラフ曲線は図4におけるa−c間の長さ
(、において同じ)を1.4mmとしたときの、グ
ラフ曲線は2.0mmとしたときの、グラフ曲線は
2.6mmとしたときの夫々の周波数特性を示してい
る。グラフから明らかなように、インダクタンス調整パ
ターンシート19の挿入位置を変化させ、a−c間の長
さを長くすれば、左右のポール位置が共振周波数f0
近づくことが観察できる。これは、a−c間の長さを長
くすることにより、コイルのインダクタンスが大きくな
ったことの結果であり、図2で示した結果と一致する。
【0021】
【発明の効果】以上の本発明によれば、積層チップLC
フィルタにおいて、コンデンサやコイル等の回路素子を
形成した電極パターンを変更することなく、インダクタ
ンス調整パターンを一積層成分として挿入することによ
って、簡単にポールを移動させることが可能となる。ま
た、インダクタンス調整パターンの有するインダクタン
スについては、そのパターンの挿入位置を調整するだけ
で、自在に変化させることが可能である。即ち、インダ
クタンス調整パターン自体のパターンの変更も極めて容
易に行うことができる。
【0022】従って、積層チップLCフィルタの周波数
特性(特に、遮断特性)としてのポール位置の設計は極
めて簡単となる。また、他の回路構成電極パターンと同
様に、かかるインダクタンス調整パターンシートを積層
させることによって簡単に製品化できるという効果も奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層チップLCフィルタの等価回
路を示す回路図である。
【図2】図1で示す積層チップLCフィルタの等価回路
が有する周波数特性を示すグラフである。
【図3】本発明に係る積層チップLCフィルタの外観を
示す斜視図である。
【図4】アース接続用コイルの有するインダクタンスを
変化させる方法を示す説明図である。
【図5】インダクタンス調整パターンを有する積層チッ
プLCフィルタの構成を示す分解斜視図である。
【図6】インダクタンス調整パターンの挿入位置を変化
させたときの積層チップLCフィルタの周波数特性を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 積層チップLCフィルタ 10、11 コンデンサパターンシート 16 コイルパターンシート 19 インダクタンス調整パターンシート L4 、L5 アース接続用コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振コイルの中間タップ部に入力用或い
    は出力用の端子部を有し、該共振コイル及び共振コンデ
    ンサが共にアース接続用コイルを介してアースされた2
    組のLC並列共振回路が、該共振コイル及び該共振コン
    デンサの一方の接続部の位置にて、結合用コンデンサに
    より結合されると共に、同じく該共振コイル及び該共振
    コンデンサのもう一方の接続部であり、また前記アース
    接続用コイルとの接続部でもある位置にて、結合用コイ
    ルにより結合された回路構成をなす積層チップLCフィ
    ルタにおいて、 前記アース接続用コイルの有するインダクタンスを調整
    することにより、ポールの移動を可能ならしめることを
    特徴とする積層チップLCフィルタのポール調整方法。
  2. 【請求項2】 前記アース接続用コイルが形成された電
    極パターンシートを一積層成分とし、その挿入位置を変
    化させることによってコイルのインダクタンスを調整
    し、ポールの移動を可能ならしめることを特徴とする積
    層チップLCフィルタのポール調整方法。
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