JPH0545887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はブレーキペダルを踏んだ状態でないと
自動変速機のシフトレバーをパーキングレンジか
らドライブレンジ等へ動かすことができないよう
にしたシフトレバーのロツク装置に関するもので
ある。

（従来の技術） 近年における自動変速式自動車の暴走事故対策
として、ブレーキペダルを踏んだ状態でないとシ
フトレバーをパーキングレンジからドライブレン
ジ等へ動かすことができない構造とすることが求
められている。

このため例えば実開昭63−95933号公報に示さ
れるように、ブレーキペダルとシフトレバーの動
きを電気的に検出し、マイクロコンピユータ等を
利用して上記のロツク操作を行わせる方式のロツ
ク装置が提案されている。しかしこのような電気
式のロツク装置は製造コストが極めて高価なもの
となる問題点を有している。

（考案が解決しようとする課題） 本考案はこのような従来の問題点を解決して、
機械的に上記のロツク操作を行わせることができ
るシフトレバーのロツク装置を提供するために完
成されたものである。

（課題を解決するための手段） 上記の課題は、ステツプ状のデイテント溝が形
成されたデイテントプレートに、シフトレバーが
パーキングレンジに入つたときにこれと連動して
揺動するシフトカムと、ばね力によりこのシフト
カムの背面の段部と係合してシフトカムをロツク
できるロツクカムと、シフトロツクケーブルによ
りブレーキペダルと連動しブレーキペダルが踏ま
れたときにロツクカムをアンロツク位置へ揺動さ
せるばね付きのケーブル連動カムとを設けたこと
を特徴とするシフトレバーのロツク装置によつて
解決することができる。

（実施例） 以下に本考案を図示の実施例によつて更に詳細
に説明する。

第１図〜第２図において、１はシフトレバー装置
のデイテントプレートであり、ステツプ状のデイ
テント溝２が透設され、このデイテント溝２の内
部にはシフトレバー３が貫通されている。シフト
レバー３の下端はセレクトリターンスプリング４
付きの第１軸５に支持されており、この第１軸５
はこれと直角方向の第２軸６に支持されているの
で、シフトレバー３はデイテント溝２の長手方向
（シフト方向）及びセレクト方向に動き、第２軸
６から突出されたシフトコントロールレバー７が
図示を略したシフトケーブルを動かしてシフト動
作を行うことができる。

このデイテントプレート１のパーキングレンジ
８側には、シフトカム９とロツクカム１０とケー
ブル連動カム１０とが設けられている。シフトカ
ム９は第２図に明示されているようにピン１２に
より枢着されたものであつて、パーキングレンジ
側に向かつて開口した二股状の受口１３を備えて
いる。またその背面には円弧状突部１４と段部１
５とが形成されているとともに、側方にもレバー
１６が突設されている。さらにピン１２のまわり
にはばね１７が設けられており、シフトカム９を
反時計方向に弾発して常時は第２図の位置を取ら
せている。１８はこのためのストツパーである。

ロツクカム１０はピン１９に枢着されたもの
で、その先端にシフトカム９の段部１５と係合で
きるフツク部２０を備えている。ロツクカム１０
はピン１９のまわりに設けられたばね２１により
常時反時計方向に弾発され、第２図のようにシフ
トカム９に接触している。更にロツクカム１０は
デイテントプレート１の裏面側にアーム２２を突
出させているが、その作用は後述する。

ケーブル連動カム１０は第１図に示されるよう
にデイテントプレート１の裏面に枢着されたもの
で、軸心２３から３本のアーム２４，２５，２６
を突出させた形状としている。アーム２４の先端
にはシフトロツクケーブル２７が接続されてお
り、このシフトロツクケーブル２７の先端は第６
図、第７図に示すようにブレーキペダル２８の上
方に取付けられている。またアーム２５はデイテ
ントプレート１の孔２９から上方に延び、前記し
たシフトカム９のレバー１６と接している。更に
アーム２６はケーブル連動カム１１が第１図にお
いて反時計方向に回動したとき、前記したロツク
カム１０のアーム２２を蹴つてロツクカム１０を
時計方向に回動させ、ロツクカム１０によるシフ
トカム９のロツクを解除するためのものである。
このようなケーブル連動カム１１の軸２３の周囲
にもばね３０が取付けられており、ケーブル連動
カム１１を第１図の反時計方向に弾発している。
なおばね３０、ばね２１、ばね１７の強さはケー
ブル連動カム１１のばね３０が最も強く、ロツク
カム１０のばね２１が最も弱くなるように設計さ
れている。

（作用） このように構成された本考案の装置は次のよう
に作動する。

まずシフトレバー３をデイテント溝２のパーキ
ングレンジ８に入れると、シフトレバー３がシフ
トカム９の受口１３に嵌まり、セレクトリターン
スプリング４の強いばね力によつてシフトカム９
は第２図の状態から第３図のように時計方向に回
動する。このとき、ブレーキペダル２８が踏まれ
ていなければ、第７図に実線で示されるようにシ
フトロツクケーブル２７はケーブル連動カム１１
に取付けられたばね３０のばね力により押し込ま
れた状態にあり、ケーブル連動カム１１は第１図
と第３図に示すように時計方向に回転した位置を
取る。この結果ケーブル連動カム１１のアーム２
６がロツクカム１０のアーム２２から離れるの
で、ロツクカム１０はスプリング２１のばね力に
より反時計方向に回転して第３図のとおりシフト
カム９をロツクする。この状態ではシフトレバー
３をパーキングレンジ８から動かすことは不可能
である。

またこの状態からブレーキペダル２８を踏み込
むと、第７図に鎖線で示したようにシフトロツク
ケーブル２７はばね３０の力によつて押し出され
るとともに、ケーブル連動カム１１も第４図のよ
うに反時計方向に回転する。これにつれてケーブ
ル連動カム１１のアーム２６がロツクカム１０の
アーム２２を押し、ロツクカム１０を時計方向に
回転させて第４図のようにシフトカム９から外れ
る。従つてこの状態ではシフトレバー３をパーキ
ングレンジ８から他のレンジへ動かすことが可能
となる。以上に説明したように、本考案の装置は
パーキングレンジ８に入つているシフトレバー３
を動かすには必ずブレーキペダル２８の踏み込み
を必要とし、ブレーキペダル２８を踏まないまま
でシフトレバー３をドライブレンジ等にシフトさ
せることが防止される。

更にシフトレバー３がパーキングレンジ８以外
のレンジにある走行状態等においては、シフトカ
ム９はばね１７のばね力により第２図、第５図に
示すように反時計方向に回転し、シフトカム９の
レバー１６がケーブル連動カム１１のアーム２５
を第１図のように時計方向に押圧する。この結
果、ケーブル連動カム１１は第６図に示されるよ
うに基部が上方へ引かれた状態となるので、走行
中にブレーキぺダル２８を踏んでもシフトロツク
ケーブル２７は動くことがなく、シフトロツクケ
ーブル２７やこれと連動するケーブル連動カム１
１等の摩耗を防止できる。

（考案の効果） 本考案は以上に説明したように、ブレーキペダ
ルを踏んだ状態でないとシフトレバーをパーキン
グレンジから動かすことができないようにしたも
ので、従来の電気式のロツク装置と比較して低コ
ストで製造することができる。また本考案によれ
ば、走行状態ではブレーキペダルを踏んでもシフ
トロツクケーブル等が動かないようにすることが
でき、関連部分の摩耗を防止することもできる。

よつて本考案は従来の問題点を一掃したシフト
レバーのロツク装置として、その実用価値は極め
て大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図はその平面図、第３図〜第５図は要部
の作動状態を説明する図であつて、いずれもＡは
平面図、Ｂは正面図、第６図と第７図はブレーキ
ペダルとの関係を示す全体的な正面図、第８図は
ケーブル連動カムのみを取り出して示す斜視図で
ある。 １……デイテントプレート、２……デイテント
溝、３……シフトレバー、８……パーキングレン
ジ、９……シフトカム、１０……ロツクカム、１
１……ケーブル連動カム、１５……段部、２７…
…シフトロツクケーブル、２８……ブレーキペダ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステツプ状のデイテント溝２が形成されたデイ
   テントプレート１に、シフトレバー３がパーキン
   グレンジ８に入つたときにこれと連動して揺動す
   るシフトカム９と、ばね力によりこのシフトカム
   の背面の段部１５と係合してシフトカム９をロツ
   クできるロツクカム１０と、シフトロツクケーブ
   ル２７によりブレーキペダル２８と連動しブレー
   キペダル２８が踏まれたときにロツクカム１０を
   アンロツク位置へ揺動させるばね付きのケーブル
   連動カム１１とを設けたことを特徴とするシフト
   レバーのロツク装置。