JPS5917175Y2 - 害虫捕獲器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、害虫、特にゴキブリを容器本体の内面に設け
た粘着面、例えば底部に設けた粘着シートに付着させて
捕える害虫捕獲器の改良に関するものである。

従来の薄板プレート表面に粘着剤を塗布して粘着シート
を形威し、この粘着シートを箱型の容器本体内に設置し
、この容器本体内へゴキブリ等を誘引して粘着シートに
その足の先端部を付着させて捕えるというものにおいて
は、油汚れの多い台所に生息するゴキブリは足に油が付
着していることが多いので、粘着剤と油で汚れたゴキブ
リの足との付着力が弱く、したがって粘着シートに一旦
捕えられたグキブリが容器本体の開口部の縁やザラザラ
した容器本体の内壁等に足先を引っ掛けて容易に逃亡し
てしまうことが多かった。

また、大型のゴキブリにおいては、自ら足の先端部を切
って逃亡することもあった。

そこで、容器本体の開口部（入口のみならず出口ともな
っていた）を入り易く出にくい形状に形成したり、例え
ば開口部に踏板を設ける等したり、あるいは容器本体の
内壁を三角形状にしたりする等の工夫が試みられた。

しかしながら、このよさな工夫をしても粘着シートの側
面、底面、開口端縁等を利用してゴキブリは脱出してし
まってそれほど効果はなく、さらには材料費や製作コス
トのアップにつながるおそれがあった。

なお、粘着シーＩ・を使用しない簡易な捕獲器としては
、上部が開口したビン等の容器の内周面を容器内に一旦
侵入したゴキブリがはい上がれないようにするため滑面
とし、この内周面上方にバター等を塗布した所謂バター
トラップと呼ばれるものがあるが、これは容器内に捕え
たゴキブリを殺して死骸を処理しなければならないとい
う煩わしさがあるのみならず、バター等が付着して汚れ
たり、バター等を塗布する面倒があった。

本考案は、容器本体の内面に設けた粘着面で害虫を捕え
るタイプの害虫捕獲器であって、一度粘着面に付着させ
て捕えた害虫の逃亡を確実に阻止することができるとと
もに、きわめて簡単な構造で安価に製作することができ
、また、長い期間の経過によって粘着面の害虫への付着
力が弱まったり、害虫の足が油等で汚れていても捕える
ことか可能な害虫捕獲器を提供することを目的とするも
のである。

以下本考案の種々の実施例について図面を参賑しなか′
ら説明する。

箱型に組立てられる容器本体］の底部２に粘崩剤を塗布
し、あるいは薄板状のプレートに粘着剤を塗布した粘着
シート３を容器本体１の底部２に設置しく底部２とこれ
以外の個所、例えば側壁等に粘着面を形成しても良い）
、この粘着シート３に隣接する容器本体１の内面に滑面
部４を形成しである。

この滑面部４は、第１図及び第２図において、容器本体
１の両端に形成される。

開口部５と粘着シート３との間に夫々０．５ｃｍないし
１０ ｃｍ、好ましくは２ｃｍないし６ｃｍの幅に形成
しである。

また、滑面部４を形成する材料としては、表面が必ずし
も平面状でなくとも（凹凸があっても）、害虫が足を滑
らせ滑らせ易いものであれば良く、具体的にはガムテー
プの背面、バターの塗布面、剥離紙の剥離面等が使用さ
れ、要は一旦粘着剤に捕えられた害虫が脱出しようとし
てその足を滑面部４の表面に引っ掛けようとしてもこの
滑面部４を利用しては脱出できない程度の滑り易さを備
えたものであれば良い。

特に、剥離剤を塗布して滑面部４を形成した場合には、
バター塗布のように塗布剤が害虫の足に付着したりして
粘着面による捕獲効果を落とすようなことがないため好
適であり、また粘着シート３を使用する害虫捕獲器では
、この粘着シート３の粘着面の保護のためにシリコン樹
脂の薄い皮膜をつけた剥離紙６が粘着シート３の粘着面
に接触しであるのが一般的であり、捕獲器の使用に当っ
てこの剥離紙６を剥がして粘着面を露出させるのである
から、この剥離紙６を廃棄せず滑面部４を形成する材料
とすることは、廃品利用となり合理的である。

このように滑面部４を形成する材料としての剥離紙６は
、シリコン樹脂以外の剥離処理剤を使用したものでも、
紙以外の基材としてポリエステルやポリプロピレン等を
使用したものでも良く、要するに粘着剤に付着された害
虫が脱出の手掛りとして利用することができず、滑面部
４において足を滑らせて逃亡できない程度の滑り易さを
有するものであれば良い。

例えば、第３図に示すように、粘着シート３の粘着面に
剥離紙６を接触させた保存状態において、あらかじめ剥
離紙６に切目７，７を形成しておき、使用に当って両端
の剥離紙６を残して中間部分を廃棄し残りを滑面部４に
形成すれば、きわめて簡単に滑面部４を形成することが
できる。

この場合の剥離紙６は、両面に剥離処理剤がコーティン
グされていなければならない。

第１図ないし第３図に示す実施例においては、滑面部４
を粘着シート３と開口部５との間に形成したが、さらに
第４図に示すように容器本体１の内面の側壁８あるいは
側壁８及が天井９に剥離処理剤をコーティングして滑面
部４を形成するとより効果的である。

なお、側壁８に剥離処理剤をコーティングしない場合に
は、容器本体１の側壁８の高さを０．５ｃｍ〜２．５ｃ
ｍ位の低さに設定したり、側壁８を内側へ傾斜させるこ
とにより （側壁８と底部２との挟角を鋭角にし）、粘
着シー１〜３に捕えられた害虫が側壁８へ足を引っ掛け
て逃亡するのを防止することができる。

第５図及び第６図は、剥離紙６を剥離して滑面部４を形
成するための各種態様を示すものであり、第５図のもの
は剥離紙６の両端に両端粘着テープ１０を設け、剥離紙
６の中央の切目７がら剥離紙６を部分し、夫々反対方向
にめくって両面粘着テープ１０に貼着するものであり、
第６図は両面粘着テープ１０を粘着シート３の裏側に設
け、めくった剥離紙６を反転させてこの両面粘着テープ
１０に貼着するものである。

いずれも粘着シート３と接触する面にのみ剥離処理剤を
コーティングした剥離紙６が用いられ、第６図のものは
剥離紙６の両端が折り返されて非剥離処理面が粘着シー
ト３の両端に接着されたものであり、この剥離紙を反転
させてめくった後に粘着シート３に接着された剥離紙６
の両端上面が滑面部４に形成されることとなる。

第７図は断面直角三角形状の踏台１１を容器本体１の開
口部５，５に、かつ粘着シート３上に設けたものであり
、踏台１１の開口部５，５側の傾斜面を害虫の入口とし
、かつこの傾斜面を滑面部４に形成したものである。

この滑面部４は、害虫の体長よりも若干幅広に、例えば
ワモンゴキブリの場合６ｃｍ程度、クロゴキブリの場合
５ｃｍ程度、チャバネゴキブリの場合２．５ｃｍ程度に
形成することか望ましく、例えばゴキブリが容器本体１
内へ侵入するときは、第７図右側に示すように後足で前
に押し出し前足を滑面部４の頂部の角に引っ掛けて粘着
シート３上へ進み、その後粘着シート３に前足を捕えら
れ逃亡しようとするときには、既に後足が滑面部４の先
まで届かず逃亡が不可能となり、あるいは第７図左側に
示すように前足が滑面部４まで届いても引っ掛かりがな
いので逃亡が不可能となるものである。

前記踏台１１は厚紙を折り曲げて組立てるようにしても
良く、この場合あらかじめ傾斜面に剥離処理剤をコーテ
ィングしておくようにしても、あるいは組立て後に傾斜
面に剥離紙やガムテープ等を貼り付けても良い。

または、踏台１１を発泡スチロール等で形成することも
差し支えない。

第８図は断面三角形状の踏台１１の両側傾斜面のうち粘
着シー１−３側の傾斜面に滑面部４を形成したものであ
る。

この滑面部４は、剥離紙６を切目７，７から切断し、こ
れを踏台１１の傾斜面の頂部付近に設けた両面粘着テー
プ１０へ貼着したものである。

切目７，７間の剥離紙６は廃棄すれば良い。

また、入口側の傾斜面に凹凸部１２を形成することによ
り害虫の侵入を容易にするようにしても良い。

そして、第８図のように構成したもの（あるいは第７図
のもの）を容器本体１の底部２に貼り付け、容器本体１
を組立てれば捕獲器が完成する（第９図参照）。

なお、紙に剥離処理剤をコーティングする場合、紙にア
ンカーコート （ポリエチレン等をコーティングしてお
き）されたものを基材とし、これにシリコン等の剥離処
理剤をコーティング七たものが最適であり、紙に直接シ
リコン等をコーティングする場合には、グラシン紙やパ
ーチメント紙が平滑性が良く浸透性が少ないので好適で
ある。

しかしながら、既述の如く滑面部４を形成する材料とし
ては剥離紙６以外の材料を使用することも可能であるこ
とは勿論であり、ただ剥離紙６を使用する場合には廃品
の利用となり、コスト面でも有利となるものである。

以上詳細に説明したように、本考案は粘着シーＩ・と滑
面部との効果的組合わせを最大の特徴とするものであり
、一旦粘着シートで捕えられた害虫は、粘着剤に付着さ
れた足を粘着剤から引き剥がそうと試み、複数の足のう
ちの一部を粘着剤から引き剥がすことに成功すると、こ
の自由になった足を粘着シート以外の個所へ伸ばし、該
個所を利用して付着されている足をも粘着剤から引き剥
がそうとするが、この脱出に利用する個所が滑面部であ
ることにより、害虫は足を滑らせて脱出が不可能となる
。

もし、害虫が脱出に利用しようとする個所が滑面部に形
成されていない場合、例えば表面にザラつきのあるボー
ル紙や粘着シートの端部が容器本体の開口部まで延出し
たものであるときはこの粘着シートの端部に足を引っ掛
ける等して容易に脱出してしまう。

特に、本考案の場合逃げようとして滑面部で何度も足を
滑らせてもがくと、粘着シートに捕えられた足の先端部
のみならず、足のつけ根部分や羽あるいは胴体をも粘着
シートに付着させることになり、全く逃亡が不可能な事
態に陥れることができる。

このような事態に害虫を陥れることと相俟って、一定期
間の経過後に粘着シートの付着力が弱まっても粘着剤が
害虫の足に付着する間は十分に捕獲することができる。

すなわち、粘着剤が多少劣化しても、粘着シートに隣接
して滑面部が形成しであるので、比較的容易に害虫が粘
着剤に付着された足を引き剥がすことができても、滑面
部で足を滑らすことにより一旦用き剥がした足を再び粘
着剤に付着させるという繰り返しのうち足の先端部以外
の個所を付着させることとなり、結局粘着シートに捕え
られてしまうことになる。

また、滑面部を少なくとも容器本体の開口部と粘着シー
トとの間に形成した場合、害虫は開口部側の個所を利用
して脱出を試みることが多いので、足を滑面部で滑らせ
逃亡が困難となり、害虫捕獲率を向上させることができ
る。

滑面部の幅を０．５ｃｍないし１０ｃｍ、好ましくは２
ｃｍないし６ｃｍの幅に形成したものにおいては、滑面
部の端に足を引っ掛けて害虫が逃亡しにくくなり、容器
本体の側壁の高さを０．５ｃｍないし２．５ｃｍ程度の
高さに形成したり、側壁を内側に傾斜させたものにおい
ては、側壁に滑面部を形成しなくとも害虫がこの側壁を
手掛かりとして逃亡することが困難となる。

さらに、滑面部を粘着シー）・の粘着面の保護に使用さ
れる剥離紙で形成したものでは、廃品を積極的に利用す
ることができ、コスＩ・面でも有利であり、また、滑面
部を傾斜させて形成したものでは、より一層害虫の足を
滑らせて、逃亡を確実に阻止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は容器本体の組立て前の斜視図、第２図は第１図
の組立て後の斜視図、第３図は粘着シートの斜視図、第
４図は他側を示す全体の展開図、第５図及び第６図は剥
離紙から滑面部を形成する各種態様を示す簡略側断面図
、第７図は他の実施例を示す要部側断面図、第８図は第
７図の変形例を示す要部側断面図、第９図は第８図のも
のを容器本体に取付けた斜視図である。 １・・・・・・容器本体、２・・・・・・底部、３・・
・・・・粘着シー１−１４・・・・・・滑面部、５・・
・・・・開口部、８・・・・・・側壁、９・・・・・・
天井。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 開口部を有する箱型の容器本体とこの容器本体の内
   面に設けた粘着面とを備え、この粘着面に隣接した部分
   に害虫が粘着面の粘着剤に付着した状態からその足を掛
   けて逃亡できない程度の滑り易さを備えた滑面部を形威
   したことを特徴とする害虫捕獲器。 ２ 前記滑面部を少なくとも容器本体の開口部と粘着面
   との間に形成したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の害虫捕獲器。 ３ 前記滑面部の粘着面隣接部分からの幅を０．５ｃｍ
   ないし１０ ｃｍ、好ましくは２ｃｍないし６ｃｍの幅
   に形成したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項記載の害虫捕獲器。 ４ 前記滑面部を料理処理剤をコーティングして形成し
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項ない
   し第３項の夫々いずれかに記載の害虫捕獲器。 ５ 前記容器本体の側壁の高さを０．５ｃｍないし２．
   ５ｃｍ程度の高さに形成したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項ないし第４項の夫々いずれかに記
   載の害虫捕獲器。 ６ 前記容器本体の側壁を内側に傾斜させて形成したこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項ないし第
   ５項の夫々いずれかに記載の害虫捕獲器。 ７ 前記滑面部を傾斜させて形成したことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項ないし第６項の夫々いず
   れかに記載の害虫捕獲器