JPH054760Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は例えば自動車のシートに適用される
可動式アームレストに関する。

（従来の技術） 例えば自動車のシートとして、リクライニング
式のシートバツクの両側部にアームレストを取付
けたものがある。アームレストはシートクツシヨ
ンに対してほぼ平行な水平状態に保持して使用す
るものであるが、アームレストがシートクツシヨ
ンとほぼ平行に配置したままであると、着座者が
シートに対して乗降する際にそのアームレストが
邪魔となつてしまい、またリクライニング式のシ
ートバツクが後傾した際にアームレストがシート
バツクと一体に移動してその先端側が上方を向く
ように傾斜してしまう不都合があり、そこで実開
昭61−52955号に見られるように、アームレスト
を上下方向に回動が可能な可動式に構成し、着座
者がシートに対して乗降する際にアームレストを
上方に回動してシートバツクの側部に沿うように
起立させてその乗降を円滑に行なえるようにし、
またシートバツクを後傾させた場合にアームレス
トを回動してシートクツシヨンとほぼ平行な水平
状態に配置するように調整し得るようにしたもの
が知られている。すなわちこのものは、アームレ
ストの先端部に操作ハンドルが設けられ、この操
作ハンドルを押圧操作するとシートバツクに対す
るアームレストのロツクが外れ、このようなロツ
クの解除によりアームレストを任意に回動し得る
ものである。

（考案が解決しようとする問題点） ところがこの従来の可動式アームレストにおい
ては、アームレストを上下のいずれの方向に回動
する際にも、いちいち操作ハンドルを押圧操作し
なければならないという面倒で煩わしい点があ
る。この考案はこのような問題点の解決を目的と
したものである。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） この考案は上述のような問題点を解決するため
に、シートバツクフレームに取付けられた断面円
形の固定軸と、この固定軸を介して回動自在に支
持されたアームレストフレームと、前記固定軸の
周面とその上方のアームレストフレームの上壁面
との間の隙間に対向して設けられかつその隙間の
幅よりも外径が僅かに大きい摩擦ローラと、この
摩擦ローラを遊動自在に保持しかつ一端がアーム
レストフレームの外部に臨んだ操作体と、この操
作体を一方向に弾性的に付勢して前記摩擦ローラ
を前記隙間内に進入する方向に移行させて該摩擦
ローラの周面を前記固定軸の周面およびアームレ
ストフレームの上壁面に接触させたスプリングと
を具備するようにしたものである。

（作用） 第１図ａに示すように、通常時においては、ス
プリング１８の付勢力で摩擦ローラ１５が隙間ａ
内に食い込むように押圧されてアームレストフレ
ーム５の上壁面５ａの内面および固定軸６の周面
に圧接しており、この状態でアームレストフレー
ム５を反時計方向（下方）に回動しようとする
と、その荷重で摩擦ローラ１５と固定軸６との摩
擦力がさらに増大し、この摩擦力でアームレスト
フレーム５の反時計方向の回動が阻止され、つま
りアームレストフレーム５がロツクされ、したが
つて反時計方向に回動せず、例えば水平に配置し
たままの状態に保たれる。

これに対し、アームレストフレーム５を時計方
向（上方）に回転しようとした場合には、その動
きを阻止するような力が働くことがないから、ア
ームレストフレーム５を時計方向に自由に回動す
ることができる。

一方、アームレストフレーム５を反時計方向に
回動する場合には、第１図ｂに示すように、操作
体１０をスプリング１８の付勢力に抗してアーム
レストフレーム５の先方側に引張る。これに伴
い、摩擦ローラ１５が保持部１２と一体的に隙間
ａから遠ざかる方向に移行してアームレストフレ
ーム５の上壁面５ａの内面から離間し、これによ
りアームレストフレーム５のロツクが解除され、
したがつてこの状態においてアームレストフレー
ム５を反時計方向に無段階に回動することができ
る。

このようにしてアームレストフレーム５が所定
の位置に配置したのちに操作体１０を解放する
と、この操作体１０がスプリング１８の付勢力で
右方向に移動し、これに伴い摩擦ローラ１５が隙
間ａ内に食い込むように移行してこの摩擦ローラ
１５の周面がアームレストフレーム５の上壁面５
ａの内面および固定軸６の周面に圧接し、これに
よりアームレストフレーム５が再びロツクされ、
アームレストフレーム５がその位置に保持され
る。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

第３図にシートの全体の外観を示し、１がシー
トクツシヨン、２がリクライニング式のシートバ
ツク、３が可動式のアームレストである。

シートバツク２およびアームレスト３は、第１
図および第２図に示すように、内部にその芯材で
あるシートバツクフレーム４およびアームレスト
フレーム５を有し、シートバツクフレーム４の側
部に固定軸６が例えばねじ込みにより固着され、
この固定軸６を介してアームレストフレーム５が
上下に回動自在に支持されている。固定軸６は断
面が円形で、この固定軸６の周面の上方にアーム
レストフレーム５の上壁面５ａが離間して対向
し、その対向間に隙間ａが確保されている。

アームレストフレーム５の上壁面５ａには、そ
の下面側に切起しによる支持片８およびストツパ
片９が形成されている。そして支持片８とアーム
レストフレーム５の先端壁との間に比較的径の太
いヤイヤからなる操作体１０がアームレストフレ
ーム５の長手方向に沿つて摺動自在に掛け渡され
ている。その操作体１０は一端に摘み１１を有
し、この摘み１１がアームレストフレーム５の先
端壁の外部に臨んでいる。またこの操作体１０の
他端には保持部１２が設けられ、この保持部１２
は操作体１０のワイヤを矩形の環状に折曲し、か
つその環状部分の一側縁下部に斜めに傾斜する一
対のサポート１３，１３を取付けてなる。そして
この保持部１２の内部に摩擦ローラ１５が遊動自
在に収容され、この摩擦ローラ１５が前記隙間ａ
に対向するように配置している。この摩擦ローラ
１５は例えば合成樹脂により外径が前記隙間ａの
幅よりも僅かに大きい円柱状に形成され、かつ周
面には摩擦力を増大させるために粗面化処理が施
されている。

操作体１０にはワツシヤ１７が掛着され、この
ワツシヤ１７と前記支持片８との間にスプリング
１８が装着され、このスプリング１８により操作
体１０が固定軸６の配置側方向に弾性的に付勢さ
れている。そしてこの付勢力により、摩擦ローラ
１５が隙間ａ内に楔のごとく食い込むように押圧
され、この押圧力で摩擦ローラ１５の周面がアー
ムレストフレーム５の上壁面５ａの内面および固
定軸６の周面にそれぞれ一定の摩擦力で接触して
いる。

次に、作用について述べる。

第１図ａに示すように、通常時においては、ス
プリング１８の付勢力で摩擦ローラが隙間ａ内に
食い込むように押圧されてアームレストフレーム
５の上壁面５ａの内面および固定軸６の周面に圧
接しており、この状態でアームレストフレーム５
を反時計方向（下方）に回動しようとすると、そ
の荷重で摩擦ローラ１５と固定軸６との摩擦力が
さらに増大し、この摩擦力でアームレストフレー
ム５の反時計方向の回動が阻止され、つまりアー
ムレストフレーム５がロツクされ、したがつて反
時計方向に回動せず、例えば水平に配置したまま
の状態に保たれる。

これに対し、アームレストフレーム５を時計方
向（上方）に回動しようとした場合には、その動
きを阻止するような力が働くことがないから、ア
ームレストフレーム５を時計方向に自由に回動す
ることができる。

一方、アームレストフレーム５を反時計方向に
回動する場合には、第１図ｂに示すように、摘み
１１を摘んで操作体１０をスプリング１８の付勢
力に抗してアームレストフレーム５の先方側に引
張る。これに伴い、摩擦ローラ１５が保持部１２
と一体的に隙間ａから遠ざかる方向に移行してア
ームレストフレーム５の上壁面５ａの内面から離
間し、これによりアームレストフレーム５のロツ
クが解除され、したがつてこの状態においてアー
ムレストフレーム５を反時計方向に無段階に回動
することができる。なお、保持部１２の移動範囲
はこの保持部１２がストツパ片９に当接すること
により一定範囲に規制され、この規制により保持
部１２に対する摩擦ローラ１５の離脱が防止され
る。

このようにしてアームレストフレーム５が所定
の位置に配置したのちに操作体１０の摘み１１か
ら手を離すと、この操作体１０がスプリング１８
の付勢力で右方向に移動し、これに伴い摩擦ロー
ラ１５が隙間ａ内に食い込むように移行してこの
摩擦ローラ１５の周面がアームレストフレーム５
の上壁面５ａの内面および固定軸６の周面に圧接
し、これによりアームレストフレーム５が再びロ
ツクされ、アームレストフレーム５がその位置に
保持される。

このようにアームレストフレーム５を上方に回
動してシートバツクフレーム４の側部に沿うよう
に起立させる際には、アームレストフレーム５に
対するロツクを解除することなくそのまま回動で
き、アームレストフレーム５を下方に回動してシ
ートクツシヨン１とほぼ平行な水平状態に配置さ
せる際にのみアームレストフレーム５に対するロ
ツクを解除するだけでよく、したがつて操作が簡
単で能率的に取扱うことができる。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案によれば、アーム
レストフレームを下方に回動する際にのみそのロ
ツクを解除するだけでよいから、アームレストフ
レームの操作を容易に能率的に行なうことができ
るという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す要部の断面
図、第２図は同じく斜視図、第３図は同じくシー
ト全体の斜視図である。 ５……アームレストフレーム、６……固定軸、
１０……操作体、１２……保持部、１５……摩擦
ローラ、１８……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクフレームに取付けられた断面円形
   の固定軸と、この固定軸を介して回動自在に支持
   されたアームレストフレームと、前記固定軸の周
   面とその上方のアームレストフレームの上壁面と
   の間の隙間に対向して設けられかつその隙間の幅
   よりも外径が僅かに大きい摩擦ローラと、この摩
   擦ローラを遊動自在に保持しかつ一端がアームレ
   ストフレームの外部に臨んだ操作体と、この操作
   体を一方向に弾性的に付勢して前記摩擦ローラを
   前記隙間内に進入する方向に移行させて該摩擦ロ
   ーラの周面を前記固定軸の周面およびアームレス
   トフレームの上壁面に接触させたスプリングとを
   具備したことを特徴とするシートの可動式アーム
   レスト。