JPH0546873U

JPH0546873U - スクラップ用グラップル

Info

Publication number: JPH0546873U
Application number: JP10645591U
Authority: JP
Inventors: 可明高倉
Original assignee: 可明高倉
Priority date: 1991-12-02
Filing date: 1991-12-02
Publication date: 1993-06-22

Abstract

(57)【要約】【目的】比較的大きなスクラップから細かい鉄屑まで
を積み降しすることができるスクラップ用グラップルを
提供する。【構成】握開自在の複数の爪を備え、スクラップの上
げ降し作業等を行うスクラップ用グラップルであって、
前記爪がグラップル基底面より上方位置まで展開可能な
爪からなるとともに、グラップル基底部に磁石を設けた
ことを特徴とする。さらに、伸縮自在のブームを備えた
クレーンのブーム先端部に前記グラップルを設けたもの
を開示する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スクラップの上げ降し作業等を行うスクラップ用グラップルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車スクラップ等は、一般に集積場に集められ解体された後、該集積場からトラックにより処分場に運搬され廃棄されたり、或いは集積場から処理場に運搬されて鉄屑として再利用される。ここで前記解体されたスクラップである廃エンジン等の鉄屑を集積場においてトラックに積み込んだり、或いは処理場、処分場においてトラックから降したりするには、鉄屑を掴む握開自在の複数の爪を備えたグラップルをアームの先端部に有するクレーンや、同じく鉄屑を掴むペンチ状の作業具をアームの先端部に備えた作業機械等が使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記のような従来のスクラップの積み降し作業機械にあっては次のような問題があり解決が望まれていた。すなわち、前記鉄屑を掴む握開自在のグラップルを備えた作業機械にあっては、比較的大きな鉄屑を積み降しした後に残る細かい鉄屑を掴むことができないため、鉄屑を最後まで残らず積み降しすることができず、一方、ペンチ状の作業具を備えたものにあっては、前記グラップルを備えたものとは異なり細かい鉄屑を掴むことはできるものの、一度に多くの鉄屑を掴むことができず、積み降し作業の能率が著しく悪くなることである。

【０００４】本考案は、かかる従来の作業機械における問題を解決するものであり、完全且つ効率的なスクラップの積み降し作業等を行うことができるスクラップ用グラップルを得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成すべく、本願請求項１に記載の考案に係るスクラップ用グラップルは、握開自在の複数の爪を備え、スクラップの上げ降し作業等を行うスクラップ用グラップルであって、前記爪がグラップル基底面より上方位置まで展開可能な爪からなるとともに、グラップル基底部に磁石を設けたことを特徴とするものである。

【０００６】また、請求項２に記載の考案に係るスクラップ用クレーンは、伸縮自在のブームを備えたクレーンのブーム先端部に前記請求項１に記載のスクラップ用グラップルを設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案において、前記グラップルに設けられる複数の爪は、握開自在に構成されており、これにより作業対象であるスクラップを掴むことができる。また、該グラップルの基底部には磁石が設置されており、これによりスクラップを吸着することが可能である。さらに、前記グラップルに備えられた複数の爪は、グラップル基底面より上方位置まで展開可能に構成されており、これにより前記磁石による吸着作業を容易に行うことができる。

【０００８】本考案に係るグラップルによるスクラップの積み降し作業は、先ず前記握開自在に構成された複数の爪を使用することにより比較的大きなスクラップの積み降しを行う。そして該大きなスクラップの積み降し作業が完了した後、前記爪をグラップル基底面より上方位置まで展開させることにより前記磁石を露出させ、該磁石により、最後に残った細かいスクラップを吸着させて積み降しを行い、スクラップの積み降し作業を完了する。以上のように本考案に係るグラップルを用いることによりスクラップを効率的に残らず積み降しすることができる。

【０００９】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に基き説明する。図１は本考案の一実施例に係るスクラップ用クレーンの構成を示す概略図であり、図２は該クレーンに備えられたグラップルの構成を示す概略図である。図１に示すように本実施例に係るスクラップ用クレーンは、移動式クレーンのブーム先端部にスクラップを掴むグラップルを取り付けたもので、クレーンの基台部は移動手段としてゴムタイヤを備えた車両１０からなり、該車両上にブーム６、７、８、該ブームを起伏させる起伏シリンダ１１、および前記ブームやグラップルを操作する操作キャビン１２が設置されている。

【００１０】前記ブームは、第１段ブーム６、第２段ブーム７、第３段ブーム８とからなり、伸縮自在に構成されている。第３段ブーム８の先端には先端ロッド５が接続されており、さらに該ロッドの先端部にグラップル１が取り付けられている。このように本実施例では、伸縮自在のブームからなるクレーンにグラップルが取り付けられているため、集積場で山積みにされ、高い位置にあるスクラップに対しても作業を行うことができる。なお、先端ロッド５は車両移動時などの非作業時には折り畳まれ、クランプ金具９によりブームに固定される。

【００１１】また、前記グラップル１には４本の爪２が設けられており、各々の爪は各爪の根本部に設置されたシリンダ４により握開自在とされており、これによりスクラップを掴むことができる。さらに、グラップル基底部には電磁石３が設置されており、この電磁石により前記グラップルの爪２で掴むことができない細かい鉄屑を吸引して積み降しを行うことが可能となる。すなわち、前記各爪２は、図２に示すように、電磁石が設置されているグラップル基底面より上方位置まで展開可能に構成されており、前記細かい鉄屑の積み降し作業を行う際には同図のようにグラップルの爪２をグラップル基底面より上方位置まで開いて電磁石３を露出させ、該電磁石により鉄屑の吸引を行う。なお、該電磁石には車両又は外部から電力を供給する。

【００１２】また、本実施例のグラップルでは、前記電磁石がグラップルの基底部に配設されているため、前記グラップル爪によるスクラップの積み降し作業の際にも該電磁石が作業の邪魔になることがなく、又破損もし難い。

【００１３】なお、本実施例では、前記グラップルをゴムタイヤを備えた移動式のクレーン車に設置したが、このほか、キャタピラ式クレーン車等の他の移動式クレーンや、塔型クレーンやケーブルクレーン等の固定式クレーンに取り付けることも可能である。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は以上説明したとおり、握開自在の複数の爪を備え、スクラップの上げ降し作業等を行うスクラップ用グラップルであって、前記爪がグラップル基底面より上方位置まで展開可能な爪からなるとともに、グラップル基底部に磁石を設けたため、比較的大きなスクラップから細かい鉄屑までを積み降しすることができ、完全且つ効率的なスクラップの積み降し作業を行うことができるとの効果を奏する。

【提出日】平成４年７月２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００８

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００８】本考案に係るグラップルによるスクラップの積み降し作業は、先ず前記握開自在に構成された複数の爪を使用することにより比較的大きなスクラップの積み降しを行なう。そしてこの大きなスクラップの積み降し作業が完了した後、前記爪をグラップル基底面より上方位置まで展開させることにより前記磁石を露出させる。その後、残りの比鮫的細かいスクラップを磁石に吸着させて積み降しを行なう。この場合、磁石としてはクレーン車などの電源装置から給電制御される電磁石とするのがよく、またグラップルの爪が磁性金属材からなるときは、爪が閉じた状態においても、或いは開いた状態においても磁石を任意に着磁できるようにして、磁石の磁束によって爪も着磁されるようにすれば、着磁した爪の先端によって狭い箇所に落ちている細かなスクラップまで吸着処理できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るスクラップ用クレーン
の構成を示す概略図である。

【図２】本考案の一実施例の要部であるグラップルの構
成を示す概略図である。

【符号の説明】

１グラップル２爪３電磁石４シリンダ５先端ロッド６第１段ブーム７第２段ブーム８第３段ブーム９クランプ金具１０クレーン車１１起伏シリンダ１２操作キャビン尚、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】握開自在の複数の爪を備え、スクラップ
の上げ降し作業等を行うスクラップ用グラップルであっ
て、前記爪がグラップル基底面より上方位置まで展開可能な
爪からなるとともに、グラップル基底部に磁石を設けたことを特徴とするスク
ラップ用グラップル。
【請求項２】伸縮自在のブームを備えたクレーンのブ
ーム先端部に前記請求項１に記載のスクラップ用グラッ
プルを設けたことを特徴とするスクラップ用クレーン。