JPH0544166A - 布帛の撥水仕上方法 - Google Patents

布帛の撥水仕上方法

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JPH0544166A
JPH0544166A JP21924991A JP21924991A JPH0544166A JP H0544166 A JPH0544166 A JP H0544166A JP 21924991 A JP21924991 A JP 21924991A JP 21924991 A JP21924991 A JP 21924991A JP H0544166 A JPH0544166 A JP H0544166A
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JP
Japan
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cloth
water
pva
repellent
weight
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JP21924991A
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English (en)
Inventor
Masahide Kaneko
正秀 金子
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 布帛に十分なハリ、コシを与え、かつ耐久性
ある撥水性を付与することのできる撥水仕上方法を提供
すること。 【構成】 ケン化率約96%以上のPVA、架橋剤、及び
フッ素系撥水剤を含有する液状物を布帛に施与すること
を特徴とする、布帛の撥水仕上方法が提供された。 【効果】 本発明の方法により、布帛に十分なハリ、コ
シ、及び耐久性ある撥水性を同時に付与することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、布帛に十分なハリ、コ
シのあるドライな触感を与え、かつ耐久性ある撥水性を
付与することのできる撥水仕上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、布帛に耐久性ある撥水性を付与す
るために、種々の撥水剤を布帛に施与することが行われ
てきた。特に、フッ素系撥水剤を布帛に施与する方法
は、高い、かつ耐久性のある撥水性が得られるので、広
く用いられている。
【0003】一方、布帛にハリ、コシのあるドライな触
感を与える方法としては、ポリビニルアルコール(以
下、PVAと略すことがある)、アミノプラスト樹脂、
ポリエステル樹脂等を布帛に施与する方法が採られてき
た。この方法においては、布帛に十分なハリ、コシを与
えるために、樹脂を施与した後に比較的高い温度、通常
約 150℃以上でのキュアリングが行われる。
【0004】ハリ、コシのあるドライな触感と、撥水性
の両者を兼ね備える布帛を製造する方法としては、上記
の撥水剤と樹脂とを同浴にて付与する方法、あるいは、
PVA等の樹脂を先ず付与し、次にフッ素系撥水剤を別
浴にて付与する方法が試みられてきた。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂
と撥水剤とを同浴にて施与する場合には、十分な撥水性
が付与されない。また、浴の安定性が低く、布帛に付与
される樹脂の量が不十分となって、布帛に所望の程度の
ハリ、コシが与えられないことがある。一方、別浴にて
付与する場合には、第二浴での撥水剤の浸透が、特に水
系の場合に不十分となったり、また、樹脂層とフッ素系
撥水剤層との接着性が不十分となったりするために、十
分な撥水性、耐久性ある撥水性が得られなかった。
【0006】さらに、予め染色された布帛においては、
高温キュアリングによって変色の起こることがある。特
に、分散染料にて染色された布帛においては、キュアリ
ングによって著しい堅牢度低下が起こる。しかし、キュ
アリング温度を約150 ℃未満とすると、十分なハリ、コ
シが付与されない。
【0007】本発明は、布帛に十分なハリ、コシを与
え、かつ耐久性ある撥水性を付与し、しかもそれらの効
果を比較的低い温度で達成することのできる撥水仕上方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ケン化率96
%以上のPVA、架橋剤及びフッ素系撥水剤を含有する
液状物においては、その浴安定性が乱れることがなく、
かつ該液状物を施与することによって十分な撥水性、及
びハリ、コシが布帛に与えられると言うことを見出し
た。
【0009】すなわち、本発明は、ケン化率96%以上の
PVA、架橋剤及びフッ素系撥水剤を含有する液状物を
布帛に施与することを特徴とする、布帛の撥水仕上方法
である。
【0010】ここで、PVAとしてケン化率が96%以
上、好ましくは98%以上のものを架橋剤と共に使用する
ことが、本発明の重要な要件である。PVAは、通常、
ポリ酢酸ビニルの加水分解(ケン化)によって作られて
おり、市販されているPVAの中には、88〜95%のケン
化率のものがある。こうしたケン化率のPVAを用いた
のでは、本発明の効果は発揮されない。一方、本発明に
従い、PVAとしてケン化率96%以上のものを架橋剤と
共に使用した場合には、ハリ、コシのある、耐久性ある
撥水性を有する布帛を製造することができる。このこと
は全く予期されなかったことである。
【0011】本発明で使用するケン化率96%以上のPV
Aは、熱水には溶解するが、室温の水には殆ど溶解しな
い。PVAは、その分子量によっていくつかに分類され
るが、本発明においてはそのいずれをも用いることがで
きる。また、その一部が1,2-グリコール型を含有する構
造のものであっても良い。本発明のPVAはケン化率が
96%以上でありさえすれば良く、その分子量等の特性に
特に制限はない。これらPVAは、布帛に対して 0.3〜
2重量%程度、特に 0.5〜0.9 重量%程度の量施与する
のが好ましい。
【0012】本発明で使用し得る架橋剤に特に制限はな
い。例としてアミノプラスト、エポキシ樹脂等が挙げら
れるが、これらに限定されない。二種以上の架橋剤を併
用することもできる。好ましい架橋剤はアミノプラス
ト、例えばヘキサメチロールメラミン、ジメチロールエ
チレン等である。本発明において架橋剤は、好ましくは
繊維構造物に対して約0.05〜0.4 重量%、特に約0.1〜
0.2 重量%の量にて用いられる。
【0013】フッ素系撥水剤に特に制限はなく、種々の
ものを使用することができる。中でも弱カチオン系乳化
剤を用いたものが好ましい。乳化剤がノニオン系である
と、PVA、アミノプラスト樹脂及び有機アミン塩と同
浴で用いた場合、フッ素系撥水の凝集沈殿が生じること
がある。フッ素系撥水剤は、好ましくは繊維構造物に対
して約 0.3〜2 重量%、より好ましくは約 0.5〜1.5 重
量%、特に約 0.6〜0.9 重量%の量にて使用する。
【0014】上記成分を含有する液状物を布帛に施与す
ることによって、十分なハリ、コシを有し、かつ耐久性
ある撥水性を有する布帛を得ることができる。該液状物
は、好ましくは水系分散物である。所望により、アルコ
ール、アセトン等の有機溶媒を使用することもできる。
該分散物は、PVA、架橋剤及び撥水剤を、夫々1〜1.
8 重量%、 0.2〜0.4 重量%、1〜3重量%程度の濃度
で含有するのが好ましい。該分散物は、上記の成分の
他、染料、顔料等の任意的成分を含有していても良い。
【0015】液状物を施与する布帛は、どのようなもの
であっても良い。例えば、各種の合成繊維、天然繊維、
または再生繊維素繊維を、一種、或いは数種用いた布帛
を使用することが可能である。また、その形態にも制限
はなく、織物、編物、不織布等いずれであってもよい。
尚、単糸デニール約1デニール以下の極細繊維、中でも
約 0.5デニール以下の極細繊維を(例えば20重量%程度
以上)含有する布帛は、元々ヌメリ感を有すので、本発
明によるハリ、コシ及びドライな触感の付与の効果が特
に顕著に現れる。これら極細繊維は、典型的にはフィブ
リル化型複合繊維をフィブリル化することによって得る
ことができる。フィブリル化型複合繊維及びフィブリル
化は公知の技術であり、例えば特開昭57‐117647号公報
及び特開昭60‐215869号公報に記載されている。中でも
分散染料にて染色された布帛は、高温度でのキュアリン
グによって堅牢度が低下することがあるので、その点に
関しても本発明は効果的である。
【0016】上記の液状物は慣用のどのような方法によ
っても布帛に施与することができる。好ましい施与方法
はパディングであるが、噴霧及び塗布等の方法を用いる
ことも可能である。液状物を布帛に施与した後、通常、
乾燥、キュアリングを行う。乾燥・キュアリング操作
は、約 120〜170 ℃、特に約 130〜150 ℃の温度で、15
秒間〜3分間、特に30秒間〜2分間行うのが好ましい。
キュアリングによって、布帛のハリやコシ、及び撥水性
の耐久性がさらに高められる。本発明の方法では、キュ
アリングは比較的低温で行われるので、堅牢度の低い染
料で染色された布帛においても、変色等の変性が生じる
ことがなく、また、堅牢度が低下することもない。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明の好ましい態様に
ついてさらに詳しく説明する。
【0018】以下の実施例において、得られた布帛が有
するハリ、コシの程度は、風合測定機によって測定し
た。同じく風合測定機により、ドライ感をシャリ味感と
して測定した。
【0019】撥水度は、JIS L-1092 法(スプレー試
験)に従い評価した。
【0020】また、洗濯堅牢度は、JIS L-0844 A-2
法に従い測定した。
【0021】
【実施例1】経糸として絹/ポリエステル(50/50)の 1
20番双糸を、緯糸としてポリエステル/ナイロン(70/3
0)のフィブリル型繊維(糸断面において8個の放射状
のナイロン部分及びその間を埋めるポリエステルより成
る)の100d/50f の糸を用いた平織布帛(見掛けの糸密
度82×81)を、特開昭60‐215869号公報記載の方法でフ
ィブリル化してかつ収縮させた。この操作によって見掛
けの糸密度は 123×84となった。この布帛を分散染料に
て染色した。
【0022】別途に、以下の組成 PVA1) 2 重量% ヘキサメチロールメラミン2) 0.5 重量% フッ素系撥水剤3) 5 重量% 有機アミン塩触媒4) 0.1 重量% 水 92.4 重量% 〔1)クラレ株式会社製のクラレポバール PVA 117、ケン
化率98.5% 2)大日本インキ化学工業株式会社製のベッカミンJ101 3)旭硝子株式会社製のアサヒガード AG925 4)大日本インキ化学工業株式会社製のキャタリスト376
〕 の処理液を調製した。
【0023】この処理液を、上記の布帛に絞り率50%に
てパディングし、120 ℃で約1分間の熱処理により乾燥
を行った。
【0024】次に、130 ℃で約30秒間のキュアリングを
行った。
【0025】得られた布帛は、十分なハリ、コシを有
し、ドライな触感を有していた。その撥水度は 100点で
あり、洗濯5回風乾後においては70点であり、非常に耐
久性を有していた。また、その洗濯堅牢度は、変退4、
汚染4-5 であった。
【0026】
【実施例2】経糸としてポリエステルスパンの50番単糸
を用い、緯糸としてポリエステル/ナイロン(70/30)の
フィブリル型繊維(糸断面において8個の放射状のナイ
ロン部分及びその間を埋めるポリエステルより成る)の
100d/50f の糸を用いた綾織布帛(見掛けの糸密度 101
×94、フィブリル化後の見掛けの糸密度 136×100 )を
使用した以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。
【0027】得られた布帛は十分なハリ、コシを有し、
ドライな触感を有していた。その撥水度は 100点であ
り、洗濯10回風乾後においては70点であり、非常に耐久
性を有していた。尚、その洗濯堅牢度は、変退4-5 、汚
染4-5 であった。
【0028】
【比較例1】処理液の組成を ヘキサメチロールメラミン1) 0.5 重量% フッ素系撥水剤2) 5 重量% 有機アミン塩触媒3) 0.1 重量% 水 94.4 重量% 〔1)大日本インキ化学工業株式会社製のベッカミンJ10
1 2)旭硝子株式会社製のアサヒガード AG925 3)大日本インキ化学工業株式会社製のキャタリスト376
〕 とした以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。
【0029】得られた布帛の撥水度は 100点であり、洗
濯5回風乾後には70点であり耐久性を有していたが、該
布帛はハリ、コシが少なく、極細繊維特有のヌメリのあ
る触感を有していた。尚、その洗濯堅牢度は変退4、汚
染4-5 であった。
【0030】
【比較例2】処理液の組成を PVA1) 2 重量% ヘキサメチロールメラミン2) 0.5 重量% フッ素系撥水剤3) 5 重量% 有機アミン塩触媒4) 0.1 重量% 水 92.4 重量% 〔1)クラレ株式会社製のクラレポバール PVA 224、ケン
化率88% 2)大日本インキ化学工業株式会社製のベッカミンJ101 3)旭硝子株式会社製のアサヒガード AG925 4)大日本インキ化学工業株式会社製のキャタリスト376
〕 とした以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。
【0031】得られた布帛は、十分なハリ、コシを有
し、かつドライな触感を有していたが、その撥水度は50
点であり、洗濯5回風乾後には0点と、不良であった。
尚、その洗濯堅牢度は、変退4、汚染4-5 であった。
【0032】
【比較例3】実施例2と同じ布帛を使用した以外は、比
較例1と同じ操作を繰り返した。
【0033】得られた布帛の撥水度は 100点であり、洗
濯10回風乾後も80点と良好でかつ耐久性を有していた
が、ハリ、コシが少なく、極細繊維特有のヌメリのある
触感を有した。尚、その洗濯堅牢度は、変退4-5、汚染4
-5 であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法に従い、布帛に十分でかつ
耐久性ある撥水性、並びにハリ、コシ及びドライな触感
を与えることができる。また、本発明の方法において
は、高いキュアリング温度を必要としないため、堅牢度
の低い染料等を含む布帛に対しても適用することができ
る。従来の方法では、ハリ、コシと十分な撥水性とを兼
備する布帛を得るのが困難であったことに鑑み、本発明
の効果は顕著である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケン化率約96%以上のPVA、架橋剤、
    及びフッ素系撥水剤を含有する液状物を布帛に施与する
    ことを特徴とする、布帛の撥水仕上方法。
JP21924991A 1991-08-06 1991-08-06 布帛の撥水仕上方法 Pending JPH0544166A (ja)

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