JPH054456A - 粉体インク及び印刷装置 - Google Patents

粉体インク及び印刷装置

Info

Publication number
JPH054456A
JPH054456A JP3178162A JP17816291A JPH054456A JP H054456 A JPH054456 A JP H054456A JP 3178162 A JP3178162 A JP 3178162A JP 17816291 A JP17816291 A JP 17816291A JP H054456 A JPH054456 A JP H054456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
ink
isocyanate
isothiocyanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3178162A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Sasaki
三普 佐々木
Kuniyasu Kawabe
邦康 河辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP3178162A priority Critical patent/JPH054456A/ja
Publication of JPH054456A publication Critical patent/JPH054456A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 粉体インクが溶融時、低エネルギーで内核と
外殻が容易に溶融し、均一なインク層が形成されて濃度
ムラのないインクシートが再生され、更にこのインクシ
ートを使用して低エネルギーで印刷品質の安定した熱転
写印刷の行える粉体インク及びこれを用いた印刷装置を
提供する。 【構成】 熱転写印刷方式により画像を形成する工程
と、静電気力を用いてインクシートを再生する工程とを
有する画像形成方法で使用される粉体インクであり、少
なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材の
表面を被覆するよう設けた外殻とより構成され、外殻の
主成分が樹脂よりなり、当該樹脂中全イソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基が関与する結合の内、
その数において少なくとも30%以上のものが熱解離性を
示す結合である粉体インク、及びこの粉体インクを用い
てインクシートを再生し、印刷を行う印刷装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写印刷方法により
画像を形成する工程と、静電気力を用いインクシートを
再生する工程とを有する画像形成方法で使用される粉体
インク及びこの粉体インクを用いる印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
熱転写印刷方法として、ワックスと色材を主成分とする
インクをシート上に成形したインクシートにサーマルヘ
ッドを押し付けながら画像部分を加熱溶融し、記録媒体
に溶融したインクを転写して印刷する方法が一般的に行
われている。また、インクシートを再生して使用する熱
転写印刷装置として熱転写印刷方法により画像を形成す
る工程と、静電気力を用いてインクシートを再生する工
程とを有する印刷装置として、特開平1-209178号公報
が、又インクシートの再生方法として特開平1-209179号
公報等が提案されている。併し従来の静電気力を用いて
インクシートを再生使用する方法で使用される粉体イン
クはワックスを主成分とする内核と樹脂を主成分とする
外殻とからなっているが、粉体インクを溶融してインク
シートを形成する工程で印刷品質が安定しないという問
題点を有しており、特開平2-78593 号公報及び特開平2-
78594 号公報ではインク中に分散性向上剤を添加してこ
の点を改良することが提案されている。又特開平2-7859
5 号公報では、インク層の劣化を防止する目的でインク
中に酸化防止剤を添加することが提案されている。しか
しながら、これらの粉体インクではインクシート再生時
及び熱転写時に必要なエネルギーの量については低減さ
れていない。
【0003】そこで本発明はこのような問題点を解決す
るもので、その目的とするところは、粉体インクが溶融
時、低エネルギーで内核と外殻が容易に溶融し、均一な
インク層が形成されて濃度ムラのないインクシートが再
生され、更にこのインクシートを使用して低エネルギー
で印刷品質の安定した熱転写印刷の行える粉体インク及
びこれを用いた印刷装置を提供するところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の粉体インクは、
熱転写印刷方式により画像を形成する工程と、静電気力
を用いてインクシートを再生する工程とを有する画像形
成方法で使用される粉体インクであり、少なくとも着色
剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材の表面を被覆す
るよう設けた外殻とより構成され、外殻の主成分が (1) 1価のイソシアネート化合物及び/又はイソチオシ
アネート化合物をイソシアネート化合物及び/又はイソ
チオシアネート化合物全体の0〜30モル%、(2) 2価以
上のイソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネー
ト化合物をイソシアネート化合物及び/又はイソチオシ
アネート化合物全体の100 〜70モル%と、(3) イソシア
ネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応する活
性水素を1個有する化合物をイソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基と反応する化合物全体の0〜30
モル%、(4) イソシアネート基及び/又はイソチオシア
ネート基と反応する活性水素を2個以上有する化合物を
イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基と反
応する化合物全体の100 〜70モル%とを (1)+(2) のモ
ル数と (3)+(4) のモル数との比が1:1〜1:20の範
囲で反応させてなる樹脂よりなり、当該樹脂中全イソシ
アネート基及び/又はイソチオシアネート基が関与する
結合の内、その数において少なくとも30%以上のものが
熱解離性を示す結合であることを特徴とする。更に、本
発明の印刷装置はこの粉体インクを用いてインクシート
を再生し、印刷を行うことを特徴とする。
【0005】本発明の粉体インクを使用するに当たって
は熱転写印刷方法により印刷を行い、続いて印刷により
剥離した印刷部に粉体インクを供給してインク層を再生
する工程において、粉体インクはヒートローラーの加熱
により溶融してインクシートを形成する。ここで使用さ
れる粉体インクは、インクシートの成分である少なくと
も着色剤を含有する熱溶融性芯材と、粉体としての耐ブ
ロッキング性を向上させるためにその芯材の表面を被覆
するよう設けた特定の樹脂を主成分とする外殻からなっ
ている。芯材にはカーボンブラック等の着色剤もしくは
磁性粉が充填されており、外殻の表面には流動性を向上
させるために疎水性シリカ、カーボンブラック等が付着
されている。
【0006】本発明の粉体インクは、外殻の主成分が、 (1) 1価のイソシアネート化合物及び/又はイソチオシ
アネート化合物をイソシアネート化合物及び/又はイソ
チオシアネート化合物全体の0〜30モル%、(2) 2価以
上のイソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネー
ト化合物をイソシアネート化合物及び/又はイソチオシ
アネート化合物全体の100 〜70モル%と、(3) イソシア
ネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応する活
性水素を1個有する化合物をイソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基と反応する化合物全体の0〜30
モル%、(4) イソシアネート基及び/又はイソチオシア
ネート基と反応する活性水素を2個以上有する化合物を
イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基と反
応する化合物全体の100 〜70モル%とを (1)+(2) のモ
ル数と (3)+(4) のモル数との比が1:1〜1:20の範
囲で反応させてなる樹脂よりなり、当該樹脂中全イソシ
アネート基及び/又はイソチオシアネート基が関与する
結合の内、その数において少なくとも30%以上のものが
熱解離性を示す結合である樹脂(以下、熱解離性ポリウ
レタン又は外殻用樹脂と略記する)より構成されるが、
熱解離性を示す結合は、フェノール性ヒドロキシル基及
び/又はチオール基とイソシアネート基及び/又はイソ
チオシアネート基との反応より由来する結合であること
が好ましく、例えば熱解離性を有するウレタン結合とは
ある温度でウレタン結合がイソシアネート基とヒドロキ
シル基に解離する結合のことで、ブロックドイソシアネ
ートとも云われ、塗料の分野で良く知られている。
【0007】ポリイソシアネート類のブロッキングは、
イソシアネート基と活性水素含有化合物との間の反応を
一時的に防止するための周知の方法であり、Z.W.Wicks
Jr.,Prog. in Org. Coatings, 3, 73(1975) 等の文献中
に種々のブロッキング剤、例えば、第3級アルコール
類、フェノール類、アセト酢酸エステル、マロン酸エチ
ルなどが記載されている。
【0008】本発明で好適に用いられる熱解離性ポリウ
レタンでは、熱解離温度が低いことが重要であり、 G.
R.Grittin and L.J.Willwerth, Ind. Eng. Chem. Prod.
Res.Develop., 1, 265(1962)等の文献に記載された結
果にも見られる様に、ウレタン結合の中でもイソシアネ
ート化合物とフェノール性ヒドロキシル基との反応より
生成されるウレタン結合を有する樹脂が熱解離温度が低
く、好ましく用いられる。熱解離は平衡反応であり、例
えば下記式の如くで、昇温と共に右式から左式へと反応
は進むことが知られている。
【0009】
【化4】
【0010】(Arは芳香族基を示す。)本発明に用いら
れる(1) の1価のイソシアネート化合物としては、イソ
シアン酸エチル、イソシアン酸オクチル、イソシアン酸
2−クロロエチル、イソシアン酸クロロスルホニル、イ
ソシアン酸シクロヘキシル、イソシアン酸n−ドデシ
ル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸n−ヘキシル、
イソシアン酸ラウリル、イソシアン酸フェニル、イソシ
アン酸m−クロロフェニル、イソシアン酸4−クロロフ
ェニル、イソシアン酸p−シアノフェニル、イソシアン
酸 3,4−ジクロロフェニル、イソシアン酸o−トリル、
イソシアン酸m−トリル、イソシアン酸p−トリル、イ
ソシアン酸p−トルエンスルホニル、イソシアン酸1−
ナフチル、イソシアン酸o−ニトロフェニル、イソシア
ン酸m−ニトロフェニル、イソシアン酸p−ニトロフェ
ニル、イソシアン酸フェニル、イソシアン酸p−ブロモ
フェニル、イソシアン酸o−メトキシフェニル、イソシ
アン酸m−メトキシフェニル、イソシアン酸p−メトキ
シフェニル、イソシアナト酢酸エチル、イソシアナト酢
酸ブチル、イソシアン酸トリクロロアセチル等の1価の
イソシアネート化合物等が挙げられる。
【0011】本発明に用いられる(2) の2価以上のイソ
シアネート化合物としては、例えば、2,4 −トリレンジ
イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二
量体、2,6 −トリレンジイソシアネート、p−キシリレ
ンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5 −
ナフチレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−ジフェ
ニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチル−ジフ
ェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、メタフェニレ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタン−トリイソシ
アネート、ポリメチレンフェニルイソシアネート等の如
き芳香族イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネ
ート等の如き脂肪族イソシアネート化合物、イソホロン
ジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート) 、メチルシクロヘキサン−2,4(又は
2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン等の如き脂環族イソシアネート化合
物、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロール
プロパン1モルとの付加体等の如きイソシアネート化合
物等が挙げられる。またイソチオシアネート基を有する
化合物としては、イソチオシアン酸フェニル、キシリレ
ン−1,4 −ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチ
オシアネート等の化合物等が挙げられる。中でも芳香環
にイソシアネート基が直接結合している化合物がウレタ
ン結合生成後、熱解離温度を下げるのに効果があり、好
ましく用いられる。
【0012】本発明において、(1) の1価のイソシアネ
ート化合物及び/又はイソチオシアネート化合物は外殻
樹脂の分子量調整も兼ねてイソシアネート化合物及び/
又はイソチオシアネート化合物全体の30モル%迄用いる
ことができるが、30モル%を超えると粉体インクの保存
安定性が悪化し好ましくない。
【0013】本発明において、(3) のイソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を
1個有する化合物としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コール、シクロヘキシルアルコール、ヘプチルアルコー
ル、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルア
ルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール
等の脂肪族アルコール、フェノール、o−クレゾール、
m−クレゾール、p−クレゾール、4−ブチルフェノー
ル、2−sec −ブチルフェノール、2−tert−ブチルフ
ェノール、3−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブ
チルフェノール、ノニルフェノール、イソノニルフェノ
ール、2−プロペニルフェノール、3−プロペニルフェ
ノール、4−プロペニルフェノール、2−メトキシフェ
ノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノ
ール、3−アセチルフェノール、3−カルボメトキシフ
ェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノー
ル、4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3
−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、ベンジル
アルコール、1−ナフトール、2−ナフトール、2−ア
セチル−1−ナフトール等の芳香族アルコール、ε−カ
プロラクタム等のアミド類等の化合物が挙げられる。中
でも、下式(I)で表されるフェノール誘導体が好まし
く用いられる。
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R1, R2, R3, R4, R5は、独立して
H 、又は炭素数1〜9のアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若し
くはアリール基又はハロゲンを示す。)本発明に用いら
れる(4) のイソシアネート基及び/又はイソチオシアネ
ート基と反応する活性水素を2個以上有する化合物の
内、2価以上のアルコール化合物としては、例えばカテ
コール、レゾルシン、ハイドロキノン、4−メチルカテ
コール、4−t −ブチルカテコール、4−アセチルカテ
コール、3−メトキシカテコール、4−フェニルカテコ
ール、4−メチルレゾルシン、4−エチルレゾルシン、
4−t−ブチルレゾルシン、4−ヘキシルレゾルシン、
4−クロロレゾルシン、4−ベンジルレゾルシン、4−
アセチルレゾルシン、4−カルボメトキシレゾルシン、
2−メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、t−ブ
チルハイドロキノン、2,5 −ジ−t−ブチルハイドロキ
ノン、2,5 −ジ−t−アミルハイドロキノン、テトラメ
チルハイドロキノン、テトラクロロハイドロキノン、メ
チルカルボアミノハイドロキノン、メチルウレイドハイ
ドロキノン、ベンゾノルボルネン−3,6 −ジオール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールS、3,3'−ジクロロビ
スフェノールS、2,2'−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2,4 −ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシジフェニル、4,
4'−ジヒドロキシジフェニル、2,2'−ジヒドロキシジフ
ェニルメタン、3,4 −ビス(p−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン、1,4 −ビス(2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メチルアミン、1,3 −ジヒドロキシナフタレン、1,
4 −ジヒドロキシナフタレン、1,5 −ジヒドロキシナフ
タレン、2,6 −ジヒドロキシナフタレン、1,5 −ジヒド
ロキシアントラキノン、2−ヒドロキシベンジルアルコ
ール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ヒドロ
キシ−3,5 −ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−
ヒドロキシ−3,5 −ジ−t−ブチルベンジルアルコー
ル、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、2−ヒドロ
キシエチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロ
キシエチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、レゾ
ルシンモノ−2−ヒドロキシエチルエーテル、ヒドロキ
シヒドロキノン、ガリック酸、3,4,5 −トリヒドロキシ
安息香酸エチル等が挙げられる。中でも下式(II)で表
されるカテコール誘導体又は下式(III)で表されるレゾ
ルシン誘導体が好ましく用いられる。
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R6, R7, R8, R9は、独立してH 、
又は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコ
キシ基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくは
アリール基又はハロゲンを示す。)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、R10, R11, R12, R13は、独立して
H 、又は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若し
くはアリール基又はハロゲンを示す。)その他、イソシ
アネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応する
ヒドロキシル基以外の官能基を少なくとも1つ以上有
し、フェノール性ヒドロキシル基を少なくとも1つ有す
る化合物としては、例えば、o−ヒドロキシ安息香酸、
m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、5
−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4−
ヒドロキシ安息香酸、4−クロロ−2−ヒドロキシ安息
香酸、5−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸、3,5 −ジ
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メチル−2−ヒ
ドロキシ安息香酸、5−メトキシ−2−ヒドロキシ安息
香酸、3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、5−アミノ
−2−ヒドロキシ安息香酸、2,5 −ジニトロサリチル
酸、スルホサリチル酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ
フェニル酢酸、カテコール−4−カルボン酸、2,4 −ジ
ヒドロキシ安息香酸、2,5 −ジヒドロキシ安息香酸、2,
6 −ジヒドロキシ安息香酸、3,4 −ジヒドロキシ安息香
酸、3,5 −ジヒドロキシ安息香酸、3,4 −ジヒドロキシ
フェニル酢酸、m−ヒドロキシ桂皮酸、p−ヒドロキシ
桂皮酸、2−アミノ−4−メチルフェノール、2−アミ
ノ−5−メチルフェノール、5−アミノ−2−メチルフ
ェノール、3−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−
2−ナフトール、1−アミノ−2−ナフトール−4−ス
ルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−4−スルホン
酸、2−アミノ−4−ニトロフェノール、4−アミノ−
2−ニトロフェノール、4−アミノ−2,6 −ジクロロフ
ェノール、o−アミノフェノール、m−アミノフェノー
ル、p−アミノフェノール、4−クロロ−2−アミノフ
ェノール、1−アミノ−4−ヒドロキシアントラキノ
ン、5−クロロ−2−ヒドロキシアニリン、α−シアノ
−3−ヒドロキシ桂皮酸、α−シアノ−4−ヒドロキシ
桂皮酸、1−ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシナ
フトエ酸、3−ヒドロキシナフトエ酸、4−ヒドロキシ
フタル酸等が挙げられる。
【0020】また1分子中に1個以上のチオール基を有
するポリチオール化合物としては、エタンチオール、1
−プロパンチオール、2−プロパンチオール、チオフェ
ノール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、1,2
−エタンジチオール、1,4 −ブタンジチオール、ビス
(2−メルカプトエチル)スルフィド、エチレングリコ
ールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリ
コールビス(3−メルカプトプロピオネート)、2,2 −
ジメチルプロパンジオールビス(2−メルカプトアセテ
ート)、2,2 −ジメチルプロパンジオールビス(3−メ
ルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパント
リス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプ
ロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリ
メチロールエタントリス(2−メルカプトアセテー
ト)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプ
ロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2
−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテト
ラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエ
リスリトールヘキサキス(2−メルカプトアセテー
ト)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカ
プトプロピオネート)、1,2 −ジメルカプトベンゼン、
4−メチル−1,2 −ジメルカプトベンゼン、3,6 −ジク
ロロ−1,2 −ジメルカプトベンゼン、3,4,5,6 −テトラ
クロロ−1,2 −ジメルカプトベンゼン、キシリレンジチ
オール、1,3,5 −トリス(3−メルカプトプロピル)イ
ソシアヌレートなどが挙げられる。
【0021】本発明に用いられる熱解離性外殻用樹脂に
おいて、熱解離する結合は、全イソシアネート基及び/
又はイソチオシアネート基が関与する結合の内、その数
で少なくとも30%以上必要で、好ましくは50%あれば良
い。この熱解離する結合が全イソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基が関与する結合の数の30%未満
ではヒートロールでの再生時にカプセル外殻強度の低下
が充分でなく、芯材の優れた再生性能低エネルギー転写
性能を引き出しきれない。
【0022】本発明においては、全イソシアネート基及
び/又はイソチオシアネート基が関与する結合の内、フ
ェノール性ヒドロキシル基及び/又はチオール基との反
応による結合がその数で30%を下回らない範囲でフェノ
ール性ヒドロキシル基及び/又はチオール基以外でイソ
シアネート基と反応する官能基を有する化合物、例えば
下記に示す如きマロン酸エステル類、アセト酢酸エステ
ル類のような活性メチレン基含有化合物、メチルエチル
ケトンオキシムのようなオキシム類、カルボン酸、ポリ
オール、ポリアミン、アミノカルボン酸、アミノアルコ
ール等を外殻形成物質として使用できる。上記活性メチ
レン基含有化合物としては、マロン酸、マロン酸モノメ
チル、マロン酸モノエチル、マロン酸イソプロピル、マ
ロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプ
ロピル、マロン酸tert−ブチルエチル、マロン酸ジアミ
ド、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸
エチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸アリル等
の活性メチレン基含有化合物を挙げることができる。
【0023】上記カルボン酸としては、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、安息
香酸等の1価のカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、
シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、
セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−トデセニル
コハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−トデシルコハ
ク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク
酸、n−オクチルコハク酸等の2価のカルボン酸、1,2,
4 −ベンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレントリ
カルボン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,
4 −ブタントリカルボン酸、1,2,5 −ヘキサントリカル
ボン酸、1,3 −ジカルボキシル−2−メチル−2−メチ
レンカルボキシプロパン、1,2,4 −シクロヘキサントリ
カルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8 −オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット
酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸を挙
げることができる。
【0024】上記ポリオールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等
のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール等
のトリオール類、ペンタエリスリトール、及び、水等が
挙げられ、上記ポリアミンとしては、例えばエチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、イミノビスプロピルアミン、フェニレンジアミン、
キシリレンジアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げ
られる。
【0025】本発明において、(3) のイソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を
1個有する化合物は、イソシアネート基及び/又はイソ
チオシアネート基と反応する化合物全体の30モル%迄用
いる事ができるが、30モル%を超えると粉体インクの保
存安定性が悪化し好ましくない。また外殻を構成するイ
ソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネート化合
物〔(1) +(2) 〕と、イソシアネート基及び/又はイソ
チオシアネート基と反応する化合物〔(3) +(4) 〕のモ
ル数の比は、未反応のイソシアネート基を残存させない
ために、1:1〜1:20が好ましい。
【0026】粉体インク製造において、外殻形成は界面
重合、in−situ重合により行われるのが好ましいが、例
えば芯物質としての母粒子と数平均粒子径が母粒子の数
平均粒子径の 1/8以下である外殻形成材料の子粒子とを
気流中で高速撹拌して外殻を形成するといった乾式法に
て行われてもよい。外殻用樹脂は無触媒でも製造できる
が、触媒を使用する場合は、ジブチル錫ジラウレート等
の錫系触媒、1,4 −ジアザビシクロ〔2.2.2 〕オクタ
ン、N,N,N −トリス(ジメチルアミノプロピル)−ヘキ
サヒドロ−S−トリアジン等のアミン系触媒等、公知の
ウレタン触媒を使用することができる。
【0027】本発明の粉体インクの芯材に用いられる樹
脂としては、ガラス転移点(Tg)が10℃以上50℃以下のポ
リエステル樹脂、ポリエステル・ポリアミド樹脂、ポリ
アミド樹脂、ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、
ビニル樹脂が特に好ましい。ビニル樹脂を構成する単量
体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−エチルスチレン、2,4 −ジメチルスチレ
ン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン等のスチレ
ン若しくはスチレン誘導体、例えばエチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレン等の如きエチレン系不飽和
モノオレフィン類、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、弗
化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル等の如きビニルエステル類、例え
ばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘ
キシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオク
チル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸メトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−クロルエチ
ル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソ
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−オ
クチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸メトキ
シエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノ
エチル等の如きエチレン性モノカルボン酸及びそのエス
テル、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミド等の如きエチレン性モノカルボン酸置換
体、例えばマレイン酸ジメチル等の如きエチレン性ジカ
ルボン酸及びその置換体、例えばビニルメチルケトン等
の如きビニルケトン類、例えばビニルメチルエーテル等
の如きビニルエーテル類、例えばビニリデンクロリド等
の如きビニリデンハロゲン化物、例えば N−ビニルピロ
ール、 N−ビニルピロリドン等の如き N−ビニル化合物
類がある。
【0028】好ましくは、本発明に係る芯材用の樹脂を
構成する成分の内、樹脂の主骨格形成にスチレンもしく
はスチレン誘導体が好ましくは50〜90重量部、樹脂の軟
化温度等の熱特性の調節にエチレン性モノカルボン酸及
びそのエステルが好ましくは10〜50重量部用いられる。
【0029】本発明に係る芯材用の樹脂を構成する単量
体組成物中に架橋剤を添加する場合、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3 −
ブチレングリコールジメタクリレート、1,6 −ヘキシレ
ングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタク
リレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジブ
ロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル
酸ジアリルなど、一般の架橋剤を適宜(必要に応じて2
種以上組み合わせて)用いることができる。これらの架
橋剤は、使用量が多いと粉体インクが熱で溶融しにくく
なり、インクシート再生性、熱転写性が劣ることとな
る。これらの架橋剤の使用量は、重合性単量体を基準に
して 0.001〜15重量%(より好ましくは0.1 〜10重量
%) で使用するのが良い。又、上記単量体を、不飽和ポ
リエステルの存在下に重合させてグラフトもしくは架橋
重合体とし、芯材用の樹脂としても良い。
【0030】又、ビニル系樹脂を製造する際使用される
重合開始剤としては、2,2'−アゾビス(2,4 −ジメチル
バレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系重合開
始剤:ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトン
パーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネー
ト、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4 −ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開始
剤が挙げられる。重合体の分子量及び分子量分布を調節
する目的で、又は反応時間を調節する目的等で、二種類
又はそれ以上の重合開始剤を混合して使用することもで
きる。重合開始剤の使用量は、重合単量体100 重量部に
対して0.1 〜20重量部、好ましくは1〜10重量部であ
る。
【0031】芯材中には必要に応じて、インクシート再
生時にローラーとの離型性を改善する目的で、例えばポ
リオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、部分ケ
ン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、パ
ラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコール
エステル、シリコンワニス、脂肪族フロロカーボン、シ
リコンオイル等のオフセット防止剤を任意の一種以上含
有せしめても良い。
【0032】前記ポリオレフィンとしては、例えばポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の樹脂であっ
て、軟化点が80〜160 ℃のものである。前記脂肪酸金属
塩としては、例えばマレイン酸と亜鉛、マグネシウム、
カルシウム等との金属塩;ステアリン酸と亜鉛、カドミ
ウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、ア
ルミニウム、マグネシウム等との金属塩;二塩基性ステ
アリン酸鉛;オレイン酸と亜鉛、マグネシウム、鉄、コ
バルト、銅、鉛、カルシウム等との金属塩;パルミチン
酸とアルミニウム、カルシウム等との金属塩;カプリル
酸塩;カプロン酸鉛;リノール酸と亜鉛、コバルト等と
の金属塩;リシノール酸カルシウム;リシノレイン酸と
亜鉛、カドミウム等との金属塩及びこれらの混合物等が
挙げられる。前記脂肪酸エステルとしては、例えばマレ
イン酸エチルエステル、マレイン酸ブチルエステル、ス
テアリン酸メチルエステル、ステアリン酸ブチルエステ
ル、パルミチン酸セチルエステル、モンタン酸エチレン
グリコールエステル等が挙げられる。前記部分ケン化脂
肪酸エステルとしては、例えばモンタン酸エステルのカ
ルシウム部分ケン化物等が挙げられる。前記高級脂肪酸
としては、例えばドデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リシノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセ
リン酸、セラコレイン酸等及びこれらの混合物を挙げる
ことができる。前記高級アルコールとしては、例えばド
デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルア
ルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等を挙げ
ることができる。前記パラフィンワックスとしては、例
えば天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィ
ン、塩素化炭化水素等が挙げられる。前記アミド系ワッ
クスとしては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸
アミド、パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、ベヘ
ニン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレン
ビスステアロアミド、N,N'−m−キシリレンビスステア
リン酸アミド、N,N'−m−キシリレンビス−12−ヒドロ
キシステアリン酸アミド、N,N'−イソフタル酸ビスステ
アリルアミド、N,N'−イソフタル酸ビス−12−ヒドロキ
システアリルアミド等が挙げられる。前記多価アルコー
ルエステルとしては、例えばグリセリンステアレート、
グリセリンリシノレート、グリセリンモノベヘネート、
ソルビタンモノステアレート、プロピレングリコールモ
ノステアレート、ソルビタントリオレート等が挙げられ
る。前記シリコンワニスとしては、例えばメチルシリコ
ンワニス、フェニルシリコンワニス等が挙げられる。前
記脂肪族フロロカーボンとしては、例えば四フッ化エチ
レン、六フッ化プロピレンの低重合化合物或いは特開昭
53−124428号公報記載の含フッ素界面活性剤等が挙げら
れる。
【0033】但し、カプセル化粉体インク製造にて、界
面重合法、もしくはin−situ重合法により外殻を形成さ
せる場合は前記高級脂肪酸、高級アルコール等のイソシ
アネート基と反応可能な官能基を有する化合物を多用す
ることは外殻形成を阻害するため好ましくない。これら
のオフセット防止剤の芯材中の樹脂に対する割合は1〜
20重量%が好ましい。
【0034】本発明において、カプセル化粉体インクの
芯材中に着色剤が含有されるが、従来の粉体インク用着
色剤に用いられている染料、顔料等のすべてを使用でき
る。本発明に用いられる着色剤としては、サーマルブラ
ック法、アセチレンブラック法、チャンネルブラック
法、ランプブラック法等により製造される各種のカーボ
ンブラック、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆して
いるグラフト化カーボンブラック、ニグロシン染料、フ
タロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリ
アントファーストスカーレット、ピグメントグリーン
B、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソル
ベントレッド146 、ソルベントブルー35等及びそれらの
混合物等を挙げる事ができ、通常、芯材中の樹脂 100重
量部に対して1〜15重量部程度が使用される。
【0035】磁性粉体インクを生成させるには、芯材中
に磁性粒子を添加すれば良い。磁性粒子としては、例え
ば、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバル
ト、ニッケルなどの強磁性を示す金属もしくは合金又は
これらの元素を含む化合物、或いは強磁性元素を含まな
いが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すよう
になる合金、例えはマンガン−銅−アルミニウム、マン
ガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー合
金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化クロム、その他を
挙げることができる。これらの磁性体は平均粒径0.1 〜
1μm の微粉末の形で芯材中に均一に分散される。そし
てその含有量は、粉体インク100 重量部当たり5〜70重
量部、好ましくは10〜60重量部である。なお、磁性粉体
インクとするために磁性体微粉末を含有せしめる場合に
は、着色剤の場合と同様に処理すればよいが、そのまま
では芯材材料、単量体等の有機物質に対する親和性が低
いので、磁性体微粉末をチタンカップリング剤、シラン
カップリング剤、レシチン等のいわゆるカップリング剤
と共に或いはカップリング剤により処理した上で用いる
と、磁性体微粉末を均一に分散せしめることができる。
【0036】カプセル化粉体インクを界面重合法、もし
くはin−situ重合法にて製造する場合、外殻構成材料、
芯材構成材料を分散媒に分散させるが、分散質の凝集、
合体を防ぐ為に、分散媒中に分散安定剤を含有させてお
く必要がある。分散安定剤としては、例えばゼラチン、
ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリスチレン
スルホン酸、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリ
ウム、オクチル硫酸ナトリウム、アリル−アルキル−ポ
リエーテルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カ
プリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、3,3 −ジスルホ
ンジフェニル尿素−4,4 −ジアゾ−ビス−アミノ−β−
ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カル
ボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5 −
テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4 −ジアゾ−ビ
ス−β−ナフトール−ジスルホン酸ナトリウム、コロイ
ダルシリカ、アルミナ、リン酸三カルシウム、水酸化第
二鉄、水酸化チタン、水酸化アルミニウム、その他を使
用することができる。これらの分散安定剤は二種以上を
併用してもよい。前記分散安定剤の分散媒としては、
水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール、グリセリン、アセトニトリ
ル、アセトン、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等が挙げられる。これらを単独あるい
は混合して用いることも可能である。
【0037】本発明において、カプセル化粉体インク
中、熱溶融性芯材の主成分が熱可塑性樹脂よりなり、当
該樹脂に由来するガラス転移点が10℃以上50℃以下であ
ることが好ましいが、ガラス転移点が10℃未満ではカプ
セル化粉体インクの保存安定性が悪化し、50℃を越える
とカプセル化粉体のインクシート再生性、熱転写性が悪
化し好ましくない。本発明において、ガラス転移点とは
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製)を用い、昇温
速度10℃/min で測定した際に、ガラス転移点以下のベ
ースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピー
クの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温
度をいう。
【0038】又、本発明において、カプセル化粉体イン
クとしての軟化点は60℃以上 130℃以下であることが好
ましいが、60℃未満では耐ブロッキング性が悪化し、 1
30℃を越えるとインクシート再生性、熱転写性が悪化し
好ましくない。本発明において、軟化点とは高化式フロ
ーテスター(島津製作所製)を用い、1cm3 の試料を昇
温速度6℃/min で加熱しながら、プランジャーにより
20kg/cm2 の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズル
を押し出すようにし、これにより、フローテスターのプ
ランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描きそのS字
曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度をい
う。
【0039】なお、本発明におけるカプセル化粉体イン
クの粒径は別段制約を受けるものではないが、平均粒径
は通常3〜30μm とされる。カプセル化粉体インクの外
殻の厚みは0.01〜1μm が好ましく、0.01μm 未満では
耐ブロッキング性が悪化し、1μm を越えると熱溶融性
が悪化し、好ましくない。
【0040】本発明におけるカプセル化粉体インクに
は、必要に応じて、流動性向上剤などを用いることがで
きる。流動性向上剤としては、例えばシリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシ
ウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、
酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ
土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アン
チモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バ
リウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、
窒化ケイ素などを挙げることができる。特にシリカの微
粉末が好ましい。なお、シリカの微粉末は、Si−O−Si
結合を有する微粉末であり、乾式法及び湿式法で製造さ
れたもののいずれであってもよい。また、無水二酸化ケ
イ素のほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛など
いずれであってもよいが、SiO2を85重量%以上含むもの
が好ましい。また、シラン系カップリング剤、チタン系
カップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有す
るシリコンオイルなどにより表面処理されたシリカの微
粉末などを用いることができる。更に調色、抵抗調整な
どのために少量のカーボンブラックを用いてもよい。カ
ーボンブラックとしては従来公知のもの、例えばファー
ネスブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック
などの種々のものを用いることができる。
【0041】本発明の印刷装置は、上記のような粉体イ
ンクを用い、インクシートを再生し、印刷を行う装置で
ある。このような装置を用いた画像形成方法を図面に基
づいて説明する。図1は本発明の粉体インクを用いた熱
転写印刷方法により画像を形成する工程と、静電気力を
用いてインクシートを再生する工程とを有する印刷装置
の画像形成方法を示す。
【0042】熱転写印刷方法により画像を形成する工程
は、絶縁性支持体1上にインク層2を有するインクシー
ト3が矢印4方向に移動して、サーマルヘッド5によっ
て、矢印6方向に進行する記録媒体7へインクが転写さ
れ、記録媒体7に画像が形成されることよりなる。画像
形成によって、インクシート3は、インク層剥離部8と
インク層付着部9とが形成される。続いてインクシート
を再生する工程は、インクシート3の絶縁性支持体1に
接するように配置された電極10と、インクシート3を挟
んで電極10の反対側に粉体インク11をインクシート3上
へ順次供給する導電性ローラー12を配置し、電源13によ
り電極10と導電性ローラー12との間にバイアス電圧を印
加して粉体インク11をインクシート3上へ供給する。イ
ンクシート3のインク層剥離部8に接触した粉体インク
11は、インク層剥離部8が絶縁性を示すため絶縁性支持
体1の静電容量とバイアス電圧との積に比例した量の電
荷の注入を受け絶縁性支持体1へ静電気力により付着す
る。しかし、インクシート3のインク層付着部9、並び
に絶縁性支持体1へ付着した粉体インク11上に接触した
粉体インク11は、インク層付着部9、粉体インク11が導
電性であり導電路になるために付着力は発生しない。こ
の様にしてインクシート3のインク層剥離部8のみに補
充された粉体インク11はヒートローラー14と支持ローラ
ー15により絶縁性支持体1上へ固定化され、インク層2
となり、インクシート3が再生される。ここで使用され
るインクシートの絶縁性支持体としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリアラミド、ポリイミド等の樹脂フ
ィルムが使用でき、サーマルヘッド5としては、溶融熱
転写方式等で使われるヘッドの他に、通電熱転写方式で
使われるスタイラスヘッドも使用でき、また、通電熱転
写方式の場合は、インクシートの構成がインクシートを
挟んでインク層と反対側に通電層等が形成される。記録
媒体7としては、普通紙、OHPシート等が使われる。
また、粉体インクを搬送する導電性ローラー12として
は、電気写真方式で公知である磁気ブラシ現像法、接触
現像法等の方法が応用でき、ヒートローラー14、支持ロ
ーラー15は、同じく電子写真方式で公知であるヒートロ
ール定着法、フラッシュ定着法等が適用できる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べるが、本
発明の実施態様がこれらの例によって限定されるもので
はない。
【0044】実施例1 スチレン68.0重量部、ブチルアクリレート32.0重量部
に、カーボンブラック「#44」(三菱化成社製)10.0重
量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 4.0重量部、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート「Millionate
MT 」(日本ポリウレタン工業社製)9.5 重量部を添加
し、アトライター(三井三池化工機製)に投入し、10℃
にて5時間分散し、重合性組成物を得た。これを容量2
リットルのガラス製セパラブルフラスコにて予め調製し
たリン酸三カルシウム4重量%の水性コロイド溶液800g
中に40重量%になる量だけ添加し、TKホモミキサー(特
殊機化工業社製)を用いて、5℃にて、回転数10000rpm
で2分間乳化分散させた。4つ口のガラス製の蓋をし、
還流式冷却管、温度計、窒素導入管付滴下ロート、ステ
ンレススチール製撹拌棒を取り付け、電熱マントル中に
設置した。レゾルシン20.0g、マロン酸ジエチル 3.4
g、1,4 −ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン0.5g 、イ
オン交換水40g の混合溶液を調製し、滴下ロートより撹
拌しながら、30分かけて滴下した。その後、窒素下にて
撹拌を続けながら、80℃迄昇温し、10時間反応せしめ
た。冷却後、10%塩酸水溶液にて分散剤を溶かし、濾
過、水洗を経て、45℃にて12時間、20mmHgで減圧乾燥
し、風力分級機にて分級し、平均粒径15.0μm の外殻が
熱解離性ウレタン結合を有する樹脂からなるカプセル化
粉体を得た。このカプセル化粉体100重量部に、カーボ
ンブラック「VULCAN XC-72R」(CABOT社製) 2.0重量部、
疎水性シリカ微粉末「アエロジル R-972」(アエロジル
社製)0.4 重量部を加えて混合し、本発明に係る粉体イ
ンクを得た。これを粉体インク1とする。芯材中の樹脂
に由来するガラス転移点は30.5℃、又、粉体インク1の
軟化点は77.5℃であった。
【0045】実施例2 スチレン65.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
35.0重量部に、カーボンブラック「#44」(三菱化成社
製)10.0重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.
0重量部、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート「M
illionate MT」(日本ポリウレタン工業社製)9.5 重量
部を添加し、アトライター(三井三池化工機製)に投入
し、10℃にて5時間分散し、重合性組成物を得た。これ
を容量2リットルのガラス製セパラブルフラスコにて予
め調製したリン酸三カルシウム4重量%の水性コロイド
溶液800g中に40重量%になる量だけ添加し、TKホモミキ
サー(特殊機化工業社製)を用いて、5℃にて、回転数
10000rpmで2分間乳化分散させた。4つ口のガラス製の
蓋をし、還流式冷却管、温度計、窒素導入管付滴下ロー
ト、ステンレススチール製撹拌棒を取り付け、電熱マン
トル中に設置した。4−アセチルカテコール15.2g、ジ
ブチル錫ジラウレート0.7g、イオン交換水40g の混合溶
液を調製し、滴下ロートより撹拌しながら、30分かけて
滴下した。その後、窒素下にて撹拌を続けながら、80℃
迄昇温し、10時間反応せしめた。冷却後、10%塩酸水溶
液にて分散剤を溶かし、濾過、水洗を経て、45℃にて12
時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平
均粒径15.0μm の外殻が熱解離性ポリウレタン樹脂から
なるカプセル化粉体を得た。このカプセル化粉体100重
量部に、カーボンブラック「VULCAN XC-72R」(CABOT社
製) 2.0重量部、疎水性シリカ微粉末「アエロジル R-97
2」(アエロジル社製)0.4 重量部を加えて混合し、本発
明に係る粉体インクを得た。これを粉体インク2とす
る。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は30.2℃、
又、粉体インク2の軟化点は78.0℃であった。
【0046】実施例3 実施例2においてカーボンブラック「#44」10.0重量部
をマグネタイト「EPT-1001」(戸田工業社製)25.0重量
部に置き換えて、実施例2と同様の操作により表面処理
まで行って粉体インクを得た。これを粉体インク3とす
る。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は30.2℃、又
粉体インク3の軟化点は90.0℃であった。
【0047】実施例4 スチレン65.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
35.0重量部に、カーボンブラック「#44」(三菱化成社
製)10.0重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.
0重量部、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート「M
illionate MT」(日本ポリウレタン工業社製)9.5 重量
部を添加し、アトライター(三井三池化工機製)に投入
し、10℃にて5時間分散し、重合性組成物を得た。これ
を容量2リットルのガラス製セパラブルフラスコにて予
め調製したリン酸三カルシウム4重量%の水性コロイド
溶液800g中に40重量%になる量だけ添加し、TKホモミキ
サー(特殊機化工業社製)を用いて、5℃にて、回転数
10000rpmで2分間乳化分散させた。4つ口のガラス製の
蓋をし、還流式冷却管、温度計、窒素導入管付滴下ロー
ト、ステンレススチール製撹拌棒を取り付け、電熱マン
トル中に設置した。レゾルシン 8.1g、m−アミノフェ
ノール 7.9g、ジブチル錫ジラウレート0.7g、イオン交
換水40g の混合溶液を調製し、滴下ロートより撹拌しな
がら、30分かけて滴下した。その後、窒素下にて撹拌を
続けながら、80℃迄昇温し、10時間反応せしめた。冷却
後、10%塩酸水溶液にて分散剤を溶かし、濾過、水洗を
経て、45℃にて12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級
機にて分級し、平均粒径15.0μm の外殻が熱解離性ウレ
タン結合を有する樹脂からなるカプセル化粉体を得た。
このカプセル化粉体100重量部に、カーボンブラック「V
ULCAN XC-72R」(CABOT社製) 2.0重量部、疎水性シリカ
微粉末「アエロジル R-972」(アエロジル社製)0.4 重
量部を加えて混合し、本発明に係る粉体インクを得た。
これを粉体インク4とする。芯材中の樹脂に由来するガ
ラス転移点は30.2℃、又、粉体インク4の軟化点は80.5
℃であった。
【0048】実施例5 実施例4においてカーボンブラック「#44」10.0重量部
をマグネタイト「EPT-1001」(戸田工業社製)25.0重量
部に置き換えて、実施例4と同様の操作により表面処理
まで行って粉体インクを得た。これを粉体インク5とす
る。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は30.2℃、又
粉体インク5の軟化点は86.0℃であった。
【0049】比較例1 実施例1においてレゾルシン20.0g、マロン酸ジエチル
3.4gをネオペンチルグリコール20.0gに置き換えて、
実施例1と同様の操作により表面処理まで行って粉体イ
ンクを得た。これを比較粉体インク1とする。芯材中の
樹脂に由来するガラス転移点は30.5℃、また比較粉体イ
ンク1の軟化点は85.0℃であった。
【0050】比較例2 実施例4においてレゾルシン 8.1g、m−アミノフェノ
ール 7.9gをネオペンチルグリコール15.2gに置き換え
て、実施例1と同様の操作により表面処理まで行って粉
体インクを得た。これを比較粉体インク2とする。芯材
中の樹脂に由来するガラス転移点は30.2℃、また比較粉
体インク2の軟化点は84.5℃であった。
【0051】比較例3 粉体インクの芯物質として、パラフィンワックス(軟化
点62℃) 20.0重量部、カルナバワックス(野田ワックス
社製、軟化点82℃) 20.0重量部、エチレン−酢酸ビニル
共重合体「ULV 」(分子量3500、酢酸ビニル含量25重量
%、三菱油化社製) 30.0重量部、カーボンブラック「#
44」(三菱化成社製)10.0重量部を加圧ニーダーにて溶
融混練し、冷却後、粉砕、分級して、粒径15μm の粒子
を得た。この芯物質を用い、有機相からの相分離方法に
より、スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート(重
量比90/10) 共重合体からなる膜厚 0.3μm の殻材で該
芯物質を被覆し、カプセル化粉体を得た。このカプセル
化粉体100重量部に、カーボンブラック「VULCAN XC-72
R」(CABOT社製)2.0重量部、疎水性シリカ微粉末「アエ
ロジル R-972」(アエロジル社製)0.4 重量部を加えて
混合し、粉体インクを得た。これを比較粉体インク3と
する。
【0052】上記実施例及び比較例で得られた粉体イン
クを用い、図1に示す方法により画像形成、及びインク
シートの再生による印刷試験を行った。なお、インクシ
ートの絶縁性支持体として6μm 厚みのポリアラミドフ
ィルムを用いた。黒ベタ部を印字した際のマクベス反射
濃度計にて、印刷濃度1.4を得る時のサーマルヘッドに
印加必要なエネルギー量を比較したところ、表1に示し
た結果を得た。
【0053】
【表1】
【0054】表1から明らかな様に粉体インク1〜5は
低エネルギーで印字できたが、比較粉体インク3は印字
に大きなエネルギーが必要であった。又、比較粉体イン
ク1及び2は外殻の強度が大きく、インクシート再生が
不完全で、サーマルヘッドに20mJ/mm2のエネルギーを印
加しても印字ムラを生じていた。なお、粉体インク1〜
5は50周期の再生でも印刷濃度1.4 を維持していたが、
比較粉体インク3は20周期目から濃度が低下し始めた。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、熱転
写印刷方法により画像を形成する工程と、静電気力を用
いてインクシートを再生する工程とを有する画像形成方
法で使用される粉体インクにおいて、熱溶融性芯材とそ
の表面を被覆する外殻とよりなるカプセル化粉体インク
の外殻の主成分が熱解離性を示す結合を有する樹脂より
なるので、当該外殻により粉体インクが溶融時、均一な
インクシートが形成される。更にこのインクシートを使
用して低印字エネルギーで印刷品質の安定した印刷装置
を提供することが可能となった。なお、本発明の粉体イ
ンク及び印刷装置は、熱転写方式にて画像を形成する工
程と、インクシートを再生して使用する工程とを有する
画像形成方法による装置、例えば、プリンター、複写
機、ファクシミリ等の他にも幅広く応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体インクを用いた熱転写印刷方法に
より画像を形成する工程と、静電気力を用いてインクシ
ートを再生する工程とを有する印刷装置の画像形成方法
を示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁性支持体 2 インク層 3 インクシート 4 インクシートの移動方向 5 サーマルヘッド 6 記録媒体の移動方向 7 記録媒体 8 インク層剥離部 9 インク層付着部 10 電極 11 粉体インク 12 導電性ローラー 13 電源 14 ヒートローラー 15 支持ローラー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱転写印刷方法により画像を形成する工
    程と、静電気力を用いてインクシートを再生する工程と
    を有する画像形成方法で使用される粉体インクであり、
    少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材
    の表面を被覆するよう設けた外殻とより構成され、外殻
    の主成分が (1) 1価のイソシアネート化合物及び/又はイソチオシ
    アネート化合物をイソシアネート化合物及び/又はイソ
    チオシアネート化合物全体の0〜30モル%、(2) 2価以
    上のイソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネー
    ト化合物をイソシアネート化合物及び/又はイソチオシ
    アネート化合物全体の100 〜70モル%と、(3) イソシア
    ネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応する活
    性水素を1個有する化合物をイソシアネート基及び/又
    はイソチオシアネート基と反応する化合物全体の0〜30
    モル%、(4) イソシアネート基及び/又はイソチオシア
    ネート基と反応する活性水素を2個以上有する化合物を
    イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基と反
    応する化合物全体の100 〜70モル%とを (1)+(2) のモ
    ル数と (3)+(4) のモル数との比が1:1〜1:20の範
    囲で反応させてなる樹脂よりなり、当該樹脂中全イソシ
    アネート基及び/又はイソチオシアネート基が関与する
    結合の内、その数において少なくとも30%以上のものが
    熱解離性を示す結合であることを特徴とする粉体イン
    ク。
  2. 【請求項2】 熱解離性を示す結合がフェノール性ヒド
    ロキシル基及び/又はチオール基とイソシアネート基及
    び/又はイソチオシアネート基の反応に由来する結合で
    あることを特徴とする請求項1記載の粉体インク。
  3. 【請求項3】 粉体インク中、熱溶融性芯材の主成分が
    熱可塑性樹脂よりなり、当該樹脂に由来するガラス転移
    点が10〜50℃であることを特徴とする請求項1記載の粉
    体インク。
  4. 【請求項4】 粉体インクの軟化点が60〜130 ℃である
    ことを特徴とする請求項1記載の粉体インク。
  5. 【請求項5】 フェノール性ヒドロキシル基を有する化
    合物が下式(I)で表される化合物、下式(II)で表さ
    れる化合物又は下式(III)で表される化合物の1種以上
    からなることを特徴とする請求項2記載の粉体インク。 【化1】 (式中、R1, R2, R3, R4, R5は、独立してH 、又は炭素
    数1〜9のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
    アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリール
    基又はハロゲンを示す。) 【化2】 (式中、R6, R7, R8, R9は、独立してH、又は炭素数1
    〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アル
    カノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリール基又
    はハロゲンを示す。) 【化3】 (式中、R10, R11, R12, R13は、独立してH 、又は炭素
    数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
    アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリール
    基又はハロゲンを示す。)
  6. 【請求項6】 熱溶融性芯材に含有される熱可塑性樹脂
    が主としてビニル樹脂であることを特徴とする請求項3
    記載の粉体インク。
  7. 【請求項7】 フェノール性ヒドロキシル基と反応する
    イソシアネート基が芳香環に直接結合していることを特
    徴とする請求項2記載の粉体インク。
  8. 【請求項8】 熱転写印刷方法により画像を形成する工
    程と、静電気力を用いてインクシートを再生する工程か
    らなる印刷装置において、少なくとも着色剤を含有する
    熱溶融性芯材と、その芯材の表面を被覆するよう設けた
    外殻とより構成され、外殻の主成分が (1) 1価のイソシアネート化合物及び/又はイソチオシ
    アネート化合物をイソシアネート化合物及び/又はイソ
    チオシアネート化合物全体の0〜30モル%、(2) 2価以
    上のイソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネー
    ト化合物をイソシアネート化合物及び/又はイソチオシ
    アネート化合物全体の100 〜70モル%と、(3) イソシア
    ネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応する活
    性水素を1個有する化合物をイソシアネート基及び/又
    はイソチオシアネート基と反応する化合物全体の0〜30
    モル%、(4) イソシアネート基及び/又はイソチオシア
    ネート基と反応する活性水素を2個以上有する化合物を
    イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基と反
    応する化合物全体の100 〜70モル%とを (1)+(2) のモ
    ル数と (3)+(4) のモル数との比が1:1〜1:20の範
    囲で反応させてなる樹脂よりなり、当該樹脂中全イソシ
    アネート基及び/又はイソチオシアネート基が関与する
    結合の内、その数において少なくとも30%以上のものが
    熱解離性を示す結合である粉体インクを用いることを特
    徴とする印刷装置。
JP3178162A 1990-08-14 1991-07-18 粉体インク及び印刷装置 Pending JPH054456A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3178162A JPH054456A (ja) 1990-08-14 1991-07-18 粉体インク及び印刷装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21474690 1990-08-14
JP2-214747 1990-08-14
JP21474790 1990-08-14
JP2-214746 1990-08-14
JP3178162A JPH054456A (ja) 1990-08-14 1991-07-18 粉体インク及び印刷装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH054456A true JPH054456A (ja) 1993-01-14

Family

ID=27324535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3178162A Pending JPH054456A (ja) 1990-08-14 1991-07-18 粉体インク及び印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH054456A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9296200B2 (en) 2013-10-09 2016-03-29 Markem-Imaje Corporation Apparatus and method for thermal transfer printing
US10449781B2 (en) 2013-10-09 2019-10-22 Dover Europe Sarl Apparatus and method for thermal transfer printing
US11040548B1 (en) 2019-12-10 2021-06-22 Dover Europe Sarl Thermal transfer printers for deposition of thin ink layers including a carrier belt and rigid blade

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9296200B2 (en) 2013-10-09 2016-03-29 Markem-Imaje Corporation Apparatus and method for thermal transfer printing
US9604468B2 (en) 2013-10-09 2017-03-28 Markem-Imaje Corporation Apparatus and method for thermal transfer printing
US9789699B1 (en) 2013-10-09 2017-10-17 Dover Europe Sarl Apparatus and method for thermal transfer printing
US10449781B2 (en) 2013-10-09 2019-10-22 Dover Europe Sarl Apparatus and method for thermal transfer printing
US11040548B1 (en) 2019-12-10 2021-06-22 Dover Europe Sarl Thermal transfer printers for deposition of thin ink layers including a carrier belt and rigid blade

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5225308A (en) Encapsulated toner for heat-and-pressure fixing
US5229243A (en) Capsulated toner for heat pressure fixation
EP0472106B1 (en) Pulverulent ink and printing methods
JPH054456A (ja) 粉体インク及び印刷装置
US5294490A (en) Encapsulated toner for heat-and-pressure fixing
US5436104A (en) Method of forming fixed images using heated belt
US5376490A (en) Encapsulated toner for heat-and-pressure fixing and method for production thereof
JPH05204269A (ja) 定着方法
JPH05197186A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JPH04342264A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー
JPH05197187A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JPH06295090A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JPH05107931A (ja) 現像方法
JPH04212169A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー
JPH05197185A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JPH05197188A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JPH06194861A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JPH06175390A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JPH05197189A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JPH05107929A (ja) 現像方法
JPH0545921A (ja) 画像形成方法
JPH04342263A (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー
JPH05100467A (ja) 現像方法
JPH05107797A (ja) 現像方法
WO1992022018A1 (en) Method of forming fixed images