JPH0546588Y2

JPH0546588Y2 -

Info

Publication number: JPH0546588Y2
Application number: JP1987085518U
Authority: JP
Priority date: 1987-06-02
Filing date: 1987-06-02
Publication date: 1993-12-07
Anticipated expiration: 2002-06-02
Also published as: JPS63195057U

Description

【考案の詳細な説明】（技術分野）本考案は、コンクリートの打設空間を規定する
型枠用の堰板に関し、特に、打設されたコンクリ
ートからその表面に滲出した余剰水を前記コンク
リートの表面から除去する堰板に関する。

（従来技術）この種の型枠用堰板の一つとして、複数の水抜
き穴を有する面板と、該面板の前記打設空間の側
に配置され、前記コンクリート中の余剰水の通過
を許すが前記コンクリートの通過を阻止するフイ
ルタとを含むものがある。この堰板によれば、打
設されたコンクリートから滲出する余剰水が前記
フイルタおよび前記水抜き穴を経て打設空間の外
へ流出されるから、凝結したコンクリート表面の
緻密性、機械的強度、平滑度等の特性が高められ
る。

しかし、従来のこの種の堰板では、面板が木製
であるため、前記余剰水により面板がその表裏両
面から湿潤され、その結果面板が早期に腐食し、
堰板自体が早期に使用不能になる。

鋼製の面板を用いた堰板が実用に供されてい
る。しかし、前記フイルタを含む堰板の面板とし
て鋼製面板を用いると、フイルタに残存する前記
余剰水により前記面板の前記フイルタが配置され
る側の面に錆が発生しやすい。また、鋼製の面板
を用いると、堰板自体を変形させることができな
いため、円柱のように曲面を含むコンクリート構
造物を構築するための型枠に適用するときは、板
金加工等により面板を該面板が前記曲面に沿うよ
うに湾曲させるか、または、小面積の複数の面板
により曲面を形成しなければならず、型枠の製造
作業が面倒である。

（考案の目的）本考案は、面板の腐食および錆の発生がなく、
任意の曲面を規定する型枠に適用することができ
る堰板を提供することにある。

（考案の構成）本考案は、コンクリートの打設空間を規定する
型枠用の堰板に関し、複数の水抜き穴を有する面
板と、該面板の前記打設空間の側に配置され、前
記コンクリート中の余剰水の通過は許すが前記コ
ンクリートの通過は阻止するフイルタとを含み、
前記面板は樹脂で弾性変形可能に製造されかつ鋼
線のような線状の複数の補強材が埋め込まれてい
る。

（考案の効果）本考案によれば、面板が樹脂製であることか
ら、面板が腐食することはなく、また、面板に錆
が発生することはなく、従つて長命である。ま
た、面板が弾性変形可能であることから、堰板を
容易に湾曲させることができ、従つて、曲面を規
定する任意の型枠に適用することができる。さら
に、面板には鋼線のような線状の複数の補強材が
埋め込まれていることから、堰板の湾曲可能性を
損なうことなしに該堰板に打設コンクリートの側
圧に対抗するための剛性を付与することができ
る。

（実施例）以下、図面に示す本考案の実施例について説明
する。

第１図〜第４図に示す型枠１０は、補強用の枠
１２と、該枠１２に取り付けられた堰板１４とを
含む。枠１２は、図示の例では木製であり、堰板
１４は複数の釘１６により枠１２に取り付けられ
ている。しかし、枠１２は鋼、合成樹脂等他の材
料で作られていてもよく、この場合堰板は複数の
ねじにより枠１２に取り付けることができる。

堰板１４は、枠１２に取り付けられた長方形状
の面板１８と、該面板１８の枠１２と反対の側に
配置されたフイルタ２０とを備える。

面板１８は、天然樹脂または合成樹脂により弾
性変形可能に作られている。このような樹脂とし
ては、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合体ゴムの共重合
体ゴム、塩化ビニル等がある。また、面板１８を
ゴム製とするときは、スクラツプ用のゴムを用い
ると、面板１８の材料費が廉価になる。

第３図および第４図に示すように、面板１８に
は、鋼線のような線状の複数の補強材２２が埋め
込まれている。補強材２２は、面板１８の長手方
向へ伸び、また、相互に配置されている。補強材
２２は、面板１８に対してその弾性を損なうこと
なしに、堰板として打設コンクリートの側圧に対
抗するための剛性を与える。面板１８は、また、
該面板１８をこれの厚さ方向へ貫通する複数の穴
２４を備える。穴２４は、補強材２２が配置され
ていない部位に穿たれている。穴２４は、面板１
８の製造時に設けることができる。

フイルタ２０は、コンクリート中の余剰水の通
過は許すが、前記コンクリートの通過は許さない
材料から成る。このような材料としては、たとえ
ば、織布、不織布、編布、フエルト等がある。

フイルタ２０は、面板１８の枠１２と反対の側
の面全体を覆うように配置されている。第３図に
示すように、フイルタ２０はミシン糸２６により
面板１８に縫着されており、これによりフイルタ
２０が面板１８から浮き上ることを防止されてい
る。フイルタ２０の周縁部は、第４図にその一部
を示すように、面板１８の端縁から該面板１８の
枠１２の側に折り返され、また、複数のステープ
ル２８により面板１８に取り外し可能に取り付け
られている。

なお、フイルタ２０を接着材、リベツトのよう
な他の手段により面板１８の枠１２と反対の側の
面に取り付けてもよい。また、フイルタ２０の周
縁部は、接着材、リベツトのような他の手段によ
り面板１８に取り付けてもよい。

使用時、型枠１０は、堰板１４がコンクリート
の打設空間の側となるように配置される。型枠１
０により規定される前記打設空間には、コンクリ
ートが打設される。これにより、堰板１４には、
前記打設空間に打設されたコンクリートによる側
圧が加わるが、堰板１４が枠１２に取り付けられ
ており、また、複数の補強材２２が堰板１４に埋
め込まれているため、堰板１４は変形しない。

前記打設空間内のコンクリート中の余剰水は該
コンクリートと型枠１０との間に滲出する。滲出
した余剰水は堰板１４のフイルタ２０から面板１
８の穴２４を経て前記打設空間の外へ流出する。
これにより、凝結したコンクリート表面の緻密
性、機械的強度、平滑度等の特性が高められる。

上記の堰板１４は、面板１８が樹脂製であるか
ら、面板１８が腐食しないし、面板１８に錆が発
生せず、従つて長命である。また、面板１８が弾
性変形可能であるから、堰板１４を容易に湾曲さ
せせることができ、たとえば第５図に示すような
型枠３０の枠３２に堰板１４を容易に取り付ける
ことができる。従つて、堰板１４によれば、任意
の曲面を規定するための型枠に容易に適用するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の堰板を用いた型枠の一実施例
を示す図であつて型枠の一部を破断して示す正面
図、第２図は第１図の２−２線に沿つて得た断面
図の拡大図、第３図は上記の堰板で用いる面板の
内部を示す図、第４図は第２図の左方部分を拡大
して示す図、第５図は上記の堰板を用いた型枠の
他の実施例を示す図であつて堰板の一部を破断し
て示す図である。１０，３０……型枠、１２，３２……枠、１４
……堰板、１８……面板、２０……フイルタ、２
２……補強材、２４……穴。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

コンクリートの打設空間を規定する型枠用の堰
板であつて、複数の水抜き穴を有する面板と、該
面板の前記打設空間の側に配置され、前記コンク
リート中の余剰水の通過は許すが前記コンクリー
トの通過は阻止するフイルタとを含み、前記面板
は樹脂で弾性変形可能に製造されかつ鋼線のよう
な線状の複数の補強材が埋め込まれている、型枠
用堰板。