JPH0545372U - クリツプ連結構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネスに連続的に取り付ける複数個
のクリップのピッチを車体パネル取付穴のピッチと正確
に一致させるようにする。 【構成】 ワイヤハーネスに長さ方向に沿って着脱自在
に取り付けれらる長尺の連結板を設け、該連結板に鋸歯
状凹凸からなる係止部を長さ方向に連続的に形成する一
方、該連結板に取り付ける各クリップに、パネル取付穴
に係止するクリップ頭部を突出した本体部に上記連結板
の貫通穴を設けると共に該貫通穴の内部に上記係止部を
ロックする係止片を突設している。該連結板はワイヤハ
ーネスにテープ止めか、あるいは、クリップに取り付け
る結束バンドを介してワイヤハーネスに取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、クリップ連結構造に関し、詳しくは、自動車用のワイヤハーネスを 車体パネルに取り付けるためクリップを所要間隔をあけて連結するもので、クリ ップのピッチ調整が容易に行えるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】

ワイヤハーネスを車体パネルの所要位置に沿って配線するためには、例えば、 図８に示すように、ワイヤハーネスＷを結束するバンド１を、パネル固定用ステ ム(係止部)２ａを突設したクリップ２に嵌合しておき、ステム２aを車体パネル( 図示せず)の取付穴に係止している。（実開昭６３−１５８６０８号公報参照）

【０００３】 上記のように、クリップ２を個別にワイヤハーネスＷに取り付けておくと、組 み付け後の輸送時や取付時に、クリップ２の位置にズレが生じ、クリップ間のピ ッチが車体パネルの取付穴のピッチと一致しなくなることが多い。 また、近接した位置に多数個のクリップを取り付ける場合には、各クリップに 取り付けた結束用バンドでワイヤハーネスを結束するのに手数がかかり、かつ、 近接位置ではワイヤハーネスを結束する必要がない場合もある。

【０００４】 上記した点より、図９(Ａ)(Ｂ)に示すように、クリップを位置決め保持するた めの長尺な連結板３を設け、該連結板３に一定間隔をあけてクリップ取付穴３ａ を穿設し、適宜な位置のクリップ取付穴３ａに示すクリップ２’を取り付け、該 連結板３をワイヤハーネスにテープ止め等の方法で固定している。

【０００５】

【考案が解決しようとする】

上記連結板３を用いた場合、取り付けたクリップ２’間のピッチＰ１を組付時 の状態に保持することが出来るが、連結板に穿設したクリップ取付穴３ａのピッ チＰ２が大きい場合、クリップ２’の間のピッチＰ１をパネル４の取付穴４aの ピッチＰ３に一致させることが出来なくなる場合がある。

【０００６】 よって、上記連結板３に穿設するクリップ取付穴３ａのピッチＰ２を小さくす れば、クリップ間ピッチＰ１をパネル取付穴ピッチＰ３と一致させることが可能 となる。 しかしながら、クリップ２’のクリップ頭部２'aのヤジリ部分等の長さの関係 で最短ピッチにも制限があった。尚、通常、このクリップ取付穴３ａの最短ピッ チＰ２は２０mmとなっている。

【０００７】 従って、 上記最短ピッチより小さい間隔で微調整することが出来ず、わずかで もクリップとパネル取付穴との位置ズレが生じるとクリップの取付ができないた め、更にクリップ間のピッチを微調整できるようにすることが要望されていた。

【０００８】 本考案は上記した要望に応えるものであり、クリップ取付位置の微調整を容易 に行うことができ、車体パネル取付穴のピッチとクリップ間のピッチを正確に一 致させることが出来るクリップ連結構造を提供せんとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は、複数個のパネル固定用クリップをワイヤハーネスに対して近 接して連続的に取り付ける必要がある場合に用いるクリップ連結具であって、長 尺の連結板に鋸歯状凹凸からなる係止部を長さ方向に連続的に設ける一方、該連 結板に取り付ける各クリップには、パネル取付穴に係止するパネル固定用ステム を突出させた本体部に上記連結板の貫通穴を設けると共に該貫通穴の内部に上記 係止部と着脱自在に係止する係止片を突設していることを特徴とするクリップ連 結構造を提供するものである。

【００１０】 上記連結板に形成する鋸歯形状凹凸からなる係止部は連結板の長さ方向両側に 連続的に形成しても良いし、また、連結板の表面全体に連続的に形成しても良い 。

【００１１】 上記連結板は、その両側をワイヤハーネスにテープ止めにより固定しても良い し、また、長尺な場合には、中間の適宜な位置でテープ止めにてワイヤハーネス に固定しても良い。

【００１２】 さらに、上記クリップの本体部に、ワイヤハーネス結束用のバンドを着脱自在 あるいは一体に取り付け、該バンドによりワイヤハーネスを結束すると同時に連 結板をワイヤハーネスに固定しても良い。 尚、バンドを着脱自在に取り付けるクリップを用いると、クリップを近接配置 する場合、連結板の両端あるいは適宜位置の中間に取り付けるクリップに対して バンドを取り付け、該バンドで固定してもよく、全てのクリップにバンドを取り 付けてワイヤハーネスを固定する必要はない。

【００１３】

【作用】

上記のように、鋸歯状凹凸からなる係止部を設けた場合、係止部のピッチ、即 ち、凹部のピッチはクリップのパネル固定用ステムと係止用ツバ部からなるクリ ップ頭部およびヤジリ部の寸法に制限を受けることなく、 任意の短い長さとする ことができ、 よって、 クリップ間のピッチを車体パネル取付穴のピッチと一致さ せることが出来る。

【００１４】 また、クリップにワイヤハーネス結束用バンドを着脱自在あるいは一体に取り 付けた場合には、ワイヤハーネスの結束と連結板の固定とを同時に行うことが出 来る。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。 図１から図４に示す第１実施例において、１０は連結板、１１は該連結板の所 要箇所に取り付けるクリップであり、図面上ではクリップ１１は１個だけ記載し ているが、複数個のクリップ１１が連結板１０に所要ピッチで取り付けられる。 この所要ピッチとは、 取り付けられる車体パネルのクリップ取付穴のピッチと一 致したピッチである。

【００１６】 上記連結板１０は樹脂成形した薄肉の長尺板からなり、全体が弾性を有するも ので、ワイヤハーネスの配線箇所に応じて湾曲および折曲を可能としており、か つ、ロール状で安価に製造出来るようにしている。 該連結板１０の長さ方向の両端縁には鋸歯状凹凸からなる係止部１２を設けて いる。該係止部１２の凹部１２ａの深さおよび凹部１２ａ間のピッチＰ４は任意 に設定できるが、凹部１２ａに後述する係止片１５を確実に係止できる範囲でピ ッチＰ４は最小としている。

【００１７】 上記クリップ１１はボックス形状の本体部１６の上面中央に車体パネル固定用 クリップ頭部１７を突設している。該クリップ頭部１７は本体部１５の上面から 垂直に突出したステム１７ａと該ステム１７ａの上端より下向きに湾曲させて形 成した係止部１７ｂとよりなる。 本体部１６には図２に示すように、連結板１０を貫通可能とする角穴状の貫通 穴１８を設け、該貫通穴１８の左右両側内面の下端より互いに近接する方向へ傾 斜させて突出した上記係止片１５を設けている。

【００１８】 連結板１０およびクリップ１１を上記構成としていることにより、連結板１０ に取り付ける複数個のクリップ１１、例えば３個のクリップ１１をその貫通穴１ ８に連続板１０を貫通させて連続的に取り付ける。 上記連結板１０に取り付けたクリップ１１は、隣接するクリップ１１間のピッ チがパネル取付穴のピッチと一致するように、連結板１０に沿って所要位置まで 移動させる。その際、連結板１０の両側係止部１２の凸部１２ｂに貫通穴内面に 突設した両側係止片１５が係止されるが、クリップ１１を強い力で引くことによ り係止片１５を撓ませて移動させることが出来、所要位置で、図３に示すように 、係止片１５と凸部１２ｂを係止し、隣接する凸部１２ｂの間の凹部１２ａに係 止片１５を挟んで固定させる。

【００１９】 上記のように、連結板１０の所要位置にクリップ１１を固定した後、該連結板 １０を図４に示すように、ワイヤハーネス１９の所要位置にテープ２０で固定す る。

【００２０】 図５は第２実施例を示し、上記連結板１０に形成する鋸歯状の凹凸からなる係 止部１２を、連結板１０の上面全体に長さ方向に連続して形成している。該係止 部１２に着脱自在に係止するクリップ１１側の貫通穴１８の内面に突設する係止 片１５は第１実施例と同様に左右両側より突出させて係止部１２の左右両側に係 止させることが出来る。また、貫通穴１８の上面より係止片を突出させて係止さ せることも出来る。

【００２１】 尚、上記第１実施例および第２実施例の連結板の長さは、連続的に取り付ける クリップの数およびその間のピッチに応じて、任意の長さに設定することが出来 る。即ち、連結板を前記したように連続的にロール状で製造しておき、所要の長 さで切断すれば良い。

【００２２】 図６は第３実施例を示し、上記クリップ１１の本体部１６に、ワイヤハーネス 結束用バンド２５を取り付けるバンド貫通穴２６を設けている。該バンド貫通穴 １６は上記連結板貫通穴１８の下側部に隔壁１７を隔てて直交する方向に形成し ている。

【００２３】 上記のように、クリップ１１にワイヤハーネス結束用バンド２５を取り付ける と、連結板１０の所要位置にクリップ１１を固定した後、該クリップ１１に取り 付けたバンド１５によりワイヤハーネス１９により結束すると同時に連結板１０ をワイヤハーネス１９に固定することが出来る。

【００２４】 図７は第４実施例を示し、上記クリップ１１の本体部１６にワイヤハーネス結 束用バンド２５’を一体に成形して設けたものである。即ち、本体部１６の内部 に連結板貫通穴１８を穿設する一方、該本体部１６の左右両側面にバンド２５'a と２５'bとを突設している。 該クリップ１１を用いると、第４実施例と同様に連 結板のワイヤハーネスへの固定とワイヤハーネスの結束とを同時に行うことが出 来る。

【００２５】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案によれば、連続板を用いることにより 、ワイヤハーネスに対して近接した位置に連続的に取り付ける必要があるクリッ プを、車体パネル取付穴のピッチに正確に一致させて確実に取り付けておくこと が出来る。 かつ、連結板に設ける係止部を鋸歯状凹凸で形成して小さいピッチで設定して いるため、クリップ取付位置をニーズにあったピッチにすることができ、数多く のクリップ間ピッチに対応させることが出来る。

【００２６】 また、上記連結板に取り付けるクリップにワイヤハーネス結束用バンドを取り 付けるようにしておくと、ワイヤハーネスの結束とクリップ連結板のワイヤハー ネスへの固定とを同時にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１実施例の分解斜視図である。

【図２】 図１のクリップの側面図である。

【図３】 図１のクリップと連結板との係止部分の断面
図である。

【図４】 第１実施例のクリップ連結板をワイヤハーネ
スに取り付けた状態を示す斜視図である。

【図５】 第２実施例の斜視図である。

【図６】 第３実施例の断面図である。

【図７】 第４実施例の断面図である。

【図８】 従来例の斜視図である。

【図９】 (Ａ)(Ｂ)は従来の連結板にクリップを取り付
けた状態の正面図と平面図である。

【符号の説明】

１０ 連結板 １１ クリップ １２ 係止部 １２ａ 凹部 １２ｂ 凸部 １５ 係止片 １６ 本体部 １７ クリップ頭部 １８ 貫通穴 １９ ワイヤハーネス ２０ テープ ２５ ワイヤハーネス結束用バンド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ１６Ｌ 3/12 Ｈ０２Ｇ 3/26 Ｃ 7335−5Ｇ Ｈ０５Ｋ 7/00 Ｈ 7819−4Ｅ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個のパネル固定用クリップをワイヤ
   ハーネスに対して所要間隔で連続的に取り付けるもので
   あって、ワイヤハーネスに長さ方向に沿って着脱自在に
   取り付けれらる長尺の連結板を設け、該連結板に鋸歯状
   凹凸からなる係止部を長さ方向に連続的に形成する一
   方、該連結板に取り付ける各クリップに、パネル取付穴
   に係止するクリップ頭部を突出した本体部に上記連結板
   の貫通穴を設けると共に該貫通穴の内部に上記係止部を
   ロックする係止片を突設していることを特徴とするクリ
   ップ連結構造。
2. 【請求項２】 上記クリップの本体部には、ワイヤハー
   ネス結束用のバンドを着脱自在あるいは一体に取り付け
   ることを特徴とする請求項１記載のクリップ連結構造。