JPH07258475A - 防振ゴム組成物 - Google Patents

防振ゴム組成物

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JPH07258475A
JPH07258475A JP7646594A JP7646594A JPH07258475A JP H07258475 A JPH07258475 A JP H07258475A JP 7646594 A JP7646594 A JP 7646594A JP 7646594 A JP7646594 A JP 7646594A JP H07258475 A JPH07258475 A JP H07258475A
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JP
Japan
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rubber
vibration
rubber composition
average particle
hollow
Prior art date
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JP7646594A
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English (en)
Inventor
Fumihiko Jinno
史彦 甚野
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で、動倍率の上昇が抑制されて、剛性を
有し、しかも耐疲労に優れた防振ゴムを形成しうる防振
ゴム組成物を提供する。 【構成】 ゴム弾性材料とゴム弾性材料中に分散埋設さ
れている平均粒径が5μm〜300μmの中空充填材と
を具備することを特徴とする防振ゴム組成物。中空充填
材の平均粒径が5μmになると動倍率の上昇が抑制され
る。しかし中空充填材の平均粒径が大きくなると徐々に
耐疲労性が低下する。実用上平均粒径が300μm程度
まで使用される。シランカップリング剤の併用によっ
て、より動倍率は低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ストラットマウン
ト、サスペンションブッシュ、エンジンマウント、液体
封入マウント等の防振ゴムのゴム組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の振動の低減、騒音の低
減を目的として、ストラットマウント、サスペンション
ブッシュ、エンジンマウント等の防振ゴムが用いられて
いる。一般的に述べると、振動低減、騒音低減のために
は防振ゴムを構成するゴム組成物は低剛性の柔らかいも
のが望ましい。
【0003】一方、自動車の走る、停まる、曲がるとい
う操縦安定性に関する基本機能から述べると、防振ゴム
を構成するゴム組成物は、エンジン等を支える支持位置
がずれないように高剛性の硬いものが望ましい。即ち、
防振ゴムには振動騒音の低減と操縦安定性の確保という
二律相反の特性が要求される。一方、防振ゴムに作用す
る動きから見ると、振動騒音は周波数の比較的高い動的
な動きであるのに対して、操縦安定性は動きの少ない静
的なものである。かかる見地から見ると、振動騒音の低
減は動的ばね性質(以下「動ばね定数」と言う)で決定
され、操縦安定性は静的ばね性質(以下「静ばね定数」
と言う)で決定されることになる。即ち、振動騒音の低
減には、動ばね定数を小さくすればよく、操縦安定性は
静ばね定数を大きくすればよいことになる。
【0004】この静ばね定数と動ばね定数の関係を、一
般的に動ばね定数と静ばね定数の比をとる動倍率として
定義している。従って、防振ゴム用のゴム組成物は動倍
率が小さいものが良いということとなる。一般的に述べ
ると、ゴム組成物の動ばね定数は静ばね定数より高い。
多くの場合ゴム組成物はカ−ボンブラックをゴムのなか
に充填して補強し、かつカ−ボンブラックの充填配合量
を調整して、ゴムの硬さとかゴムの弾性率を調整してい
る。このカ−ボンブラックの配合量を増せば増すほどゴ
ム組成物の動倍率が大きくなることが知られている。
【0005】すなわちカ−ボンブラック配合量を増せば
増すほど、静ばね定数もあがるが、動ばね定数はもっと
上がってしまう。即ち、ゴムの硬さを増して操縦安定性
を確保すればする程、振動騒音が悪化する結果となる。
動倍率の低いゴムを得る方法としてゴムの架橋密度をあ
げて動倍率を抑制する方法が知られている。しかしゴム
の架橋密度を上げるゴムの引裂き力等が低下して、実用
に耐えないという問題がある。
【0006】さらに、自動車の重量を軽量化すれば燃費
が向上することから自動車部品には1gでも軽くするこ
とが要求されている。しかしながらカ−ボンブラックの
比重が大きい為、カーボンブラック充填ではゴムの軽量
化は困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】動倍率の低いゴム組成
物を得るために、カーボンブラックのみを充填していて
は実現できなく重量を小さくすることもできない。本発
明は、かかる事情に鑑みなされたもので、動倍率の上昇
が抑制されて、剛性を有し、軽量でしかも耐疲労性に優
れた防振ゴムを形成しうる防振ゴム組成物の提供をその
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、鋭意研究した結果、本発明者は、ゴム組成物の動倍
率および耐疲労性は、ゴムに配合される充填材の平均粒
径に最も影響されることを発見、確認し、さらに中空の
充填材を使用することで本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の防振ゴム組成物は、ゴム弾性材料と
該ゴム弾性材料中に分散埋設された平均粒径5μm〜3
00μmの中空充填材とを具備することを特徴とする。
【0009】本発明の防振ゴム組成物を構成するゴム弾
性材料としては、天然ゴム、合成ゴムあるいは天然ゴム
と合成ゴムとのブレンドゴムが使用される。合成ゴムと
しては、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、
イソプレンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−イ
ソプレンゴム、塩素化−イソブチレン−イソプレンゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化−アク
リロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン
−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴ
ム、シリコ−ンゴム等を挙げることができる。ゴム弾性
材料は、天然ゴムまたは上記合成ゴム一種類でも、ま
た、二種類以上のものを混合して使用することもでき
る。
【0010】本発明の防振ゴム組成物を構成する中空充
填材としては、粒径5μm以上の中空体であればよい。
もし練りもしくは加硫工程中に一部が破壊しても加硫物
全体として軽量化が達成されていれば良い。粒径が5μ
m以下では軽量化効果が小さい。500μmを越えると
物性低下が大きく、耐久性も低下する。
【0011】具体的に中空充填材としては、中空のガラ
スビーズ(例えば東芝バロテイーニ社のHSC−11
0)や、あるいは中空のセラミックビーズ(例えば小野
田セメント社のマイクロセルズ)が挙げられる。また殻
部の耐圧縮強度が高く、加工または使用中の外力によっ
て破壊されないのであれば有機中空体でもかまわない。
また中空体を製造するにあたって、多くの中空体は原料
粒子を溶融膨張させるため、表面が平滑なものが多い
が、中空セラミック(マイクロセルズ)のように物理的
に表面がミクロ的な凹凸を持つ方が、ポリマーとの接着
がよくなり、より好ましい。
【0012】更に、発明者らは鋭意検討結果、前記中空
充填材とくに無機中空充填材に対し、カップリング剤を
併用すると、ポリマーとの界面接着により、動倍率が低
くなることを見いだした。カップリング剤としては、ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン、メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリ
ルシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等
のグリシドキシシラン、といったシラン系カップリング
剤や、テトラブトキシチタン等のアルコキシド系チタネ
ート、チタニウムステアレート等のアシレート系チタネ
ート、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタン等のキレ
ート系チタネート、その他フォスフェート系チタネー
ト、コーデイネート系チタネートといったチタネートカ
ップリング剤、更には、アセトアルコキシアルミニウム
ジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング
剤、ジルコアルミネート系のカップリング剤が使用でき
る。なかでも、シラン系カップリング剤が好ましく、更
にいえばアミノシラン系やメルカプトシラン系がより好
ましい。この場合、中空充填材表面に−OH基の様な活
性基があるか、導入しやすいものがより好ましい。
【0013】中空充填材の配合量は、ゴム弾性材料10
0重量部(以下「部」と略す)に対して5〜40部、よ
り好ましくは10〜30部の範囲に設定するのが良い。
すなわち、配合量が5部未満では静ばね定数の上昇効果
が不充分であり、ゴム比重もそれほど低下しない。40
部を超えると加工性(ロ−ル作業性)が悪化する傾向が
みられるからである。また、この発明の防振ゴム組成物
には、上記ゴム弾性材料および中空充填材以外に、必要
に応じてカ−ボンブラック等の補強充填剤、加硫剤、加
硫促進剤、加工助剤、老化防止剤、プロセスオイル、軟
化剤等他の添加剤が適宜に配合される。
【0014】そして、本発明のゴム組成物は、上記ゴム
弾性材料および中空充填材および適宜配合されある上記
他の配合剤を通常どおりバンバリ−ミキサ−等をもちい
て、混練し、未加硫生地の成形、インジェクション加硫
機等による加硫工程により目的とする防振ゴムを得るこ
とができる。
【0015】
【発明の作用効果】本発明の防振ゴム組成物は、ゴム弾
性材中に平均粒径5μm〜300μmの中空充填材が分
散、埋設されている。この中空材料により、本発明の防
振ゴム組成物はその剛性すなわち静ばね定数が高められ
ている。しかし静ばね定数の向上に伴う動ばね定数の上
昇が抑制され、動倍率が低くなる。すなわち、本発明の
防振ゴム組成物は高い静ばね定数すなわち操縦安定性を
確保しながら、かつ低い動ばね定数すなわち優れた振動
騒音特性を有することとなる。更に、中空充填材の比重
が小さい為ゴムの軽量化がはかられることができる。
【0016】このように、本発明防振ゴム組成物は、ス
トラットマウント、サスペンションブッシュ、エンジン
マウント、液体封入マウント等の自動車用防振ゴムの成
形材料として最適である。
【0017】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【実施例1〜14、比較例1〜4】下記の表1、表2お
よび表3に示す各成分を同様に示す割合で秤量、配合
し、1・7リッタ−容積のバンバリ−ミキサ−で加硫
剤、加硫促進剤以外を混練りし、加硫剤、加硫促進剤を
8インチオ−プンロ−ルにて混合することによって防振
ゴム組成物を得た。なお、実施例、比較例ともカーボン
他の配合剤を一定にし、中空充填材の種類と配合量を変
えた。但し、比較例2は中空充填材にかえて同じカーボ
ンを20部配合したものである。実施例1〜4は、平均
粒系8〜12μmの中空ガラスビーズであり、実施例4
は、それにアミノシラン処理をしたものである。実施例
5〜7は平均粒径45μmの中空セラミックビーズであ
り、実施例8〜10は平均粒径115μmの、実施例1
1〜13は平均粒径175μmの中空セラミックビーズ
である。そして、実施例14は平均粒径300μmの中
空セラミックであり、比較例3は平均粒径500μmの
中空セラミックである。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】このようにして得られた防振ゴム組成物を
用いて、150℃、20分の加硫条件により厚さ2mm
の加硫ゴムシ−トを作成し、ゴムの常態物性(引張強
度、破断伸び、硬度)を測定した。また、上記の防振ゴ
ム組成物を用いて150℃、30分のトランスファ−加
硫により防振ゴムを作製し、動特性(静ばね定数、動ば
ね定数、動倍率)および耐疲労性を測定した。さらに防
振ゴム組成物のロ−ル作業性をゴムのロ−ルへの巻付性
を観察することにより評価した。測定結果は下記の表
4、表5および表6に示した。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】上記ロ−ル作業性は、ゴムのロ−ルへの巻
き付け性を観察することにより評価した。そして、ロ−
ルへの巻き付けが良好なものは○、不良なものを×とし
た。上記常態物性は、JIS K 6301に準じて測
定した。上記静ばね定数および動ばね定数は下記の方法
にしたがって測定した。 (静ばね定数)図1に示すように、直径50mm、高さ
25mmの厚い円板状の防振ゴム1の上面および下面に
直径60mm、厚さ6mmの薄い円板状の金具2を取り
付け、防振ゴム1を円柱軸方向に7mm圧縮させ、2回
目の往きの荷重たわみ曲線から1・5mmと3・5mm
のたわみ時の荷重を読み取って静ばね定数を算出した。 (動ばね定数)静ばね定数を測定したものをそのまま使
用し、図1に示すように、防振ゴム1を円柱軸方向に2
・5mm圧縮し、この2・5mm圧縮の位置を中心に、
下方から100HZの周波数により、振幅0・05mm
の定変位調和圧縮振動を与え、上方のロ−ドセル(図示
せず)にて動的荷重を検出して、JISK6394に準
じて動ばね定数を算出測定した。動倍率は、動ばね定数
/静ばね定数の値として求めた。
【0026】せん断疲労は、図2に示すように、直径2
5mm、高さ15mmの円柱状ゴムを使用した。なお、
この円柱状ゴムの上下端面に直径35mmの対向面をも
つ金具を円柱状ゴムの加硫成形と同時に加硫接合した。
せん断量は図2に示すように0から15mmの範囲で、
300回/分で繰り返しせん断疲労を与えた。そして1
0,000回毎に円柱状ゴム表面の傷の発生の有無を調
べ、傷発生までの回数を求めた。
【0027】表4〜表6の実施例において、いずれも比
較例2のカーボン充填と比べてゴム比重は小さく、軽量
化の効果がみられ、さらに、実施例5、6、7では充填
量が多くなるにつれ、よりゴム比重が小さくなっており
軽量化の効果が高い。また動特性においても、いずれの
実施例も中空充填材のない比較例1よりも静ばね定数は
大きくなっているが、動倍率はカーボン充填の比較例2
よりも小さくなっており、平均粒径5μm以上の中空充
填材の効果がわかる。さらにまた、実施例4のシランカ
ップリング剤処理した中空充填材は、処理をしていない
実施例2より動倍率が低くなっていることがわかる。
【0028】このようにゴム組成物の中空充填材の平均
粒径が防振ゴムの動倍率に大きく影響すること、および
中空充填材の平均粒径が5μm以上で効果が高いことが
判る。 更に、表4〜表6では、平均粒径が大きくなる
と耐疲労性が低下しており、平均粒径500μm以上で
は防振ゴムとして使用出来ない。
【0029】これらの結果より、実施例1〜14のゴム
組成物は防振ゴムとして好ましいことが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】静ばね定数および動ばね定数の測定試料を示す
説明図である。
【図2】せん断疲労の測定資料及び測定方法を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 防振ゴム 2 金具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム弾性材料と該ゴム弾性材料中に分散
    埋設された平均粒径5μm〜300μmの中空充填材と
    を具備することを特徴とする防振ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 中空充填材が、中空ガラスビーズおよび
    /または中空セラミックビーズであることを特徴とする
    請求項1の防振ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 中空充填材の表面をカップリング剤処理
    していることを特徴とする請求項1または2の防振ゴム
    組成物。
JP7646594A 1994-03-22 1994-03-22 防振ゴム組成物 Pending JPH07258475A (ja)

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