JPH0545903Y2

JPH0545903Y2 -

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Publication number: JPH0545903Y2
Application number: JP1988156233U
Authority: JP
Priority date: 1988-11-30
Filing date: 1988-11-30
Publication date: 1993-11-29
Anticipated expiration: 2003-11-29
Also published as: JPH0276280U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、例えば油、空圧回路の制御弁等に利
用されるソレノイドバルブに関する。

（従来の技術）従来、この種のソレノイドバルブとしては、例
えば第４図に示すようなものが用いられている。
図において、コイル１００が巻き付けられた円筒
状のボビン１０１の内側の中空部に形成されたプ
ランジヤ１０２ａ内にプランジヤ１０２が往復自
在に収納されている。

プランジヤ室１０２ａはボビン１０１の一端に
圧入固定されるセンターポスト１０３と、他端に
設けられるバルブ部１０８との間に形成され、プ
ランジヤ１０２はセンターポスト１０３とプラン
ジヤ１０２との間に介装されたスプリング１０９
によつて常時バルブ部１０８を閉弁する方向に付
勢している。そしてコイル１００の電磁吸引力に
よつてプランジヤ１０２をバルブ部１０８から離
間させて開弁するようになつている。

上記ボビン１０１の内周には、プランジヤ１０
２を案内保持する磁性体製のガイド部材１０４が
設けられ、さらにプランジヤ１０２がガイド部材
１０４に磁気吸引力によつて吸着するのを防ぐた
めに、プランジヤ１０２とガイド部材１０４との
間に円筒状の非磁性体製のスリーブ１０５が軸受
部として介在されている。

またプランジヤ１０２とセンターポスト１０３
間の室内には油等の制御流体が滞留するために、
プランジヤ１０２が開弁方向に移動する際に大き
な抵抗となり、応答性が悪くなる。そこで、一般
にセンターポスト１０３に通路１１０を設けた
り、第５図に示すようにプランジヤ１０２の側面
に溝１０６を設けたり、第６図に示すようにプラ
ンジヤ１０２に流体の通路１０７を形成して油等
の流体を逃がすようになつていた。

（考案が解決しようとする課題）しかし、このようなソレノイドバルブにおいて
は、スリーブ１０５を配設しなければならないた
め、部品点数、組立工数が多くなり、また、コス
トが高くなるという欠点があつた。

さらに、第５図に示したようにプランジヤ１０
２に溝１０６を設ける場合は、この溝１０６の分
だけ磁束が減少し、プランジヤの吸引力が低下し
てしまう。また、第４図および第６図に示したよ
うにセンターポスト１０３やプランジヤ１０２に
流体の通路１１０，１０７を設ける場合は、加工
コストが高くなるという欠点もあつた。

本考案は上記した従来技術の課題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、
プランジヤの吸引力を低下させずに、部品点数、
組立工数、および加工コストを低減させ得るソレ
ノイドバルブを提供することにある。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するために、本考案にあつて
は、コイルが巻付けられた樹脂製のボビンをケー
シング内に収納し、ボビンの一端にセンターポス
トを嵌合すると共に他端部にバルブ部を設けてセ
ンターポストとバルブ部との間にプランジヤ室を
形成し、当該プランジヤ室に面するボビン内周に
磁性体製のガイド部材を設け、さらにガイド部材
内周に設けた非磁性体製の軸受部を介してプラン
ジヤをプランジヤ室内に往復動自在に収納し、こ
のプランジヤの往復動により上記バルブ部を開閉
制御するソレノイドバルブにおいて、前記軸受部をガイド部材内周にボビンと同一の
樹脂材料にて一体成形すると共に、軸受部に上記
プランジヤの両端側の室を連通する溝を設けて成
ることを特徴とする。

（作用）本考案のソレノイドバルブにおいては、ボビン
と軸受部とを一体成形することにより、別にスリ
ーブを設ける必要がない。

また、この軸受部に設けた溝を通じてプランジ
ヤの両端側に存在する流体が流通する。したがつ
てプランジヤがセンターポスト側に吸引された場
合に、プランジヤとセンターポスト間に存在する
流体は、溝を通じて逃がされ、プランジヤは迅速
に移動する。さらに、軸受部を流通する流体によ
つてプランジヤ摺動面が流体潤滑となり、プラン
ジヤの摺動抵抗は小さくなつてプランジヤの作動
が一層迅速になる。

（実施例）以下に、本考案を第１図〜第３図に示した実施
例に従つて説明する。本考案の一実施例のソレノ
イドバルブの全体を示す第２図において、１はソ
レノイドバルブ全体を示しており、概略ソレノイ
ド部２と、このソレノイド部２の電磁吸引力によ
つて開閉制御されるバルブ部３とから構成されて
いる。

ソレノイド部２は、概略円筒形状の磁性体製の
ケーシング４内に、コイル５が巻き付けたられた
内部中空のボビン６を収納して構成されており、
ボビン６の内周にはその一端から円柱状のセンタ
ーポスト８がボビン６の軸方向の略半分の長さま
で嵌着され、他端側に設けられるバルブ部３との
間にプランジヤ室Ｓが形成されている。そして、
ボビン６内周のプランジヤ室Ｓに面する部分には
プランジヤ７を案内保持する磁性体製ガイド部材
９が配置されている。

一方、バルブ部３は、ソレノイド部２のセンタ
ーポスト８とは反対側の端部に一体的に突出形成
されている。このバルブ部３も内部中空で、その
中空内部が弁室Ｔとなつており、弁室Ｔが上記ソ
レノイド部２のプランジヤ室Ｓと連続的に連なつ
ている。この弁室Ｔには、上記プランジヤ７の先
端部が出没自在となつていて、プランジヤ７との
対向位置に設けられた弁座１０にプランジヤ７が
接離自在となつている。そして、プランジヤ７と
センターポスト８との間に介装されるスプリング
１１のばね力によつてプランジヤ７が常時閉弁方
向に付勢されており、センターポスト８の電磁吸
引力によつてプランジヤ７が開弁方向に吸引され
て開弁される。

そして、第１図に示すように、ボビン６を形成
する樹脂材料がガイド部材９の内周を被覆して軸
受部１２を形成している。

この軸受部１２はたとえばボビン６成形時にガ
イド部材９をインサートして一体成形される。軸
受部１２の肉厚は全周にわたつて均一であり、そ
の中心軸はセンターポスト８の中心軸と同心的に
なつている。そして、軸受部１２には、第３図に
示すように、流体の通路となる複数本の溝１３が
表面に設けられている。この溝１３は軸受部１２
の全長にわたつて軸方向に直線状に形成されてお
り、円周方向に所定間隔で設けられている。溝１
３の断面形状は、図示例では矩形状であるが、矩
形状に限らず三角形、円弧状等任意である。

このように構成された本実施例のソレノイドバ
ルブにおいては、軸受部１２がボビン６と一体成
形されるので、従来例のようにスリーブを別に設
ける必要がなく、部品点数、組立工数、およびコ
ストが低減される。

そして、ソレノイド部２がオフ状態では、プラ
ンジヤ７先端がスプリング１１によつて弁座１０
に押付けられてバルブ部３は閉弁されており、ソ
レノイド部２がオンになると、プランジヤ７はス
プリング１１のばね力に抗してセンターポスト８
に電磁吸引され、開弁される。その際、閉弁時に
プランジヤ７とプランジヤ７が迅速に作動する。

さらに、従来は、軸受部としてスリーブを薄肉
円筒に形成していたので、樹脂材料を用いること
は困難であり、非磁性体金属を用いていたが、本
実施例では、任意の厚さでガイド部材９を覆うよ
うに軸受部１２を成形できるので、摩擦係数の小
さい樹脂材料を用いることができ、その上、軸受
部１２に設けた溝１３に流体が流れ込み、プラン
ジヤ７の側面と軸受部１２との間に流体が介在す
るので、摺動抵抗が小さくなり、より一層応答性
が向上する。

（考案の効果）本考案は、以上の構成および作用を有するもの
で、プランジヤを案内する軸受部を磁性体製のガ
イド部材にボビンと共に、一体成形したので、従
来のように別途軸受部を設ける必要が無く、部品
点数、組立工数を削減でき、コスト低減を図るこ
とができる。

また軸受部に溝を設けて流体を逃がすようにし
たので、従来のプランジヤに溝を設ける場合のよ
うにプランジヤの吸引力が低下することなく、応
答性を確保するための流体通路を容易に加工して
設けることができ、かつコストも低減することが
できる。さらに流体通路をプランジヤ摺動部に設
けることになるので、プランジヤの摺動抵抗が小
さくなつて、より一層応答性を向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例に係るソ
レノイドバルブを示しており、第１図は軸受部の
一部を破断して示した斜視図、第２図は全体構成
を示す縦断面図、第３図は軸受部の横断面図、第
４図は従来のソレノイドバルブを示す縦断面図、
第５図は側面に溝を設けた従来のプランジヤを示
す斜視図、第６図は流体の通路を設けた従来のプ
ランジヤを示す断面図である。符号の説明、１……ソレノイドバルブ、２……
ソレノイド部、３……バルブ部、５……コイル、
６……ボビン、７……プランジヤ、８……センタ
ーポスト、９……ガイド部材、１２……軸受部、
１３……溝。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】コイルが巻付けられた樹脂製のボビンをケーシ
ング内に収納し、ボビンの一端にセンターポスト
を嵌合すると共に他端部にバルブ部を設けてセン
ターポストとバルブ部との間にプランジヤ室を形
成し、当該プランジヤ室に面するボビン内周に磁
性体製のガイド部材を設け、さらにガイド部材内
周に設けた非磁性体製の軸受部を介してプランジ
ヤをプランジヤ室内に往復動自在に収納し、この
プランジヤの往復動により上記バルブ部を開閉制
御するソレノイドバルブにおいて、前記軸受部をガイド部材内周にボビンと同一の
樹脂材料にて一体成形すると共に、軸受部に上記
プランジヤの両端側の室を連通する溝を設けて成
ることを特徴とするソレノイドバルブ。