JPH0548239B2 - - Google Patents

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JPH0548239B2
JPH0548239B2 JP60088862A JP8886285A JPH0548239B2 JP H0548239 B2 JPH0548239 B2 JP H0548239B2 JP 60088862 A JP60088862 A JP 60088862A JP 8886285 A JP8886285 A JP 8886285A JP H0548239 B2 JPH0548239 B2 JP H0548239B2
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peptide
gly
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substance
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Shigeru Aonuma
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Teikoku Hormone Manufacturing Co Ltd
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4702Regulators; Modulating activity
    • C07K14/4705Regulators; Modulating activity stimulating, promoting or activating activity
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/02Stomatological preparations, e.g. drugs for caries, aphtae, periodontitis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はラツトの唾液腺、殊に耳下腺から得ら
れる新規な歯牙体液輸送促進活性をもつペプチド
に関する。 ウサギの視床下部抽出物を耳下腺摘出ラツトに
投与すると、歯牙の歯髄から象牙質造歯細胞細管
への体液輸送が認められなくなるが、該視床下部
抽出物をブタの耳下腺組織抽出物と共に投与する
と体液輸送が認められることは既に明らかにされ
ている。このことから、視床下部因子は耳下腺に
直接作用し、歯牙の歯髄から象牙質造歯細胞細管
への体液輸送の促進は耳下腺に依存すると考えら
れている。スタインマン(Steinman)らはカリ
エス誘発性物質とラツトに対する齲蝕症の発生に
ついての研究を進め、歯牙体液輸送を促進させる
物質をブタ耳下腺より分離し、分子量8100、アミ
ノ酸組成がグリシン46%、プロリン28%であり、
且つ特電点PH7.5で紫外部吸収をほとんどもたな
いタンパク質であることを明らかにしている〔エ
ンドクリノロジー(Endocrinology)、83、807
(1968);エンドクリノロジー(Endocrinology)、
106、1994(1980)〕。さらに、スタインマン
(Steinman)らはこの活性物質をラツトに投与す
ると、歯牙への栄養物の補給が向上し、歯牙発
育、歯構造強化などが促進され、齲蝕発生率が抑
制することも報告している。 本発明者はラツトの唾液腺、特に耳下腺にも、
ブタの場合と同様に、歯牙体液輸送を促進する作
用をもつ物質(以下「歯牙体液輸送促進物質」と
いう)が存在するであろうとの予想の下に、ラツ
トの耳下腺中に該物質が存在するかどうか研究を
行なつた結果、該物質の存在が確認され、その物
質の分離精製についてさらに研究を重ねた結果、
極めて高純度の歯牙体液輸送促進物質を単離する
ことができ、その化学構造(アミノ酸配列)を決
定するに至つた。 しかして、本発明によれば、下記式 1 Gly −Val−Ile−Ala−Trp−Glu−Leu−Gln−His−10 Asn −Glu−Pro− Gly−Arg−Lys−Asp−Ser−Thr−Ala−2
0 Gly で示される歯牙体液輸送促進活性をもつペプチド
が提供される。 本発明により提供される上記ペプチドは以下に
示す如き理化学的性質を有する: (1) 紫外線吸収スペクトル:極大吸収波長
(λnax)=280nm 上記極大吸収波長は、試料0.80mgを生理食塩
液1mlに溶解したものにつき、光路長1cmで、
島津210型分光光度計を用いて測定した値であ
る。 (2) 溶解性:水及び生理食塩液に可溶。 アセトンに不溶。 (3) 呈色反応: ニンヒドリン反応 陽性 ビユーレツト反応 陽性 坂口反応 陽性 (4) 分配係数(Kav値) ゲル過におけるゲル層と液層との間の分配
係数であり、下記式により算出される。 Kav=Ve−Vo/Vt−Vo Vt=ゲルベツドの総容積 Ve=溶出液量 Vo=ゲル粒子外部の溶媒量 ゲル過材としてSephadex G−25
(Pharmacia Fine Chemicals社製) を使用し且つ溶出液としてPH7.2の0.05Mリン
酸緩衝液を用いた時の、本発明の活性ペプチド
のKav値は約0.44である。 前述したように、スタインマン(Steinman)
らがブタの耳下腺から抽出した歯牙体液輸送促進
物質は、SDS−ポリアクリルアミドゲルのデイス
ク電気泳動法により測定した分子量が8100、アミ
ノ酸組成がグリシン46%、プロリン28%であり、
且つ等電点がPH7.5で紫外線吸収スペクトルに極
大吸収波長(λnax)が存在しない物質であるが、
本発明のペプチドは、前記の構造式及び上記の理
化学的性質から明らかなとおり、少なくとも分子
量、アミノ酸組成及び紫外部吸収特性がブタの耳
下腺から抽出された歯牙体液輸送促進物質と明ら
かに異なつており、従来の文献に未載の新規な物
質であると考えられる。 なお、哺乳動物の唾液腺、特に耳下腺には唾液
腺ホルモンが含まれ、この唾液腺ホルモンはタン
パク質であり、硬組織の発育促進作用、間葉性組
織賦活作用、血清カルシウム低下作用、白血球増
加作用等の種々の優れた生理活性を有し、医薬と
して広範に使用されている。しかし、この唾液腺
ホルモンはラツト象牙質造歯細胞細管への体液輸
送に対して何ら作用を示さないことを本発明者は
確認している。従つて、ラツト耳下腺の存在する
歯牙体液輸送促進物質は唾液腺ホルモンとは作用
の上からも異つた物質であることは明らかであ
る。 すなわち、本発明のペプチド及び唾液腺ホルモ
ンの歯牙体液輸送促進活性を次の方法で測定し
た: 生後5週令のラツトに螢光物質としてアクリフ
ラビン塩酸塩を体重100gに対して5mgの割合で
腹腔内投与した後、直ちに本発明のペプチド又は
唾液腺ホルモンの0.1mlの液量で静脈内投与し16
分後に断頭した。断頭後1分以内に下顎を摘出し
凍結させたミクロトームを用いて咬合面に垂直な
白歯切断片を調製し、螢光顕微鏡下に象牙質造歯
細胞細管への螢光物質の移行を観察した。その結
果移行が充分に行われたものを陽性(+)、移行
が不充分または全く行われなかつたものを陰性
(−)とする。 ラツトの耳下腺より抽出した本発明の歯牙体液
輸送促進ペプチドと唾液腺ホルモンの歯牙への体
液輸送促進効果の比較結果を下記第表に示す。 【表】 本発明はペプチドはラツトの唾液腺、例えば耳
下腺を原料として以下に述べる工程すなわち、 (a) ラツトの唾液腺の水性抽出液をPH4.5〜5.5の
酸性にし、生ずる沈殿を除去する工程、 (b) 得られる上清を分子篩にかけて分子量が約
30000以上の成分を除去した後、再び分子篩に
かけて分子量が1000〜3500の画分を捕集する工
程、及び (c) 該画分を陽イオン交換及び二次元紙クロマ
トグラフイー・高圧電気泳動に付して分子量が
約2200の画分を捕集する工程 を経て製造することができる。 ラツトの唾液腺の腺体の水抽出はそれ自体公知
の方法により行なうことができる。例えば、ラツ
トの唾液腺から採取した新しい腺体を細かく切り
刻んだものに、約10倍量の冷却したアセトンを加
え、冷却しながら1時間撹拌した後過すること
により腺体を脱脂し、次に風乾及び減圧乾燥を順
次行ない、アセトン乾燥紛末を得る。このアセト
ン乾燥粉末に約10倍容量の水を加え、アルカリ例
えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム等によりPHを中性付近(PH6.5〜
7.5)、好ましくはPH7.0に調整した後、撹拌しな
がら抽出を行なう。撹拌は一般に冷却下、好まし
くは0〜5℃において適宜防腐剤(例えばトルエ
ン)を加え、数時間、通常2〜3時間行なうのが
有利である。この撹拌懸濁液を遠心分離処理(例
えば10000rpmで20分間)に付し、水性抽出液を
分離する。 一方、残渣はそのまま廃棄することができ、或
いは必要に応じて、該残渣について上記と同じ抽
出操作を所望回数(通常はさらに1、2回)繰り
返し行なつてもよい。 残渣が除去された水性抽出液のPHを無機酸、例
えば塩酸により4.5〜5.5、好ましくは5.0に調整す
ると沈殿が生ずるが、これを冷却下(好ましくは
冷蔵庫中;約0〜5℃の保持)に数時間乃至1日
静置して沈殿をさらに完結せしめることが望まし
い。 該沈殿を遠心分離(例えば10000rpmで15分間)
し、その上清液を分離回収する。 回収した上清液は、必要に応じて減圧濃縮等の
手段により適当な量、例えば約10分の1の量に濃
縮した後、限外過膜または限外過フアイバー
などの平板膜または中空繊維膜を用いる分子篩操
作に付す。限外過膜または限外過フアイバー
を用いる場合、分画操作は、分画分子量5000〜
50000、好ましくは約30000の限外過膜または限
外過フアイバーを用いる限外過によつて行な
うこことができる。限外過膜としては、例え
ば、Diaflo PM−30(保持限界:30000、Amicon
社製)などを用いることができ、また、限外過
フアイバーとしては、例えばHollow Fiber
HIP30(保持限外:30000、Amicon社製)などを
用いることができる。 分離は限外過膜を用いる場合、上記で得られ
た上清液を例えば、Diaflo PM−30を装填した
202型撹拌式セル(Amicon社製)に入れ、2
Kg/cm3の窒素ガスで加圧して過することにより
分画することができる。また、限外過フアイバ
ーを用いる場合は、上記で得られた上清液を例え
ば、DC4型限外過装置(Amicon社製)に装填
したHollow Fiber中を高速で循環させることに
より、限外過膜を用いた場合と同様の画分を得
ることができる。 かくして、分画分子量約30000以上の成分が除
去された活性成分含有液を得ることができる。 このように得られた分画分子量約30000以下の
活性成分含有画分は適宜減圧濃縮し、Sephadex
G−10カラムで脱塩した後、再び減圧濃縮する。
次にこの濃縮物を水、塩類緩衝液、有機溶媒及び
これ等の混合物などを溶出液としてSephadex
LH−20カラムクロマトグラフイーで分画し、分
画分子量が1000〜3500の活性画分を捕集する。こ
のようにして得られた活性成分含有画分は陽イオ
ン交換樹脂に吸着させた後、活性部分の分離溶出
を行なう。ここで使用しうる陽イオン交換樹脂と
してはスチレン−ジビニルベンゼン系強酸性陽イ
オン交換樹脂、例えば日立カスタムイオン交換樹
脂2611、Bio Rad Aminex A−9などが挙げら
れる。陽イオン交換樹脂を用いる上記活性成分含
有画分の吸着は、例えば、弱酸性の緩衝液、好ま
しくはクエン酸緩衝液、グリシン緩衝液又は酢酸
緩衝液に溶解した該活性成分含有画分を陽イオン
交換樹脂と接触させて目的物を吸着させた後、塩
化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩を加え
てイオン濃度を高めて上記緩衝液、又は水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどの強アルカリ性溶
液を用いて溶出させることによつて精製すること
ができる。 このようにして得られた活性溶出液画分は
Sephadex G−10カラムで脱塩した後、二次元
紙クロマトグラフイー・高圧電気泳動法に付して
分画することにより、さらに精製することができ
る。二次元紙クロマトグラフイー・高圧電気泳
動法は紙を支持体として用い、最初にクロマト
グラフイーをついで高圧電気泳動を行ない、一枚
の紙上で二次元的に試料を展開させることによ
りペプチドを分離する方法であり、いわゆるフイ
ンガープリント法と称するものである。この方法
により分子量がほぼ同じであつてもアミノ酸配列
の異なつたペプチドを相互に分離することが可能
となる。 第一次元としての紙クロマトグラフイーは通
常の方法に従い、上記活性溶出液を紙に添加し
てから展開溶媒で約20時間展開することにより行
なうことができる。展開は上昇法または下降法の
いずれも用いることができる。溶媒としては例え
ば水;メタノール、エタノールなどのアルコール
類;フエノール、ピリジン、酢酸エチル、アセト
ン、ジエチルエーテル、クロロホルム、n−ヘキ
サンなどが単独でまたは混合して用いられる。ま
た、水と混和しないブタノールなどの溶媒に酢
酸、ピリジンなどを混合した水溶液を飽和させて
用いることもできる。この展開で種々の物質を相
互に分離することができる。 次に、第二次元としての高圧電気泳動は上記の
一次元的に展開された紙に対して、第一次元の
展開と直角の方向に電場をかけることにより、通
常の方法で実施することができる。高圧電気泳動
に用いる緩衝液としては例えば揮発性の緩衝液で
あるピリジン−酢酸−水系、PH4〜7などを用い
ることができ、これらの緩衝液は乾燥することに
より除くことができるので、紙から活性物質を
抽出する場合に極めて都合がよい。この高圧電気
泳動処理により得られた抽出液は、分画分子量
500の限外過膜、例えばYC05(Amicon社製)、
Sephadex G−10などを用いたゲル過、または
分画分子量1000のチユーブ、例えばスペクトラポ
ア7(Spectrum Medical Industries社製)を用
いた透析などの操作に付し、分子量が約2200の画
分を捕集し、適宜脱塩したのち凍結乾燥すること
により、目的とする歯牙体液輸送促進活性をもつ
ペプチドを得ることができる。 かくして得られるペプチドのアミノ酸配列は、
アミノ酸分析、ダンシル−エドマン法、カルボキ
シペプチダーゼY法及びトリプシンによる酵素分
解の手法により決定することができる。 かくして得られる本発明のペプチドは歯牙体液
輸送促進活性を有し、齲蝕の予防、治療に有用で
ある。即ち、齲蝕は微生物の作用により生じた歯
垢中に、同じく微生物の代謝物である乳酸が滞留
することにより酸腐蝕が進み、エナメル層のみな
らず象牙質へ齲蝕が進行する。齲歯の発生に関す
る要因は多岐にわたるが最終的に象牙質まで齲蝕
された場合においても歯牙は第二象牙質を形成す
ることにより防御する能力を備えている。この
際、象牙質の機能的増殖において栄養源の供給は
必須なものであり、象牙体液輸送を亢進させる物
質が第二象牙質の形成に対して促進的に作用する
と考えられる。 本発明のペプチドをかかる齲蝕防止剤または治
療剤などとして用いるには、医薬製剤調製液(注
射用蒸留水、生理食塩液、燐酸緩衝液、グリシン
緩衝液、ベロナール緩衝液等)に本発明のペプチ
ドを添加、溶解させ、注射液とすることができ
る。さらに、この注射液に成形性を高めるために
補助剤として例えば塩化ナトリウム、グリシン、
乳糖、マンニツト、ソルビツト、シヨ糖、水解で
んぷん、デキストラン等の補助剤を加え、凍結乾
燥製剤とすることもできる。さらに、通常使用し
ている歯みがき剤に本発明のペプチドを加え、齲
蝕防止剤及び治療剤として使用することもでき
る。 さらに、本ペプチドは歯牙のみならず、生体の
硬組織全般、特に骨化形成の促進を期待すること
ができる。 次に実施例により本発明をさらに説明する。 実施例 1 ラツト耳下腺100gをミンチし、1の冷却し
たアセトンを加え、冷却下に1時間撹拌後過
し、余分のアセトンを風乾及び減圧乾燥により除
去し、アセトン乾燥粉末を得た。このアセトン乾
燥粉末に1の水を加えて2時間撹拌抽出した
後、10000rpmで15分間遠心分離し、沈殿と上清
に分離した。沈殿に300mlの水を加えて抽出、遠
心分離を繰返し、得られた上清をさきの分と合わ
せ、1N塩酸を加えてPH5.0に調整した。 析出した沈殿を10000rpmで15分間遠心分離除
去し、次いで上清を1N水酸化ナトリウムでPH7.0
とした。この溶液を100mlになるまで減圧濃縮し、
202型撹拌式セル過装置(Amicon社製)を用
い、分画分子量30000の限外過膜PM−30
(Amicon社製)で過し、得られた過液を再
び減圧濃縮した。この濃縮液を0.05M酢酸緩衝
液、PH5.8で平衡化したSephadexG−10カラム
(1.5×90cm)で脱塩溶出した。この溶出液を再び
減圧濃縮してからエタノール−酢酸−水(75:
10:95)溶液で平衡化したSephadexLH−20カ
ラム(3.8×100cm)でゲル過し、分画分子量
1000〜3500の活性画分を集めた。 次いで該活性画分を0.2Nクエン酸ナトリウム
緩衝液、PH3.25で平衡化した日立カスタム#2611
カラム(0.9×55cm)に添加した後、0.2Nクエン
酸ナトリウム緩衝液、PH4.25及び1.2Nクエン酸ナ
トリウム緩衝液、PH5.28で順次洗浄し、不純物を
除去した。最後に、0.2N水酸化ナトリウムでカ
ラムから溶出し、活性溶出画分を集めた。 次に、この活性溶出画分を前記と同様に脱塩、
減圧濃縮した後、東洋紙No.50(2×45cm)に添
加し、下降法によりn−ブタノール−ピリジン−
酢酸−水(15:10:3:12)溶液を溶媒として20
時間展開した。次に、ピリジン−酢酸−水(10:
0.4:90)溶液を電極液として用い150mAで90分
間電気泳動してから紙上の活性部分を抽出し
た。この活性抽出液を分画分子量500の限外過
膜YC05(Amicon社製)で脱塩した後凍結乾燥
し、目的とする歯牙体液輸送促進活性をもつペプ
チド0.45mgを得た。 このペプチドを以下の方法でアミノ酸分析し、
下記式 1 Gly −Val−Ile−Ala−Trp−Glu−Leu−Gln−His−10 Asn −Glu−Pro− Gly−Arg−Lys−Asp−Ser−Thr−Ala−2
0 Gly で示されるアミノ酸配列を有する分子量が2165の
物質であることを確認した。 (1) アミノ酸分析 試料25nモルを110℃、24時間6N塩酸で加水
分解した後、50℃、15分で減圧乾固した。乾固
残渣に0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液PH6.5を加
えPHを6.5た調整し、4時間放置して空気酸化
を完了後1N塩酸を加えPHを2としたのち、PH
2.2のクエン酸緩衝液を加えて分析に供した。
またTrpを分析するためには、試料50nモルを
0.2mgのデンプン存在下2.5N水酸化ナトリウム
中110℃、20時間加水分解を行ない、1N塩酸で
中和後減圧乾固を行い分析に供した。その結果
下記に示すアミノ酸組成を有することが判明し
た(カツコ内の数字は1分子当りのアミノ酸残
基の数を表わす)。 Asp(2)、Thr(1)、Ser(1)、Glu(3)、Pro(1)、
Gly(3)、Ala(2)、Val(1)、Ile(1)、Leu(1)、Lys
(1)、His(1)、Arg(1)、Trp(1) (2) アミノ酸配列 (a) N末端配列分析 N末端配列分析はGrayらの方法
〔Biochem.J.89、379(1963)〕に準じてダン
シル−エドマン法により行なつた。50nモル
の試料を30mlの50%ピリジン水溶液に共栓試
験管中で溶解した後に、10μの20%フエニ
ルイソチオシアネート−ピリジン溶液を加え
て15秒間窒素ガスを吹き込んだ後密栓し、反
応を行なつた。1時間後減圧乾固して20μ
のエチルアルコールを加え再び減圧乾固した
後、30μのトリフルオロ酢酸を加え45℃で
加水分解を行なつた。30分後窒素ガスでトリ
フルオロ酢酸を揮散させ、さらに水100μ
を加え減圧乾固することにより完全に除去
し、残渣を水100μに懸濁させて酢酸ブチ
ル400μで3回抽出した。得られた水層か
ら1〜5nモル相当を後述の別容器に移し、
残りを凍結乾燥した。その後最初と同様に50
%ピリジン水溶液に溶解し、フエニルイソチ
オシアナートにより再び反応を行なつた。こ
のようにして順次N末端側からアミノ散配列
分析を行なつた。ダンシル化はあらかじめ用
意した試料を小試験管に入れて、減圧デシケ
ーター中で乾固後、10μの0.2M重炭酸ナト
リウムを加え遠心分離を行ない再び減圧乾固
させた。さらに1mg/mlのダンシルクロライ
ド−アセトン溶液を加え混和した後、37℃で
1時間反応させた。減圧乾燥後500μの6N
塩酸を加え、小試験管を封じ、105℃で18時
間加水分解を行なつた。アスパラギン、グル
タミン及びトリプトフアンの同定は、直接エ
ドマン法により行なつた。アミノ酸のフエニ
ルチオヒダントイン(PTH)誘導体への変
換は、酢酸ブチル中に存在するフエニルチア
ゾリン誘導体を減圧乾固後、1N塩酸で80℃、
10分間処理し生成したPTHアミノ酸を酢酸
エチルで抽出し、ポリアミドシートを用いて
展開し、同定した。 その結果、N末端ペンタペプチドはGly−
Val−Ile−Ala−Trp−であることが判明し
た。 (b) C末端配列分析 C末端配列分析はHayashiらの方法〔J.
Biochem、77、69(1975)〕に準じカルボキ
シペプチダーゼY法により行なつた。0.05M
りん酸緩衝液、PH6.5で1mg/mlのカルボキ
シペプチダーゼY(Sigma社製、24units/
mg)12μを、同じく0.05Mりん酸緩衝液
150μに溶解させた75nモルの試料に加えて
25℃で反応を行なつた。それぞれ15分、60
分、240分後に、−40℃で凍結することにより
反応を停止させ、遊離するアミノ酸を定量し
た。 カルボキシペプチダーゼYによる酵素消化
によつて、Glyが速やかに遊離し、以下Ala、
Thr、Ser、Aspがさらに60分の段階でLys、
Argがそれぞれ順に遊離してきた。またカル
ボキシペプチダーゼAで15分、30分、60分で
同じように遊離のアミノ酸を定量したとこ
ろ、60分で痕跡程度のGlyのみが観察された
ことにより、C末端Glyは遊離のカルボキシ
ル基をもつことが判明した。 その結果、C末端ヘプタペプチドは−Arg
−Lys−Asp−Ser−Thr−Ala−Glyである
ことが判明した。 (c) トリプシン分解による断片ペプチドのアミ
ノ酸配列 試料2mgを0.2M炭酸水素アンモニウム
200μに溶解し、希アンモニア水でPH8.2に
調整後、0.1M塩化カルシウム100μに溶解
したジフエニルカルバミルクロリド
(DPCC)−トリプシン(Sigma社製、
10000BAEE units/mg)20μgを加え37℃で
反応を行なつた。3時間後再び同量のDPCC
−トリプシンを加えさらに3時間反応を行な
つた後、酢酸を加えPH3.0とし反応を停止さ
せ、凍結乾燥品として回収した。ペプチドマ
ツプ法によりトリプシン分解物は5つのスポ
ツトに分画された。各々のスポツトを切り取
り、0.1Nアンモニア水で抽出後凍結乾燥品
として回収した。さらにそれぞれを6N塩酸
で加水分解後アミノ酸分析を行なつたとこ
ろ、一つは生成試料のN末端より1から15番
の断片ペプチドであつた。この断片ペプチド
につき、N末端より直接エドマン法により順
次アミノ酸を同定し、6番目よりGlu、Leu、
Gln、His、Asn、Glu、Pro、Glyであるこ
とが判明した。C末端からはカルボキシペプ
チダーゼY法により順にLys、Argと同定し
た。 上記(a)、(b)及び(c)の結果より試料ペプチドの全
一次構造は下記の通りであつた。 1 Gly −Val−Ile−Ala−Trp−Glu−Leu−Gln−His−10 Asn −Glu−Pro− Gly−Arg−Lys−Asp−Ser−Thr−Ala−2
0 Gly この結果はアミノ酸分析結果と良く一致した。 該精製標品はラツトに対して30ng/Kg i.v.で
歯牙への体液輸送促進活性を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 1 Gly −Val−Ile−Ala−Trp−Glu−Leu−Gln−His−10 Asn −Glu−Pro− Gly−Arg−Lys−Asp−Ser−Thr−Ala−2
    0 Gly で示されるペプチド。
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