JPH0546439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は手術用顕微鏡に関し、より詳しくは例
えばカウンターバランス方式の調整支持機構部を
具備した手術用顕微鏡に関する。

（従来の技術） 従来の手術用顕微鏡は、床面上に設置される支
持体に対し、アームを回転可能に、且つ、上下方
向に変位可能に取付け、このアームにより顕微鏡
本体を支持する構成のものが一般的である。

そして、顕微鏡本体に対し必要に応じて側視鏡
やカメラ等の付属品を脱着し、手術用対象物に対
する観察機能を高めるようにしている。この場合
に、顕微鏡本体の重量の変化に応じてアームのバ
ランスを調整するため、アームに対し顕微鏡本体
の重量に応じた調整機能を有する調整支持機構部
を取付けることが多い。

しかしながら、従来の手術用顕微鏡において
は、顕微鏡本体の重量変化を適確に把握する手段
が無いため、使用者による調整支持機構部の調整
操作が経験や感覚を頼りとしたものとなり、バラ
ンス調整が不正確となつて、特に微調整操作を行
うのに多くの時間を浪費するという問題があつ
た。即ち、従来の手術用顕微鏡の場合、調整機構
部の操作に熟練を要し、不慣れの使用者にとつて
極めて扱いにくいという問題があつた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、顕微鏡本体の重量に応じて調整機構部の調整
操作を容易且つ迅速にしかも適確に行うことがで
きるようにした手術用顕微鏡を提供することを目
的とするものである。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案は、顕微鏡本体と、この顕微鏡本体を支
持するとともにその重量に応じたバランスの調整
機能を具備した調整支持機構部とを具備する手術
用顕微鏡において、前記顕微鏡本体の重量を検出
する検出手段と、この検出手段の検出結果を表示
する表示手段とを有するものである。

（作用） 以下に上記構成の手術用顕微鏡の作用を説明す
る。

この手術用顕微鏡によれば、検出手段により顕
微鏡本体の重量が検出され、この検出結果が表示
手段により表示されるので、調整支持機構部によ
るバランス調整操作の操作性向上に寄与し得る。

（実施例） 以下に本考案の実施例を詳細に説明する。

第１図に示す手術用顕微鏡１は、床２上を走行
可能に構成した支持体３と、この支持体３の上部
に第１の支持軸４を介して水平方向に回転可能に
取付けた第１のアーム５と、この第１のアーム５
に取付けた第２の支持軸６により支持された第２
のアームとしての調整支持機構部７と、この調整
支持機構部７の突出端部に設けた突出片８により
垂直配置に支持された垂直軸９と、この垂直軸９
の下端部に取付けたＸ−Ｙ駆動部１０と、このＸ
−Ｙ駆動部１０により駆動される駆動軸１１に取
付けた顕微鏡本体１２と、前記突出片８と垂直軸
９との間に配置した後述する検出手段３０を構成
する歪センサ、圧力センサ等の重量検出素子１３
と、前記支持体３に取付けた後述する表示手段３
１を構成する液晶デイスプレイ等を用いた表示部
１４とを具備している。

前記調整支持機構部７は、第２図にも示すよう
に、前記顕微鏡本体１２の光学系を常に垂直方向
に維持したままこの顕微鏡本体１２を上下動する
平行リンク機構部１５と、この平行リンク機構部
１５の第１アーム５に対する重量バランスを調整
する調整部１６とを具備している。

平行リンク機構部１５は、前記第２の支持軸６
に取付けた基体１７と、この基体１７に対し一方
の端部を各々回転可能に、且つ、互いに平行配置
に取付けた一対のリンク１８ａ，１８ｂと、前記
突出片８を備えるとともに、前記両リンク１８
ａ，１８ｂの他方の端部が回転可能に取付けられ
た移動体１９とを具備している。

前記調整部１６は、前記移動体１９に一端が回
動可能に軸支され、他端側を基体１７の近傍に臨
ませた流体圧の変化で付勢力が変化する流体ばね
部２０と、この流体ばね部２０の作動子２１に対
し貫通する状態で螺合されるとともに前記基体１
７により回転可能に支持されているねじ体２２
と、このねじ体２２の頂部に取付けたハンドル２
３と、前記作動子２１から突出させた指針２１ａ
と、前記ハンドル２３の操作により変位する作動
子２１及び指針２１ａの変位量を例えば定性的
（−１，０，＋１等）に示す目盛板２４とを具備し
ている。

この調整部１６は、ハンドル２３を操作してね
じ体２２を回転させることにより、作動子２１の
位置調整を行い、これにより、流体ばね部２０の
付勢力を変化させて、カウンターバランス方式に
より顕微鏡本体１２の重量変化（例えば側視鏡や
写真機の脱着に基く重量変化）に伴う重量バラン
スを調整するものである。

前記重量検出素子１３は、前記垂直軸９に取付
けた円板９ａと前記突出片８の上面との間に配置
され、顕微鏡本体１２の重量（Ｘ−Ｙ駆動部１０
の重量をも含む）を電気信号として送出するよう
になつている。

ここで、前記検出素子１３、表示部１４を各々
含む検出手段３０、表示手段３１の回路系につい
て第３図を参照して説明する。

検出手段３０は、前記重量検出素子１３と、こ
の重量検出素子１３の出力信号を取込んで顕微鏡
本体１２の重量値を測定する測定回路３２と、こ
の測定回路３２の測定結果を増幅する増幅器３３
とを具備している。

前記表示手段３１は、前記増幅器３３の出力信
号をデイジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器３４
と、このＡ／Ｄ変換器３４の出力信号を記録する
記録部３５と、Ａ／Ｄ変換器２４の出力信号を取
込みこれを基に顕微鏡本体１２の重量値をデイジ
タル表示（＋１，０，−１等）する前記表示部１
４とを具備している。

次に上記構成の手術用顕微鏡１の作用を、顕微
鏡本体１２の重量変化に伴う調整支持機構部７の
動作及び前記検出手段３０、表示手段３１の動作
を主にして説明する。

尚、初期状態として、顕微鏡本体１２には第４
図ａに示すように側視鏡２６も写真機Ｃも装着さ
れておらず、このとき、前記作動子２１の指針２
１ａは目盛板２４の０位置にあり、また、前記表
示部１４には値０が表示されているものとする。

この状態から、第４図ｂに示すように顕微鏡本
体１２に対し側視鏡２６及び写真機Ｃを装着する
と、平行リンク機構部１５の移動体１９には、側
視鏡２６及び写真機Ｃの重量分だけ加重された重
量がかかり、平行リンク機構部１５の重量バラン
スが崩れて顕微鏡本体１２は第１図に想像線で示
す如く初期位置から降下する。

上述した側視鏡２６、写真機Ｃによる重量増加
に伴い、前記重量検出素子１３はこれに応じた検
出信号を測定回路３２に送出する。測定回路３２
は、この検出信号を基に初期状態からの増加分に
応じた測定値を求め、これを増幅器３３に送出す
る。増幅器３３は前記測定値を増幅しＡ／Ｄ変換
器３４に送出する。

Ａ／Ｄ変換器３４に送られた測定値はここでデ
イジタル信号に変換された後、表示部１４におい
て例えば＋１の如く定性値でデイジタル表示され
るとともに、記録部３５に記録されていく。

手術用顕微鏡１の操作者は、表示部１４の表示
値を見てこのときの重量バランスの不平衡状態を
数値として把握でき、これに基き前記ハンドル２
３を操作して、作動子２１の指針２１ａを＋１の
位置まで変位させる。これにより、調整部１６に
おける流体ばね部２０の付勢力が前記側視鏡２６
及び写真機Ｃの重量分に対応して強くなり、平行
リンク機構部１５の重量バランスを平衡状態にす
ることが可能となる。

本考案は、上述した実施例に限定されるもので
はなく、その要旨の範囲内で種々の変形が可能で
ある。

例えば、前記表示部１４の表示態様は定性的な
値だけでなく、重量値をそのまま表示するように
してもよい。

また、前記側視鏡や写真機の重量ばね秤等を用
いて直接計量しこの計量値を基に調整部１６によ
る重量バランスの調整を行うという応用も可能で
ある。

［考案の効果］ 以上詳述した本考案によれば、上記構成とした
ことにより、顕微鏡本体の重量が検出手段により
検出され表示手段により表示されるので顕微鏡本
体の重量変化に基く重量バランス調整を容易且つ
迅速にしかも適確に実行し得る手術用顕微鏡を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例としての手術用顕微鏡
を示す側面図、第２図は同顕微鏡の調整支持機構
部の拡大図、第３図は本実施例の検出手段及び表
示手段のブロツク図、第４図ａは通常の使用状態
における顕微鏡本体を示す部分側面図、第４図ｂ
は側視鏡及び写真機を装着した顕微鏡本体を示す
部分側側面図である。 １……手術用顕微鏡、７……調整支持機構部、
１２……顕微鏡本体、３０……検出手段、３１…
…表示手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 顕微鏡本体と、この顕微鏡本体を支持するとと
   もにその重量に応じたバランスの調整機能を具備
   した調整支持機構部とを具備する手術用顕微鏡に
   おいて、 前記顕微鏡本体の重量を検出する検出手段と、 この検出手段の検出結果を表示する表示手段と
   を有することを特徴とする手術用顕微鏡。