JPH0546493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、自動車のスライド式ドアにおける外
れ防止構造に関する。

ｂ 従来の技術 自動車に設けられているスライド式ドアは、第
５図のように車体の側部パネル１００に形成され
た開口部の縁部に水平方向の上中下段のガイドレ
ール１０１を設け、これらガイドレールに係合す
るガイドローラをスライド式ドア１０２に装着し
て取付けられている。

第６図は、アツパーガイドレールに適用した従
来のスライド式ドアの取付構造を示したもので、
１０３はルーフパネルで、このルーフパネル１０
３の内側にインナーパネル１０４が設けられ、こ
のインナーパネル１０４の内側にガイドレール１
０５を配設した断面コ字形のガイドレール取付パ
ネル１０６が設けられている。上記ガイドレール
１０５に係合するガイドローラ１０７は、スライ
ド式ドア１０２の上端部に支持された支持アーム
１０８を介して支持されている。

このような従来のスライド式ドアの取付構造に
あつては、ガイドレール１０５の破損等によつて
スライド式ドア１０２の外れを防止するため、支
持アーム１０８の途中を折り曲げ、この折り曲げ
部１０８ａに係合するストツパーブラケツト１０
９を取付パネル１０６に装着している。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の構成では、ガイドレール
１０５またはガイドローラ１０７が破損しないと
き、すなわち正常時は、ストツパーブラケツト１
０９は特に用をなさないものとなつていた。

本考案は、上記従来技術の問題点を解決し、ガ
イドレール等の破損によるスライド式ドアの外れ
を防止すると共に、スライド式ドアの開閉時のガ
イド作用を備えた自動車のスライド式ドアにおけ
る外れ防止構造を提供することを目的とする。

ｄ 問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するため、車体の
側部パネルに形成されたドア取付用開口部に設け
られたガイドレールに、スライド式ドアの支持ア
ームに装着されたガイドローラを係合し、スライ
ド式ドアの摺動操作によつて上記開口部を開閉す
る自動車のスライド式ドアにおける外れ防止構造
において、上記ガイドレールとスライド式ドアと
の間に、上記ガイドレールに沿つてスリツトを形
成したストツパー部材を設け、スライド式ドアを
閉じた状態でこのストツパー部材のスリツト内に
上記支持アームが位置するように設定すると共に
該支持アームの先端部に、ストツパー部材に係止
される係合部を設けたことにある。

ｅ 作用 スライド式ドアを閉じると、支持アームは、ス
トツパー部材のスリツト内に位置している。走行
時の衝撃等によつてガイドレール等が破損して、
ガイドレールからガイドローラが外れても、支持
アームの先端部に設けられた係合部がストツパー
部材に係合してスライド式ドアの外れを防止す
る。

ｆ 実施例 以下本考案の一実施例を図面を参照しながら詳
細に説明する。

第１図において、１はルーフパネル、２はスラ
イド式ドア、３はルーフパネル１の内側に設けら
れたインナーパネル、４はインナーパネル３の内
側に配設された断面コ字型のガイドレール取付用
パネルであり、このガイドレール取付用パネル４
の内面軸方向に沿つて上部側ガイドレール５が配
設されている。

上記スライド式ドア２の上端部には、支持アー
ム６を介してガイドローラ７が軸支されており、
このガイドローラ７を上記ガイドレール５に係合
している。ガイドレール５とスライド式ドア２の
間には、ガイドレール５すなわち、支持アーム６
の移動域に沿つてスリツト８を形成したストツパ
ー部材としてのストツパーブラケツト９が設けら
れている。このストツパーブラケツト９は、スラ
イド式ドア２を閉じた位置で、支持アーム６がス
リツト８内に位置するようにしたものである。

上記支持アーム６は、スライド式ドア２を閉じ
た状態で、ストツパーブラケツト９の先端部に係
止される爪部６ａを、その先端部に設けており、
かつヒンジ１０を介してスライド式ドア２の上端
部に上下動可能に支持されており、ガイドレール
５のカーブに沿つてガイドローラ７を追従させる
ものである。

なお、上記爪部６ａは、上記実施例のように支
持アーム６の先端前方側に突設すると、スライド
式ドア２を閉じた位置でスリツト８の先端側ブラ
ケツトに係止されるが、垂直方向に爪部６ａを立
設すると、スリツト８の側面側ブラケツトに係止
されることになる。

上記の構成によると、スライド式ドア２を開閉
すると、スライド式ドア２のガイドローラ７はガ
イドレール５に沿つて移動する。そしてスライド
式ドア２を閉じた状態では支持アーム６は、スト
ツパーブラケツト９のスリツト８内に位置して上
下方向にガイドされる。また、万一、ガイドレー
ル５等が破損しても、支持アーム６の先端に設け
られた爪部６ａがストツパーブラケツト９に係合
するので、スライド式ドア２の外れが防止され
る。

なお、スリツト８の内側に第３図および第４図
のように、ゴムまたは合成樹脂等のクツシヨン材
１１を配装することで、支持アーム６の接触音が
防止される。

ｇ 効果 以上述べたように本考案による自動車のスライ
ド式ドアにおける外れ防止構造によれば、ガイド
レール等の破損によるスライド式ドアの外れを防
止し、かつ通常状態での支持アームのガイドを行
なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の自動車のスライド式ドアに
おける外れ防止構造の一実施例を示す断面図、第
２図は第１図の一部を拡大して示す斜視図、第３
図は本考案の他の実施例を示す正面図、第４図は
第３図の右側面図、第５図はワンボツクスカーを
示す概念図、第６図は従来のスライド式ドアの外
れ防止構造を示す断面図である。 ２……スライド式ドア、５……ガイドレール、
６……支持アーム、７……ガイドローラ、８……
スリツト、９……ストツパーブラケツト、１１…
…クツシヨン材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の側部パネルに形成されたドア取付用開口
   部に設けられたガイドレールに、スライド式ドア
   の支持アームに装着されたガイドローラを係合
   し、スライド式ドアの摺動操作によつて上記開口
   部を開閉する自動車のスライド式ドアにおける外
   れ防止構造において、上記ガイドレールとスライ
   ド式ドアとの間に、上記ガイドレールに沿つてス
   リツトを形成したストツパー部材を設け、スライ
   ド式ドアを閉じた状態でこのストツパー部材のス
   リツト内に上記支持アームが位置するように設定
   すると共に該支持アームの先端部に、ストツパー
   部材に係止される係合部を設けたことを特徴とす
   る自動車のスライド式ドアにおける外れ防止構
   造。