JPH0548152B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は洗濯機に関するものである。

（従来の技術） 従来、洗い工程等の前段或いは初期において、
撹拌翼に加わる負荷変動により変化する撹拌翼の
回転数、回転速度或いはモータの電流、消費電力
等の値に基づいて洗濯物量を検知し、その洗濯物
量に応じて洗い、すすぎ等の工程実行時間、水
流、水位等を制御する洗濯機が種々提案されてい
る（特開昭59−207198号公報、特公昭59−23239
号公報、特公昭61−22598号公報等参照）。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、この種の洗濯機においては、予め検
知した洗濯物量により決定した水流で洗い、すす
ぎ等の工程を実行することになるが、その水流で
工程実行中に布がらみが生じた場合でもそのまま
の水流で工程を継続する為、布がらみが解消され
ず、むしろ布がらみが進み、布いたみ及び洗いむ
ら等を招くものであつた。

然るに本発明にあつては、洗い、すすぎ等の工
程実行中に布がらみが発生した場合に布がらみの
解消を自動的に計れるようにしたものである。

（問題点を解決するための手段） 布がらみが発生した場合、布がらみによる布の
かたまりが撹拌翼に接すると撹拌翼の回転数、回
転速度が急激に低下し、逆に布のかたまりが撹拌
翼より離れるとその回転数、回転速度が急激に上
昇する為、撹拌翼の回転数の変動或いは回転速度
の瞬時変動値を検知することにより、布がらみの
発生を検知することができる。又、撹拌翼を回転
させるモータの電流及び消費電力も、布のかたま
りが撹拌翼に接離することにより急激に変化する
為、モータの電流或いは消費電力の瞬時変動値の
検知によつても布がらみの発生を検知することが
できる。さらに洗い、すすぎ等の工程実行中逐次
撹拌翼の回転速度、モータの電流等の平均値を求
め、各時刻の平均値の比較によつて布がらみの発
生を検知できる。

本発明は、洗い、すすぎ等の工程実行中に上述
の如く撹拌翼の回転数或いはモータ電流等の値の
変化により布がらみを検出する状態検知手段と、
該検知手段からの布がらみ信号により上記洗い、
すすぎ等の工程実行水流より弱い弱水流に所定時
間切換える水流制御手段とを備えるものである。

（作用） 洗い、すすぎ等の工程実行中において、布がら
みが発生した場合に布がらみを検知し、工程実行
中の実行水流をこの実行水流より弱い弱水流に所
定時間切換え布がらみをほぐすことになる。従つ
て、布がらみの解消が計られ、布いたみ及び洗い
むらを抑えることができる。

（実施例） 以下図面に示した本発明の実施例について詳細
に説明する。

第１図は本発明の実施例における洗濯機の制御
系を示すブロツク図である。図において、１は洗
濯槽、２は洗濯物と水とを撹拌するための撹拌
翼、３は撹拌翼２を回転させるモータ、４は撹拌
翼２の回転を検知する回転検知部、５は洗濯物量
検知装置、６は状態検知装置、７はコントローラ
である。上記回転検知部４は例えば発光素子と受
光素子とを対向配置するもので、この両素子間に
あつて撹拌翼２と一体的に回転するセンタープー
リ８に透孔を穿設し、該プーリ８の回転によつて
発光素子から受孔素子に至る光を断続し、回転数
に応じたパルス信号を出力するものである。洗濯
物量検知装置５は例えばモータ３を予め設定した
周期でON、OFFして撹拌翼２を左右に反転させ
ている状態においてモータ３の各ON時間におけ
る撹拌翼２の回転数を回転検知部４からのパルス
信号により測定し、所定回数分の回転数の平均値
を求め、この平均値と予め設定してある基準値と
の比較により洗濯物量を判定するものである。

又、状態検知装置６は例えば洗い、すすぎ等の
工程実行中においてモータ３の各ON時間におけ
る撹拌翼２の回転数N₁を上記と同様にパルス信
号により測定し、測定した回転数N₁とその一つ
前のモータ３ON時に測定した回転数N₀とを比較
してその差が所定値Ns以上のときに布がらみが
発生したと判定するものである。第４図は洗い工
程の開始から終了までのモータの各ON時におけ
る回転数の変化をモデル的に示した図であり、布
がらみがない時には回転数の変動が小さく、布が
らみが発生した時には第４図のＡ部分のように回
転数が急激に大きく変動する。従つて、基準とな
る値Nsを予め実験等より求めた適当な値に設定
しておけば、前後の回転数の差によつて布がらみ
を検知することができる。第２図は状態検知装置
６の状態検知フローチヤートを示す。

次に、第３図の洗い制御フローチヤートについ
て説明する。コントローラ７は洗濯物量検知装置
５からの洗濯物量信号に応じて洗い工程の実行時
間、水流及び水位を決定し、洗い工程を開始させ
る。而して、洗い工程実行中に布がらみが発生
し、状態検知装置６から布がらみ信号が出力され
ると、コントローラ７は洗濯物量に応じて設定さ
れた実行水流から予め設定されている弱水流に切
換るべくモータ３を制御する。この弱水流はモー
タ３のOFF時間をON時間より短くして洗濯物の
浮力により布がらみを解消（緩和）させる水流で
ある。このような水流により布を所定時間ほぐし
た後、洗濯物量に応じて設定された時間、水流を
修正し、再び洗濯物の洗浄を行なうことになる。
上記弱水流は洗浄効果を余り期待できない為、当
初設定時間のまま元の水流で洗い工程を実行した
場合には所期の洗浄効果を期待できなくなり、こ
れを防止すす為に時間の延長、水流を強める等の
修正を行なつている。そして、最終に設定されて
いる時間が経過することにより、洗い工程を終了
する。

以上のように、洗い工程の実行中に布がらみが
発生した場合に自動的に水流を切換え、布がらみ
の解消を計ることになり、布がらみによる布のい
たみ、洗いむら等の発生を抑えることができる。

上記実施例において、布がらみの検知は撹拌翼
の回転数の変動を利用して行なうものであればよ
く、上述の内容に限られるものではない。又、布
がらみの大小を検知してその布がらみの大きさに
応じ弱水流によるほぐし時間を変えることも可能
である。

（発明の効果） 本発明の洗濯機によれば、洗い、すすぎ等の工
程実行中に布がらみが生じたところで、その布が
らみを自動的に検知して布がらみの解消を計るこ
とになり、従来のような布がらみによる布いた
み、洗いむら等の問題をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における洗濯機の制御
系を示すブロツク図、第２図は同状態検知フロー
チヤート、第３図は同洗い工程制御フローチヤー
ト、第４図は洗い工程の開始から終了までのモー
タの各ON時における回転数の変化をモデル的に
示す図である。 ２：撹拌翼、３：モータ、４：回転検知部、
６：状態検知装置、７：コントローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗い、すすぎ等の工程実行中に攪拌翼に加わ
   る負荷変動によつて変化する攪拌翼の回転数或い
   はモータ電流等の値を検知し該値の変化により布
   がらみを検出する状態検知手段と、該検知手段か
   らの布がらみ信号により上記洗い、すすぎ等の工
   程実行水流より弱い弱水流に所定時間切換える水
   流制御手段とを備えたことを特徴とする洗濯機。