JPH0142705Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は流体の流量を印加電流に比例して制御
する流量制御用の比例電磁弁に関する。

第１図は従来の比例電磁弁の縦断面図である。
ソレノイド２は中心穴をコアー４に嵌入され、端
部をコアプレート５及びＯリング１７を介してシ
ート１２に当接しているボビン１に巻かれてい
る。カバー３はコアー４の上端部にある円筒形の
円周溝に嵌入固定されているコアープレート５の
外周部に上端部の円周溝で固定された円筒であ
り、カバー３の下端のフランジ部はその下面でブ
ロツク９の上端のフランジ部の上面に当接しボル
ト３ａによりブロツク９に固定されている。段付
の円筒形のシート１２は大径部をカバー３のフラ
ンジ部の円筒穴に嵌入し、中径部をその円周溝に
嵌入するＯリング１８を介してブロツク９のフラ
ンジ部の円筒穴に嵌入し、小径部をブロツク９の
流体の通路を形成する穴に嵌入し、ブロツク９に
設けた通路１０と１１とを通じさせる流量制御口
１３を備えている。非磁性体からなる円筒形のガ
イド６は外周面をボビン１とシート１２とに嵌入
され、プランジヤー７およびプランジヤー７に圧
入固定され一体に移動するバルブ８はガイド６に
滑入している。バルブ８は上部の大円筒部でガイ
ド６の内周面上を摺動し、下部の小円筒部でシー
ト１２の小内径面を摺動し、流量制御口１３を開
閉できるようなつており、最下端に突起２０を備
えている。コアー４とプランジヤー７の間には圧
縮ばね１４が夫々のばね座ぐり穴底に当接して挿
入されている。

プランジヤー７、コアー４、コアプレート５、
カバー３、シート１２は磁気回路Ａを形成し、ソ
レノイド２に通電するとソレノイド２内を流れる
電流に比例した吸引力がコアー４とプランジヤー
７との間に発生し、圧縮ばね１４の反撥力と釣合
い、ソレノイド２内を流れる電流に比例したバル
ブ８の変位が発生し、流量制御口１３を印加した
電流に比例した流量の流体が矢印の方向に通過す
る。ソレノイド２に通電しないときは圧縮ばね１
４の反撥力でバルブ８は押し下げられシート１２
の流量制御口１３は閉じ、流体は通過しない。な
お連通穴１５が設けてあるため、プランジヤー７
の移動により流体がコアー４とプランジヤー７と
ガイド６間に封じ込められることがなく、連通穴
１６が設けてあるため、バルブ８とガイド６とシ
ート１２間に流体が封じ込められることがなく、
圧縮ばね１４の反撥力とソレノイド２の吸引力と
の釣合は妨げられるとがない。

またバルブ８に設けられた突起２０はバルブ８
が流体制御口１３を完全に開いた時流れる流体の
流量振動を防止する。

さて一般に要求される電流・流量特性は第２図
破線の如く、最大流量Ｑに達するまではソレノイ
ド２に印加する電流に比例する。即ち直線特性で
あり、最大流量Ｑに到達すれば以後電流が増加し
ても一定流量になる特性が要求される。ところが
第１図の従来例においては、第２図に示すように
ａ領域では電流と流量とが比例し、ｂ，ｃ領域で
は実線で示す如く流量変化をを生じていた。この
原因は第３図乃至第５図に示したように、第３図
の弁口の部分開口では流量制御口１３の開口面積
を変えても電流と流量が比例する第２図のａ領域
を形成するが、次に電流が増加し流量制御口１３
の上端とバルブ８の端が同じ位置になると第４図
のようになり流れの一部は突起２０およびパルブ
８の端に付着（コアンダー効果）して小さい矢印
のように流れる。更に第５図のように、バルブ８
が流量制御口１３の上辺より上に行くと、バルブ
８の突起２０およびバルブ８に付着する流れによ
り渦が発生し、この渦により流量制御口１３を通
過する流体に乱れを生じさせ、バルブ８が上へ移
るに従つて流れの抵抗となり流量をΔQだけ減少
させるためである。

なお、突起２０が付加されているので、流量の
減少があつても流量振動は無くなつている。

本考案は従来の比例電磁弁のかゝる欠点を解消
し、流量減少が生じない比例電磁弁を提供するこ
とを目的とする。

本考案は電磁ソレノイドに通電することにより
圧縮ばねの反撥力と釣合つた位置までプランジヤ
ーがコアーに吸引され、該プランジヤーと一体と
なつて移動し先端に突起を設けたバルブの端縁が
シートに設けられた流量制御口を開閉し、流入通
路から流出通路へ所定の流量を流す比例電磁弁に
おいて、バルブに設けた突起に溝を設けたもので
ある。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

第６図は縦断面図を示す。第１図と同符号のも
のは同じ構成、作用を有するため説明を省略す
る。プランジヤー７に固定され、プランジヤー７
と一体移動するバルブ８′の突起２０′の周面には
複数個の鋭い円周溝２１が設けてある。

通路１１より矢印のように流入する流体の突起
２０′に沿うて流れる付着流は鋭い円周溝２１に
より断たれて、付着流が起らない。

第７乃至９図に第３乃至５図と対応した状態を
示している。第２図のａ，ｂ，ｃで示す全領域共
に付着流が起らない。付着流が抑制されるため、
第２図のｃ領域に対応する第９図の状態において
も、付着流の渦が発生せず、流量制御口１３を通
過する流体に乱れを生ぜず、流れの抵抗がなく、
流量の減少が起らず、第２図の破線に示す特性を
満足する。

この特性改善の程度はバルブ８′端の突起２
０′に設ける溝２１の溝数、溝位置、形状により
変わる。溝形状が鋭く、溝位置が突起２０′の先
端にあり、溝数が多い場合に特性改善の度合いが
大きい。尚こゝで突起２０′の溝２１は円周溝に
限らない、付着流を防止する溝であればよい。

以上の通り、本考案は比例電磁弁において、プ
ランジヤーと一体に移動するバルブ先端の突起の
周面に溝を付加したことにより、最大流量時に於
ける比例電磁弁の流量変化をなくした流量特性を
得ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の比例電磁弁の縦断面図、第２図
は比例電磁弁の電流・流量特性線図、第３図乃至
第５図は第１図の矢印方向の流れによるバルブ近
傍の流体の流れを示す縦断面図、第６図は本考案
の実施例の縦断面図、第７図乃至第９図は矢印方
向流れによるバルブ近傍の流体流れを示す縦断面
図である。 ８，８′……バルブ、２０，２０′……突起、２
１……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ソレノイドに通電することによりばねの反撥力
   と釣合つた位置までプランジヤーがコアーに吸引
   され、プランジヤーと一体となつて移動し先端に
   突起を存するバルブの端縁がシートに設けられた
   流量制御口を開閉し、流入通路から流出通路へ所
   定の流量を流す比例電磁弁に於て、該バルブ先端
   に存する突起の外周面に溝を設けたことを特徴と
   する比例電磁弁。