JPH0547800A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH0547800A
JPH0547800A JP3202959A JP20295991A JPH0547800A JP H0547800 A JPH0547800 A JP H0547800A JP 3202959 A JP3202959 A JP 3202959A JP 20295991 A JP20295991 A JP 20295991A JP H0547800 A JPH0547800 A JP H0547800A
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layer
electron mobility
high electron
mobility transistor
carrier supply
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JP3202959A
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Naoki Harada
直樹 原田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、DCFL回路を形成するのに適した
ディプレーション型HEMTとエンハンスメント型HE
MTを同一半導体基板上に形成した半導体装置に関し、
同一半導体基板上にしきい値電圧の異なるHEMTを設
けることができる半導体装置を提供することを目的とす
る。 【構成】半導体基板10上に能動層14及びキャリア供
給層16を形成し、第1の高電子移動度トランジスタの
ゲート電極20をキャリア供給層16に対して第1のシ
ョットキー障壁を有する材料により形成し、第2の高電
子移動度トランジスタのゲート電極24をキャリア供給
層16に対して第2のショットキー障壁を有する材料に
より形成するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置、特にDCF
L回路を形成するのに適したディプレーション型HEM
Tとエンハンスメント型HEMTを同一半導体基板上に
形成した半導体装置及びその製造方法に関する。近年の
コンピュータシステムの高速化、あるいは通信の高周波
化の傾向に対応するために、高速で動作可能な能動素子
が要求され、化合物半導体を用いた電界効果トランジス
タが期待されている。InGaAs系HEMT(高電子
移動度トランジスタ)はGaAs系HEMTをしのぐ高
速動作が可能であることから特に注目されている。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体集積回路の基本ゲートとし
てDCFL回路が用いられている。これはDCFL回路
が比較的構造が簡単であり、高速動作が可能で低消費電
力であるためである。DCFL回路を形成するために
は、同一半導体基板上にディプレーション型FETとエ
ンハンスメント型FETの2種類のFETを作らなけれ
ばならない。
【0003】従来、同一半導体基板上にしきい値電圧の
異なる2種類のFETを作るためには次のような方法が
とられてきた。まず、GaAsMESFETの場合につ
いて説明する。GaAsMESFETのしきい値電圧は
次式であたえられる。 Vth=ΦーqNd2 /2ε (1) ただし、Φはゲート部でのショットキーバリアの高さ、
qは単位電荷、Nはチャネルでのドーピング濃度、dは
チャネルの厚さ、εはGaAsの誘電率を表している。
【0004】GaAsMESFETの場合、チャネルを
有する能動層はイオン注入法により形成するのでチャネ
ルの厚さdとドーピング濃度Nを変えることが可能であ
る。したがって、チャネルの厚さdとドーピング濃度N
を変えることにより、しきい値電圧を制御して同一半導
体基板上にディプレーション型FETとエンハンスメン
ト型FETの2種類のFETを作ることができる。
【0005】次に、キャリア供給層にAlGaAsを用
い能動層にGaAsを用いたAlGaAs/GaAs系
HEMTの場合について説明する。AlGaAs/Ga
As系HEMTのしきい値電圧は次式で与えられる。 Vth=ΦーΔEcーqNd2 /2ε (2) ただし、Φはゲート部でのショットキーバリアの高さ、
ΔEcはヘテロ接合の伝導帯不連続量、qは単位電荷、
NはAlGaAs層でのドーピング濃度、dはAlGa
As層の厚さ、εはAlGaAs層の誘電率を表してい
る。
【0006】AlGaAs/GaAs系HEMTでは結
晶成長法としてエピタキシャル成長法を用いるので、M
ESFETの場合と異なりAlGaAs層のドーピング
濃度Nを変えることができない。また、ヘテロ接合の伝
導帯不連続量ΔEcも化合物半導体材料により決定され
る量であるので変更することはできない。そこで、Al
GaAs/GaAs系HEMTでは、エピタキシャル層
をエッチングすることによりAlGaAsキャリア供給
層の厚さdを変えることで、しきい値電圧を制御する。
【0007】この方法による従来のHEMTを図4を用
いて説明する。半絶縁性のGaAs基板28上にHEM
Tの能動層であるGaAs能動層30が形成され、Ga
As能動層30上にn−AlGaAsキャリア供給層3
2が形成されている。n−AlGaAsキャリア供給層
32上には、更にn−GaAs層34とn−AlGaA
sキャリア供給層36が形成されている。
【0008】n−AlGaAsキャリア供給層36上に
はn−GaAsキャップ層38を介して、ドレイン電極
40とソース・ドレイン電極44とソース電極48とが
形成されている。右側のデプレッション型HEMTのゲ
ート電極42は、ドレイン電極40とソース・ドレイン
電極44間のn−GaAsキャップ層38をエッチング
除去して露出したn−AlGaAsキャリア供給層36
上に形成されている。
【0009】左側のエンハンスメント型HEMTのゲー
ト電極46は、ソース・ドレイン電極44とソース電極
48間のn−GaAsキャップ層38とn−AlGaA
sキャリア供給層36とn−GaAs層34とをエッチ
ング除去して露出したn−AlGaAsキャリア供給層
32上に形成されている。キャリア供給層36とGaA
s層34とキャリア供給層32の厚さの和dとキャリア
供給層32の厚さdが異なるようにして、同一のGaA
s基板28上にしきい値電圧の異なるデプレッション型
HEMTとエンハンスメント型HEMTを形成する。
【0010】このようにAlGaAs/GaAs系HE
MTでは、GaAs層をAlGaAs層に対して選択的
にエッチングすることができるので、上述のようにAl
GaAsキャリア供給層の厚さdを変化させることによ
り、しきい値電圧を制御して、同一GaAs基板上にデ
ィプレーション型HEMTとエンハンスメント型HEM
Tを作ることができる。
【0011】一方、キャリア供給層にInAlAsを用
い能動層にInGaAsを用いたInAlAs/InG
aAs系HEMTでは、従来、エンハンスメント型HE
MTの製造が困難であった。ゲート電極にAl又はTi
が用いられているため、ゲート電極のショットキーバリ
アの高さが低いからである。この問題を解決するために
ゲート電極の材料としてPtを用いることが提案されて
いる。ゲート電極の材料にPtを用いると、ゲート部分
でのPtとInAlAs接合のショットキーバリアが、
0.82eVと高くなる。
【0012】しかしながら、InAlAs/InGaA
s系HEMTの場合、キャリア供給層のInAlAsと
能動層のInGaAsの間で選択性を持ったリアクティ
ブイオンエッチング技術が確立していないため、単独で
はエンハンスメント型HEMTを作成することが可能で
はあるが、エッチングにより厚さの異なるキャリア供給
層を形成することができず、エンハンスメント型HEM
Tとディプレーション型HEMTを同一半導体基板上に
作成することができなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、InA
lAs/InGaAs系HEMTのようにエピタキシャ
ル成長法により形成され、キャリア供給層と能動層とを
選択的にエッチングすることができないHEMTでは、
ドーピング濃度Nも、ヘテロ接合の伝導帯不連続量ΔE
cも、キャリア供給層の厚さdも変えることもできな
い。そのため、しきい値電圧Vthを変えることができ
ず、同一半導体基板上にしきい値電圧の異なるHEMT
を作ることができないという問題があった。
【0014】本発明の目的は、同一半導体基板上にしき
い値電圧の異なるHEMTを設けることができる半導体
装置及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】例えば、キャリア供給層
にInAlAsを用い能動層にInGaAsを用いたI
nAlAs/InGaAs系HEMTにおいて、しきい
値電圧を制御するには式(1)において従来変化させた
パラメーター以外のショットキー電圧の大きさΦを変え
ることにより解決する。
【0016】ゲート電極とInAlAsキャリア供給層
との間のショットキー電圧の大きさΦを変化させるに
は、ゲート電極に用いる金属材料を変化させればよい。
本願発明者によればショットキー電圧の大きさΦと金属
の仕事関数φmとの間には次の関係があることがわかっ
た。 Φ=0.15φm −0.011[eV] (3) 金属の仕事関数φm はその金属固有のものであるので、
(3)式よりゲート電極の材料を変えることでショット
キー電圧の大きさΦを変えることができる。また、
(2)式においてショットキー電圧の大きさΦが変化す
ることからしきい値電圧の値を制御することができる。
【0017】本発明においては、ショットキー電圧の異
なる材料として例えばAlとPtを選択し、ディプレー
ション型HEMTのゲート電極にAlを用いて、エンハ
ンスメント型HEMTのゲート電極にPtを使用する。
したがって、上記目的は、半導体基板上に、しきい値電
圧の異なる第1の高電子移動度トランジスタと第2の高
電子移動度トランジスタが形成された半導体装置におい
て、前記半導体基板上に、前記第1の高電子移動度トラ
ンジスタと前記第2の高電子移動度トランジスタに共通
の能動層が形成され、前記能動層上に、前記第1の高電
子移動度トランジスタと前記第2の高電子移動度トラン
ジスタに共通のキャリア供給層が形成され、前記第1の
高電子移動度トランジスタのゲート電極は、前記キャリ
ア供給層に対して第1のショットキー障壁を有する材料
により形成され、前記第2の高電子移動度トランジスタ
のゲート電極は、前記キャリア供給層に対して第2のシ
ョットキー障壁を有する材料により形成されていること
を特徴とする半導体装置によって達成される。
【0018】
【作用】本発明によれば、第1の高電子移動度トランジ
スタのゲート電極をキャリア供給層に対して第1のショ
ットキー障壁を有する材料により形成し、第2の高電子
移動度トランジスタのゲート電極をキャリア供給層に対
して第2のショットキー障壁を有する材料により形成し
たので、しきい値電圧の異なる第1の高電子移動度トラ
ンジスタと第2の高電子移動度トランジスタを同一半導
体基板上に形成することができる。
【0019】
【実施例】本発明の一実施例による半導体装置を図1を
用いて説明する。半絶縁性InP基板10上に、膜厚3
00nmIn0.52Al0.48Asバッファ層12が形成さ
れ、In0.52Al0.48Asバッファ層12上に、HEM
Tの能動層である膜厚50nmのIn0.53a0.47 As
能動層14が形成されている。In0.53Ga0.47As能
動層14上に、Siを1×1018cm-3ドーピングした
膜厚31nmのn−In0.52Al0.48Asキャリア供給
層16が形成されている。
【0020】ドレイン電極18、ゲート電極20、ソー
ス・ドレイン電極22により図1の右側にディプレーシ
ョン型HEMTを形成し、ソース・ドレイン電極22、
ゲート電極24、ソース電極26により図1の左側にエ
ンハンスメント型HEMTを形成する。ドレイン電極1
8、ソース・ドレイン電極22、ソース電極26は、膜
厚200nmのAu層の上に膜厚100nmのAuGe
層が積層された構造をしている。
【0021】図1右側のHEMTのゲート電極20は、
n−In0.52Al0.48Asキャリア供給層16に対する
ショットキー障壁の低いAlにより形成されている。こ
のためしきい値電圧が低いディプレーション型HEMT
になっている。図1左側のHEMTのゲート電極24
は、膜厚7.6nmのPt層24a上に膜厚30nmの
Ti層24bが形成され、その上に膜厚60nmのPt
層24cが形成され、その上に更に膜厚300nmのA
u層24dが形成された構造をしている。Pt層24a
下のn−In0.52Al0.48Asキャリア供給層16中に
はPtが15nm埋込まれてPtAs層24a′を形成
している。
【0022】このように、図1左側のHEMTのゲート
電極24のn−In0.52Al0.48Asキャリア供給層1
6に接する部分はショットキー障壁の高いPtにより形
成され、n−In0.52Al0.48Asキャリア供給層16
中に埋込まれているので、n−In0.52Al0.48Asキ
ャリア供給層16の実効的厚さdを小さくすることがで
きる。このためしきい値電圧が高いエンハンスメント型
HEMTとなっている。
【0023】次に、本発明の一実施例による半導体装置
の製造方法について説明する。先ず、MBE法により、
半絶縁性InP基板10上に膜厚300nmのIn0. 52
Al0.48Asバッファ層12を成長させ、In0.52Al
0.48Asバッファ層12上に膜厚50nmのIn0.53
0.47As能動層14を成長させ、In0.53Ga0.47
s能動層14上にSiを1×1018cm-3ドーピングし
たn−In0.52Al0.48Asキャリア供給層16を膜厚
31nm成長させる。
【0024】次に、素子分離のためにIn0.52Al0.48
Asバッファ層12、In0.53Ga 0.47As能動層1
4、n−In0.52Al0.48Asキャリア供給層16をメ
サエッチングする。次に、ソース電極及びドレイン電極
を形成するためフォトレジストによって各電極のパター
ンを開口した後、全面に膜厚100nmのAuGe層を
堆積し、AuGe層の上に膜厚200nmのAu層を堆
積する。続いて、フォトレジストを溶解してレジスト上
の不要なAuGe層及びAu層をリフトオフして、ドレ
イン電極18、ソース・ドレイン電極22、ソース電極
26を形成する。
【0025】次に、ディプレーション型HEMTのゲー
ト電極を形成する。フォトレジストによってゲート電極
のパターンを開口した後、全面に膜厚300nmのAl
層を蒸着する。続いて、フォトレジストを溶解してレジ
スト上の不要なAl層をリフトオフして、ゲート電極2
0を形成する。次に、エンハンスメント型HEMTのゲ
ート電極を形成する。ゲート電極部分が開口するように
パターニングしたレジスト層を形成した後、順番にPt
層を膜厚7.6nm、Ti層を膜厚30nm、Pt層を
膜厚60nm、Au層を膜厚300nm蒸着する。続い
て、レジスト層を除去して、レジスト層上のPt層、T
i層、Pt層、Au層をリフトオフし、Pt層24a、
Ti層24b、Pt層24c、Au層24dからなるゲ
ート電極24を形成する。
【0026】次に、350℃の温度で10分間アニーリ
ングを行う。アニーリングにより、ゲート電極24の最
下層のPt層24aがn−In0.52Al0.48Asキャリ
ア供給層16と反応して、金属間化合物であるPtAs
2 層16a′がn−In0.52Al0.48Asキャリア供給
層16表面に形成され、ゲート電極24が実質的に埋め
込まれる。これによりエンハンスメント型HEMTにお
けるゲート電極24下のn−In0.52Al0.48Asキャ
リア供給層16の厚さdを実効的に薄くすることがで
き、エンハンスメント型HEMTのしきい値電圧を所望
の値にする。
【0027】次に、図2及び図3を用いて、本実施例に
おけるキャリア供給層の厚さ、ゲート電極の材料および
ゲート電極の埋め込みの深さとしきい値電圧の関係につ
いて説明する。図2はHEMTのしきい値電圧とn−I
0.52Al0.48Asキャリア供給層16の厚さdとの関
係を表している。横軸はn−In0.52Al0.48Asキャ
リア供給層16の厚さdであり、縦軸はしきい値電圧V
thを表している。
【0028】n−In0.52Al0.48Asキャリア供給層
16が厚くなるにしたがって、しきい値電圧Vthが低下
する傾向にある。図2上側の曲線はゲート電極としてP
t(ショットキー電圧=0.72eV)を使用した場合
であり、図2下側の曲線はゲート電極としてAl(ショ
ットキー電圧=0.62eV)を使用した場合である。
【0029】上述のように、本実施例ではディプレーシ
ョン型HEMTのゲート電極20としてInAlAsと
反応しにくいAlを使用している。また、エンハンスメ
ント型HEMTのゲート電極24はPt層24a、Ti
24b、Pt24c、Au24dを順に積層したものを
使用している。ディプレーション型HEMTの場合、A
lのショットキー電圧Φは0.62eV程度である。通
常DCFL回路で用いられるディプレーション型HEM
Tのしきい値電圧はー0.6V程度である。図2のグラ
フより、しきい値電圧が−0.6Vとなるn−In0.52
Al0.48Asキャリア供給層16の厚さdは31nmで
あることがわかる。
【0030】エンハンスメント型HEMTの場合、Pt
のショットキー電圧Φは0.82eVである。同一基板
上にディプレーション型HEMTとエンハンスメント型
HEMTを形成するため、エンハンスメント型HEMT
におけるn−In0.52Al0. 48Asキャリア供給層16
の厚さdを31nmにすると、図2のグラフよりしきい
値電圧はー0.4Vとなる。DCFL回路で用いられる
エンハンスメント型HEMTのしきい値電圧は0.1V
であるので、このままではエンハンスメント型にならな
い。しきい値電圧を0.1Vにするためには、図2のグ
ラフからn−In0.52Al0.48Asキャリア供給層16
の厚さdを16nmと薄くしなければならない。
【0031】この問題を解決するために、ゲート電極2
4の最下層のPt層24aがInAlAsとの間で反応
性に富むという性質を利用する。350℃程度の熱処理
を行うと、Pt層24aとn−In0.52Al0.48Asキ
ャリア供給層16とが反応して、Pt層24a下のn−
In0.52Al0.48Asキャリア供給層16中にPtAs
2 層24a′が形成され、ゲート電極24のPt層24
aをn−In0.52Al 0.48Asキャリア供給層16中に
埋め込んで、n−In0.52Al0.48Asキャリア供給層
16の実効的な厚さdを薄くすることができる。図2よ
りエンハンスメント型HEMTのしきい値電圧を0.1
Vにするには、dを16nmにしなければならないこと
がわかるので、そのためにはゲート電極24のPt層2
4aを15nm(=31nm−16nm)埋め込む必要
がある。
【0032】Pt層24aの埋め込みの深さは、Pt層
24aの膜厚によって決まる。図3はPt層24aの膜
厚tと埋め込みの深さaの関係を表している。これより
Pt層の膜厚tと埋め込みの深さaとの間には、 a=1.98t (4) の関係があることがわかる。この式より、埋め込みの深
さaを15nmにするにはPt層24aの膜厚は7.6
nmにしなければならないことがわかる。
【0033】このようにエンハンスメント型HEMTの
ゲート電極24にPtのみを用いた場合、ゲート電極2
4のPt層24aの膜厚は7.6nmであるので、この
ままではゲート電極24としては薄すぎて抵抗が高くな
ってしまう。これを防ぐには、ゲート電極24として膜
厚7.6nmのPt層24a上に膜厚30nmのTi層
24b、膜厚60nmのPt層24c、膜厚300nm
のAu層24dを順に積層している。ゲート電極24を
低抵抗化するために厚いAu層24dを設け、Au層2
4dからn−In0.52Al0.48Asキャリア供給層16
中にAuが拡散することを防止するために、薄いPt層
24cを設け、Pt層24cとPt層24aを分離する
ために薄いTi層24bを設けている。
【0034】このようにゲート電極を形成したあと35
0℃の熱処理を加えることにより、ゲート電極24を所
望量埋め込んでエンハンスメント型HEMTを実現する
ことができる。一方、ゲート電極20はInAlAsと
反応しにくいAlを用いているため埋め込まれずディプ
レーション型HEMTのしきい値電圧は変化しない。し
たがって、キャリア供給層にInAlAsを用い能動層
にInGaAsを用いたInAlAs/InGaAs系
HEMTにおいても、同一半導体基板上にディプレーシ
ョン型HEMTとエンハンスメント型HEMTを共に形
成することができた。
【0035】本発明は上記実施例に限らず種々の変形が
可能である。例えば、上記実施例ではディプレーション
型HEMTのゲート電極材料としてAlを用いたが、I
nAlAsと反応しにくい導電材料であれば、Ti、
W、WSi、Mo等の他の材料でもよい。また、上記実
施例ではキャリア供給層にInAlAsを用い、能動層
にInGaAsを用いたInAlAs/InGaAs系
HEMTであったが、キャリア供給層にInAlAsを
用い、能動層にInP、InAs又はInAsPを用い
た、InAlAs/InP系HEMT、InAlAs/
InAs系HEMT又はInAlAs/InAsP系H
EMTでもよい。
【0036】更に、本発明は、キャリア供給層にAlG
aAsを用い、能動層にGaAs又はInGaAsを用
いたAlGaAs/GaAs系HEMT又はAlGaA
s/InGaAs系HEMTや、キャリア供給層にIn
GaPを用い、能動層にGaAs又はInGaAsを用
いたInGaP/GaAs系HEMT又はInGaP/
InGaAs系HEMTにも適用できる。ゲート電極材
料にショットキー障壁の高さの異なる材料を用いて、同
一半導体基板上にエンハンスメント型HEMTとディプ
レーション型HEMTを形成するようにする。
【0037】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、半導体基
板上に第1の高電子移動度トランジスタと第2の高電子
移動度トランジスタに共通の能動層を形成し、能動層上
に第1の高電子移動度トランジスタと第2の高電子移動
度トランジスタに共通のキャリア供給層を形成し、第1
の高電子移動度トランジスタのゲート電極をキャリア供
給層に対して第1のショットキー障壁を有する材料によ
り形成し、第2の高電子移動度トランジスタのゲート電
極をキャリア供給層に対して第2のショットキー障壁を
有する材料により形成するようにしたので、同一半導体
基板上にしきい値電圧の異なる高電子移動度トランジス
タを形成することが可能になり、InGaAs系高速半
導体集積回路の発展に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による半導体装置を示す断面
図である。
【図2】本発明の半導体装置において、しきい値電圧と
n−InAlAsキャリア供給層の厚さとの関係を示す
グラフである。
【図3】本発明の半導体装置において、ゲート電極の埋
込み深さとPt層の膜厚との関係を示すグラフである。
【図4】従来の半導体装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10…InP基板 12…In0.52Al0.48Asバッファ層 14…In0.53Ga0.47As能動層 16…n−In0.52Al0.48Asキャリア供給層 18…ドレイン電極 20…ゲート電極 22…ソース・ドレイン電極 24…ゲート電極 24a…Pt層 24b…Ti層 24c…Pt層 24d…Au層 24a′…PtAs2 層 26…ソース電極 28…GaAs基板 30…GaAs能動層 32…n−AlGaAsキャリア供給層 34…n−GaAs層 36…n−AlGaAsキャリア供給層 38…n−GaAsキャップ層 40…ドレイン電極 42…ゲート電極 44…ソース・ドレイン電極 46…ゲート電極 48…ソース電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/20 7377−4M 29/48 H 7738−4M 7342−4M H01L 27/08 311 C 7739−4M 29/80 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、しきい値電圧の異なる
    第1の高電子移動度トランジスタと第2の高電子移動度
    トランジスタが形成された半導体装置において、 前記半導体基板上に、前記第1の高電子移動度トランジ
    スタと前記第2の高電子移動度トランジスタに共通の能
    動層が形成され、 前記能動層上に、前記第1の高電子移動度トランジスタ
    と前記第2の高電子移動度トランジスタに共通のキャリ
    ア供給層が形成され、 前記第1の高電子移動度トランジスタのゲート電極は、
    前記キャリア供給層に対して第1のショットキー障壁を
    有する材料により形成され、 前記第2の高電子移動度トランジスタのゲート電極は、
    前記キャリア供給層に対して第2のショットキー障壁を
    有する材料により形成されていることを特徴とする半導
    体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置において、 前記第1の高電子移動度トランジスタのしきい値電圧が
    正になるように、前記第1の高電子移動度トランジスタ
    のゲート電極の前記キャリア供給層と接する部分の材料
    をPtにより形成したことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体装置において、 前記キャリア供給層がInAlAsにより形成され、前
    記第1の高電子移動度トランジスタのゲート電極のPt
    が前記キャリア供給層中に埋め込まれていることを特徴
    とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 しきい値電圧の異なる第1の高電子移動
    度トランジスタと第2の高電子移動度トランジスタを半
    導体基板上に形成する半導体装置の製造方法において、 前記第1の高電子移動度トランジスタと前記第2の高電
    子移動度トランジスタに共通の能動層を前記半導体基板
    上に形成し、 前記第1の高電子移動度トランジスタと前記第2の高電
    子移動度トランジスタに共通のキャリア供給層を前記能
    動層上に形成し、 前記キャリア供給層に対して第1のショットキー障壁を
    有する材料により、前記第1の高電子移動度トランジス
    タのゲート電極を形成し、 前記キャリア供給層に対して第2のショットキー障壁を
    有する材料により、前記第2の高電子移動度トランジス
    タのゲート電極を形成し、 所定温度で加熱処理することにより、前記第1の高電子
    移動度トランジスタのゲート電極を前記キャリア供給層
    中に埋め込み、前記第1の高電子移動度トランジスタの
    ゲート電極下の前記キャリア供給層の実効的厚さを薄く
    したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記キャリア供給層がInAlAsであり、 前記第1の高電子移動度トランジスタのゲート電極の前
    記キャリア供給層と接する部分の材料がPtであり、 前記加熱処理の所定温度が約300〜450℃であるこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
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