JPH0544312A - 軒樋の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 軒先８に取付具６を取り付け、軒樋１の下側
壁４の室外側端部の下面に設けられた軒天井板係止片４
１を設け、軒天井板７が軒天井板係止片４１に係止さ
れ、軒天井８１に取り付けられている。 【効果】 軒樋１の下側壁４と軒天井８１とを隠蔽する
から、軒下から見ると、軒天井板７のみが見えて、美麗
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は軒樋の取付構造に関す
る。詳細には、軒樋を軒先に取付具で取り付けられた軒
樋の取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、軒樋の取付構造は種々提案されて
いる。これ等の軒樋構造を大別すると、軒樋支持具で軒
樋を下方から支持し、軒先に取り付けられた構造と、軒
樋吊り具で軒樋を上方から吊るし、軒先に取り付けられ
た構造とになる。

【０００３】軒樋を軒樋支持具で軒先に取り付けられた
構造の一例を示すと、実開平３−２１２１号公報に記載
されているように、前方立上片と底片と後方立上片とで
Ｕ字型に形成された樋受杆と、この樋受杆を取り付ける
樋受杆取付部と軒先に取り付けられる軒先取付部とから
なる取付杆とからなり、樋受杆の後方立上片の先端部に
丸孔が、又、取付杆の樋受杆取付部に丸孔がそれぞれ設
けられているものであって、取付杆の軒先取付部を軒先
に取り付け、後方立上片の丸孔と樋受杆取付部の丸孔と
を合わせ、これ等の丸孔にボルトを通し、ナットで巻き
締めして樋受杆を取付杆に固定し、Ｕ字型に形成された
樋受杆の中に軒樋を入れた構造である。

【０００４】又、軒樋を軒樋吊り具で軒先に取り付けら
れた構造の一例を示すと、実開昭５７−１９９６４２号
公報に記載されているように、両端部に軒樋耳縁保持部
を設け、中間部に長手方向に沿う長孔を設けた樋吊杆
と、軒樋に取り付けられる軒先取付部と切れ目または丸
孔が設けられた水平杆とからなる固定杆とからなるもの
であって、固定杆の軒先取付部を軒先に取り付け、この
固定杆の切れ目または丸孔と樋吊杆の長孔とにボルトを
通し、ナットで巻き締めして樋吊杆を固定杆に固定し、
樋吊杆の両端に設けられた軒樋耳縁保持部に軒樋の耳を
係止し、保持して、軒樋を吊した構造である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、樋支持具で軒
樋を下方から支持して取り付けられた構造であると、樋
支持具が軒下から見えて見苦しいし、軒樋と軒先との間
に隙間があり見苦しい。

【０００６】又、軒樋吊り具で上方から軒樋を吊って取
り付けられた構造であると、軒樋と軒先との間に隙間が
あり見苦しい。又、長期間使用している間に枯れ葉等が
軒樋に溜ったとき軒樋吊り具が邪魔になり、この枯れ葉
等の除去に不便であった。

【０００７】更に、最近、住宅が高級化や大型化するに
伴って、軒樋が大型になっている。即ち、軒樋の外周面
に化粧カバーを取り付けたり、化粧カバーと軒樋部とが
一体になった軒樋を使用して、外観をよくする傾向があ
る。かかる軒樋を従来の樋支持具で軒樋を支持させた構
造にすると、樋支持具が大きくなり、不便であるし、
又、樋吊り具で軒樋を吊るした構造にすると、軒樋が大
きく、且つ、重くなり、軒樋耳保持部のみでは吊り難い
という問題がある。

【０００８】又、最近、軒樋の取り付け工数を減少する
ために、簡単に、しかも、速く軒樋を取り付けできる構
造が要望されている。そこで、本発明の目的は軒樋の中
の溜まった枯れ葉等の掃除がし易く、取付具が軒下から
見え難く、大型の軒樋の取り付けができ、しかも、速く
施工できる軒樋の取付構造を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は前記問題を解決
し、前記目的を達成するためになしたもので、本発明の
請求項１記載の発明は、軒樋が軒先に取付具で取り付け
られた軒樋の取付構造であって、前記軒樋の下側壁の室
外側端部の下面に軒天井板係止片が設けられ、軒天井板
がこの軒天井板係止片に係止され、軒天井に取り付けら
れているものである。

【００１０】又、本発明の請求項２記載の発明は、軒樋
が軒先に取付具で取り付けられた軒樋の取付構造であっ
て、前記軒樋は軒樋の室内側壁の上部と下部にそれぞれ
軒樋上係止部と軒樋下係止部とが設けられ、前記取付具
は板状体であり、この板状体の上部と下部にそれぞれ取
付上係止部と取付下係止部とが設けられ、前記軒樋上係
止部と取付上係止部のいずれか一方が上向きの凸状形状
であり、他方がこの凸状形状に係止される下向きの凹状
形状であって、軒先に取付具が取り付けられ、軒樋上係
止部と取付上係止部とが係止され、取付下係止部が軒樋
下係止部を下から支え、ビスで取付下係止部と軒樋下係
止部とが固定されて、取付具に軒樋が取り付けられ、更
に、軒樋の下側壁の室外側端部の下面に軒天井板係止片
が設けられ、軒天井板がこの軒天井板係止片に係止さ
れ、軒天井に取り付けられているものである。

【００１１】即ち、請求項１記載の発明で、軒下から軒
先を見上げたときの見苦しさを解決したものであり、請
求項２記載の発明は、特殊な軒樋および取付具を使用す
ることで、軒下から軒先を見上げたときの見苦しさを解
決すると同時に、軒樋に溜まった枯れ葉等の塵埃を除去
し易くし、大型の軒樋や化粧板が取り付けることがで
き、しかも、速く施工できる軒樋の取付構造を提供する
ものである。

【００１２】本発明において、請求項１記載の発明に使
用する軒樋取付具は軒樋支持具であってもよいし、軒樋
吊り具であってもよい。更に、請求項２記載の発明に使
用する取付具であってもよいのである。

【００１３】本発明の請求項２記載の発明に使用する取
付具は板状であって、上部と下部にそれぞれ取付上係止
部と取付下係止部が設けられていればよく、取付具の幅
に関しては、軒先に沿って長く設けられる長尺体でもよ
いし、軒先の所々に設けられる小片であってもよい。

【００１４】本発明に使用する軒樋は、豪華に見せるた
めに、軒樋部とこの軒樋部の外側を隠蔽する化粧カバー
部とが一体になった構造でもよい。本発明に使用する軒
樋は、更に、豪華に見せるために、軒樋の室外側壁に化
粧カバーを取り付けられた構造でもよい。

【００１５】本発明において、軒樋の室外側壁、下側
壁、室内側壁とは、それぞれ軒樋の最も外側、下側、内
側の壁のことであって、軒樋が軒樋部のみの場合にはこ
の軒樋部の外側壁、底壁、内側壁がそれぞれ室外側壁、
底壁、室内側壁であり、又、軒樋が軒樋部の外側壁、底
壁、内側壁を隠蔽する化粧カバーが一体に設けられたも
のであるときには、それぞれこの室外側壁化粧カバー、
底壁化粧カバー、室内側化粧カバーである。

【００１６】

【作用】本発明では、軒樋の下側壁の室外側端部の下面
に軒天井板係止片が設けられ、軒天井板がこの軒天井板
係止片に係止され、軒天井に取り付けられているから、
軒下から軒樋の下側を見上げると、軒天井板のみが見え
て、軒樋と軒先との境や軒樋の取付具は見えない。従っ
て、この部分はスッキリとした形状であり、美麗な軒先
となる。

【００１７】請求項２記載の発明に使用する軒樋は、軒
樋の室内側壁の上部と下部にそれぞれ軒樋上係止部と軒
樋下係止部とが設けられたものであり、又、取付具は、
板状であり、この板状の取付具の上部と下部にそれぞれ
取付上係止部と取付下係止部とが設けられたものであ
る。

【００１８】そして、この取付具を軒先に取り付け、こ
の取付具の取付上係止部と軒樋の軒樋上取付部とが係止
されて、軒樋の室内側壁の上部が取付具に取り付けられ
ている。又、取付下係止部の上に軒樋下係止部を載せ、
ビスで両者が固定されて、軒樋の室内側壁の下部が取付
具に取り付けられている。

【００１９】このことから判明するように、請求項２記
載の発明は軒樋の室内側壁の上下が取付具の上下の係止
部に取り付けられている。従って、軒樋の上方の開口部
には吊り具がなく、軒樋の中に溜まった塵埃等を取り除
き易い。又、軒樋の下には支持具がなく、軒樋の下側壁
に軒天井が取り付けやすい構造になっている。

【００２０】又、このように、軒樋の室内側壁を取付具
で取り付けるから、軒樋の室外側壁や底壁に、種々なも
の、例えば、化粧カバー等を取り付けることができる
し、軒樋部と、この軒樋部の外側を隠蔽する化粧カバー
とが一体になっている軒樋でも取り付けることができ
る。

【００２１】このように、軒先に取付具を取り付け、軒
樋の室内側壁を取付具に取り付けるだけであるから、速
く施工できる。

【００２２】

【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図１〜２
は本発明の一実施例を示すものであって、図１は軒先に
取付具を取り付け、この取付具に軒樋および軒天井板を
取り付けている状態を示す斜視図、図２は図１に示す実
施例の軒樋を取り付けた状態を示す断面図である。

【００２３】図３〜４はそれぞれ別の実施例を示す断面
図である。図１〜２において、１は軒樋であり、この軒
樋１は軒樋部２とこの軒樋部２の外側を隠蔽する室外側
壁化粧カバー３、底壁化粧カバー４、室内側壁化粧カバ
ー５とが一体になったものである。

【００２４】この室外側壁化粧カバー３の上部は軒樋部
２の上部と接合している。底壁化粧カバー４の室外側端
部の下面には軒天井板係止片４１が設けられている。

【００２５】室内側壁化粧カバー５は軒樋部２の室内側
下半分をカバーしていて、この下部に軒樋下係止部５２
が設けられている。又、軒樋部２の室内側壁の上部に下
向きの凹状形状の軒樋上係止部５１が設けられている。

【００２６】６は取付具であり、この取付具６は長尺の
板状体であり、上部に取付上係止部６１が、又、下部に
取付下係止部６２がそれぞれ設けられている。この取付
上係止部６１は室外方向に若干突出し、更に、上方が凸
状形状に突出していて、軒樋上係止部５１を係止するよ
うになっている。

【００２７】又、取付下係止部６２は室外方向にほぼ水
平に突出していて、軒樋下係止部５２をこの上に載せら
れる形状をしている。８は鼻隠しからなる軒先であり、
８１は軒先８の下面である軒天井である。

【００２８】７は軒天井板であり、軒樋１の底壁化粧カ
バー４の室外側端部に設けられた軒天井板係止片４１に
係止され、軒天井８１に取り付けられて、軒樋１の底壁
化粧カバー４と軒天井８１とを隠蔽するものである。

【００２９】９は屋根である。次に、この取付構造の取
付方法および作用について説明する。屋根９の鼻隠しか
らなる軒先８に、取付具６をビスで取り付ける。

【００３０】次に、この取付具６に軒樋１を取り付け
る。この取付方法を更に詳細に説明すると、軒樋１の軒
樋上係止部５１を取付上係止部６１に係止し、軒樋下係
止部５２を取付下係止部６２の上に載せ、この軒樋下係
止部５２と取付下係止部６２とをビス５３で固定して軒
樋１を取付具６に取り付ける。

【００３１】次に、軒樋１の底壁化粧カバー４の室外側
端部に設けられた軒天井板係止片４１に軒天井板７を係
止し、更に、軒天井板７を軒天井８１に取り付ける。こ
のように取付具６を軒先８に取り付け、軒樋１と軒天井
板７とを取り付けるだけでよく、簡単に速く施工でき
る。

【００３２】又、 このように、軒先８に取付具６と軒
樋１と軒天井板７を取り付けると、軒樋１の軒樋部２の
中に塵埃が積もっても、軒樋部２の上部には、従来のよ
うな樋吊り具がないから、極めて速く掃除ができる。

【００３３】又、軒樋１の下部から軒天井８１にかけ
て、軒天井板７で隠蔽されているから、この部分が美麗
である。次に、図３に示す実施例について説明する。

【００３４】図３に示す実施例では、室外側化粧カバー
３ａの形状が外側に湾曲した円弧状であること、軒樋１
ａの室内側壁の上部に形成された軒樋上係止部５１ａが
凸状形状であり、取付具６ａの上部に形成された取付上
係止部６１ａが、軒樋上係止部５１ａに嵌合する下向き
の凹状形状をしていること、および、この凸状形状の軒
樋上係止部５１ａが凹状形状の取付上係止部６１ａに嵌
合されることが、図１〜２に示す実施例と異なるのみ
で、他は図１〜２に示す実施例と同じである。

【００３５】次に、図４に示す実施例について説明す
る。図４に示す実施例では、室外側化粧カバー３ｂに正
面カバー３５が取り付けられていること、および、室内
側の取付構造が図３に示す実施例と同じであることが、
図１〜２に示す実施例と異なるのみで他は図１〜２に示
す実施例と同じである。

【００３６】

【発明の効果】本発明では、軒天井板が軒樋の下側壁の
軒天井板係止片に係止され、軒天井に取り付けられてい
るから、軒樋の下側壁と軒天井とを隠蔽し、軒下から見
ると、軒天井板のみが見えて美麗である。

【００３７】又、請求項２記載の発明では、板状体から
なる取付具を軒先に取り付け、この取付具の上部と下部
に設けられた取付上係止部と取付下係止部とに軒樋の室
内側壁の上部と下部に設けられた軒樋上係止部と軒樋下
係止部とを取り付けた構造であるから、軒樋を上から吊
る樋吊り具や軒樋を下から支持する支持具を使用しな
い。従って、軒樋の中に蓄積された塵埃を掃除すること
が容易であし、軒樋の下側壁に軒天井板が取り付け易
い。

【００３８】又、本発明に使用する軒樋は取付具で軒先
にしっかりと固定されているから、化粧カバーを取り付
けたり、化粧カバーが一体になった大型の軒樋をこの取
付具に取り付けることができる。

【００３９】又、本発明では、軒先に取付具を取り付
け、この取付具に軒樋を取り付けるだけであるから、施
工が極めて速くできる。このように、本発明は種々な特
徴があり、有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例を示すものであって、
軒先に取付具を取り付け、この取付具に軒樋および軒天
井板を取り付けている状態を示す斜視図である。

【図２】図２は図１に示す実施例の軒樋を取り付けた状
態を示す断面図である。

【図３】図３は他の実施例を示すもので、軒樋を取り付
けた状態を示す断面図である。

【図４】図４は別の実施例を示すもので、軒樋を取り付
けた状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１、１ａ 軒樋 ２ 軒樋部 ３、３ａ、３ｂ 室外側壁（室外側壁化粧カバ
ー） ３５ 正面カバー ４ 底側壁（底壁化粧カバー） ４１ 軒天井板係止片 ５ 室内側壁（室内側壁化粧カバ
ー） ５１、５１ａ 軒樋上係止部 ５２ 軒樋下係止部 ６、６ａ 取付具 ６１、６１ａ 取付上係止部 ６２ 取付下係止部 ７ 軒天井板 ８ 軒先（鼻隠し） ８１ 軒天井 ９ 屋根

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軒樋が軒先に取付具で取り付けられた軒
   樋の取付構造であって、前記軒樋の下側壁の室外側端部
   の下面に軒天井板係止片が設けられ、軒天井板がこの軒
   天井板係止片に係止され、軒天井に取り付けられている
   ことを特徴とする軒樋の取付構造。
2. 【請求項２】 軒樋が軒先に取付具で取り付けられた軒
   樋の取付構造であって、前記軒樋は軒樋の室内側壁の上
   部と下部にそれぞれ軒樋上係止部と軒樋下係止部とが設
   けられ、前記取付具は板状体であり、この板状体の上部
   と下部にそれぞれ取付上係止部と取付下係止部とが設け
   られ、前記軒樋上係止部と取付上係止部のいずれか一方
   が上向きの凸状形状であり、他方がこの凸状形状に係止
   される下向きの凹状形状であって、軒先に取付具が取り
   付けられ、軒樋上係止部と取付上係止部とが係止され、
   取付下係止部が軒樋下係止部を下から支え、ビスで取付
   下係止部と軒樋下係止部とが固定されて、取付具に軒樋
   が取り付けられ、更に、軒樋の下側壁の室外側端部の下
   面に軒天井板係止片が設けられ、軒天井板がこの軒天井
   板係止片に係止され、軒天井に取り付けられていること
   を特徴とする軒樋の取付構造。