JPH0543778B2 - - Google Patents

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JPH0543778B2
JPH0543778B2 JP63174180A JP17418088A JPH0543778B2 JP H0543778 B2 JPH0543778 B2 JP H0543778B2 JP 63174180 A JP63174180 A JP 63174180A JP 17418088 A JP17418088 A JP 17418088A JP H0543778 B2 JPH0543778 B2 JP H0543778B2
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temperature
plate
sec
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aluminum alloy
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Shinji Teruda
Kazuhiro Fukada
Takeshi Kajama
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Sky Aluminium Co Ltd
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Sky Aluminium Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 この発明は主としてアルミニウム食缶用材料と
して使用される絞り成形もしくは再絞り成形用の
アルミニウム合金硬質板およびその製造方法に関
し、より詳しくは塗装焼付け後の強度に優れ、し
かも絞り成形性、再絞り成形性に優れた成形用ア
ルミニウム合金硬質板およびその製造方法に関す
るものである。 従来の技術 絞り成形や再絞り成形を施して得られる食缶の
材料としては、最近ではスチールやブリキに代え
てアルミニウム合金を使用することが多くなつて
いる。アルミニウム合金は、食缶として使用した
場合に、無味無臭無害で内容物の味を損なわず、
また軽量となる等の利点を有している。 ところで従来の食缶等に使用される絞り成形も
しくは再絞り成形用のアルミニウム合金として
は、主としてAl−2.5%Mg基合金であるJIS5052
合金H38材が用いられている。 発明が解決しようとする問題点 従来の絞り成形用もしくは再絞り成形用のアル
ミニウム系材料であるJIS5052合金H38材は、ス
チールやブリキと比較すれば強度が充分ではな
く、そのため強度を補うべく肉厚を厚くする必要
があり、したがつて高コスト化を招いてしまう。
特に食缶の場合は一般に塗装焼付け処理を行なう
必要があり、前述の従来材では塗装焼付け後の強
度が低くなつて一層の厚肉化が必要となつている
のが現状である。そこでアルミニウム系の絞り成
形もしくは再絞り成形用の材料としては、塗装焼
付け後の強度が高く、しかも絞り成形性、再絞り
成形性の優れた材料の開発が強く望まれている。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、従来用いられていたJIS5052合金H38材よ
りも塗装焼付け後の強度が高くかつ絞り成形性、
再絞り成形性に優れた成形用アルミニウム合金硬
質板を提供することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 本発明者等は前述の目的を達成するべく鋭意実
験検討を重ねた結果、合金の成分組成を適切な範
囲内に調整するとともに、圧延板の状態において
比抵抗値を指標として表わされる合金元素の固溶
状態を適切に制御することにより、塗装焼付け後
の強度と絞り成形性、再絞り成形性とがともに優
れた成形用アルミニウム合金硬質板が得られるこ
とを見出し、この発明をなすに至つた。また合金
の製造過程において、鋳造時における冷却速度を
速めるとともに中間熱処理を急速昇温、急速冷却
とすることによつて、前述のような固溶状態を有
するアルミニウム合金硬質板が得られること、し
たがつて塗装焼付け後の強度と絞り成形性、再絞
り成形性とがともに優れた成形用アルミニウム合
金硬質板が得られることを見出し、この発明をな
すに至つた。 したがつて請求項1の発明の成形用アルミニウ
ム合金硬質板は、Mg0.1〜2.0%、Mn0.1〜2.5%、
Fe0.1〜2.5%を含有し、残部がAlおよび不可避的
不純物よりなり、しかも20℃における比抵抗値が
4.5μΩcm以上であることを特徴とするものであ
る。 また請求項2の発明の成形用アルミニウム合金
硬質板は、Mg0.1〜2.0%、Mn0.1〜2.5%、Fe0.1
〜2.5%を含有し、かつCu0.05〜1.0%、Zn0.1〜
1.0%の1種または2種を含有し、残部がAlおよ
び不可避的不純物よりなり、しかも20℃における
比抵抗値が4.5μΩcm以上であることを特徴とする
ものである。 さらに請求項3の発明の成形用アルミニウム合
金硬質板の製造方法は、Mg0.1〜2.0%、Mn0.1〜
2.5%、Fe0.1〜2.5%を含有し、残部がAlおよび
不可的避不純物よりなる合金を、50℃/sec以上
の冷却速度で連続鋳造して板厚3〜15mmの連続鋳
造板とし、次いで、その連続鋳造板に1次冷間圧
延を施した後、500〜620℃の範囲内の温度に10
℃/sec以上の加熱速度で昇温し直ちにもしくは
その温度で120sec以下の保持を行なつた後10℃/
sec以上の冷却速度で冷却する中間熱処理と、そ
れに続く2次冷間圧延とを1回または2回以上行
ない、最終の2次冷間圧延の圧延率を30%以上と
して、20℃での比抵抗値が4.5μΩcm以上の圧延硬
質板を得ることを特徴とするものである。 そしてまた請求項4の発明の成形用アルミニウ
ム合金硬質板の製造方法は、Mg0.1〜2.0%、
Mn0.1〜2.5%、Fe0.1〜2.5%を含有し、かつ
Cu0.05〜1.0%、Zn0.1〜1.0%の1種または2種を
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりな
る合金を、50℃/sec以上の冷却速度で連続鋳造
して板厚3〜15mmの連続鋳造板とし、次いでその
連続鋳造板に1次冷間圧延を施した後、500〜620
℃の範囲内の温度に10℃/sec以上の加熱速度で
昇温し直ちにもしくはその温度で120sec以下の保
持を行なつた後10℃/sec以上の冷却速度で冷却
する中間熱処理と、それに続く2次冷間圧延とを
1回または2回以上行ない、最終の2次冷間圧延
の圧延率を20%以上として、20℃での比抵抗値が
4.5μΩcm以上の圧延硬質板を得ることを特徴とす
るものである。 作 用 本願各発明の成形用アルミニウム合金硬質板に
おける合金元素は、主としてアルミニウム材料の
強度を高めるとともに、塗装焼付け時における軟
化を抑制するために添加されるものであり、まず
請求項1の発明の成形用アルミニウム合金硬質板
における成分限定理由を説明する。 Mg: Mgはアルミニウムマトリツクス中に固溶し、
加工硬化特性を向上させるに有効な添加元素であ
る。但し、この発明の方法の場合は鋳造時の冷却
速度を速めて、強制的に他の成分、特にFeを固
溶させているため、加工硬化に対しては相乗的に
それぞれの元素が効いてくるから、通常のDC鋳
造の場合のように4%も添加する必要はない。こ
こで、Mg添加量が0.1%未満では90%以上の冷間
圧延を行なつても塗装焼付け後に従来材である
5052合金H38材と同程度の強度も得られず、また
絞り成形、再絞り成形用材料として重要な方向性
も45°耳が極めて強くなるため好ましくない。一
方Mg添加量が2.0%を越えれば冷間圧延性が低下
して、冷間圧延中に耳割れが発生し易くなり、歩
留りが低下するとともに操業上も問題が生じ易く
なる。したがつてMg添加量は0.1〜2.0%の範囲
内とした。 Mn: Mnは強度向上に寄与するとともに塗装焼付け
時の強度低下を抑制するのに有効な元素である。
またこの発明で用途としている再絞り用成形材で
は、カツプリユーダースもしくはカゴメ模様と称
されている剪断模様が成形時に発生すれば、カツ
プ切れや塗膜剥離の原因となるから、このような
カツプリユーダースの発生は抑制しなければなら
ないが、Mnの添加はカツプリユーダースの抑制
にも有効である。但しMnの添加量が0.1%未満で
はこの効果が得られず、一方2.5%を越えれば冷
間圧延性が極端に低下するとともに鋳造性も極め
て悪くなるから、Mnの添加量は0.1〜2.5%の範
囲内とした。 Fe: FeはMnと同様に強制的に固溶させ、加工硬化
性と耐焼付け軟化性を向上させて、塗装焼付け後
の高強度を得るに極めて有効な元素である。なお
Feの添加は、Mnの固溶量を著しく減少させはす
るが、Mnの固溶量の減少は、逆に微細な析出物
が生じることを意味するから、加工硬化や焼付軟
化抑制についても有効である。Feの添加量が0.1
%未満ではその効果が得られず、一方2.5%を越
えてFeを添加すれば、析出物が粗大化してかえ
つて塗装焼付け時に軟化してしまうことがある。
したがつてFeの添加量は0.1〜2.5%の範囲内とし
た。なおFeの添加量はこの範囲内でも特に1.3〜
2.0%の範囲内が好ましい。 以上のように請求項1の発明の成形用アルミニ
ウム合金硬質板においては、必須合金成分として
Mg、Mn、Feを添加し、Mgの固溶による加工硬
化と、遷移元素であるFe、Mnの強制固溶による
加工硬化と塗装焼付け時の軟化抑制を図り、さら
に成形時のカツプリユーダース発生抑制や冷間圧
延性を考慮している。 さらに請求項2の発明の成形用アルミニウム合
金硬質板では、上述のMg、Mn、Feのほか、Cu
および/またはZnを添加して、Mg、Mn、Feに
よる前述の効果のほか、さらに塗装焼付け処理時
の時効硬化による塗装焼付け後の強度向上を図つ
ている。次に請求項2の発明の成形用アルミニウ
ム合金硬質板におけるCu、Znの添加量限定理由
を説明する。 Cu: Cuは前述のように塗装焼付け処理時において
時効硬化を図り、これによる塗装焼付け後の板の
強度向上を図るに有効である。この効果は、Al
−Cu−Mg系析出物の析出過程で生じる。この効
果を得るためには、少なくとも0.05%以上のCuの
添加が必要である。一方Cuを1.0以上添加した場
合、時効効果は容易に得られるものの、冷間圧延
中に加工硬化しやすくなり、加工性を損なう。し
たがつてCuを添加する場合のCu添加量は0.05〜
1.0%の範囲内とした。 Zn: ZnもMg、Cuとの相互作用によつて時効硬化が
期待できることは良く知られており、この発明に
おいてもZnの添加は塗装焼付け処理時における
時効硬化による塗装焼付け後の板の強度向上を図
つている。Znが0.1%未満ではその効果が得られ
ず、一方1.0%を越えてZnを添加すれば強度は向
上するものの、加工硬化性が強くなつて絞り成形
性、再絞り成形性が極端に損なわれる。したがつ
てZnを添加する場合のZn添加量は0.1〜1.0%の範
囲内とした。 以上の各成分の残部は、本願のいずれの発明に
おいてもAlおよび不可避的不純物とすれば良い。 なお通常のアルミニウム合金においては、鋳塊
の結晶粒微細化のためにTi、あるいはTiおよび
Bを微量添加することがあり、この発明の成形用
アルミニウム合金硬質板においても、微量のTi、
もしくはTiおよびBを含有していても良い。但
し、Tiを添加する場合、その添加量が0.01%未満
ではTi添加の効果が得られず、0.50%を越えれば
初晶TiAl3が晶出して成形性を害するから、Tiは
0.01〜0.50%の範囲内とすることが好ましい。ま
たTiとともにBを添加する場合、Bの添加量が
1ppm未満ではB添加の効果がなく、一方
1000ppmを越えれば、TiB2の粗大粒子が混入し
て成形性を害するから、Bは1ppm〜1000ppmの
範囲内とすることが好ましい。 さらに本願各発明の成形用アルミニウム合金硬
質板においては、前述のような各合金元素を含有
するほか、最終圧延板の状態において20℃(室
温)で測定した比抵抗値が4.5μΩcm以上でなけれ
ばならない。金属材料における比抵抗値は固溶量
に対応するが、本願各発明において固溶元素によ
る耐焼付け軟化特性および時効硬化性を有効に機
能させるためには、固溶量の指標となる比抵抗値
(於20℃)が4.5μΩcmである必要がある。20℃で
の比抵抗値が4.5μΩcm未満では塗装焼付け後に充
分な強度を得ることができない。 次に前述のような成形用アルミニウム合金硬質
板を製造する方法、すなわち請求項3、請求項4
の発明の方法ついて説明する。 先ず前述のような成分組成を有する合金の溶湯
を常法にしたがつて溶製し、薄板連続鋳造法(連
続鋳造圧延法)等の連続鋳造法によつて板厚3〜
15mmの板に連続鋳造し、コイル状に巻取る。この
連続鋳造時における冷却速度は50℃/sec以上の
速い冷却速度とする必要がある。本来、遷移金属
であるFe、Mnは、アルミニウムに対し固溶しに
くく、鋳造時の冷却速度が低い場合には大半が晶
出してしまうから、既に述べたようなFe、Mnの
強制固溶による効果を図るためには、50℃/sec
以上の冷却速度が必要となるのである。鋳造時の
冷却速度が50℃/sec未満では、固溶量が不足す
るため塗装焼付け後の板の充分な強度向上が図れ
ない。なおFeは、50℃/sec以上の冷却速度とし
てもある程度は晶出あるいは析出してしまう。し
かしながら、この発明の成分組成範囲内であれ
ば、50℃/sec以上の速い冷却速度では晶出物や
析出物は極めて微細なものとなり、強度やカツプ
リユーダース抑制の点からは有利に作用する。 上述のようにして得られた連続鋳造板は、引続
いて、1回または2回以上の中間熱処理(中間焼
鈍)を挟んで冷間圧延を行なう。すなわち、1次
冷間圧延によつて中間板厚とした後、中間熱処理
を行ない、さらに最終冷間圧延として2次冷間圧
延を行なつて製品板厚に仕上げるか、あるいは1
次冷間圧延の後、中間熱処理と2次冷間圧延とを
繰返し、最終の2次冷間圧延によつて製品板厚に
仕上げる。この過程における中間熱処理は、固溶
したCu、Zn、Mgによる時効効果や遷移金属Fe、
Mnによる耐焼付け軟化性の効果を損なうことな
く圧延性を改善し、かつまた方向性および絞り成
形性、再絞り成形性の改善を図ることを目的とす
るものである。この中間熱処理においては、加熱
中(昇温中)および冷却中に析出が生じないよう
に、加熱速度および冷却速度はいずれも10℃/
sec以上が必要であり、また完全に再結晶した均
一な組織を得るためには500℃以上の到達温度が
必要となるが、620℃を越えれば共晶溶融が発生
して操業中に板切れを発生する危険があるから、
到達温度は500〜620℃の範囲内とした。この500
〜620℃の範囲内の温度での保持は極力短かい方
が析出が少ないので好ましいが、120sec以下であ
れば許容される。このような10℃/sec以上の急
速加熱、急速冷却でしかも保持なしもしくは
120sec以下の短時間保持の中間熱処理は、連続焼
鈍炉を用いることによつて達成できる。 最終の冷間圧延(製品板厚に仕上げるための最
終の2次冷間圧延)における圧延率は、Cuおよ
び/またはZnを実質的に含有していない請求項
1の発明の成分組成の合金では30%以上、Cuお
よび/またはZnを含有する請求項2の発明の成
分組成の合金では20%以上とする必要がある。最
終の冷間圧延圧延率がそれぞれ上記の値未満で
は、従来材であるJIS5052合金H38材よりも高い
塗装焼付け後の強度を得ることができない。なお
最終の冷間圧延における圧延率は、方向性の制御
の点からは極力小さいことが好ましいが、Cuお
よび/またはZnを実質的に含有しない場合、お
よびCuおよび/またはZnを含有する場合のいず
れにおいても、50%以下の圧延率で充分に従来材
より高い塗装焼付け後強度を得ることができる。 なお、中間熱処理の回数は、圧延性を考慮して
最少限の回数とすれば良いが、方向性の点から少
なくとも2回以上行なうことが好ましく、このよ
うにすることによつて耳の発生のないいわゆるノ
ンイヤー材を得ることができる。 以上のような工程を経て得られた成形用アルミ
ニウム合金硬質板は、主として食缶に使用される
絞り成形用、再絞り成形用の材料としての必要条
件である塗装焼付け後の強度が従来材である
JIS5052合金H38材より優れ、しかもカツプリユ
ーダースの発生もなく、絞り成形性、再絞り成形
性に優れ、従来よりも食缶等の薄肉化、軽量化を
図り得る成形用素材となる。 実施例 実施例 1 第1表に示すような本願の請求項1の発明の規
定している成分組成範囲内の符号A〜Dの合金
と、従来合金であるJIS5052合金の成分組成の符
号Eの合金とについて、第2表に示すようなプロ
セスを適用して、最終板厚0.22mmの圧延板を得
た。ここで、第2表において合金A,Cに対する
プロセス条件は本願の請求項3の発明のプロセス
条件範囲内、合金B,D,Eに対するプロセス条
件はそのプロセス条件範囲外である。このように
して得られた各圧延板について、その比抵抗値、
塗装焼付け処理(ベーキング)に相当する270℃
×20secの加熱処理を施した後の機械的性質、お
よびカツプリユーダース発生状況を含めた再絞り
成形性を調べた結果を第3表に示す。
【表】
【表】
【表】 *:◎…非常に良好 ○…良好 △…やや劣る ×…
劣る
第3表に示すように、この発明のプロセス条件
に従つて製造して、比抵抗値が4.5μΩcm以上とな
つた成形用アルミニウム合金硬質板(合金符号
A,C:本発明例)では、従来例(5052合金)も
しくは比較例による圧延板と比較して、塗装焼付
け処理後の強度は格段に優れ、しかもカツプリユ
ーダース発生状況を含めた再絞り成形性にも優れ
た素材であることが明らかである。 実施例 2 第4表に示すような本願発明の請求項2の発明
で規定している成分組成範囲内の符号F〜Iの合
金と、従来合金であるJIS5052合金の成分組成の
符号Eの合金とについて、第5表に示すようなプ
ロセスを適用して、最終板厚0.22mmの圧延板を得
た。ここで、第5表における合金F,Hに対する
プロセス条件は本願の請求項4の発明のプロセス
条件範囲内、合金G,I,Eに対するプロセス条
件はそのプロセス条件範囲外である。このように
して得られた各圧延板について、その比抵抗値、
塗装焼付け処理(ベーキング)に相当する270℃
×20secの加熱処理後の機械的性質、およびカツ
プリユーダースの発生状況を含めた再絞り成形性
を調べた結果を第6表に示す。
【表】
【表】 *3:第2表の*1と同じ
*4:第2表の*2と同じ
【表】 *:◎…非常に良好 ○…良好 △…やや劣る ×…
劣る
第6表に示すように、この発明のプロセス条件
に従つて製造して、比抵抗値が4.5μΩcm以上とな
つた成形用アルミニウム合金硬質板(合金符号
F,H:本発明例)では、従来例(5052合金)も
しくは比較例による圧延板と比較して、塗装焼付
け処理後の強度が格段に優れ、しかもカツプリユ
ーダース発生状況も含めた再絞り成形性が格段に
優れていることが明らかである。 発明の効果 この発明の成形用アルミニウム合金硬質板は、
従来材よりも強度、特に塗装焼付け後の強度に優
れ、しかも絞り成形性、再絞り成形性も優れてお
り、したがつて食缶等に適用した場合の薄肉化を
図ることができる。またこの発明の製造方法によ
れば、上述のように優れた特性を有する成形用ア
ルミニウム合金硬質板を実際的に得ることができ
る。 なおこの発明の成形用アルミニウム合金硬質板
は食缶等の缶の絞り成形、再絞り成形胴材に適し
ているが、強度、成形性に優れているところから
食缶等の蓋としても使用することができ、この場
合には缶胴、缶蓋を同一材料で一体化した缶が製
造できるため、リサイクル効率の点から極めて有
利となる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Mg0.1〜2.0%(重量%、以下同じ)、Mn0.1
    〜2.5%、Fe0.1〜2.5%を含有し、残部がAlおよ
    び不可避的不純物よりなり、しかも20℃における
    比抵抗値が4.5μΩcm以上であることを特徴とする
    成形用アルミニウム合金硬質板。 2 Mg0.1〜2.0%、Mn0.1〜2.5%、Fe0.1〜2.5%
    を含有し、かつCu0.05〜1.0%、Zn0.1〜1.0%の1
    種または2種を含有し、残部がAlおよび不可避
    的不純物よりなり、しかも20℃における比抵抗値
    が4.5μΩcm以上であることを特徴とする成形用ア
    ルミニウム合金硬質板。 3 Mg0.1〜2.0%、Mn0.1〜2.5%、Fe0.1〜2.5%
    を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物より
    なる合金を、50℃/sec以上の冷却速度で連続鋳
    造して板厚3〜15mmの連続鋳造板とし、次いで、
    その連続鋳造板に1次冷間圧延を施した後、500
    〜620℃の範囲内の温度に10℃/sec以上の加熱速
    度で昇温し直ちにもしくはその温度で120sec以下
    の保持を行なつた後10℃/sec以上の冷却速度で
    冷却する中間熱処理と、それに続く2次冷間圧延
    とを1回または2回以上行ない、最終の2次冷間
    圧延の圧延率を30%以上として、20℃での比抵抗
    値が4.5μΩcm以上の圧延硬質板を得ることを特徴
    とする成形用アルミニウム合金硬質板の製造方
    法。 4 Mg0.1〜2.0%、Mn0.1〜2.5%、Fe0.1〜2.5%
    を含有し、かつCu0.05〜1.0%、Zn0.1〜1.0%の1
    種または2種を含有し、残部がAlおよび不可避
    的不純物よりなる合金を、50℃/sec以上の冷却
    速度で連続鋳造して板厚3〜15mmの連続鋳造板と
    し、次いでその連続鋳造板に1次冷間圧延を施し
    た後、500〜620℃の範囲内の温度に10℃/sec以
    上の加熱速度で昇温し直ちにもしくはその温度で
    120sec以下の保持を行なつた後10℃/sec以上の
    冷却速度で冷却する中間熱処理と、それに続く2
    次冷間圧延とを1回または2回以上行ない、最終
    の2次冷間圧延の圧延率を20%以上として、20℃
    での比抵抗値が4.5μΩcm以上の圧延硬質板を得る
    ことを特徴とする成形用アルミニウム合金硬質板
    の製造方法。
JP17418088A 1988-07-13 1988-07-13 成形用アルミニウム合金硬質板およびその製造方法 Granted JPH0225539A (ja)

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