JP4623772B2 - 完全不透明度紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、60%以上の高い白色度を有しているにもかかわらず、低坪量で不透明度が100%の完全不透明度紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙の特性の一つに不透明度がある。紙はその材料であるセルロース繊維が複雑に絡み合った三次元のシート状の構造となっているために、紙に入射した光は複雑な反射と屈折を繰り返し、紙と同じようなシート状物である高分子フィルムと比較するとはるかに不透明度が高いことが特徴である。印刷を表裏に施す用途の紙においては、不透明度が低いと表面に印刷された文字などが裏面に透けて見えてしまうので、不透明度は特に重要な特性となっている。
【0003】
本発明で用いる「不透明度」とは、JIS P−8138に規定する不透明度を意味する。即ち、試料に所定の白色及び黒色標準板の裏当てをし、所定の緑色のフィルターを用いてそれぞれの反射率を測定し、前者に対する後者の比を%で表したものをいい、100%を示すものを「完全不透明度紙」としている。
【0004】
また、本発明で用いる「白色度」とは、JIS P−8123に規定する白色度を意味する。即ち、457nmの光で照射したときの試料の標準板(酸化マグネシウム板)に対する比反射率を意味する。
【0005】
表1に印刷を施す紙の代表的な例を挙げ、その坪量、不透明度、白色度を掲げる(昭和57年中外産業調査会発行「製紙科学」、535頁から抜粋)。
【0006】
【表1】
Figure 0004623772
【0007】
紙の不透明度を高めるためには、坪量を大きくすること、二酸化チタン粉末のような屈折率の大きな填料を抄紙時に併用(内添)すること、紙の表面にカオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン粉末のような屈折率の大きな無機粉末とバインダーを主成分とした塗料を塗工すること等の手段が採られていた。この技術は、白色か白色に近い色を紙に要求される場合に多く採用されている。
【0008】
表1に示した紙のうち、最も高い不透明度(98.8%)を有した未晒クラフト紙でも、片面に文字などを印刷したのち、強い光にかざして裏面から見ると表面に印刷された文字などの輪郭が見えてしまうので完全な不透明度紙とは言えない。
【0009】
一方、紙の表面に入射した光を吸収することでも不透明度を高めることができる。これを達成するには、光吸収性に優れた黒色の、例えばカーボン粉末を紙に内添することや、紙の表面にカーボン粉末と接着剤を主成分とする塗料を塗工すればよい。写真用フィルムやレントゲン用フィルムの感光を防ぐために使用され遮光紙はこのようにして製造され、この場合の不透明度は100%の「完全不透明度」が要求される。
【0010】
また、紙の白色度を高めるためには、紙の原料として使用するパルプに白色度の高い晒しパルプを使用すること、白色度の高いクレイ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン粉末等の填料を内添すること、紙の表面にカオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン粉末のような白色度の高い無機粉末とバインダーからなる塗料を塗工すること等の手段が採られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
坪量90〜250g/m2の紙で、この両方の性質、即ち100%の完全不透明度を達成し、かつ白色度も高い紙を製造することは特殊な技術を使用しないと製造できなかった。これを実現した一例として、アルミ箔やアルミ蒸着フィルムの両面に白色度の高い紙を貼合した完全不透明度紙が製造されている。この例ではアルミ箔やアルミ蒸着層が光の遮断層と反射層として機能し、高い白色度を保ち、かつ不透明度100%を達成している。
【0012】
前記アルミ箔の貼合は、アルミ箔が高価であること、アルミ箔の貼合には接着剤を用いる必要があるので工程が複雑となること、故紙から製紙用繊維の回収が困難であるため焼却処理を行うが、この焼却処理時にアルミ箔が焼却されずに残る等の環境上の問題点があり、蒸着フィルムの貼合では焼却処理に炉を傷めること、有害なガスを発生すること等の問題があった。
【0013】
本発明はこれらの問題点を解決することを課題とする。即ち、坪量が低くても高い白色度を保ち、かつ不透明度100%の完全不透明度紙を得ることを課題とする。さらには、必要に応じて古紙処理も容易な完全不透明度紙を得ることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決することを目的に鋭意検討の結果、本発明を完成させた。図1に示した本発明の完全不透明度紙の一例を示す一部拡大断面図を参照して述べるならば、本発明は、2枚の原紙(1a、1b)を抄造し、次いでこれら原紙(1a、1b)の各々の表面に白色顔料塗工層(2a、2b)を塗工した後に、一方の上記白色顔料塗工層の上に、黒色、黒灰色、黒青色又は黒褐色の染料及び/又は顔料と接着剤を主成分とする接着剤層(3)を塗工し、当該接着剤層(3)を介して上記白色顔料塗工層同士を貼合すことにより、JIS P−8138で規定する不透明度が100%であり、JIS P−8123で規定する白色度が60%以上である坪量90〜250g/mの完全不透明度紙を得てなり、かつ上記接着剤として、水系の接着剤であるポリ酢酸ビニルエマルジョン、澱粉若しくはポリビニルアルコール、またはポリウレタン樹脂を有機溶剤に溶解させた接着剤、またはホットメルト接着剤であるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、または溶融押し出し貼合において溶融されるポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を用いることを特徴とする完全不透明度紙の製造方法である。本発明においては、白色顔料塗工層(2a)(2b)が高不透明度の塗工層を構成し、黒色、黒灰色、黒青色又は黒褐色の染料/又は顔料と接着剤を主成分とする接着剤層(3)が光吸収性に優れた層を構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる原紙1a,1bを抄造するに際しては、原料パルプとして針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、などの木材パルプを主体とし、これに必要に応じて、麻、竹、ワラ、ケナフ等の非木材パルプを併用することができる。これらの原料パルプに必要に応じてクレー、カオリン、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム粉末等の内添用填料を加え、さらにロジンサイズ剤等のサイズ剤、ポリアクリルアミド等の乾燥紙力増強剤、ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリンやメラミン樹脂等の湿潤紙力増強剤、硫酸バンド等の定着剤等の製紙用副資材を適宜添加して紙料を調製し、一般的にはフリーネス300〜500mlC.S.F.で円網抄紙機、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の抄紙機を使用して常法に従い、通常坪量25〜100g/m2の原紙を抄造する。
【0016】
なお必要に応じて、原紙の紙面強度を向上させるために、原紙の抄紙段階の途中でサイズプレス装置等によって、スチレン系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、アルキルケテンダイマー、澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化グアーガム、リン酸化グアーガム、酸化グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の薬品を表面に塗工してもよい。また、ビルブレードコーター等を使用して微塗工紙に使用される塗料を数g/m2塗工することも適宜行うことができる。
【0017】
本発明の高不透明度の白色の塗工層2a,2bは、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム粉末等の周知の白色の塗工用粉末の1種類以上と、スチレン・ブタジエンラテックス、メチルメタクリレート・ブタジエンラテックス、澱粉、ポリビニルアルコール等の周知の接着剤の1種類以上を主体とし、これらに分散剤、耐水化剤、防腐剤、防かび剤、等の塗工用の副資材を適宜併用して塗料を調製し、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター等の周知のコーターを使用して前記原紙の表面に塗工することで得られる。
【0018】
白色の塗工用粉末としては、不透明性を与える効果が大きいので本発明では二酸化チタン粉末を使用することが特に好ましい。また故紙からの製紙用繊維の回収を考慮すると接着剤には澱粉やポリビニルアルコール等の水溶性の接着剤を使用することが特に好ましい。塗工用粉末に対する接着剤の添加割合は通常粉末100重量部に対して10〜30重量部である。またこの塗工層の塗工量は通常5〜25g/m2である。
【0019】
本発明の高不透明度の白色顔料塗工層2a,2bは、上記した以外の方法でも形成することができる。即ち、二酸化チタン粉末を添加したポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂を溶融押し出し塗工機を用いて原紙の表面に塗工することができる。この場合の樹脂に対する二酸化チタン粉末の添加量は通常10〜20重量%である。
【0020】
本発明の光吸収性に優れた層は、光吸収性に優れた着色染料及び/又は着色顔料と接着剤を主成分として構成される。光吸収性に優れた着色染料としては、黒色、黒灰色、黒青色、黒褐色等の明度の低い直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等の周知の染料を使用できる。また、光吸収性に優れた着色顔料としては、同じく明度の低い、レーキ顔料、トーナー顔料等の有機顔料、紺青、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料が使用できる。最も効果の大きなものは黒色の染顔料であり、黒色の染料、アニリンブラックやカーボンブラックが好ましく使用される。本発明においては、これらの染料や顔料の単独あるいは2種類以上を使用するが、その接着剤に対する添加量は通常数重量%〜30重量%である。
【0021】
本発明において、高不透明度の白色顔料塗工層2aを表面に設けた原紙1aと、高不透明度の白色顔料塗工層2bを表面に設けた原紙1bとを、光吸収性に優れた層3を介して積層させるには、まず、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、澱粉、ポリビニルアルコール等の水系の接着剤に前記した光吸収性に優れた着色染料や着色顔料を添加した塗料を調製し、貼合機を使用して高不透明度の白色顔料塗工層2a又は2bの上に塗工してからこの層を介して白色顔料塗工層同士を貼合し、ついで乾燥させる。この際、故紙からの製紙用繊維の回収を考慮すると接着剤として澱粉、ポリビニルアルコールなどの水溶性の接着剤を使用することが好ましい。光吸収性に優れた層は通常2〜10g/m2形成する。
【0022】
あるいは、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を有機溶剤に溶解させて、必要に応じてイソシアネート樹脂等の硬化剤を添加し、前記した光吸収性に優れた着色染料及び/又は着色顔料を添加した塗料を調製し、貼合機を使用して高不透明度の白色顔料塗工層2a又は2bの上に塗工してから白色顔料塗工層同士を貼合し、ついで乾燥させる。この際、塗料が高不透明度の白色顔料塗工層に浸透し易い場合には、白色顔料塗工層の上にさらに溶剤の浸透を防止する塗工層を設けることも適宜行うことができる。
【0023】
あるいは、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等のホットメルト接着剤を溶融させてから光吸収性に優れた着色染料及び/又は着色顔料を添加した塗料を調製し、ホットメルト型の貼合機を使用して高不透明度の白色顔料塗工層2a又は2bの上に塗工してからこの層を介して白色顔料塗工層同士を貼合する。
【0024】
あるいは、光吸収性に優れた着色染料及び/又は着色顔料を添加したポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用して溶融押し出し貼合機(イクストルージョンラミネーター)で高不透明度の白色顔料塗工層2a又は2bの上に塗工してからこの層を介して白色顔料塗工層同士を貼合する。
【0025】
あるいは、原紙1aの表面に高不透明度の白色顔料塗工層2aを設け、この高不透明度の白色顔料塗工層の上に、光吸収性に優れた染料及び/又は顔料とスチレン・ブタジエンラテックス、メチルメタクリレート・ブタジエンラテックス、澱粉、ポリビニルアルコール等の周知の接着剤の1種類以上を主体とした塗工液を調製し、これをエアナイフコーター、ロールコーター、グラビアコーター等の周知のコーターを使用して塗工しこの層を介して、原紙1bの表面設けた高不透明度の白色顔料塗工層2bを貼合する。
【0026】
本発明においては、原紙1a、1bの表面に設けた高不透明度の白色顔料塗工層2a、2bの反対側の面に、さらに白色度を高める目的で白色顔料塗工層を設けることもできる。この塗工層は基本的には前記した高不透明度の白色顔料塗工層の処方と同じであるが、特に高白色度を要求する場合には高白色度の塗工用粉末を使用する。こうすることで白色度をさらに向上できると共に、印刷適正の向上も期待できる。
【0027】
本発明ではさらに、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂層や、ワックス、シリコン樹脂等の撥水剤層を設けることもできる。この層は前記高白色度の白色顔料塗工層の上に設けても原紙表面に直接設けてもよい。こうすることで、その特性を生かして光遮断性を要求される食品の包装材としての用途が期待できる。
【0028】
本発明において、高不透明度の白色顔料塗工層2aを表面に設けた原紙1aと、別に準備した、高不透明度の白色顔料塗工層2bを表面に設けた原紙1bとを、光吸収性に優れた層3を介して積層するに際しては、同一坪量の原紙や同一塗工量の高不透明度の白色顔料塗工層を光吸収性に優れた接着剤層3を介して積層しても、あるいは原紙の坪量や高不透明度の白色顔料塗工層の塗工量をそれぞれ変化させて光吸収性に優れた接着剤層を介して積層してもよい。
【0029】
【実施例】
以下実施例を述べるが、重量部、重量%は乾燥重量換算の値を意味する。
原紙の製造
NBKP30重量部、LBKP70重量部をフリーネス430mlC.S.F.に調製し、これに二酸化チタン粉末1重量部、カオリン3重量部、紙力増強剤(商品名「ポリアクロン」、ミサワセラミックス(株)製造)0.4重量部、サイズ剤(商品名「サイズパインE」、荒川化学工業(株)製造)0.8重量部、硫酸バンド5重量部を加えて、長網抄紙機を使用して原紙を抄造した。
【0030】
高不透明度の白色顔料塗工液の調製と塗工
二酸化チタン粉末250重量部、分散剤5重量部、水360重量部を分散機で処理した後、これにバインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名「ポリラック750」、三井化学(株)製造)を50重量部加えて白色顔料塗工液を調製した。この塗工液をエアナイフコーターを使用して原紙の片面に塗工して高不透明度の白色顔料塗工層を形成した。
【0031】
光吸収性に優れた接着剤塗工液の調製
カーボン粉末10重量部に接着剤としてウレタン樹脂(商品名「タケラックA−975」、武田薬品工業(株)製造)40重量部を加えて分散した後に、イソシアネート硬化剤(商品名「タケネートA3」、武田薬品工業(株)製造)3.5重量部、酢酸エチル140重量部を加えて接着剤塗工液を調製した。
【0032】
貼合せ
原紙に形成した高不透明度の白色顔料塗工層上に前記光吸収性に優れた接着剤塗工液をグラビアコーターラミネーターを使用して塗工し、乾燥ゾーンで溶剤を揮発させた後に、前記方法を用いて別に準備した高白色度の白色顔料塗工層を形成した原紙を繰り出し、コンバイナーロール部分で高不透明度の白色顔料塗工層面を貼合した(この方法はいわゆる「ドライラミネート法」による貼合方法である)。
【0033】
実施例1〜実施例9、及び比較例1〜2
原紙、高不透明度の白色顔料塗工層、光吸収性に優れた接着剤塗工層の構成比率を表2に示したように変化させて前記方法で製造した紙の坪量、白色度、不透明度を測定した結果を表2に示した。
【0034】
実施例1〜9で得られた完全不透明度紙を水と共に強力な剪断力のもと(装置としてパルパーを使用)で処理し、得られたスラリーを「黄板紙」抄造用のスラリーに5重量%して使用したが、特に問題は生じなかった。一方、比較例として示さなかったがアルミ箔を貼合したタイプの完全不透明度紙はパルパーで処理すると剪断されたアルミ箔の塊が混入するという致命的な問題点を生じた。また、実施例としては示さなかったが、高不透明度の白色顔料塗工層と光吸収性に優れた接着剤層に使用する接着剤として澱粉を使用した例では(この例では接着剤塗工後直ちに貼合し、乾燥ゾーンで乾燥する)、パルパーによる処理時間を大幅に短縮できた。
【0035】
【表2】
Figure 0004623772
【0036】
表2から明らかのように、実施例1〜9で得られた紙はいずれも60%以上の白色度と100%の完全不透明度を達成している。比較例1は各実施例と同一の紙料組成で抄造した坪量250g/m2の原紙の例であるが、白色度は60%以上の値を示すのに関わらず、不透明度は、表1に掲げた未晒しクラフト紙の値より劣り、完全不透明度となっていなことが判る。
【0037】
さらに比較例2は、比較例1の原紙(坪量125g/m2)を白色顔料塗工層を設けずに、光吸収性に優れた接着剤層を介して貼合した例であるが、本発明の目的とする坪量を越えてしまうことが判る。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の完全不透明度紙は構成され、下記に述べるような効果を有する。
1)低い坪量を有するにも関わらず、高い白色度を有した完全不透明度紙を得ることができる。
2)高不透明度の白色顔料塗工層と光吸収性に優れた接着剤層に使用する接着剤に水溶性の接着剤を使用することにより、損紙や故紙から製紙用繊維の回収が容易に出来る構成とすることができる。
3)アルミ箔を貼合した従来の完全不透明度紙と比較して、焼却処理時にアルミ箔が燃焼せずに残ることがないので焼却処理も容易である。
4)必要に応じて、印刷適正付与層、撥水層等を容易に設けることができる。
5)このような特徴を生かして、本発明の完全不透明度紙は、遮光紙、食品包装材、食品容器、スクラッチ方式のクジ(当たりはずれを印刷した上に設けたアルミ粉印刷部分を爪などでこすり取り、当たりはずれを判定する方式)用紙等の用途に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の完全不透明度紙の断面を示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 原紙
2a,2b 高不透明度の白色顔料塗工層
3 光吸収性に優れた層

Claims (3)

  1. 2枚の原紙(1a、1b)を抄造し、次いでこれら原紙(1a、1b)の各々の表面に白色顔料塗工層(2a、2b)を塗工した後に、一方の上記白色顔料塗工層の上に、黒色、黒灰色、黒青色又は黒褐色の染料及び/又は顔料と接着剤を主成分とする接着剤層(3)を塗工し、当該接着剤層(3)を介して上記白色顔料塗工層同士を貼合すことにより、JIS P−8138で規定する不透明度が100%であり、JIS P−8123で規定する白色度が60%以上である坪量90〜250g/mの完全不透明度紙を得てなり、かつ上記接着剤として、水系の接着剤であるポリ酢酸ビニルエマルジョン、澱粉若しくはポリビニルアルコール、またはポリウレタン樹脂を有機溶剤に溶解させた接着剤、またはホットメルト接着剤であるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、または溶融押し出し貼合において溶融されるポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を用いることを特徴とする完全不透明度紙の製造方法。
  2. 前記白色顔料塗工層が二酸化チタン粉末と接着剤を主成分とする層であることを特徴とする請求項1記載の完全不透明度紙の製造方法。
  3. 前記白色顔料塗工層が二酸化チタン粉末と水溶性の接着剤を主成分とする層であり、かつ前記接着剤層が黒色、黒灰色、黒青色又は黒褐色の染料及び/又は顔料と水溶性の接着剤を主成分とする接着剤層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の完全不透明度紙の製造方法。
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