JPH0546316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はSHF帯電子機器用シールドケースに
関し、特に、ＧHzオーダの計測器などに使用され
るシールドケースに関するものである。

［従来の技術］ 一般にＧHzオーダの電子機器装置は発振回路あ
るいは変調回路などの電子回路が異常発振、電磁
波の漏洩など相互に干渉しないようにするため、
機能別に各基板ごとにまとめられ、第４図に示す
ようなシールドブロツク１１内に収納されてい
る。各機能ブロツク間においては、シールドケー
スを貫通した穴を通じて相互に接続されるような
形式が採用されている。

上記の目的で使用される電子機器用シールドケ
ースは、製作加工精度にすぐれ、量産性もよいた
めに、従来よりアルミのダイカストをフライス加
工仕上げしたものが利用されている。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来のダイカスト製シールドボツクスでは、シ
ールドブロツク間の仕切り部に予め配線用の貫通
孔を設けたダイカスト加工はできず、仕上げ加工
の前後に配線通路が加工される。この場合、第４
図の配線用穴１２のように、予め外側部にドリル
を通すガイド穴１４を設けてドリル加工するか、
あるいは貫通孔に替えて仕切り部の上端より切込
み１３を設けるなどの方法がとられている。

これらの加工はシールドケースのシールド効果
をある程度低下させるだけでなく、配線孔の位置
が加工条件で制約され、必ずしも最良位置が得ら
れるとは限らず、配線経路の冗長による不利益を
受ける場合もあつた。

また、フライス加工によるシールドブロツクの
隅部は加工上の制約により丸くなり、したがつて
収納される基板の寸法は隅部の丸部分を避けて小
さくなり、いわゆるスペースフアクターが低下す
る欠点もあつた。

そのうえ、上記シールドケースはフライス加工
及び上記配線用の加工のため、加工のコストが高
くなるという問題も有する。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の電子機器用シールドケースは、上記の
問題に対し、予め打抜き加工、孔あけ加工を施し
た金属板材を折曲げてシールドブロツクを形成
し、複数個のシールドブロツクを組合わせ配列
し、外枠板と共に相互に熔着して一体化したもの
である。

予め配線用穴２が所定位置に設けられた金属板
材を直角に折り曲げて形成した複数個のシールド
ブロツク１と、所望のシールドブロツクに設けら
れた配線用穴とこの所望のシールドブロツクに隣
接したシールドブロツクに設けられた配線用穴と
が連通し、各シールドブロツクがその接合部が平
坦部で覆われるように配列され、配列されたシー
ルドブロツクの外側を囲み、且つ各シールドブロ
ツクと溶着して一体化した外枠板４と、前記各シ
ールドブロツクの開口部を覆うためシールドブロ
ツク及び外枠板で形成された端面に蓋取付用ネジ
穴５にネジ止めされる蓋板とを備えたSHF帯電
子機器用シールドケースである。

［実施例］ 以下本考案の一実施例を示す第１〜３図に基い
て本考案を詳細に説明する。

１はシールドケースを構成するシールドブロツ
クの１個を示す。シールドブロツクは金属板材を
折曲げて形成された筐体である。その寸法は内部
に収納される基板にしたがつて定められ各々異つ
ている。金属板材はシールドブロツクを配列した
ときに隣接ブロツク間に必要な配線用穴とともに
所定形状に打抜かれる。板材質は加工しやすく軽
量で、かつ、電気的特性の良好なアルミ板材が多
用されている。

複数個のシールドブロツクは所定に配列され、
外枠板４と共に組合わされ、必要部位をスポツト
熔着され、一体化されてシールドケースとして構
成される。さらにシールドケースには上下両面に
蓋部を取付けるネジ穴が設けられる。

本実施例のシールドケースは片面側におけるシ
ールドブロツク数は４個、他面側も同様に４個
で、合計８個のシールドブロツクにより構成され
ている。使用材質としては、例えば厚さ1.5mmの
アルミ板材を用いて、各シールドブロツクの各部
をスポツト溶接して一体化する。

本考案によるシールドケースは使用周波数１〜
3GHzの信号発生器装置に用いると好適である。

［考案の効果］ 本考案による電子機器用シールドケースの利点
を列挙すれば次の通りである。

(1) ダイカスト製シールドケースに比して、加工
コストを低減させ、シールドケースのコストダ
ウンを図ることができる。

(2) シールドブロツク間の配線用穴は、金属板材
の打抜き時に予め穴あけ加工しておけるので、
後加工のため外側部にガイド用孔を設けたり、
あるいは仕切り板に切込み部を設ける必要もな
く、シールド効果を損なうこともなく電気的性
能の向上が期待できる。

(2) また穴の位置は加工時における制約がないた
め、穴の位置を適切に選定して配線経路の短
縮・整理を図ることができる。

(4) シールドブロツクの隅部は直角に組立てられ
ており、隅部が丸いダイカスト製シールドブロ
ツクに比して基板収納のスペースフアクターが
向上できる。

(5) 各シールドブロツクはその接合部を外枠板が
覆うように互い違いに継ぎ合わせてあり、全体
として二重にシールドされているので、SHF
帯におけるシールド効果が十分発揮され、金属
板からなるケースでありながらダイカスト製シ
ールドケース以上のシールド効果を発揮でき
る。

(6) シールドブロツクと外枠板とで形成される端
面にネジ穴を形成できるので、各シールドブロ
ツクの開口部を覆う蓋板をダイカスト製シール
ドケース同様しつかりネジ止めできる。したが
つて、各シールドブロツクと蓋板との隙間から
電磁波が洩れてシールド効果を損なうおそれが
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシールドケースの斜視
図、第２図、第３図はそれぞれシールドブロツ
ク、外枠板の斜視図であり、第４図はダイカスト
製シールドケースの斜視図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 予め配線用穴２が所定位置に設けられた金属板
   材を直角に折曲げて形成した複数個のシールドブ
   ロツク１と、所望のシールドブロツクに設けられ
   た配線用穴とこの所望のシールドブロツクに隣接
   したシールドブロツクに設けられた配線用穴とが
   連通し、各シールドブロツクがその接合部が平坦
   部で覆われるように配列され、配列されたシール
   ドブロツクの外側を囲み、且つ各シールドブロツ
   クと溶着して一体化した外枠板４と、前記各シー
   ルドブロツクの開口部を覆うためシールドブロツ
   ク及び外枠板で形成された端面に蓋取付用ネジ穴
   ５にネジ止めされる蓋板とを備えたSHF帯電子
   機器用シールドケース。