JPH0547665Y2 - - Google Patents

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JPH0547665Y2
JPH0547665Y2 JP1987161421U JP16142187U JPH0547665Y2 JP H0547665 Y2 JPH0547665 Y2 JP H0547665Y2 JP 1987161421 U JP1987161421 U JP 1987161421U JP 16142187 U JP16142187 U JP 16142187U JP H0547665 Y2 JPH0547665 Y2 JP H0547665Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本考案は葉書の裏面に受取人によつて剥離され
るカバーシートを備えたシール付郵便葉書の該カ
バーシートに用いる紙に関する。 〔従来の技術及び問題点〕 シール付郵便葉書は、裏面の通信欄が人目にふ
れないこと、配送の途中などに汚されたり滲んだ
りしないこと、封書のように封筒入れ、糊付等の
繁雑な作業を必要としないこと、封書に比して郵
送料が安いこと等を実現するために郵便葉書の形
態を改善して商品化されている。たとえば、第2
図に例示したシール付郵便葉書は、葉書10の裏
面に接着される透明な熱可塑性樹脂の保護フイル
ム8と、隠蔽性のあるシート4の裏面に熱可塑性
樹脂フイルム5がラミネートされたカバーシート
6と、前記保護フイルムとカバーシートとを剥離
可能に結合する結合層7とを備えている。葉書を
受け取つた宛先人は結合層から容易に剥離するこ
とができ、透明な保護フイルムを通して葉書の内
容が読みとられる。他の例としては、前記と構造
の異なる“葉書の複層化アタツチメント”が開示
されている(実開昭62−9571号)。 カバーシートに用いる隠蔽性のあるシートとし
ては従来上質紙、上質紙系軽量コート紙、中質
紙、中質紙系軽量コート紙などの不透明な洋紙類
は用いられてきたが、十分な隠蔽性が得られるほ
ど不透明にはできなかつた。いわゆる合成紙や、
洋紙類とアルミ箔との複合シート、アルミ蒸着紙
などを用いることによつて隠蔽性をあげる試みが
なされているが、コストアツプは避けられずシー
ル付郵便葉書の利点を十分に発揮するまでには至
つていない。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案者は上質紙系軽量コート紙と同程度の坪
量で達成しうる不透明度の限界と隠蔽性との関係
について鋭意研究を重ねた結果、前記軽量コート
紙の裏面のクレーコート層を着色層に置き換えた
片面着色紙の不透明度を、95%以上にすることに
より十分な隠蔽性が得られることを見出した。さ
らに表裏の両塗被層を塗設する方法としては、た
とえばゲートロールコーターのようなオンマシン
コーターを用い、原紙の表裏に色相の異る塗液を
同時に塗工して、カバーシート用紙として用いう
る片面着色紙の製造をインライン化できること、
併せて表面塗被層面の印刷適性上必要とされる白
色度を高水準に維持できること等を見出し本考案
に到達した。 〔考案の構成及び作用〕 本考案は葉書の裏面に剥離可能に結合されるカ
バーシートを有するシール付郵便葉書に用いられ
る前記カバーシートの用紙が、原紙の表面に白色
顔料および被膜形成性高分子物質を主体とする白
色隠蔽性表面塗被層(以下表面塗被層と略する)
を有し、裏面に白色顔料および被膜形成性高分子
物質を主体とする塗液に着色料を加えて塗工形成
された隠蔽性着色層(以下着色層と略する)を有
する片面着色紙であつて、前記表面塗被層面を光
源に対向させて測定した不透明度が95%以上でか
つ白色度が80%以上であるシール付郵便葉書のカ
バーシート用紙に関する。 以下、本考案の構成を図面に基づいて詳細に説
明する。 第1図は本考案の構造例の拡大断面図、第2図
は本考案のカバーシート用紙を用いたシール付郵
便葉書の構造例の模式断面図、第3図はゲートロ
ールコーターの配列状態を示す説明図である。第
1図において原紙2の表面には、クレー、カオリ
ン、二酸化チタンなどの白色顔料とバインダーを
主体とする塗液を固形分として2〜6g/m2塗工
し表面塗被層1が形成されている。バインダーと
してはでんぷん、ポリビニルアルコール等天然も
しくは合成の被膜形成性高分子物質が用いられ
る。着色層3は、前記表面塗被層用塗液に着色料
を混合して塗工形成される(以下これを着色され
たクレーコート層ともいう)。 本考案が必要とするカバーシート用紙4の高隠
蔽性は、これら3層の構成成分である繊維、白色
顔料等の不透明性と着色料の光吸収性との和とし
て把握される。本考案者は後に述べる実施例にお
いて表面塗被層を3.5g/m2の塗被量とし、着色
料として量を紫色系の染料を用いて着色層の塗被
層を3.5g/m2としたカバーシート用紙は坪量
69.0g/m2、不透明度98.7%、白色度86%であつ
た。このものについて着色層を漂白、脱色した
後、不透明度を測定したところ92%に低下した。
原紙の不透明度は87.1%であつたから、上記の事
実は白色顔料が原紙の表裏に計7g/m2塗工され
たことによる不透明度の上昇は約5%であるのに
対し、同例に述べたように0.02g/m2という微量
の染料を裏面用白色顔料に追加混合することによ
り、さらに6%以上の不透明度の上昇という効果
が得られたものである。不透明度は、表面塗被層
面を光源に対向させて、JIS P 8138に準拠して
測定した値が95%以上であることを必要とし97%
以上が好ましい。本考案ではフオトボルト光電反
射計670型を用いた。因みに着色層面を光源に対
向させて測定すると光の吸収が不均一に行われる
ため誤差が大きくなる。着色層の色相の選択によ
り、アルミ箔を用いた従来品に匹敵する100%の
ものが得られるが98%以上のものが多用される。
着色層の色相には制限はないが、本考案者が各種
の染料を用い、一定の条件で片面着色紙を調製し
不透明度を測定したところ、赤、緑、青、茶、
紫、黒の各系統色が95%以上であり、特に青、
茶、紫、黒の各系統色は99ないし100%であつた。
着色料としては染料、顔料の別を問わないが、製
紙工程で発生する損紙を漂白、脱色して回収使用
できる点から染料を用いる方が望ましい。着色層
中の着色料の量は、0.01g/m2〜1.0g/m2の範
囲で実施されるが、特に染料の場合には0.01g/
m2〜0.05g/m2の範囲で足る。表面塗被層の白色
度は印刷適性上80%以上、特に82%以上が要請さ
れる。白色度の測定はJIS P 8123に準拠しフオ
トボルト光電反射計670型を用いた。着色層を塗
設すると、原紙の状態によつては着色層の裏うつ
り(show through)や、しみ出しのため白色度
を著しく低下しやすい。この白色度の低下を防ぐ
手段としては、原紙の内添填料を増加すること、
サイズ度を高めること、透気度を高めること等が
考えられるが、本考案ではさらに塗液を高固形
分、高粘度で塗工できるゲートロール型コーター
を使用することにより、表面塗被層の白色度の低
下を実質的に抑制することができる。ゲートロー
ルコーターは第3図に例示したように6本のロー
ルで構成され、正転するアウターロール13,1
6、インナ−ロール12,15を使用して、ニツ
プ圧を加えながら塗液をロール間で転移し、最終
ロールのアツプリケーターロール11,14で原
紙の両面に同時に塗工するタイプのコーターで通
常、抄紙機の乾燥部に設置される。本考案の実施
においてはロール12と13のニツプ間に表面塗
被層用の塗液が、ロール15と16のニツプ間に
着色層用の塗液が加えられる。塗被層は表裏とも
2〜6g/m2である。 以上、パルプ成分として晒化学パルプを用いて
原紙を構成したカバーシート用片面着色紙につい
て説明したが、本考案の技術的思想は機械パルプ
を用いる中質紙系カバーシート用片面着色紙につ
いても適用できる。中質紙ないし軽量コート中質
紙は商慣習上、白色度は定められていないが本考
案により裏うつりや滲み出しが抑制され、白色度
はすくなくとも原紙の水準を維持し、かつ不透明
度が95度以上のカバーシート用紙をうることがで
きる。なお、着色層を前記着色されたクレーコー
ト層にかえて、天然もしくは合成の被膜形成性高
分子物質を主体とし白色顔料が実質上混在しない
塗液に着色料を加えて塗工形成された着色層にす
ることもできる。この場合の塗被層は0.2〜4
g/m2の範囲で実施される。 たゞし着色されたクレーコート層の方が、着色
料が白色顔料中に分散ないし吸着されているので
裏うつり、滲み出し等の抑制作用が大きく一層好
ましい。 抄紙された片面着色紙は、スーパーカレンダー
などにより平滑仕上げをした後、本考案のカバー
シート用紙として用いる。即ち、製紙工程の後に
更に隠蔽処理を施す必要がないので、従来必要で
あつた手間や費用を省くことができる。なお、以
下の実施例においては、本考案を特定構造のシー
ル付郵便葉書に用いる場合について説明したが、
本考案はこれに限られるものではなくシール付郵
便葉書のカバーシート用紙として普遍的に用いう
るものである。 〔実施例〕 第1図に示した構造で裏面が紫色の片面着色紙
を次の手順で製造した。晒化学パルプ(LBKP90
部、NBKP10部の混合パルプ)を叩解度60°SRに
叩解した紙料に、常法により炭酸カルシウム填
料、サイズ剤、紙力増強剤などを加えて完成紙料
を調製した。抄紙機を所定の条件に調整して抄き
出して得た原紙の坪量は61.95g/m2、厚さ
94.1μm、不透明度87.1%、白色度85.5%であつ
た。抄紙機の乾燥部内に設置されたゲートロール
コーターにより片面着色紙を製造することゝし、
以下に示す塗液を調整した。
【表】
〔考案の効果〕
(1) 本考案の高隠蔽効果は白色顔料の不透明性と
着色料の光吸収性が結合した作用によるもので
あり不透明度が95%以上であれば葉書の記載は
隠蔽される。 (2) 着色層の塗設は、原紙の白色度を低下しやす
いが、原料の調整とゲートロール塗工によりそ
の実質的低下を防ぎ所望の白色度のものが得ら
れるので多色印刷可能な印刷適性が得られる。 (3) カバーシート用紙の製造が製紙工程にインラ
イン化されるから処理労力およびコストを著し
く低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のカバーシート用紙の拡大断面
図、第2図は本考案のカバーシート用紙を用いた
シール付郵便葉書の模式断面図、第3図はゲート
ロールコーターの配列状態を示す説明図である。 1……白色隠蔽性表面塗被層、2……原紙、3
……隠蔽性着色層、4……カバーシート用紙、5
……熱可塑性樹脂フイルム、6……カバーシー
ト、7……結合層、8……保護フイルム、9……
感圧接着剤、10……葉書、11,14……アツ
プリケーターロール、12,15……インナ−ロ
ール、13,16……アウターロール。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 葉書の裏面に剥離可能に結合されるカバーシ
    ートを有するシール付郵便葉書に用いられる前
    記カバーシートの用紙が、原紙の表面に白色顔
    料および被膜形成性高分子物質を主体とする白
    色隠蔽性表面塗被層を有し、裏面に白色顔料お
    よび被膜形成性高分子物質を主体とする塗液に
    着色料を加えて塗工形成された隠蔽性着色層を
    有する片面着色紙であつて、前記白色隠蔽性表
    面塗被層面を光源に対向させて測定した不透明
    度が95%以上でかつ白色度が80%以上であるこ
    とを特徴とするシール付郵便葉書のカバーシー
    ト用紙。 (2) 白色隠蔽性表面塗被層および隠蔽性着色層が
    ゲートロール型コーターにより塗工されたもの
    である実用新案登録請求の範囲第1項記載のシ
    ール付郵便葉書のカバーシート用紙。
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