JP3682605B2 - 内装下地用型枠パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、鉄筋コンクリート建造物のコンクリート打設用の型枠パネルの中で、コンクリート打設後に室内側の型枠パネルを解体撤去することなく、建造物の壁下地、または天井下地の内装下地に用いる打ち込み式型枠パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄筋コンクリート建造物建設のコンクリート打ち込みに用いる型枠には、9〜15mmの厚さの杉板を45〜60mmの角材で補強した型枠が主流であった。
その後、経済性や性能からベニヤ合板や鋼板や複合プラスチック板等が使われるようになった。
しかし、これらの型枠はコンクリート打設後解体撤去しなければならず、そのため撤去を前提とした建て込みが必要で、コンクリート型枠工には高い技術が必要とされるし、さらにコンクリート型枠の解体撤去にも大きな工数を要している。
【0003】
この事から、大きな省力化・工数削減の手段として、室内側の型枠パネルを解体撤去することなく建造物の壁・天井下地に用いる、打ち込み式型枠パネルが開発され、実案昭62―5443号公報、特開平5―171723号公報、特開平11−44026号公報、実案登録第3045801号公報等、多数の提案があり、かなり普及してきている。
【0004】
従来提案の打ち込み式型枠パネルは、型枠パネルの解体撤去の省略と壁下地・天井下地の施工の省力化には大きな効果があり、一部配線工事の省力化にも効果があるものである。
しかし、内装下地用型枠パネルのせき板は、コンクリート打設時の耐圧強度から50mm程度の非常に厚い防水断熱板で、これに特殊樹脂製又は平行合板製の桟木を埋設接合させた構造であり、桟木は防水断熱板表面より10mm程度突出しているに過ぎず、桟木に直接壁材を張った場合の空間の深さは10mm程度である。
【0005】
このため配線だけには支障がないが、深さが浅いため壁に釘を打った時の事故防止のための部分的な電線保護管が必要であり、埋設型コンセントの設置や水道・ガスの壁内配管には深さが足りず、施工時に防水断熱をカット除去しなければならず手間を要し、配線・配管を更に容易に出来る型枠パネルが望まれていた。
【0006】
また天井下地として用いた場合、桟木の突出部分が10mmと短いため吊り木や吊り金具の施工が難しく、天井裏にダクトを通す等での吊り天井にする場合に難があった。
【0007】
他方、せき板に木材を用いた木製型枠パネルは、打ち込み式型枠として用いられることはなく、むしろ防蟻の面から完全撤去が要求されているし、木製せき板に発泡スチロールを張っただけのせき板は、後で躯体コンクリート壁への固定アンカーを打ったり、内壁下地材の桟木を打ち付ける等の作業が必要で、コストの割にはメリットがないため省みられることはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
型枠パネルを壁・天井の内装下地として用いる技術の利点を生かしつつ、配線・配管工事等の付帯工事の容易化、省力化を図り、更に型枠パネルの建て込み作業の容易化、正確化を図るものである。
【0009】
配線・埋設型コンセントの取り付け、配管作業等の容易化省力化には、せき板と内装壁板との間に深さ30mm以上幅50mm以上の空間が必要であることが分かり、天井の吊り木吊り具を桟木に横からネジ釘で固定する際の作業でも、桟木の突出が30mm以上あると非常に容易である。
【0010】
型枠パネルの建て込みに於いては、型枠パネルを内装下地にするには、真っ直ぐな平坦であることが必要で、ゆがみ曲がりや凸凹があるとそのまま壁表や天井に現れるので、位置決めの容易化と位置決め後の固定の容易化と共に、躯体コンクリート壁への固定方法の改善が必要である。
【0011】
従来の防水断熱の打ち込み式型枠パネルに、深さ30mm以上の空間を持たせるには、型枠パネルの全厚みが80mm以上必要となるが、打ち込み式型枠パネルの厚みを厚くすると室内面積が減少する。室内面積の減少を大きくするのは好ましくないので、ここでは型枠パネルの全厚みを75mm以下に限定し、従来の打ち込み式型枠パネルの60mm程度に近づける事にした。この75mmの範囲内で、深さ30mm以上の空間・桟木の突出を達成する為に、従来50mmもある防水断熱板の厚さに注目し、コンクリート打設時の耐圧強度を保持しながら板厚を45mm以下にする手段を検討した。
【0012】
【問題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明を為すものであり、そしてその要旨は以下のとおりである。
内装下地用の打ち込み式型枠パネル(1)を、厚みが30mm以上の桟木枠(2)に木製せき板(3)と防水断熱板(4)を順次張り付け構成し、この型枠パネル(1)の全厚みを75mm以下として、この型枠パネル(1)に取り付けられる内装壁板(5)と型枠パネル(1)の木製せき板(3)との間に少なくとも深さ30mm以上の空間を設けるようにする。
相接する型枠パネル(1)の桟木枠(2)の対向する各側面に、やといざね用の溝(2d)を切り込み、一方の溝のみにやといざね(6)をはめ込んで型枠パネル同士を接合させる。
木製せき板(3)が厚み9〜15mmの複数の木製単板(3a)から構成され、防水断熱板(4)が厚み10〜30mmの発泡スチロール板とする。
型枠パネルの防水断熱板(4)のコンクリートに接する側が木製パネルより縦横共にやや広くする。
桟木枠(2)と木製せき板(3)から成る木製パネルに防水塗料を噴霧または防水塗料に含浸させて防水処理をする。
【0013】
そして本発明の型枠パネルを用いた施工方法は以下のとおりである。
1. 壁コンクリート打設時の断熱板用ジョイナー(14)の延長ネジ(15)の一部を撤去することなく、残存延長ネジに座金付ナット(22)をねじ込んで固定する。
2. 天井用型枠パネルを建て込み鉄筋を配筋した後、深さ制限付スクリューネジ(20)を型枠パネル全体で少なくとも6本以上用いて設置する。
【0014】
上記のような本発明の型枠パネルを用いることにより、型枠パネルの建て込み作業が容易、正確に行え、また配線、配管工事等の付帯工事も容易となり省力化が図れる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に本発明の型枠パネルの一部断面斜視図を示した。型枠パネル1は、桟木枠2に、せき板3と防水断熱板4を張り付けたものである。
【0016】
図2に示す桟木枠2は、長さ3000mmの長尺な枠桟木2aと長さ520mmの短尺な枠桟木2bで3000mm×600mmの矩形枠を作り、この矩形枠の中に等間隔に長さ2920mmの中桟木2cを2本配して、各桟木の接点に酢酸ビニール系の木工用接着剤を塗布し釘で固定し、壁用型枠パネルの桟木枠2とした。そして外周を形成する枠桟木2a、2bの外周面中央に幅10mm、深さ6mmのやといざね用溝2dを全周に亘って彫りこんである。尚、桟木材としては、薄い5mmの杉板を多数張り合わせ、曲がり反りの少ない平行合板をプランナー仕上げし、40mm×40mmの断面形状正方形の角材を切り出し用いた。
【0017】
そして桟木枠の長尺な枠桟木2aと中桟木2cの下端から1500mmの位置に、直径10mm深さ3mmの座掘付の直径4mmのアンカーネジ用導孔2eを穿孔する。また天井用型枠パネルの桟木枠は、外枠桟木2aを1800mm、中桟木2cを1720mm、短尺枠桟木2bを520mmとし、構造は壁用と同じで、サイズだけを1800×600mmと短くした。
【0018】
一般的な型枠パネルのサイズは、幅(短尺)600mm、長さ(長尺)1800mmで有るが、壁用では壁の高さによって長さは2700mm、3000mm、3300mm等の種々のサイズがある。更に壁高さが高くなり、コンクリート打設時のコンクリートの自重圧力が高くなり、耐圧強度の増強が要求される場合は、長尺桟木の配置間隔を狭くし、多くの点でせき板を支えるように中桟木2cの数を増やすのが最も効果的である。
【0019】
桟木枠2は、コンクリート打設時のせき板の補強と、桟木の厚みを利用してコンクリート固化後のせき板と内壁板の間に壁内配線・配管用の空間の形成およびせき板と天井板の間に天井内配線用空間の形成を図り、また吊り天井の場合の吊り木の固定を行うものである。そして、せき板3は、コンクリート打設時の圧力に耐え型枠の形状を保持し、コンクリート固化後は配線・配管のサポーターのステップルやネジの受け板となるものである。また防水断熱板4は、コンクリート打設時のコンクリートの漏れと木製のせき板と桟木枠の水濡れを防ぎ、コンクリート固化後は湿気の侵入と保温により結露を防止するものである。
【0020】
この桟木枠2に、一般には外装材として不適な、節の多い間伐材の一等材の杉板をプランナー仕上げし、厚さ10mm、幅100mmに加工し、さらに長さ600mmに切断して単板3aを作成し、その単板3aを30枚使用して、桟木枠2の背面全面に接着剤を塗布し、釘で打ち付けてせき板3とした。せき板3は、コンクリート打設時の耐圧強度を満たせば良く、合板のコンパネでも良いが、密閉度の高いコンクリート建造物ではフォルマリン問題もあり、フォルマリンを含まない杉松樅等の安価な一等材の単板の方が望ましい。また、板の幅は上記のように100mmと一定である必要はなく、種々の幅の板が混在しても、トータルで3000mmとか1800mmの規定寸法になるようにすれば良い。
【0021】
上記のように製作した木製パネルが工事施工中に雨水などにより桟木2、せき板3が変形しないように防水塗料を噴霧または防水塗料に含浸させて防水処理するとさらに良い。また切り出した角材、単板のときに防水加工処理しても良い。
【0022】
一般的に用いられる取り外し式型枠パネルでも、木製せき板は9mmから15mm厚が多用されている。9mmより薄くなるとコンクリート打設時の耐圧強度が不足するため、一般には使用されていない。厚過ぎると型枠パネルが重くなり好ましくない。
【0023】
木製せき板3はコンクリート打設後、配線配管工事で電線・パイプを通すため、その桟木の一部を切除したり穿孔する事があり、その時の強度低下をせき板で補完するため、単板3aと桟木2a、2b、2cは釘やネジ・接着剤で強固に接着する必要がある。
【0024】
防水断熱板4は、厚み15mmの発泡スチロール板とした。この15mm厚の防水断熱板4を、せき板3側を600×3000mm、コンクリート側をやや広く602×3002mmとして、その端部を1/15のテーパーを付けて切断し、600×3000mmの木製パネルの木製せき板3に、接着剤を塗布して張り合わせプレスし、図1のような型枠パネル1を製作し壁用とした。尚、防水断熱板4を15mm厚とするのは、10mm以下では断熱性に問題があると共に壊れやすく取り扱い性が悪く、30mm以上とすると型枠パネルの全厚みが75mm以上となり本発明の目的を達せないからである。
【0025】
防水断熱板4を木製せき板3より広くするのは、建て込み時型枠パネル同士をシャコ万力・スクリューネジで引き寄せ、防水断熱板同士をお互いに押圧圧縮させて密着させ止水するためである。広くする度合いはほんのわずかで良く、型枠パネル同士を密着させた時、防水断熱板間に隙間が出来なければよい。広くする度合いが大きいと、押圧圧縮するのに非常な力を要する。また防水断熱板のお互いの接触面全体を圧縮する場合も、非常に大きな力を要するので、上記のテーパーのように全部又は一部を切り欠いて、接触面積を小さくするのが好ましい。
【0026】
木製パネルに防水断熱板4を全面に接着剤を塗布して張り合わせるのは、コンクリートと型枠パネルの剥離防止対策の一つである。コンクリート硬化後の、コンクリートと防水断熱板の剥離強度は非常に強く、防水断熱板を破壊しないと剥離しないほどである。
しかし防水断熱板4と木製せき板3を、釘等で接合すると、その剥離強度は非常に弱くなり、防水断熱板と木製せき板の間で剥離するので、接着剤を全面に塗布又は散布して、全面接着する必要がある。
【0027】
天井用木製パネル1も、1/15のテーパーで切断した厚さ15mmの発泡スチロール製の防水断熱板4を全面接着して型枠パネルの天井用とした。
【0028】
型枠パネル1の製作手順は、桟木枠製作→木製せき板張り→防水断熱板張りの順が良く、せき板3と防水断熱板4を先に張り合わせて桟木枠に取り付けるのは、防水断熱板に釘やネジで傷を付ける事になるので不適である。
【0029】
図3は型枠パネル1の断面図である。本実施例では桟木2を40mm、せき板3を10mm、防水断熱板4を15mmの厚みとし、全厚みが65mmとした。従ってせき板3からの桟木2の突出量(V)は40mmであり、桟木枠の室内側に内装壁板5を張った場合のせき板3と内装壁板5の間の空間は、深さ(v)が40mm、幅(w)が146mmとなり、配線・配管工事を行うのに十分な空間となる。
これは、従来の分厚い防水断熱板に桟木を埋め込む方式では10mm程度であったので、従来のものでは得られなかった空間の深さを得ることが出来る。尚、作業に要する空間は少なくとも30mm以上あれば良いので桟木の厚みは30mmとしても良く、木製せき板3の厚みは9〜15mm、防水断熱板4の厚み10〜30mmであればよい。
【0030】
図4に型枠パネル1を横方向に隣接させて接合する方法を示した。本発明のやといざね方式では、隣り合う型枠パネルの枠桟木のいずれも凹条のやといざね溝2dに、後から矩形の溝長さに合わせたやといざね6をはめ込むため、型枠パネルを工場で製作した後、工事現場で作業性に合わせて型枠パネルの左右いずれにでもやといざね6を嵌め込むことにより凸条になし得る。
【0031】
実案昭62ー5443号公報では本ざねでの提案があるが、本ざねでは枠桟木に直接凹溝と凸条を加工するので、せき板を張るときには左右いずれかを凹溝にし反対側を凸条にすることを決定しなければならず、せき板を張った後は作業の都合等で凹凸を変更し得る自由度がない。
【0032】
図5に型枠パネル同士が直角に接合する場合の断面図を示した。角(かど)部や、壁と天井の接合部では、型枠パネルは図5のように直角に接合する。この場合、直交して接続する型枠パネルのやといざね溝2dは、点線で示す横側面の位置(2d)から実線で示す厚み方向の位置2dに変更する必要がある。また天井用型枠パネルの壁側端部の接合部空所に幅65mmで厚さ25mmの発泡スチロール製の防水断熱板7を後付けする。そして天井用型枠パネルと壁用型枠パネルの桟木同士をスクリューネジ20にて締め上げる。
【0033】
本発明のやといざね方式においては、特に外枠桟木2a、2bの断面が正方形で凹溝が一側面の中心にあるようにしたので、天井用の型枠パネルと壁用の型枠パネルを接合する場合は、天井用の角(かど)部分の型枠パネルの両側の桟木2aの溝部分2dが側面から内壁側にくるように90度回して組み立てる事で変更ができる。従って枠桟木の加工は一種類で済ますことが出来る。また断面が長方形の場合は、型枠パネルの側面に凹溝を持つ枠桟木と内壁側に凹溝を持つ枠桟木の二種類が必要となる。
【0034】
型枠パネルを組み上げる時、木製パネルに防水処理をしていない場合には、木口が露出する壁用型枠パネルの床面側端部には防水塗装を施し、型枠パネルに建て込み順に番号を付す。そして壁用鉄筋の配筋後、この型枠パネルを番号順に建て込んでいく。建て込みは、最初の型枠パネルのレベルを正確に合わせ、墨線に合わせて床面に固定する。そして順次、型枠パネルのやといざね6を差し込んで、従来の作業方法と同様に上端のレベルを正確に合わせ、枠桟木同士をシャコ万力で挟み締め付け完全に密着させて仮止めし、枠桟木同士を直径4mm長さ75mmのスクリューネジにてドライバーでねじ込んで、型枠同士を縫って固定した後、床面に固定する。
【0035】
内壁側の型枠パネルの建て込みが終わり、常法通りセパレーター穴を型枠パネルの木製せき板3と防水断熱板4を貫通して9mmの穴をあけ、外側の取り外し式の型枠パネルにも相対する位置に穿孔する。図6にセパレーター取り付け時の断面図を示す。
外壁コンパネ8と内壁型枠パネル1の間に打設するコンクリートの壁厚180mm用のセパレーター9を入れ、図面上側の外壁側はホームタイ10で締め付け、200mm間隔に配置した縦バタパイプ11と600mm間隔で6段の横バタ角パイプ12をホームタイ10の長穴にくさび13を打ち込んで締め上げる。内壁側は保温板用ジョイナー14に25mm用の延長ネジ15をねじ込み、内壁用ホームタイ16で締めて、横バタ角パイプ17をホームタイの長穴にくさび18を打ち込んで締め上げる。
【0036】
ホームタイ16の固定が終わった型枠パネルには、図7に示すように桟木に形成するアンカーネジ用導孔2eに順次内側から、直径5mmで長さ105mmのアンカー用ステンレス製スクリューネジ19を差込み、頭が完全に座彫の中に埋没するようねじ込む。そしてアンカー兼用のスクリューネジ19の先端約45mmが発泡スチロール製の防水断熱板4を貫通して、躯体壁コンクリート打設部に突出するが、防水断熱板にはネジが刺さったままであり、防水断熱板とネジの間に隙間は生じない。尚、壁用のアンカーネジ19は1枚の型枠パネル当たり4本ほどでよい。
【0037】
全ての壁用型枠パネルの建て込み固定が終了後、サポートと枠組みでスラブ用型枠保持工を行い、天井バタ材の角パイプを支える。
【0038】
そして図5に示すように壁用型枠パネルの上端と、天井用型枠パネルの桟木を合わせて、位置確認後105mmのスクリューネジ20で天井用型枠パネルと壁用型枠パネルを固定する。スクリューネジ20は、頭部が防水断熱に接触するまでねじ込む。このスラブ部分の敷き込みは、鉄筋の配筋前で、上方からの作業が容易であるので、型枠パネルを敷き込んで上から押さえ、室内側から浮きが無いかを確認し、隣り合う型枠パネルの枠桟木同士を75mmのスクリューネジ(図示せず)で固定する。
【0039】
その後従来通り、防水断熱の接合部にビニールの粘着テープを張って、漏れ防止の目張りをする。また、壁と天井の接合部の、端部の後付け防水断熱板の接合部にも目張りし、天井近辺の、内壁・天井型枠の全体に防水対策を施す。
【0040】
この天井用型枠パネルの上にスラブ鉄筋を配筋し、鉄筋の上に足場板を渡し、足場板の上から鉄筋の下の型枠パネルの枠木に向かって、図8に示す深さ制限付ネジ20をねじ込んだ。深さ制限ネジ20は、直径5mm長さ90mm、ネジ部の長さ60mmの半ネジタイプのステンレススクリューネジに、外径22φ内径4φ厚み0.3mmのステンレス座金21をねじ込んで作成したものである。
【0041】
この深さ制限付スクリューネジ20を、天井型枠パネルの短尺桟木2bに1本ずつ、長尺桟木2a、2cに各3本ずつ型枠パネル当たり14本を防水断熱板4の上からねじ込むようにする。かくして座金21より上方へ露出した部分がコンクリ打設時のアンカーとなる。このスクリューネジ20のアンカーは一般的な釘のアンカーより抜けにくく、配筋した鉄筋の間から金槌で釘を打つより、ドライバーでねじ込む工法の方が作業性が向上する。ここでの14本のアンカーは、天井への負荷を考慮したものであり、天井用型枠と天井材だけの剥離転落防止には、6本のアンカーで十分である。
【0042】
本工法によれば開口部・配線配管用穴・埋設配線パイプの配管等を行い、全ての前準備を終了後、スラブの厚みは220mmとしてコンクリートの打設を行う。生コンクリート打設時、内壁側型枠パネルには変形はなく、ノロや水のしみ出しもなく特に問題になる点はなかった。
【0043】
養生硬化後、支持工、バタ材11、12、ホームタイ10等を撤去し、外壁コンパネ8を撤去し外側に露出したセパレータ9のネジ部を折り取る。内壁側も支持工、バタ材17、ホームタイ16等を撤去し、ジョイナーの延長ネジ15も、各壁の中央と両サイドの3枚の型枠パネルだけ残して撤去する。残したジョイナーの延長ネジ15に、図9に示すように座金付ナット22をはめ込み強固に締め上げて壁用アンカーとする。
【0044】
配線工事は、予め所定の位置に、桟木に木ネジで固定した埋設型コンセントに、室外よりコンクリート壁の配線パイプを通して電線を壁内に引き込みつなぎ込むことにより行う。
【0045】
配線の固定用ステップルは、壁奥の木材せき板に打ち込み行う。配線は内壁表面から約40mmの奥にあり、住人が誤って壁に釘を打ち込んでも、通常の38mm以下であれば配線を傷つけることはなく、配線保護鉄管の必要性は無くなった。
【0046】
水道・ガスの配管のサポーターも壁奥の木材せき板に20mmの木ネジで固定する。一部配線・配管で水平方向に延長するときは、各桟木を必要幅に丸ノコで2条切断し中を抜き取って配線・配管溝とする。
【0047】
吊り天井の施工は、40×30角の吊り木を、天井用型枠パネルの桟木に75mmのスクリューネジで固定し、常法通り行う。
【0048】
壁は12.5mmの石膏ボードとし、これに壁用クロスを張って仕上げる。石膏ボードを張るとき、特に気になる歪みや凸凹は生じ無かった。間仕切り壁には、遮音用に厚さ40mmのグラスウールマットを、146mm幅に切断し、壁との空間に埋め込んで内壁の石膏ボードを張り、壁用クロスを張り行う。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているので、配線・埋設型コンセントの取り付け、配管作業等の容易化・省力化が計れる。
また天井の吊り木釣り具を桟木に、横からスクリューネジや釘で固定する際の作業も可能である。
コンクリート打設養生硬化後は、全く木造建築と同じ感覚で、桟木の切り欠きや補強が丸ノコと電動ドライバーで出来、非常に自由度が大きく作業は楽に出来る。
【0050】
内壁施工後は、目に触れることのない壁奥となるせき板に、杉材等で節が多く、表装材に適さない1等材を使うことが出来る。この工法は、ベニヤ合板でも可能であるが、ベニヤ合板にはフォルマリン問題もあり、健康の面からは単板の方が好ましい。特に用途が限定される国内産の杉の間伐材を使うことは、国内の森林資源の活用と、それに伴う間伐等の森林手入れで、国土保全に寄与することが出来る。
【0051】
型枠パネルの、枠桟木へのやといざね溝の設置と、やといざねの設置、アンカー用の導孔の穿孔、深さ制限スクリューの採用、セパレータ延長ネジのアンカーとしての利用等で、型枠建て込み作業も、ほとんど電動ドライバーだけででき、非常に容易で正確に行える。また、コンクリート埋め込みの箇所が、配線配管の室内導入口だけとなり、位置決めが容易で、電気工・配管工が型枠組立に立ち会い指示する必要も無くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す型枠パネルの一部断面斜視図。
【図2】 桟木木枠を示す斜視図
【図3】 型枠パネルの桟木に内壁板を組付ける使用例を示す断面図。
【図4】 型枠パネルを接合する際のやといざね用溝とやといざねの関係を示す断面図。
【図5】 壁用型枠パネルと天井用型枠パネルを接合する際のやといざね用溝とやといざねの関係を示す断面図。
【図6】 コンクリート打設時の一形態を示す断面略図。
【図7】 アンカーネジ19の使用例を示す断面図。
【図8】 深さ制限付スクリューネジの斜視図。
【図9】 コンクリート養生後の処理を示す断面図。
【符号の説明】
1 型枠パネル
2 桟木枠
2a 長尺枠桟木
2b 短尺枠桟木
2c 長尺中桟木
2d やといざね用溝
2e アンカーネジ用導孔
3 木製せき板
3a 単板
4 防水断熱板
5 内壁板
6 やといざね
7 後付け防水断熱板
8 外壁コンパネ
9 セパレーター
10 外壁用ホームタイ
11 縦バタパイプ
12 横バタ角パイプ
13 くさび
14 保温板用ジョイナー
15 延長ネジ
16 内壁用ホームタイ
17 横バタ角パイプ
18 くさび
19 スクリューネジ
20 深さ制限付ネジ
21 ステンレス座金
22 座金付ナット

Claims (7)

  1. 内装下地用の打ち込み式型枠パネル(1)を、厚みが30mm以上の桟木枠(2)に木製せき板(3)と防水断熱板(4)を順次張り付け構成し、この型枠パネル(1)の全厚みを75mm以下として、この型枠パネル(1)に取り付けられる内装壁板(5)と型枠パネル(1)の木製せき板(3)との間に少なくとも深さ30mm以上の空間を設けるようにしたことを特徴とする型枠パネル。
  2. 相接する型枠パネル(1)の桟木枠(2)の対向する各側面に、やといざね用の溝(2d)を切り込み、一方の溝のみにやといざね(6)をはめ込んで型枠パネル同士を接合したことを特徴とする請求項1記載の型枠パネル。
  3. 木製せき板(3)が厚み9〜15mmの複数の木製単板(3a)から構成され、防水断熱板(4)が厚み10〜30mmの発泡スチロール板であることを特徴とする請求項1記載の型枠パネル。
  4. 型枠パネルの防水断熱板(4)のコンクリートに接する側が木製パネルより縦横共にやや広くしたことを特徴とする請求項1記載の型枠パネル。
  5. 桟木枠(2)と木製せき板(3)から成る木製パネルに防水塗料を噴霧または防水塗料に含浸させて防水処理したことを特徴とする請求項1および請求項3記載の型枠パネル。
  6. 壁コンクリート打設時の断熱板用ジョイナー(14)の延長ネジ(15)の一部を撤去することなく、残存延長ネジに座金付ナット(22)をねじ込んで固定することを特徴とする請求項1記載の壁用型枠パネル(1)の固定方法。
  7. 天井用型枠パネルを建て込み鉄筋を配筋した後、深さ制限付スクリューネジ(20)を型枠パネル全体で少なくとも6本以上設置する事を特徴とする請求項1記載の天井用型枠パネル(1)の固定方法。
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