JPH0546638U - 作業用走行台車の車輪移動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 あらゆるカーブのレールや、相互の間隔が変
化して、２本のレール間のゲージが変化しても、円滑か
つ安定して走行することができる作業用走行台車の車輪
移動装置を提供する。 【構成】 台車本体１の片側下部に車輪保持部材２が回
転自在に枢着されている。各車輪保持部材２には駆動輪
３が回転自在に取り付けられている。車輪保持部材２に
は電動モーター４が取り付けられていて、駆動輪３を回
転駆動するようになっている。スライドフレーム５は、
台車本体１の下側に設けられている複数のスライドロー
ラ６により、その長手軸方向（矢印Ｐ方向）にスライド
可能に支持されている。各スライドフレーム５の先端部
下側には、車輪保持部材７が回転自在に枢着さている。
各車輪保持部材７にも従動輪が回転自在に取付られてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、いろいろな曲率半径でカーブしたり、相互の間隔が変化す る２本のレール上を円滑かつ安定して走行することができる作業用走行台車の車 輪移動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、ビルの屋上等に敷設されたレール上を走行して、メンテナンス用のゴ ンドラを移動自在に吊設するための作業用走行台車がある。ところで、上記ビル の屋上等に敷設されるレールは、一般にカーブ（曲率半径）が急であったり、Ｓ 字状等の複雑なカーブを有するため、その上を走行する台車の車輪を円滑に追随 させるための工夫が必要である。

【０００３】 従来、この種の作業用走行台車には、例えば、図６に示すように、２本のレー ルＲの間に第３のガイドレールＲ′を敷設して、このガイドレールＲ′により台 車本体Ｓを案内せしめると共に、左右の車輪Ｗの巾や方向をレールに追随させる ようになっていた。

【０００４】 しかしながら、上記従来の作業用走行台車は、レールを３本敷設しなければな らないだけでなく、動力による走行が難しい等の問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とす るところは、あらゆるカーブのレールや、相互の間隔が変化して、２本のレール 間のゲージが変化しても、円滑かつ安定して走行することができる作業用走行台 車の車輪移動装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案の作業用走行台車の車輪移動装置は、２本のレール上を走行する台車本 体と、該台車本体の片側下部に取り付けられた第１車輪と、台車本体の下側にこ れを横断するように配置され、その長手軸方向にスライド可能なスライドフレー ムと、該スライドフレームの先端下部に取り付けられ、台車本体に対して上記第 １車輪とは反対側に配置された第２車輪から構成されている。上記第１車輪を駆 動輪とし、また上記第２車輪を従動輪とする。さらに、上記第１車輪を台車本体 の対角位置に配置したことも特徴とする。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面を参照しながら説明する。 図１において、１は台車本体であって、Ｃ型鋼やＨ型鋼等を枠組して構成され ている。該台車本体１の片側下部には、車輪保持部材２が垂直軸２ａにより回転 自在に枢着されている。

【０００８】 図１（Ｂ）から明らかなように、各車輪保持部材２には、例えば、２個の駆動 輪３が回転自在に取り付けられている。図１（Ｃ）からも明らかなように、上記 車輪保持部材２には電動モーター４が取り付けられていて、駆動輪３を回転駆動 するようになっている。ＲはＨ型鋼あるいはＩ型鋼のレールである。

【０００９】 ５はスライドフレームであって、図１（Ｃ）及び図２から明らかなように、上 記台車本体１の下側に設けられている複数のスライドローラ６により、その長手 軸方向（矢印Ｐ方向）にスライド可能に支持されている。

【００１０】 各スライドフレーム５の先端部下側には、車輪保持部材７が垂直軸７ａにより 回転自在に枢着さている。図３に示すように、各車輪保持部材７にも２個の従動 輪８が回転自在に取り付けられている。該従動輪８は、上記台車本体１に対して 上記駆動輪３とは反対側に位置する。

【００１１】 ９は固定用アームであって、上記台車本体１の４箇所の角（かど）部に、ピン ９ａを中心に回動自在に枢着されている。該固定用アーム９の先端部にはチャッ キング装置１０がピン１０ａを中心に首振り自在に取り付けられている。該チャ ッキング装置１０は、図４に示すように、Ｌ型の掛止め部１０ｂと締付けジャッ キ１０ｃと外れ止部１０ｄから構成されていて、レールＲのフランジ部を上下か ら挟んで、締付け固定するようになっている。尚、台車本体１が走行中に、上記 チャッキング装置１０をレールＲに追従させて、停止時に把持せしめるようにし てもよい。

【００１２】 本実施例の作業用走行台車は以上のように構成されているので、例えば、図５ に示すように、Ｘ位置からＹ位置に移動する場合、２本のレールＲ１、Ｒ２はＳ 字状にカーブしているので、台車本体１に対してレールのゲージは様々な状態に 変化する。この場合、台車本体１の片側に位置する駆動輪３は、レールＲ１の向 きの変化に追随する。一方、台車本体１の他側に位置する従動輪７は、上記スラ イドフレーム５をスライドさせると共に、該従動輪８の向きが変化することによ り、レールＲ２に追随する。

【００１３】 該台車本体１をクレーン等の作業台車として使用する場合には、該台車本体１ に設けた固定用アーム９を開いて、そのチャッキング装置１０をレールＲに把持 せしめ、該台車本体１を両レールＲ１、Ｒ２に固定する。本台車本体１は建物の 屋上に設置する以外に、例えば、トンネル工事中のトロッコ等の工事作業車や地 上での各種作業及び運搬に使用される作業台車として使用され、上記固定装置が 、これらの台車の転倒防止に役立つ。

【００１４】 上記実施例では、２個の駆動輪３を台車本体１の片側に配置したが、台車本体 １の対角位置に配置して、２個の従動輪８も、一方のスライドフレーム５を逆向 きにすることにより、対角位置に配置するようにしてもよい。

【００１５】 本発明装置は、２本のレールの巾が広がったり、狭くなったりして、ゲージが 変化する場合においても、円滑に走行させることができる。

【００１６】

【考案の効果】

１）急カーブやレール巾が変化しても、ゲージに追随させることができる。 ２）本装置は、建築中のビルの屋上に取り付けて、クレーンベースとして利用 し、竣工後は、ゴンドラ用の本設台車として使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は走行台車の平面図、（Ｂ）は（Ａ）の
矢視イ方向から見た断面図、（Ｃ）は（Ａ）のローロ線
に沿った断面図である。

【図２】図１（Ｃ）のハーハ線に沿った拡大断面図であ
る。

【図３】図１（Ａ）の矢視ニ方向から見た側面図であ
る。

【図４】チャッキング装置の構造説明図である。

【図５】走行作用説明図である。

【図６】従来の走行台車の説明図である。

【符号の説明】

１ 台車本体 ２ 車輪保持部材 ２ａ 垂直軸 ３ 駆動輪 ４ 電動モーター ５ スライドフレーム ６ スライドローラ ７ 車輪保持部材 ７ａ 垂直軸 ８ 従動輪 ９ 固定用アーム ９ａ ピン １０ チャッキング装置 １０ａ ピン １０ｂ 掛止め部 １０ｃ 締付けジャッキ １０ｄ 外れ止部 Ｒ レール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中島 敏男 神奈川県川崎市宮前区東有馬１−２−３− 202

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２本のレール上を走行する台車本体と、
   該台車本体の片側下部に取り付けられた第１車輪と、台
   車本体の下側にこれを横断するように配置され、その長
   手軸方向にスライド可能なスライドフレームと、該スラ
   イドフレームの先端下部に取り付けられ、台車本体に対
   して上記第１車輪とは反対側に配置された第２車輪から
   構成されていることを特徴とする作業用走行台車の車輪
   移動装置。
2. 【請求項２】 上記第１車輪が駆動輪であり、上記第２
   車輪が従動輪であることを特徴とする請求項１に記載の
   作業用走行台車の車輪移動装置。
3. 【請求項３】 上記第１車輪を台車本体の対角位置に配
   置したことを特徴とする請求項１または２に記載の作業
   用走行台車の車輪移動装置。