JPH02537Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は流体の流量を印加電流（もしくは電
圧）に比例して制御する流体制御用の比例電磁弁
に関するものである。

流体の流量を印加電流（もしくは電圧）によ
り、比例的に制御する流体制御用比例電磁弁の従
来の構造は第１図に示すものがある。即ち、第１
図に示す従来構造のものはボビン１に巻回せしめ
たソレノイドコイル２は、カバー３内に収容され
ており、更にボビン１の内部に位置されるコアー
４と磁気的に結合されているコアープレート５に
よつてカバー３内に機械的に固定されている。前
記ボビン１内には円筒状かつ非磁性体から成るパ
イプ６が挿通されており、このパイプ６内には、
前記コアー４に吸引されるバルブ７がその軸方向
に摺動可能に挿通されている。このバルブ７はブ
ロツク８に成形された（流体）流入通路９及び
（流体）流出通路１０に通じるパイプ６に設けら
れた流量制御口１１を開閉するものである。そし
て、前記バルブ７はパイプ６を介してスリーブ１
２、カバー３、コアープレート５およびコアー４
とで磁気回路を形成しているものである。尚１３
はバルブ７を押圧するためのスプリング、１４，
１５はＯリング、１６は磁束を示す。

しかして、ソレノイドコイル２に通電される以
前はコアー４とバルブ７との間に組込まれている
スプリング１３の反撥力によりバルブ７はパイプ
６の内径段部に圧接され、流量制御口１１は閉じ
ている。今ソレノイドコイル２に通電されると印
加電流もしくは電圧の大きさに追随したコアー４
の磁気吸引力により、バルブ７は動作し、スプリ
ング１３の反撥力と釣合う点で停止する。バルブ
７の動作により流量制御口１１は流体流入面積を
変える。即ち、印加電流（もしくは電圧）に比例
した流量が得られる。

比例電磁弁では印加電流（もしくは電圧）に比
例したバルブ７の移動量（ストローク）の精度、
およびバルブ７の移動量に比例した流体流量の精
度で比例電磁弁全体の直線性の精度が決まつてし
まう。

移動量と流量の関係は流量制御口１１が長方形
の場合ほぼ比例しているが、印加電流と移動量の
関係は一般に非直線性となる。このため流量制御
口１１の形状を変えることによりこの非直線性分
を補正する必要があるが、従来の比例電磁弁のパ
イプ６の流量制御口１１は、第２図に示す如くパ
イプ６の側面に穿設する構造のものであるから、
その流量制御口１１の加工が形状を長方形以外に
することも、その加工精度を保つことも困難であ
つた。また、流量制御口１１を切削で加工したと
きのパイプ６の内側へ出たバリ取り加工（バルブ
７がパイプ６内をスムーズに摺動するため）にも
工数を要する等の欠点があつた。

本考案はかかる欠点を解消するためになされた
もので、パイプ６の下端部に切欠きを設けると共
に、そのパイプの下端縁に当接されるシートを設
けて流量制御口の加工を容易ならしめるとともに
前記シートの上側辺をプランジヤのストツパとし
ても用いることができるようにした比例電磁弁を
提供することを目的とするものである。

以下に、本考案を第３図及び第４図に示す実施
例に基いて詳細に説明する。

本考案の要旨は、パイプ６′の構造とシート１
７の構造が新規であつて、その他の構造は従来の
ものをそのまま適用できるので従来例と共通する
部分は同一符号を付してその説明を省略する。

即ち本実施例におけるパイプ６′の下端部には、
その直径方向に切欠いた切欠き１１′を形成し、
この切欠き１１′により後述の流量制御口１１が
形成されるものであるが、この切欠き形状は第４
図イ，ロ，ハに示す如く適宜形状のものが任意に
適用できる。１７はブロツク８に設けた流体流出
路１０に嵌着されるシートであるが、このシート
１０の上側辺縁に前記パイプ６′の下端縁が密接
されるように構成され、このパイプ６′とシート
１０との組合せにより、流量制御口１１′に形成
されるものである。

従つて本実施例によれば、流量制御口１１′が
パイプの切欠き作業により容易に加工ができるの
で、その流量制御口１１′の寸法精度も良く、し
かもその切欠きはパイプ端に形成したものである
ためバリ取り作業も簡単である。更に、比例電磁
弁の印加電流と流量の比例精度を改善するため、
流量制御口１１′の形状変更を例えば第４４図イ，
ロ，ハに示す如く容易に行うことが可能である。

更に上記の構成によつて、ソレノイドコイル２
の無通電時にはバルブ７′の下端がシート１７に
圧接されてこのシートが下限ストツパとなるため
パイプ６′の内側およびバルブ７′の外側の段部が
不要となり該パイプ６′の加工が容易となり、し
かも加工精度も向上し、バルブ７′の摺動がスム
ーズになる効果がある。

以上の様に本考案はソレノイドに通電すること
により、スプリングの反発力と釣合つた位置まで
パイプ内のバルブが吸引され、該パイプに設けら
れた流量制御口を開いて、所定の流量を得る比例
電磁弁において、前記パイプ端の直径方向対称位
置に夫々の切欠き１１′を形成したパイプ６′の端
縁と、電磁弁ブロツクに固定され、かつ中心部に
有孔のシート１７とを当接させて前記切欠き１
１′と前記シート上側辺とをもつて流量制御口を
形成するとともに、当該当接部からシート１７の
孔縁まで拡がるシート上側片を、プランジヤのス
トツパ面として存在せしめたことを特徴とする比
例電磁弁であるから特に流量制御口１１′の加工
が容易となり、しかも印加電流に比例して、非常
に安定した流量特性が得られる比例電磁弁を提供
することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の比例電磁弁を示した断面図、第
２図は従来のパイプを示した外観図、第３図は本
考案よりなる比例電磁弁の実施例を示した断面
図、第４図イ，ロ，ハは本考案よりなるパイプの
各実施例を示した外観図である。 ２……ソレノイドコイル、４……コアー、６，
６′……パイプ、７，７′……バルブ、１１，１
１′……流量制御口、１３……スプリング、１７
……シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ソレノイドに通電することにより、スプリング
   の反発力と釣合つた位置までパイプ内のバルブが
   吸引され、該パイプに設けられた流量制御口を開
   いて、所定の流量を得る比例電磁弁において、前
   記パイプ端の直径方向対称位置に夫々の切欠き１
   １′を形成したパイプ６′の端縁と、電磁弁ブロツ
   クに固定され、かつ中心部に有孔のシート１７と
   を当接させて前記切欠き１１′と前記シート上側
   辺とをもつて流量制御口を形成するとともに、当
   該当接部からシート１７の孔縁まで拡がるシート
   上側片を、プランジヤのストツパ面として存在せ
   しめたことを特徴とする比例電磁弁。