JPH0545464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、パツケージ用の合成樹脂製でなる蓋
体を、蓋体材料より金型装置、穿孔装置、トムソ
ン刃物装置及び押え装置並びに吸着装置等を介し
て自動連続的に成型するに際し、この蓋体材料を
前記の各装置に確実にかつ凹凸、皺等を生成する
ことなく供給する定尺繰り出し兼送り出し調整装
置に関するものである。

「従来の技術及びその問題点」 従来この種材料捲装ロールより被加工材料を送
り出し、その後所定寸法ずつ搬送する装置として
は、前記材料捲装ロールを積極的に回転させる方
式と、被加工物に引張力を与えても何ら障害とな
らないものでは、単にこの引張力を介して被加工
材料を繰り出す方式とに大別される。

ところで、この種パツケージ用蓋体の蓋体材料
となる凹凸、皺が発生しやすい合成樹脂製のシー
トでは、前者の方式は可としても、機構的に複雑
となること、殊に間欠搬送を目的とする本考案の
場合では、その制御も大変であること等の問題点
があつた。又後者の方式では、蓋体材料に引張力
をあまり与えることが、好ましくないことから到
底採用され得ないこと、また本考案の如く間欠的
に繰り出すことが要求される装置では、その繰り
出されるごとに蓋体材料に反力がかかり、蓋体材
料に悪影響を与えること、場合により蓋体材料の
破損という事態ともなりかねないものであり、そ
の改良が強く要望されているのが現況である。

「問題点を解決するための手段」 そこで、本考案は、合成樹脂製のシート状の蓋
体材料でも、確実かつ凹凸、皺等を生成せず間欠
搬送できる繰り出し兼送り出し調整装置を提供す
るもので、その要旨は、蓋体材料供給ロールより
繰り出される蓋体材料をフレームに張装した無端
チエーンの始端側に供給した後、この蓋体材料が
無端チエーンの喰い込みを介して間欠移送される
過程において成型、切断、取り出し加工して蓋体
を成型するとともに、この蓋体が切り離された残
滓材料片は、残滓材料片巻取りロールに捲装する
等の工程を経て前記蓋体を自動連続的に成型する
装置で、前記蓋体材料供給ロールと無端チエーン
との間に配設される繰り出し兼送り出し調整装置
であつて、この繰り出し兼送り出し装置は、二本
のガイドロールと、このガイドロール杆に装置さ
れたシリンダーのピストンロツドの昇降で上下動
する押圧板と、このガイドロール間を移送される
蓋体材料上に転動される重錘ロールとで構成さ
れ、前記押圧板の降下で重錘ロール及び蓋体材料
を押し下げるとともに、この時同時に蓋体材料を
定尺繰り出し、ついで押圧板が上昇した後重錘ロ
ールで繰り出された蓋体材料をガイドロール間に
垂下させ、この垂下された蓋体材料は前記無端チ
エーンを介して順次送り出されるとともに、重錘
ロールが順次上昇し、リミツトスイツチを叩く
と、シリンダーのピストンロツドが作動して、再
び押圧板が降下して重錘ロール及び蓋体材料を押
し下げるとともに、この時同時に蓋体材料を定尺
繰り出し最初の状態になる構成となつている。

「作用〕 次に本考案の作用を説明すると、重錘ロールが
リミツトスイツチを叩くと、シリンダーのピスト
ンロツドが前進し、これと同時に押圧板が前進し
て、重錘ロールを押し下げる。この場合すでに繰
り出された蓋体材料は、無端チエーンとロールと
の間で挟止されていることから、その押圧力は蓋
体材料供給ロールに付与されるので、結果的に蓋
体材料供給ロールを回転させ、蓋体材料を繰り出
すことができる。そして、重錘ロールが例えばリ
ミツトスイツチの作用等により前進限で停止する
と、ここに所定長の蓋体材料が繰り出される。か
つピストンロツド及び押圧板の前進も停止され
る。その後ピストンロツドが後退していくと、繰
り出された蓋体材料は重錘ロールの重量で張装さ
れつつ、その張力が調整され、かつ水平状態に保
持される。

その後蓋体材料より蓋体が成型されるごとに、
蓋体材料が送り出され、これと同時に重錘ロール
が順次持ち上げられていき、究極的に重錘ロール
が上昇限に達し、この重錘ロールがリミツトスイ
ツチを叩く。すると、前述の如く、シリンダーが
作用してそのピストンロツド及び押圧板の前進
し、それ以後は前述と同様な操作を繰り返すこと
になる。

「実施例」 次に本考案の一実施例を図面に基づいて具体的
に説明すると、１はフレームで、このフレーム１
の始端側（図面上向かつて右側）には後述する繰
り出し装置８を介して間欠等回転する蓋体材料供
給ロール２と、その終端側（図面上向かつて左
側）には図示しないモータを介して間欠等回転す
る残滓材料片巻取りロール３とがそれぞれ配設さ
れている。そうして、この蓋体材料供給ロール２
の前方にはシリンダー４のピストンロツドにより
押圧される押圧板５と重錘ロール６及びガイドロ
ール７，７ａとで構成される繰り出し兼送り出し
調整８が設けられており、この繰り出し兼送り出
し調整装置８の押圧板５の降下により、この繰り
出し兼送り出し調整装置８を構成するガイドロー
ル７，７ａの処にある蓋体材料Ａを押し下げ、も
つて蓋体材料供給ロール２の回転を介して新たな
蓋体材料Ａを繰り出していく。そうして、重錘ロ
ール６が下降限に到し、例えば図示しないリミツ
トスイツチを叩くと、ここに所定長の蓋体材料Ａ
が繰り出されるとともに、押圧板５がシリンダー
４のピストンロツドの後退を介して上昇し、この
繰り出された蓋体材料Ａの前進方向への移送を許
す。具体的には、蓋体材料Ａに重錘ロール６の重
量により強い引張力が係ると、この重錘ロール６
が持ち上げられ、同時に蓋体材料Ａが前進方向へ
と送り出されていくのである。尚この繰り出し兼
送り出し調整装置８は張力調整装置をも兼ねるも
のである。このようにして、繰り出された蓋体材
料Ａは、繰り出し兼送り出し調整装置８の前方
で、かつ蓋体材料Ａの前進方向に並設された二条
の無端チエーン１１に供給され、この無端チエー
ン１１は後述する各工程の作業時間停止し、その
作業が終了すると前進する構成となつており、い
わゆる間欠回転する構成である。図中１１ａは前
記無端チエーン１１に突設した針、１０はモータ
で、この例では無端チエーン１１の駆動側ロール
にその回転を伝達するものである。

図中１２は無端チエーン９の始端側に配設され
た喰い込みロールで、この喰い込みロール１２は
前記無体チエーン１１と同周速で回転し、かつ同
時回転又は同時停止される構成となつている。し
たがつて、この喰い込みロール１２と無端チエー
ン１１とにより確実に蓋体材料Ａを前進させる。
１３は前記喰い込みロール１２の僅か前方側に設
けられた加温式ヒーターで、この加温式ヒーター
１３はこの例では温水予熱方式であり、外気の温
度に左右されることなく供給される蓋体材料Ａ
が、常時一定の温度を有するように設定されてい
る。尚この加温式ヒーター１３は必ずしも設ける
必要はないが設けることが望ましい。１３は前記
加温式ヒーター１３の前方に位置する予熱ヒータ
ーで、この予熱ヒーター１４を介して前記加温式
ヒーター１３で暖められた蓋体材料Ａを成型に適
する温度にする。この一例ではこの加温式ヒータ
ー１３と予熱ヒーター１４とで予熱工程を形成す
る。１５は前記予熱ヒーター１４の前方に配設し
た所定の凹凸を有する型押し工程の金型装置で、
その上下型はシリンダー１６，１７のピストンロ
ツドを介して前進後退して、上下型が合体又は離
間する構成となつている。１８はこの金型装置１
５の前方に配設されたパツケージ吊架用の小孔
（図示せず）を開設する穿孔装置であり、これら
各装置は詳述した順番で無端チエーン１１に所定
の間隔で設けられている。

２２は前記無端チエーン１１と残滓材料片巻取
りロール３との間に配設された前記型押し工程で
成型された蓋体Ｂと残滓材料片Ｃとを僅かの連結
部を残して切断する切断成型工程に組み込まれる
トムソン刃物装置で、このトムソン刃物装置２２
を構成するトムソン刃（図示せず）を備えた上型
２２ａは、シリンダー２１のピストンロツドの作
用により昇降する。これにより、トムソン刃と下
型２２ｂとの間で成型された蓋体原型版の所定の
外部寸法より切断するが、前述の如く僅かの連結
部を残して切断する。

図中２４は前記トムソン刃物装置２２の前方配
設された蓋体Ｂの取り出し工程を構成する押え装
置で、この押え装置２４はシリンダー２５のピス
トンロツドの前進後退で昇降し、その下降限で残
滓材料片Ｃを図示しない下板との間で挟持する。
この挟持状態で押え装置２４の上方に位置する吸
着装置２６の吸着細管２６ａがシリンダー２７の
ピストンロツドの前進で蓋体Ｂの水平部（前工程
で成型された蓋体Ｂの凸部以外の水平部）に接
し、その吸引を介して吸着するとともに、その吸
着状態でシリンダー２７のピストンロツドの後退
を介して吸着細管２６ａを上昇させると、残滓材
料片Ｃに僅かの連結部を介して一体化されている
蓋体Ｂが切断引き上げられる。これにより、蓋体
Ｂが残滓材料片Ｃより切断され、ここに正規な蓋
体Ｂが形成されるとともに、ついで吸着装置２６
が図示しない回転装置により前進方向へ90度回転
する。その後この蓋体Ｂは、シリンダー２７のピ
ストンロツドの前進により、フレーム１の前進方
向の上方に配設された中間棚２８に順次横方向よ
り積層重畳される。つづいて、吸着装置２６の吸
着の解除とその後退（シリンダー２７のピストン
ロツドの後退）並びに90度の反転を介して原位置
に復帰すると、前記押え装置２４がシリンダー２
５のピストンロツドの前進を介して上昇して、そ
の残滓材料片Ｃへの押圧を解除する。

３０は前記蓋体Ｂの取り出し工程の前方に配設
された張力調整装置で、主として前記無端チエー
ン１１と残滓材料片巻取りロール３との間にある
蓋体Ｂ付き残滓材料片Ｃ及び残滓材料片Ｃの張力
を調整し、切断と引き離し及び巻き取りの確実性
を図ることにある。

次に本考案により蓋体Ｂを成型する場合を説明
するが、その便宜上一個の蓋体Ｂを成型する過程
を順に詳述する。

即ち、前述の如く、シリンダー４のピストンロ
ツド及び押圧板５の前進により重錘ロール６を押
圧するとともに、蓋体材料供給ロール２を回転す
る。これにより、蓋体材料供給ロール２に捲装さ
れたパツケージ用蓋体となる透明で適宜の厚味を
有する合成樹脂製の蓋体材料Ａが繰り出される。
そして押圧板５が前進限に達すると、蓋体材料Ａ
が所定寸法送り出されるとともに、蓋体材料供給
ロール２の回転もストツプロール（図示せず）で
停止される。その後ピストンロツドの後退により
押圧板５が上昇し、前記繰り出された蓋体材料Ａ
は重錘ロール６で重力保持される。この繰り出さ
れた蓋体材料Ａは、前記蓋体材料供給ロール２よ
りやや前方にある程度の距離を有するように配設
された二条の無端チエーン１１の上に延びてお
り、しかもその両端縁部が無端チエーン１１に突
設した多数の突起即ち針１１ａに係止されるとと
もに、この無端チエーン１１と同周速で同時回転
する喰い込みロール１２との間に供給される。こ
れにより、蓋体材料Ａは、無端チエーン１１と喰
い込みロール１２との間欠的な同時回転に伴つて
この無端チエーン１１と略同速度で間欠的に前進
移送されるのである。この間欠移送により送り出
された所定寸法の分だけ重錘ロール６が押し上げ
られ、蓋体Ｂの成型に準じて蓋体材料Ａが搬送さ
れ、究極的には、重錘ロール６が上昇限に達する
と、前述と同様に蓋体材料供給ロール２より蓋体
材料Ａが繰り出れる。

一方無端チエーン１１と喰い込みロール１２の
所定時間の回転停止により、蓋体材料Ａの搬送は
所定時間停止され、具体的には、この停止時間内
に下記の各工程の加工作業がそれぞれなされる。
即ち、前述の如く無端チエーン１１と同調して間
欠的に前進移行される過程において、無端チエー
ン１１間に配設された加温式ヒータ１３で外気の
温度とは無関係に、蓋体材料Ａが一定の温度に加
温される。そうして、この加温された蓋体材料Ａ
は予熱ヒーター１４を介して所望する面積が熱せ
られた後、これに隣接して配設された型押し金型
装置１５を介して所定の凹凸が型押し成型され
る。いわゆる予熱工程と型押し工程とが順次行わ
れ、蓋体材料Ａにパツケージ用蓋体としての所定
の凹凸を有する蓋体原型版が成型される。つづい
て、この凹凸蓋体原型版には無端チエーン９間に
配設された穿孔装置１８を介して所定箇所に吊架
用の小孔が開設され、具体的には後述する蓋体Ｂ
の何れか一辺部の例えば略中央部に小孔が開設さ
れる。尚この小孔はパツケージ吊架用の目的に開
設されるもので、この工程位置でなすことによ
り、確実に開設することができるとともに、作業
の連続一貫性が確保され、スムーズな作業が期待
できるものである。

このようにして、成型された蓋体原型版は、無
端チエーン１１の係止より離脱し間欠的に前進移
行していき、次の切断成型工程へと導かれる。こ
こに達し停止すると、トムソン刃物装置２２を介
して蓋体原型版の外郭寸法に対応した箇所で切断
され蓋体Ｂが成型される。但しこの場合、蓋体Ｂ
と残滓材料片Ｃとを僅かの連結部を残して切断さ
れる。

以上の如く原則として一体化されている蓋体Ｂ
と残滓材料片Ｃが更に間欠的に前進移行して所定
位置に停止すると、残滓材料片Ｃは上方より降下
してくる押え装置２４により押圧されるととも
に、蓋体Ｂの所定部位具体的には凸部でないいわ
ゆる平板状となつている部分に吸着細管２６ａが
当接される。ついで、この吸着細管２６ａによる
吸引並びに上昇を介して蓋体Ｂを残滓材料片Ｃよ
り切り離すとともに、この切り離された蓋体Ｂは
直ちに90度前方へ回転する。この90度回転位置に
達すると、この吸着細管２６ａの前進方向への前
進を介して前記蓋体Ｂはこの位置に設けられてい
る中間棚２８に横方向より順次積層重畳されてい
く。

一方蓋体Ｂが切断された残滓材料片ｃは、張力
調整装置３０を介して前進し所定位置まで間欠的
に前進移行すると、ここに装備されている残滓材
料片巻取りロール３に順次巻き取られ、ここで蓋
体Ｂが一個成型されるものである。

このようにして、蓋体材料Ａが前進移行し、そ
の後所定時間停止している時間内に前述の予熱工
程、型押し工程、切断成型工程、切断取り出し工
程等のそれぞれ作業が個別的になされ、蓋体材料
Ａ、蓋体原型版、蓋体Ｂ、残滓材料片Ｃ等の間欠
移行、停止及び前述の各工程の同時処理を介して
蓋体Ｂを順次成型していくものであり、換言すれ
ば蓋体材料Ａ、蓋体原型版等の間欠供給及び蓋体
Ｂの成型及び取り出し、残滓材料片Ｃの自動巻取
り等の連続一貫作業により効能率かつ自動的に蓋
体Ｂを成型することができる。

「考案の効果」 本考案は以上詳述したように、シリンダーで昇
降する押圧板と重錘ロールとの共働による繰り出
し兼送りだし調整装置であるので、蓋体材料供給
ロールにむやみに引張力と繰り出し反力を与える
ことがなく、蓋体材料のスムーズな繰り出しと、
蓋体材料供給ロールへの衝撃を少なくできる効果
がある。また繰り出された蓋体材料を重錘ロール
を介して確実かつ緩やかに送り出すことができ、
シート状の合成樹脂製の蓋体材料を凹凸、皺等の
生成をなくして、確実かつスムーズに移送するこ
とができる。更に機構的にも簡略化されており、
その取り扱いが容易であること、故障が少ないこ
と、低コストで提供こと等の実用上の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案の蓋体の自動成型装置の一例を示す模式
図、第２図は本考案の要部の斜視図である。 １……フレーム、２……蓋体材料供給ロール、
３……残滓材料片巻取りロール、４，１６，１
７，２１，２５，２７……シリンダー、５……押
圧板、６……重錘ロール、７，７ａ……ガイドロ
ール、８……繰り出し兼送り出し調整装置、１０
……モータ、１１……無端チエーン、１１ａ……
針、１２……ロール、１３……加温式ヒーター、
１４……予熱ヒーター、１５……金型装置、１８
……穿孔装置、２２……トムソン刃物装置、２２
ａ……上型、２２ｂ……下型、２４……押え装
置、２６……吸着装置、２６ａ……吸着細管、２
８……棚、３０……張力調整装置、Ａ……蓋体材
料、Ｂ……蓋体、Ｃ……残滓材料片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体材料供給ロールより繰り出される蓋体材料
   をフレームに張装した無端チエーンの始端側に供
   給した後、この蓋体材料が無端チエーンの喰い込
   みを介して間欠移送される過程において成型、切
   断、取り出し加工して蓋体を成型するとともに、
   この蓋体が切り離された残滓材料片は、残滓材料
   片巻取りロールに捲装する等の工程を経て前記蓋
   体を自動連続的に成型する装置で、前記蓋体材料
   供給ロールと無端チエーンとの間に配設される繰
   り出し兼送り出し調整装置であつて、この繰り出
   し兼送り出し装置は、二本のガイドロールと、こ
   のガイドロール杆に装置されたシリンダーのピス
   トンロツドの昇降で上下動する押圧板と、このガ
   イドロール間を移送される蓋体材料上に転動され
   る重錘ロールとで構成され、前記押圧板の降下で
   重錘ロール及び蓋体材料を押し下げるとともに、
   この時同時に蓋体材料を定尺繰り出し、ついで押
   圧板が上昇した後重錘ロールで繰り出された蓋体
   材料をガイドロール間に垂下させ、この垂下され
   た蓋体材料は前記無端チエーンを介して順次送り
   出されるとともに、重錘ロールが順次上昇される
   構成となつているパツケージ用蓋体の自動成型装
   置における蓋体材料定尺繰り出し兼送り出し調整
   装置。