JPH0544406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、PC床版の各端部を梁型枠などの
支持体で支持して隣接状に敷き並べ、その上に配
筋して場所打ちコンクリートを打設して床スラブ
を構築する際に、打設したコンクリートが各PC
床版下面の溝形部から洩れるのを防ぐための小口
塞ぎ装置に関する。

〈従来の技術〉 この様な小口塞ぎは実開昭57−96312号公報、
両60−75516号公報で公知である。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記公知の小口塞ぎはPC床版下面の溝形部の
断面形状に対応した形状の端壁を有する端部プラ
グを発泡プラスチツクで成形し、これを接着剤や
両面粘着テープで溝形部の端部に固定している。
しかしながら、これは接着不良部があると、場所
打ちコンクリートを打設した際にコンクリートの
側圧を受けて転倒、脱落し、コンクリートが洩れ
ることがあつた。又、こうして構築した建物が火
災にあうと、発泡プラスチツク製であるため燃焼
し、有害ガスを発生する問題がある。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで本考案はPC床版下面の溝形部の断面形
状に対応した形状を有するモルタル製端部プラグ
の上面にボルトを突設し、前記PC床版の溝形部
の上壁端部に長手方向スリツト又は長孔を設け、
上記スリツト又は長孔に上記ボルトを通してナツ
ト締めする様にしたことを特徴とする。

〈実施例〉 図示の実施例において、１はリブ付きPC床版、
２はその下面の溝形部、３は上記溝形部の断面形
状に対応した形状のモルタルで成形した端部プラ
グを示す。この端部プラグ３は厚さ約３cm前後
で、成形する際に両端部に雄ネジを形成した直径
約６mm程度の鉄太線４を、この実施例ではＵ字形
に曲げ、雄ネジが上面から突出する様に埋込んで
固定し、上記雄ネジをボルト５にする。

そして、PC床版の溝形部の上壁６には、溝形
部２に端部プラグ３を嵌込む際、上記ボルト５が
当接する位置に各端面から長手方向にスリツト状
の孔７を設け、ボルト５を上記孔７に通して端部
プラグ３を溝形部２に嵌込むことができる様にし
てある。尚、スリツトの長さは10cm程度あればよ
い。

従つて、支持体８、こゝでは梁型枠の各側板上
にPC床版１の各端部を載せて隣接状に敷き並べ、
PC床版上と、梁型枠８内に鉄筋９を配し、場所
打ちコンクリート１０を打設して床スラブと梁を
一体に構築する際、支持体８上での端部プラグ３
の固定位置は、ボルト５を孔７沿いに移動して最
適に定め、ボルト５に上からワツシヤを嵌めたの
ちナツト１１を締付けて固定し、それからコンク
リートを打設する。尚、この実施例では端部プラ
グの上面から二本のボルト５が突出するので、ワ
ツシヤの代りに一枚の鉄の短冊板１２に両ボルト
の通る孔を開設して嵌めてあるが、勿論、ボルト
の一本宛にワツシヤを嵌めてもよい。

このワツシヤや短冊板１２はボルト５が孔７の
どの位置にあつても孔を上から塞げるものがよ
い。又、この実施例の孔７は上壁６の端面に開放
したスリツトであるが、これに限らず端面に開放
しない長孔であつてもよい。

〈考案の効果〉 この様に本考案では端部プラグをボルト、ナツ
トの締付けでPC床版に固定するため打設したコ
ンクリートの側圧でプラグが床版から外れ、コン
クリートが洩れることがないと共に、ボルトを床
版の上壁の長孔やスリツト沿いに動かして端部プ
ラグを支持体上の最適位置に固定できる。そし
て、端部プラグはモルタル製であるため不燃物で
あり、建物が火災にあつても有害ガスを発生する
ことがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はPC床版と端部プラグの斜視図、第２図は施工
状態の断面図で、図中、１はPC床版、２はその
溝形部、３は端部プラグ、５はボルト、７はスリ
ツト、１１はナツトを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. PC床版下面の溝形部の断面形状に対応した形
   状を有するモルタル製端部プラグの上面にボルト
   を突設し、前記PC床版の溝形部の上壁端部に長
   手方向スリツト又は長孔を設け、上記スリツト又
   は長孔に上記ボルトを通してナツト締めする様に
   したことを特徴とするPC床版の小口塞ぎ装置。