JPH0545184Y2

JPH0545184Y2 -

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Publication number: JPH0545184Y2
Application number: JP1988084046U
Authority: JP
Priority date: 1988-06-24
Filing date: 1988-06-24
Publication date: 1993-11-17
Anticipated expiration: 2003-06-24
Also published as: JPH026469U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、森林等における樹木の育成時に、
ヒノキカワモグリガ、スギカミキリ等の樹木害虫
から樹木を保護するために使用する粘着型樹木害
虫捕獲用材の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の粘着型樹木害虫捕獲用材として
は、基材の片面に粘着剤を配した粘着テープが存
在しており、これを単に樹木の外周面に巻き付け
て、樹木害虫の捕獲に用いていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記粘着テープでは、テープの
基材が樹木の表面に残るため、製材時に樹木の皮
剥ぎと共にこのテープの基材も剥ぎ取らなければ
ならないので面倒であるという課題があり、又樹
木害虫は樹木の表面を移動すると共に樹木の内部
（外皮の内側）にもぐり込んだりする性質を有し
ているにもかかわらず、テープの基材が粘着捕獲
面を片面にだけ制約してしまうため、充分な粘着
捕獲が行えないという課題があつた。さらに、基
材の片面に配した粘着剤は、粘着力が不充分であ
り、充分な粘着捕獲が行えないという課題があつ
た。

そこで、この考案の両面粘着型樹木害虫捕獲用
材は、従来の粘着型樹木害虫捕獲用材が有する上
記の課題を解決するためになされたものである。

〔課題を解決するための手段〕

そのため、請求項１では、樹木の外周面に貼着
して、表面で樹木の表面を移動する害虫を粘着捕
獲し、裏面で樹木の内部にもぐり込んだ害虫を粘
着捕獲するようにした、少なくとも軟化剤と粘着
付与樹脂からなり、必要に応じてゴムを添加した
粘着剤成分のみからなる粘着剤層２を離型紙１の
離型剤処理面１ａ側に設けた両面粘着型樹木害虫
捕獲用材とした。さらに、請求項２では、樹木の
外周面に貼着して、表面で樹木の表面を移動する
害虫を粘着捕獲し、裏面で樹木の内部にもぐり込
んだ害虫を粘着捕獲するようにした、少なくとも
軟化剤と粘着付与樹脂からなり、必要に応じてゴ
ムを添加した粘着剤成分のみからなる粘着剤層２
を剥離強度の異なる離型剤処理面１ａ，３ａを有
する離型紙１，３の間に設けた両面粘着型樹木害
虫捕獲用材とした。さらに又、請求項３では、樹
木の外周面に貼着して、表面で樹木の表面を移動
する害虫を粘着捕獲し、裏面で樹木の内部にもぐ
り込んだ害虫を粘着捕獲するようにした、少なく
とも軟化剤と粘着付与樹脂からなり、必要に応じ
てゴムを添加した粘着剤成分のみからなる粘着剤
層２を、剥離強度の異なる離型剤処理面４ａ，４
ｂを両面に設けた離型紙４の上に設け、剥離強度
が弱い方が上側になるようにしてロール状に巻き
取つた両面粘着型樹木害虫捕獲用材とした。

〔作用〕

この考案の両面粘着型樹木害虫捕獲用材は、上
記手段を施した結果、請求項１記載の考案では、
樹木の外周面に粘着剤層２側を貼着し、離型紙１
を剥離させることにより、樹木の外周面に粘着剤
成分のみからなく粘着剤層２を残存させることが
でき、請求項２記載の考案では、剥離強度の弱い
離型紙を粘着剤層２から剥離させ、樹木の外周面
に粘着剤層２側を貼着し、最後に剥離強度の強い
離型紙を粘着剤層２から剥離させることにより、
樹木の外周面に粘着剤成分のみからなる粘着剤層
２を残存させることができ、請求項３記載の考案
では、ロール状に巻き取つたものから必要な分だ
け剥がして、樹木の外周面に粘着剤層２側を貼着
し、離型紙４を粘着剤層２から剥離させることに
より、樹木の外周面に粘着剤成分のみからなる粘
着剤層２を残存させることができる。

さらに、粘着剤層２が、少なくとも軟化剤と粘
着付与樹脂からなり、必要に応じてゴムを添加し
た粘着剤であるので、強い粘着力を有しており、
害虫を粘着捕獲することができる。

このようにして樹木の外周面に残存させた粘着
剤層２は、表面で樹木の表面を移動する害虫を粘
着捕獲し、裏面では樹木の内部からはいだしてき
た害虫を粘着捕獲する。

〔実施例〕

以下、この考案の構成を実施例として示した図
面に基づいて説明する。

第１図は、請求項１の考案の実施例を示す縦断
面図であり、この両面粘着型樹木害虫捕獲用材
は、離型紙１の片面の離型剤処理面１ａに粘着剤
層２を設けたものとしている。この場合、粘着剤
層２の外面（外気に触れる面）は、露出させてい
るが、必要に応じこの外面の上方に少し間隔をも
たせてカバー（図示せず）等を設けることができ
る。

上記のように構成された両面粘着型樹木害虫捕
獲用材は、使用に際し、樹木の外周面に粘着剤層
２側を貼着し、離型紙１を剥離させることによ
り、樹木の外周面に粘着剤成分のみからなる粘着
剤層２を残存させることがでる。

第２図は、請求項２の考案の実施例を示す縦断
面図であり、この両面粘着型樹木害虫捕獲用材
は、請求項１の粘着剤層２の外面（外気に触れる
面）に、前記離型紙１とは剥離強度の異なる離型
紙３を設けた以外は、請求項１の実施例に示すも
のと実質的に同一であり、離型紙１，３の剥離強
度の異なる離型剤処理面１ａ，３ａの間に粘着剤
層２を設けたものとしている。

上記のように構成されたこの考案の両面粘着型
樹木害虫捕獲用材は、使用に際し、剥離強度の弱
い離型紙（例えば離型紙３）を粘着剤層２から剥
離させ、樹木の外周面に粘着剤層２側を貼着し、
最後に剥離強度の強い離型紙（例えば離型紙１）
を粘着剤層２から剥離させることにより、樹木の
外周面に粘着剤成分のみからなる粘着剤層２を残
存させることができる。

第３図及び第４図は、請求項３の実施例を示し
ており、第３図は斜視図、第４図は一部拡大縦断
面図であり、剥離強度の異なる離型剤処理面４
ａ，４ｂを離型紙４の両面に設け、剥離強度を強
くした方の離型剤処理面（例えば離型剤処理面４
ａ）に粘着剤層２を設け、この粘着剤層２の外面
（外気に触れる面）を剥離強度を弱くした方の離
型剤処理面（例えば離型剤処理面４ｂ）に貼着す
るように、ロール芯５を介する等してロール状に
巻き取つたものとしている。

上記のように構成された両面粘着型樹木害虫捕
獲用材は、使用に際し、ロール状に巻き取つたも
のから必要な分だけ剥がして、樹木の外周面に粘
着剤層２側を貼着し、離型紙４を粘着剤層２から
剥離させることにより、樹木の外周面に粘着剤成
分のみからなる粘着剤層２を残存させることがで
きる。

尚、前記離型紙１，３，４の材質としては、
紙、布、金属、合成樹脂等を用いることができ
る。そして、前記離型紙１，３，４は、布を用い
た場合には、繊維の方向に沿つて引き裂くことに
より適当な大きさに切つて使用することができ、
又布以外のものを用いた場合には、ミシン目を入
れる等して、このミシン目に沿つて引き裂くこと
により適当な大きさに切つて使用することができ
る。

又、この考案の両面粘着型樹木害虫捕獲用材に
おいて、前記粘着剤層２を形成する粘着剤には、
少なくとも軟化剤、粘着付与樹脂からなり、必要
に応じてゴムを添加したものを用いている。

前記軟化剤の最も代表的なものとしては、ポリ
ブテンを挙げることができるが、その他ミネラル
オイル、ラノリン、液状ポリアクリート、可塑剤
（例えば、DCP，DOP，DBP等）、不乾性油（例
えば、桐油、オイチシカ油、アマニ油、荏油、麻
実油、大豆油、鱈油、鰊油、いか油、ひまし油、
オリーブ油、つばき油等）を使用することもでき
る。

前記粘着付与樹脂の代表的なものとしては、例
えば石油樹脂、ロジン、水添ロジン、水添ロジン
エステル等のロジン又は水添ロジンの誘導体、テ
ルペン系炭化水素樹脂、クマロン樹脂、クマロン
インデン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化
水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、フエノール樹
脂、テルペンフエノール樹脂、キシレン樹脂、ス
チレン樹脂、シリコングリース等を挙げることが
できる。

前記ゴムの代表的なものとしては、天然ゴム、
及びブチレンゴム、ポリイソブチレンゴム、クロ
ロプレンゴム等各種の合成ゴムを挙げることがで
きる。

さらに、ヒノキカワモグリガ、スギカミキリ等
の樹木の害虫に対する捕獲効率を増大させるため
に、前記粘着剤層２を形成する粘着剤に誘引性物
質や食餌等を配合することができる。このような
誘引性物質としては、例えばスギ、ヒノキ等の精
油Ｔ−カジノール、Ｔ−ムロール、１（10）カジ
ネン−４−β−オール、α−カジノール、又はア
ルデヒド類、エステル類が使用され得る。さら
に、食餌としては、例えばとうもろこし、小麦
粉、米糠等の穀粉、魚粉、骨粉、粉乳、バター等
の動物性食餌が使用され得る。これらの物質は、
適宜組合せ使用して害虫捕獲率を向上させ得る。

又、前記粘着剤には、トルエン、Ｎ−ヘキサ
ン、メチレンクロライド等の溶剤を配合すること
も可能である。これらの溶剤は、特に相溶性の悪
い素材を使用して粘着剤を得ようとする場合に有
効である。その他、前記粘着剤には、殺菌剤、殺
虫剤、充填剤、色素、染料、香料、老化防止剤、
酸化防止剤、紫外線防止剤、界面活性剤等の各種
添加物を任意に配合することができる。

前記粘着剤層２を形成する粘着剤を製造するに
当たつては、例えばゴムを使用する場合には、ゴ
ムをあらかじめトルエン、Ｎ−ヘキサン等の溶剤
に溶解後、粘着性付与樹脂と軟化剤に添加すれば
良い。又、ゴム、粘着性付与樹脂及び軟化剤を配
合し、トルエン等の溶媒に溶解しても良い。この
際、過剰の溶媒があればこれを除去すれは良い。
尚、使用される素材が良好な相溶性を有している
ときは、溶媒を使用せずに製造できる。

〔考案の効果〕

この考案の両面粘着型樹木害虫捕獲用材は、以
上に述べた通りに構成されており、請求項１記載
の両面粘着型樹木害虫捕獲用材では、樹木の外周
面に粘着剤層２側を貼着し、離型紙１を剥離させ
ることにより、樹木の外周面に粘着剤成分のみか
らなる粘着剤層２を残存させることができ、請求
項２記載の両面粘着型樹木害虫捕獲用材では、剥
離強度の弱い離型紙を粘着剤層２から剥離させ、
樹木の外周面に粘着剤層２側を貼着し、最後に剥
離強度の強い離型紙を粘着剤層２から剥離させる
ことにより、樹木の外周面に粘着剤成分のみから
なる粘着剤層２を残存させることができ、請求項
３記載の考案の両面粘着型樹木害虫捕獲用材で
は、ロール状に巻き取つたものから必要な分だけ
剥がして、樹木の外周面に粘着剤層２側を貼着
し、離型紙４を粘着剤層２から剥離させることに
より、樹木の外周面に粘着剤成分のみからなる粘
着剤層２を残存させることができるので、従来の
粘着型樹木害虫捕獲用材として使用されていた粘
着テープのように、テープの基材が樹木の表面に
残つて、製材時に樹木の皮剥ぎと共にこのテープ
基材も剥ぎ取らなければならないということはな
い。さらに、この考案の両面粘着型樹木害虫捕獲
用材は、粘着剤層２の表面で樹木の表面を移動す
る害虫を粘着捕獲でき、粘着剤層２の裏面で、樹
木の内部にもぐり込んだ害虫を粘着捕獲できるだ
けでなく、粘着剤の粘着力が強いので、優れた捕
獲効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、請求項１記載の考案の実施例を示す
縦断面図。第２図は、請求項２記載の考案の実施
例を示す縦断面図。第３図は、請求項３記載の考
案の実施例を示す斜視図。第４図は、第３図の一
部拡大縦断面図。１……離型紙、１ａ……離型剤処理面、２……
粘着剤層、３……離型紙、３ａ……離型剤処理
面、４……離型紙、４ａ，４ｂ……離型剤処理
面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１樹木の外周面に貼着して、表面で樹木の表面
を移動する害虫を粘着捕獲し、裏面で樹木の内
部にもぐり込んだ害虫を粘着捕獲するようにし
た、少なくとも軟化剤と粘着付与樹脂からな
り、必要に応じてゴムを添加した粘着剤成分の
みからなる粘着剤層２を離型紙１の離型剤処理
面１ａ側に設けたことを特徴とする両面粘着型
樹木害虫捕獲用材。２樹木の外周面に貼着して、表面で樹木の表面
を移動する害虫を粘着捕獲し、裏面で樹木の内
部にもぐり込んだ害虫を粘着捕獲するようにし
た、少なくとも軟化剤と粘着付与樹脂からな
り、必要に応じてゴムを添加した粘着剤成分の
みからなる粘着剤層２を剥離強度の異なる離型
剤処理面１ａ，３ａを有する離型紙１，３の間
に設けたことを特徴とする両面粘着型樹木害虫
捕獲用材。３樹木の外周面に貼着して、表面で樹木の表面
を移動する害虫を粘着捕獲し、裏面で樹木の内
部にもぐり込んだ害虫を粘着捕獲するようにし
た、少なくとも軟化剤と粘着付与樹脂からな
り、必要に応じてゴムを添加した粘着剤成分の
みからなる粘着剤層２を、剥離強度の異なる離
型剤処理面４ａ，４ｂを両面に設けた離型紙４
の上に設け、剥離強度が弱い方が上側になるよ
うにしてロール状に巻き取つたことを特徴とす
る両面粘着型樹木害虫捕獲用材。