JPH0544776A - 防振ゴム用組成物 - Google Patents

防振ゴム用組成物

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JPH0544776A
JPH0544776A JP20852791A JP20852791A JPH0544776A JP H0544776 A JPH0544776 A JP H0544776A JP 20852791 A JP20852791 A JP 20852791A JP 20852791 A JP20852791 A JP 20852791A JP H0544776 A JPH0544776 A JP H0544776A
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JP
Japan
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rubber
sea
phase
vibration
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JP20852791A
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Norio Naruse
襄夫 成瀬
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Meiji Rubber and Chemical Co Ltd
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Meiji Rubber and Chemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低周波領域及び高周波領域のいずれにおいて
も振動吸収力の高い防振ゴム用組成物を提供せんとする
ものである。 【構成】 二つの材質を海島相に形成してなり、低周
波領域では海相の材質が大きく表れ、高周波領域では島
相の材質が大きく表れるかあるいは高周波領域では海相
の材質が大きく表れ、低周波領域では島相の材質が大き
く表れることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は防振ゴム用組成物に係
り、詳しくは自動車のエンジンマウント等に用いられる
防振ゴムに好適な組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のエンジンマウント等に振
動を吸収する防振ゴムが使用されている。これらの防振
ゴムには、主に天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(B
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、あるいはブ
チルゴム(IIR)等を単独で、またはこれらのゴムを
適宜混合するとともに、さらに、亜鉛華、ステアリン
酸、カーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤等の配合剤
を混練した組成物が用いられている。そして、これらの
ゴム組成物は高周波領域あるいは低周波領域のいずれに
おいても振動伝達率を小さくすることが望まれている。
【0003】一般に、防振ゴム用組成物は、低周波領域
では損失係数(tanδ)が大きく、高周波領域では動的
倍率(Kd/Ks)が小さいのが好ましい。即ち、防振ゴム
における振動伝達率(T)と加振力の振動数(ω)との
関係を数式で表せば、振動数の小さい領域、即ち、低周
波領域(10〜20Hz)では、概略数式1となり、
【数1】 また、振動数の大きい領域、即ち、高周波領域(75Hz
以上)では、数式2となる。
【数2】 従って、振動伝達率(T)を小さくするためには、低周
波領域では損失係数(tanδ)を大きくし、高周波領域
では動的弾性率(Kd)、または動的倍率(Kd/Ks)を小
さくすることが必要になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されている防振ゴム用組成物は、損失係数(tanδ)
が大きくなれば動的倍率(Kd/Ks)も大きくなり、逆に
動的倍率(Kd/Ks)を小さくしようとすれば損失係数
(tanδ)も小さくなり、そのバランスを取ることはで
きなかった。即ち、損失係数(tanδ)と動的倍率(Kd
/Ks)との関係を示すと図1の通りである。
【図1】この図1から明らかなように、ブチルゴム(I
IR)は低周波領域(10Hz)での損失係数(tanδ)
は大きいが動的倍率(Kd/Ks)も大きくなるからエンジ
ンノイズの伝達が大きくなる。一方、天然ゴム(NR)
は動的倍率(Kd/Ks)は小さいが損失係数(tanδ)も
小さくなるのでアイドリング時の振動の伝達が大きくな
る。殊に、自動車のエンジンマウントに使用される防振
ゴム用組成物としては、アイドリング時及び走行時の振
動伝達率を抑えるためには、低周波領域での損失係数
(tanδ)が大きく、高周波領域での動的倍率(Kd/K
s)を小さくすることが必要であり、図1の一点鎖線で
囲った範囲にあることが望ましい。
【0005】また、従来は防振ゴム用組成物としては、
天然ゴムに例えばスチレン・ブタジエンゴムなどのジエ
ン系ゴムを混合して損失係数の大きいゴム組成物を得よ
うとしているが、単に混合しただけでは割合の大きい方
の性質が表れるのみで図1の線上から外れることはでき
なかった。
【0006】この発明はかかる現況に鑑みてなされたも
ので、低周波領域及び高周波領域のいずれにおいても振
動伝達率の小さい防振ゴム用組成物を提供せんとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の防振ゴム用組
成物は、二つの材質を海島相に形成してなり、低周波領
域では海相の材質が大きく表れ、高周波領域では島相の
材質が大きく表れるか、あるいは高周波領域では海相の
材質が大きく表れ、低周波領域では島相の材質が大きく
表れることを特徴とする。そして、前記材質は、低周波
領域での損失係数が0.25以上、高周波領域での動的
倍率が2.5以下であることが望ましい。さらに、海相
には低周波領域での損失係数が0.25以上の材質を使
用し、島相には高周波領域での動的倍率が2.5以下の
材質を使用するか、海相には低周波領域での損失係数が
0.25以下で、高周波領域での動的倍率が2.5以下
の材質を使用し、島相には低周波領域での損失係数が
0.25以上の材質を使用するのが望ましい。
【0008】例えば、天然ゴムを海相とし、低周波領域
で粘性が高く、高周波領域では粘性が低いブチルゴムを
作成し、それを島相とすることによって、低周波領域で
損失係数(tanδ)を大きくし、高周波領域で動的倍率
が(Kd/Ks)を小さくするものである。前記の天然ゴ
ム、及びブチルゴムには亜鉛華、ステアリン酸、カーボ
ンブラック、加硫剤等の公知の配合剤が混練されてい
る。また、海島相の関係では天然ゴムなどのジエン系ゴ
ムを海相とした場合には、ブチルゴムなど損失係数の大
きい材質を島相に使用し、あるいは前記ジエン系ゴムを
島相に使用し、ブチルゴムなどを海相に使用してもよ
い。損失係数(tanδ)及び動的倍率(Kd/Ks)の振動
数依存性は、海島相を形成させることで防振特性に影響
を与えるからである。即ち、この発明は二つの材質を海
島相に形成することによって互いにその材質の特徴を補
い合うことができる構成とした点に特徴がある。
【0009】海島相とは、海相となる組成物中に島相と
なる組成物が点在していることである。従って、この発
明では、例えば、図2に示すように、海相となる天然ゴ
ム10中に島相となるブチルゴム11が点在している。
このような海島相を有する組成物を製造するには、まず
島相を形成するブチルゴムを配合剤とともに公知の方法
により混練し、これを半加硫する。この半加硫ゴムを適
宜の大きさの粒状に粉砕する。次いで、前記半加硫した
粒状のブチルゴムを海相となる天然ゴムに他の配合剤と
ともに、例えばバンバリーミキサー等により混練する。
島相となるブチルゴムは半加硫されているから天然ゴム
中に点在することになり、海島相を有する組成物を得る
ことができる。
【0010】
【作用】二種類の材質を海島相の関係とすることによっ
て、互いに海島相それぞれの性質を補い合うように働
く。
【0011】
【実施例】次に、この発明を実施例に基づき詳細に説明
する。まず、天然ゴムとブチルゴムに表1に示す配合比
(容積比)で混練し、JISA硬さ70の天然ゴムを海
相とし、JISA硬さ40のブチルゴムを島相とし、そ
の容積比率を変化させて防振特性を測定した。一方、そ
れぞれ前記天然ゴムとブチルゴムを単独で使用した場合
を比較例とした。測定値はオリエンテック製レオバイブ
ロンと同じくオリエンテック製テンシロで求めた。その
測定結果を表1に示す。
【表1】
【0012】さらに、前記実施例1〜3とは逆にJIS
A硬さ70のブチルゴムを海相とし、JISA硬さ40
の天然ゴムを島相とし、その容積比率を前記実施例1〜
3と同様に変化させて防振特性を測定した。海島相の組
成物は前記実施例1〜3の場合と同様にして製造した。
一方、それぞれ前記天然ゴムとブチルゴムを単独で使用
した場合を比較例とした。測定方法は前記実施例1〜3
の場合と同様である。その測定結果を表2に示す。
【表2】
【0013】尚、通常の天然ゴムではJISA硬さ7
0、低周波領域での損失係数(tanδ)0.18、高周
波領域での動的倍率(Kd/Ks)は2.0であるが、天然
ゴムでも配合によってJISA硬さ70、低周波領域で
の損失係数(tanδ)0.35、高周波領域で動的倍率
(Kd/Ks)1.53の性質をつくることが出来る。但
し、耐久性に問題が生じるので防振素材としては通常使
用されない。このような、特殊天然ゴムを島相として使
用し、測定したところ、表3に示す結果を得た。このよ
うな防振ゴム材質は海島構造によってのみ得られる。
【表3】
【0014】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、二つの
材質を海島相の関係に形成することによって、低周波領
域で損失係数が大きく高周波領域で動的弾性倍率の小さ
い優れた防振ゴム用組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低周波領域での損失係数と高周波領域での動的
倍率との関係を示すグラフである。
【図2】この発明の海島相の関係を示す組成物の断面説
明図である。
【符号の説明】
10 天然ゴム(海相) 11 ブチルゴム(島相)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は防振ゴム用組成物に係
り、詳しくは自動車のエンジンマウント等に用いられる
防振ゴムに好適な組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のエンジンマウント等に振
動を吸収する防振ゴムが使用されている。これらの防振
ゴムには、主に天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(B
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、あるいはブ
チルゴム(IIR)等を単独で、またはこれらのゴムを
適宜混合するとともに、さらに、亜鉛華、ステアリン
酸、カーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤等の配合剤
を混練した組成物が用いられている。そして、これらの
ゴム組成物は高周波領域あるいは低周波領域のいずれに
おいても振動伝達率を小さくすることが望まれている。
【0003】一般に、防振ゴム用組成物は、低周波領域
では損失係数(tanδ)が大きく、高周波領域では動
的倍率(Kd/Ks)が小さいのが好ましい。即ち、防
振ゴムにおける振動伝達率(T)と加振力の振動数
(ω)との関係を数式で表せば、振動数の小さい領域、
即ち、低周波領域(10〜20Hz)では、概略数式1
となり、
【数1】 また、振動数の大きい領域、即ち、高周波領域(75H
z以上)では、数式2となる。
【数2】 従って、振動伝達率(T)を小さくするためには、低周
波領域では損失係数(tanδ)を大きくし、高周波領
域では動的弾性率(Kd)、または動的倍率(Kd/K
s)を小さくすることが必要になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されている防振ゴム用組成物は、損失係数(tan
δ)が大きくなれば動的倍率(Kd/Ks)も大きくな
り、逆に動的倍率(Kd/Ks)を小さくしようとすれ
ば損失係数(tanδ)も小さくなり、そのバランスを
取ることはできなかった。即ち、損失係数(tanδ)
と動的倍率(Kd/Ks)との関係を示すと図1の通り
である。この図1から明らかなように、ブチルゴム(I
IR)は低周波領域(10Hz)での損失係数(tan
δ)は大きいが動的倍率(Kd/Ks)も大きくなるか
らエンジンノイズの伝達が大きくなる。一方、天然ゴム
(NR)は動的倍率(Kd/Ks)は小さいが損失係数
(tanδ)も小さくなるのでアイドリング時の振動の
伝達が大きくなる。殊に、自動車のエンジンマウントに
使用される防振ゴム用組成物としては、アイドリング時
及び走行時の振動伝達率を抑えるためには、低周波領域
での損失係数(tanδ)が大きく、高周波領域での動
的倍率(Kd/Ks)を小さくすることが必要であり、
図1の一点鎖線で囲った範囲にあることが望ましい。
【0005】また、従来は防振ゴム用組成物としては、
天然ゴムに例えばスチレン・ブタジエンゴムなどのジエ
ン系ゴムを混合して損失係数の大きいゴム組成物を得よ
うとしているが、単に混合しただけでは割合の大きい方
の性質が表れるのみで図1の線上から外れることはでき
なかった。
【0006】この発明はかかる現況に鑑みてなされたも
ので、低周波領域及び高周波領域のいずれにおいても振
動伝達率の小さい防振ゴム用組成物を提供せんとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の防振ゴム用組
成物は、二つの材質を海島相に形成してなり、低周波領
域では海相の材質が大きく表れ、高周波領域では島相の
材質が大きく表れるか、あるいは高周波領域では海相の
材質が大きく表れ、低周波領域では島相の材質が大きく
表れることを特徴とする。そして、前記材質は、低周波
領域での損失係数が0.25以上、高周波領域での動的
倍率が2.5以下であることが望ましい。さらに、海相
には低周波領域での損失係数が0.25以上の材質を使
用し、島相には高周波領域での動的倍率が2.5以下の
材質を使用するか、海相には低周波領域での損失係数が
0.25以下で、高周波領域での動的倍率が2.5以下
の材質を使用し、島相には低周波領域での損失係数が
0.25以上の材質を使用するのが望ましい。
【0008】例えば、天然ゴムを海相とし、低周波領域
で粘性が高く、高周波領域では粘性が低いブチルゴムを
作成し、それを島相とすることによって、低周波領域で
損失係数(tanδ)を大きくし、高周波領域で動的倍
率が(Kd/Ks)を小さくするものである。前記の天
然ゴム、及びブチルゴムには亜鉛華、ステアリン酸、カ
ーボンブラック、加硫剤等の公知の配合剤が混練されて
いる。また、海島相の関係では天然ゴムなどのジエン系
ゴムを海相とした場合には、ブチルゴムなど損失係数の
大きい材質を島相に使用し、あるいは前記ジエン系ゴム
を島相に使用し、ブチルゴムなどを海相に使用してもよ
い。損失係数(tanδ)及び動的倍率(Kd/Ks)
の振動数依存性は、海島相を形成させることで防振特性
に影響を与えるからである。即ち、この発明は二つの材
質を海島相に形成することによって互いにその材質の特
徴を補い合うことができる構成とした点に特徴がある。
【0009】海島相とは、海相となる組成物中に島相と
なる組成物が点在していることである。従って、この発
明では、例えば、図2に示すように、海相となる天然ゴ
ム10中に島相となるブチルゴム11が点在している。
このような海島相を有する組成物を製造するには、まず
島相を形成するブチルゴムを配合剤とともに公知の方法
により混練し、これを半加硫する。この半加硫ゴムを適
宜の大きさの粒状に粉砕する。次いで、前記半加硫した
粒状のブチルゴムを海相となる天然ゴムに他の配合剤と
ともに、例えばバンバリーミキサー等により混練する。
島相となるブチルゴムは半加硫されているから天然ゴム
中に点在することになり、海島相を有する組成物を得る
ことができる。
【0010】
【作用】二種類の材質を海島相の関係とすることによっ
て、互いに海島相それぞれの性質を補い合うように働
く。
【0011】
【実施例】次に、この発明を実施例に基づき詳細に説明
する。まず、天然ゴムとブチルゴムに表1に示す配合比
(容積比)で混練し、JISA硬さ70の天然ゴムを海
相とし、JISA硬さ40のブチルゴムを島相とし、そ
の容積比率を変化させて防振特性を測定した。一方、そ
れぞれ前記天然ゴムとブチルゴムを単独で使用した場合
を比較例とした。測定値はオリエンテック製レオバイブ
ロンと同じくオリエンテック製テンシロで求めた。その
測定結果を表1に示す。
【表1】
【0012】さらに、前記実施例1〜3とは逆にJIS
A硬さ70のブチルゴムを海相とし、JISA硬さ40
の天然ゴムを島相とし、その容積比率を前記実施例1〜
3と同様に変化させて防振特性を測定した。海島相の組
成物は前記実施例1〜3の場合と同様にして製造した。
一方、それぞれ前記天然ゴムとブチルゴムを単独で使用
した場合を比較例とした。測定方法は前記実施例1〜3
の場合と同様である。その測定結果を表2に示す。
【表2】
【0013】尚、通常の天然ゴムではJISA硬さ7
0、低周波領域での損失係数(tanδ)0.18、高
周波領域での動的倍率(Kd/Ks)は2.0である
が、天然ゴムでも配合によってJISA硬さ70、低周
波領域での損失係数(tanδ)0.35、高周波領域
で動的倍率(Kd/Ks)1.53の性質をつくること
が出来る。但し、耐久性に問題が生じるので防振素材と
しては通常使用されない。このような、特殊天然ゴムを
島相として使用し、測定したところ、表3に示す結果を
得た。このような防振ゴム材質は海島構造によってのみ
得られる。
【表3】
【0014】 通常、天然ゴム配合物ではJISA硬さ
40、低周波領域での損失係数(tanδ)0.14、
高周波領域での動的倍率(Kd/Ks)は1.2程度で
あるが、特殊天然ゴムとSBRとの配合ゴムでは低周波
領域での損失係数(tanδ)2.2以上、高周波領域
での動的倍率2.00以下の性能を得ることが可能であ
る。これを海相とし、表3の特殊天然ゴムを用いて島相
となし、測定したところ表4の結果を得た。
【表4】
【0015】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、二つの
材質を海島相の関係に形成することによって、低周波領
域で損失係数が大きく高周波領域で動的弾性倍率の小さ
い優れた防振ゴム用組成物を得ることができる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【実施例】次に、この発明を実施例に基づき詳細に説明
する。まず、天然ゴムとブチルゴムに表1に示す配合比
(容積比)で混練し、JISA硬さ70の天然ゴムを海
相とし、JISA硬さ40のブチルゴムを島相とし、そ
の容積比率を変化させて防振特性を測定した。一方、そ
れぞれ前記天然ゴムとブチルゴムを単独で使用した場合
を比較例とした。測定値はオリエンテック製レオバイブ
ロンで求めた。その測定結果を表1に示す。動的倍率K
d/Ksは、110Hz時の動的弾性倍率E’110
3.5Hz時の動的弾性倍率E’3.5の比E’110
/E’3.5を以って代えた。
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】さらに、前記実施例1〜3とは逆にJIS
A硬さ70のブチルゴムを海相とし、JISA硬さ40
の天然ゴムを島相とし、その容積比率を前記実施例1〜
3と同様に変化させて防振特性を測定した。海島相の組
成物は前記実施例1〜3の場合と同様にして製造した。
一方、それぞれ前記天然ゴムとブチルゴムを単独で使用
した場合を比較例とした。測定方法は前記実施例1〜3
の場合と同様である。その測定結果を表2に示す。
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】尚、通常の天然ゴムではJISA硬さ7
0、低周波領域での損失係数(tanδ)0.18、高
周波領域での動的倍率(Kd/Ks)は2.0である
が、天然ゴムでも配合によってJISA硬さ70、低周
波領域での損失係数(tanδ)0.35、高周波領域
で動的倍率(Kd/Ks)1.53の性質をつくること
が出来る。但し、耐久性に問題が生じるので防振素材と
しては通常使用されない。このような、特殊天然ゴムを
島相として使用し、測定したところ、表3に示す結果を
得た。このような防振ゴム材質は海島構造によってのみ
得られる。
【表3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】通常、天然ゴム配合物ではJISA硬さ4
0、低周波領域での損失係数(tanδ)0.14、高
周波領域での動的倍率(Kd/Ks)は1.2程度であ
るが、特殊天然ゴムとSBRとの配合ゴムでは低周波領
域での損失係数(tanδ)2.2以上、高周波領域で
の動的倍率2.00以下の性能を得ることが可能であ
る。これを海相とし、表3の特殊天然ゴムを用いて島相
となし、測定したところ表4の結果を得た。
【表4】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの材質を海島相に形成してなり、低
    周波領域では海相の材質が大きく表れ、高周波領域では
    島相の材質が大きく表れるかあるいは高周波領域では海
    相の材質が大きく表れ、低周波領域では島相の材質が大
    きく表れることを特徴とする防振ゴム用組成物。
  2. 【請求項2】 低周波領域での損失係数が0.25以
    上、高周波領域での動的倍率が2.5以下であることを
    特徴とする請求項1記載の防振ゴム用組成物。
  3. 【請求項3】 海相には低周波領域での損失係数が0.
    25以上の材質を使用し、島相には高周波領域での動的
    倍率が2.5以下の材質を使用したことを特徴とする請
    求項2記載の防振ゴム用組成物。
  4. 【請求項4】 海相には低周波領域での損失係数が0.
    25以下で、高周波領域での動的倍率が2.5以下の材
    質を使用し、島相には低周波領域での損失係数が0.2
    5以上の材質を使用したことを特徴とする請求項2記載
    の防振ゴム用組成物。
JP20852791A 1991-07-25 1991-07-25 防振ゴム用組成物 Pending JPH0544776A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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